WTクランによる帝国を勝利に導く物語~核抑止とは?~(本編完結) 作:紅茶
帝国は負けた。
合州国の本格参戦、数の暴力により戦線が押され、近衛第2師団は戦線を抑えるために投入され物量に押されて全滅。
ドイツ海軍が誇るグラーフツェッペリン3隻は空母24隻に叩かれ沈没した。
その際にナスターシャも戦死した。
帝国は断固抵抗を決定、押されながらも彼我の戦力を削っていた。
だが、それでも圧倒的な合州国の数により押されていた。
「我が国はまだやれます!」
「陛下はこれ以上の戦争を望んでおられない」
「黙れ黙れ!我らはまだ戦える!」
とある将官が会議で喚き散らしている。その光景を目を顰めてみたのはエリザベートの代わりに出ていたカタリナであった。
「静粛に「カタリナ殿下はどう思われますか⁉」へ…?」
「私は…」
「報告します、カリン近衛中将が戦死されました。」
「何ですって!?」
カタリナは驚愕した。
少なくともあの人物を殺せるビジョンが見えなかったわけである。
少なくとも、接近戦にたけていてそして魔導士としても優秀。そんな彼女が死んだというのだ。
怒号が飛び交う会議、既に皇族であるカタリナには止めることができなかった。
カタリナは4時間かけて紛糾した会議を持ちなおさせて強制的に終了させたカタリナは諜報局へと帰った。
諜報局では夫のルドルフ君が局長補佐としての仕事をしていた。
局長の席に座り、気持ちを切り替えて仕事をするとある一本の電話が飛んでくる。
「はい、こちら…「諜報局ですか⁉」そ、そうですが…」
「帝国空軍作戦室の物です!なぜかわが軍の戦闘機がそちらに向かっています!」
「…ばかやろう、それは敵の攻撃だ!」
そう叫んだ後に諜報局に最大爆装された詳細不明な戦闘機が帝国諜報局建物に直撃した。
カタリナちゃんはとっさにルドルフを庇った。
「おまえ…大丈夫か!?」
「うん…無理…死にそう…」
そういうと吐血して意識を失った。
ルドルフは頑張って病院に連れて行ったが、カタリナはもれなく死亡してしまった。
ルドルフ君は悲しみに暮れてしまった。
帝国諜報局が機能不全に陥り帝国の防諜はまさにザルとなってしまった。
帝国陸軍は前線を3年持たせたがじりじりと押されていき、ついには帝国空軍が制空権を取る事すら不可能に陥った。
その時には既に首都攻防戦にまで行った。
『白銀』のターニャ・デグレチャフ、『魔王』ルーデルの柏葉剣付ダイヤモンド鉄十字章を受章した人物を召喚し、それを果たしたがルーシー群と合衆国軍が流入。
抑えきれず『白銀』のターニャ・デグレチャフ、『魔王』ルーデルは合州国軍側に投降し亡命したのだった。
エリザベートは前線でぶんぶんしていたところを撃ち落され合州国軍の虜囚となったものの、
「敵の虜囚となるのは私自身が許さん!」
と言い放ち傍にいたアメリカ軍のM1911ガバメントを奪って自決した。
さて、最後に転生組の残り二人の話をしよう。
マルレーネ・フォン・シュトリーゾフ
合州国軍の捕虜となった後に帝国改め連邦軍の再軍備に尽力した。
最終階級は連邦空軍大将。転生組の中で最もましな死に方をした人物で、死因は心筋梗塞で79歳だった
レナ・フォン・フート
合州国へ亡命した後に合州国空軍の技術協力をし、民間にも力を入れた。
ボーイング社に手を入れ、大企業へと成長させた。
合州国において、航空技術を10年早めた人物として一躍有名となり、航空業界で知らないものは居ないとされていた。
彼女が43歳でF4ファントムを送り出し58歳でF-15を送り出していった。
そんな彼女だが、73歳時に祖国の地を踏み歩いていた時
『この逆賊め!』
と言いながら突っ込んできた暴漢に刺され死亡した。
もとは航空魔導士であった彼女だが、70歳ともなると体が効かずに、あっさりと刺されて死んでいった。
享年73