WTクランによる帝国を勝利に導く物語~核抑止とは?~(本編完結)   作:紅茶

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右となりに座っていた人がインフルエンザになって、自身に移ってないか戦々恐々な作者です。


技術問題

 エリザベートの婚約の騒動より1週間たったある日。つまりは年が変わり統一歴1903年1月の事。

 

 帝国陸軍の射撃場において、連発(・・)した破裂音が響く。

 

「「おおッ…!!!」」

 

 

 複数人の感嘆のどよめきが上がる。そこには空軍の佐官クラスの制服を着た女性と陸軍の将官,佐官クラスの制服をきた人物が複数人。そして高貴そうな美人というにはおこがましいほど綺麗な麗人が一人いた。

 レナ大尉と陸軍の武器課のトップとその副官、そしてレナ大尉に設計させたエリザベートであった。

 

「いい仕事をするじゃないか、レナ大尉」

 

「ありがとうございます。しかし問題点がありますが…」

 

「少し待ってほしい。この小銃に問題なんてあるのかね?」

 

「残念ながら…」

 

「このようなスペックで、しかもそれを額面だけでなく現実で実現するのはこの目で見ても信じられないものがあるのだが…」

 

 そう、額面通り。それは実現するのは簡単ではないからだ。想像するのは簡単だけれども実現するのは簡単ではないのだ。いわゆる、「理論値と実測値は違う」ということだ。

 

 理論値を実測値に近づけるにはさまざまな条件を追加する必要がある。

 

 例えば材質。材質によって摩擦の与えられる係数が違い、それによって摩擦の値が微小ながらも変化する。

 使う金属の種類はあまり別のものにしてはならない。金属の種類が違うと電流が流れ経年劣化が激しくなりやすい。(気になった方は電蝕で検索!!!)

 

 例えば使用する状況。例えばの話だが、潤滑油を入れる前提のものを入れずに使うと想定より摩擦の量が増え、工業製品が破損する可能性がある。

 

 まぁ例を挙げるとキリがないが。

 

 

 

 

射撃試験を行った銃は12月24日には試作を完了していたG3であった。それは射撃試験で期待通りの性能を示した。

 

期待通りとは…

 

毎分600発で7.62㎜×51㎜弾を銃口初速790m/sで発射し、かつ有効射程は500mという代物である。

 

 

 

 

 

 が、この統一歴1900年代初頭にG3のようなスペックの小銃は存在していない。

 

 いや、それどころかオーバースペックといっても過言ではない銃だ。何せ、小銃はボルトアクションの銃しかないのだから。

 一番最初にこの銃と最初に並べると思われる銃はルーシー社会主義連邦が1933年に開発したAK47を待つ必要があった。

 

 

 

 

「だが…この良い性能の銃を採用しないのはもったいない。すぐ正式採用したいのだが…」

 

「一つよろしいでしょうか。」

 

「ん?何だねレナ空軍大尉。」

 

「我が帝国にはこの銃を量産できる技術力がないのです。」

 

「な…それは本当かね?」

 

 なぜかいつの間にかエリザベートがG3をもっていじくりまわしているのを見ながらレナ大尉が言う。

 

「ええ。この試作は本邦が誇る優秀な銃技師が2週間をかけて1丁作り上げたものです。しかも一丁が…」

 

 レナ大尉が言った一丁当たりの金額にほぼ全員が驚く。

 

「な…」

 

 いや、銃一丁の値段が大きすぎて言葉が出ないようだった。

 しばらく痛い空気が広がり誰も言葉を発しない。

 聞こえるのは風が吹く音しか聞こえない。

 

 

しばらくすると。

 

「レナ大尉。」

 

「何でしょうか殿下。」

 

エリザベートが急に話かけた。

 

「それは試作段階の話だろう?量産すれば安くなるだろ(米帝プレイ)?」

 

「しかし現在銃職人の作業で作るしかなく…」

 

「何、私が何とかする。まぁ今来年度までには量産化させるぞ。」

 

「は?はぁ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 1903年、帝室のナンバー2ともいえるエリザベートはある会社を立ち上げる。

 

 軍需会社 エリザベート・アンド・クルップ

 略称   E&K

 

 である。

 

 といってもほとんどは帝室の次期皇帝がバックについた会社ともいう。

 

 

 その会社は当初はマザーマシンと銃器製造しかしなかったが次第に航空機の製造、内燃機関の製造、医薬品の開発生産、銃火砲の製造など多岐にわたるようになっていった。

 

 マザーマシンとは工業製品(現代で言えばスマホやパソコンなどの家電製品やデジタル機器などを指す)を制作する上で必要になる、材料を必要な寸法、形状で精度よく加工する機械の事。

 

 そのマザーマシンをできるだけ大量に、そして品質を高い水準(というかトップレベル)のものを生産し、そのマザーマシンを使用し1903年に帝国陸、海、空軍で採用されたG3を大量生産により単価を安くすることに成功。

 さらにそのまま航空機用のエンジンから自動車のエンジンまでを作り始める。航空機用はレナ大尉が設計したエンジンを参考にした民間用と、デフォルトの軍需用を量産。

 

 

 そして民間用であってもそれなりに優れたエンジンであったため、帝国内のエンジン関係会社にそれぞれライセンス生産が開始された。

 そしてそれをもとに各会社は独自の持ち味を出したエンジンを開発し、市場に投入していく。

 どれも大体同じような性能なのだが、トルク特性,エンジン音,振動の波長。それぞれが各会社のエンジンの好みによって分かれていくため、どこかの会社のエンジンが独占という話にはならなかった。

 とはいえ元はオーバースペックな最新の技術を使用した戦闘機用エンジン。輸出には規制がかかり、目下5年は海外に関連技術や製品を輸出してはならないという政令が成される。

また、同時期には帝国工業規格(IIS)を帝国政府主導で制定。量産性と整備性を確保した。

 

 

 

 戦闘機の機体は10年・・・20年以上活躍できるよう設計されているが何せエンジンは工業力がよく現れる工業製品。流石のレナ大尉もエンジン設計には6~7年を先取りした設計を余儀なくされる。が輸出では5年の制約がかかるために輸出するころには帝国以外の列強諸国は1~2年頑張れば追いつける代物。よって帝国の製品が入ってきた時は少し飲まれかけたが新製品を出すとある程度は挽回でき、島国の連合王国,大陸の巨大国家合州国などは適度に経済が刺激され経済活動が活発になり、帝国はよき競争相手として列強経済界では見られるようになる。

 

 ただし!

 一般人は競争相手は消すべきだろうと考えるだろうがそう経済は簡単な話ではない。よく考えるとわかる話だが競争相手がいなくなると経済活動が非活発的になる。

 

 たとえると今の日本がそうである。

 日本の市場は限られた少数の企業がほぼ寡占状態に近い状態である。日本経済がいまだ低迷しているのもその一因ではないのかと、経済学をほんの少々かじっただけの学生の意見である。

 

話を元に戻そう。

 

 

 

 

 

 帝国の周りはほぼ敵国に準じた国家だらけ。よってカタリナが設置した諜報部隊は国内外で情報漏洩せぬよう諜報活動をしていく。またカタリナは諜報活動を経て優秀なエージェントを育てていったのだった。




経済学というのは複雑で先が予測できないという学問ですが過去から分析するということができます。

まぁ日本経済の下りは私の意見ですが、皆さんも考え、そしてどのようにわたしたちが行動すべきか考えたらどうでしょうか?
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