機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ パニッシュメント 作:枝豆人
ギリギリセーフですかね、これ。
とりあえずお茶濁しです。もっと書ければよかったのですが変に長くてもアレなので。
幕間にしては説明っぽいような、よく分からないスタンスの2.5話です。どぞ。
よいお年を!
ガルべリア・コロニーは火星と地球間の輸送において非常に重要な役割を果たしている。両星のほとんど中間にあるこのコロニーは大型の港湾拠点が揃っている為に物資の中継港としてよく栄えていた。
その歴史を遡れば厄災戦以前にまで至るとされる古いコロニーだが、円筒状の基部の運動を阻害しないように建築物が増築され続けるおかげで今も栄華を保っている。
その重要性は四大経済圏も熟知しているようで、かつてはこのコロニーを巡った抗争が何度も起こったらしい。それを制したギャラルホルンはこのコロニーを四面に分割。それぞれに領土を与える形でこのコロニーを持たせた。
四つの港、四つの都市。経済圏ごとの融和も嫌悪も反映しながら成長し続ける歪なコロニーが、俺達の次の住処になる。
そう言うと隣で雑誌を捲るベルグが後ろのエルマに目をやった。
「とりあえずあっちに着いたら叔父さんが紹介してくれた業者の所に行ってみよう、借りる予定の家も近いから終わったら新居訪問だ」
「あー、聞こえたか、ケマル」
ランチから外を覗けば、ケマルの乗るオリアスが並行するように飛んでいる。結局脚部は動かなかったので、アリコーンを担ぎながら飛んで貰っている。
「聞こえました、はい…ただその企業って本当に大丈夫ですか」
聞きづらかった質問をケマルがぶつけてくれたので助かった。いくらなんでもベルグにこれを聞くのは避けたい。
ベルグがシートの隙間からパンフレットを取り出しながら言う。
「傭兵企業だろう、まあ叔父さんも叔父さんだからあんまり酷い所には突き出さないと思うけどね」
それをこちらに突き出す。どうやらインカム越しにケマルに伝えろ、という事らしい。
「えーと、当社はSAU直属の傭兵業を行う会社です。主に戦地への派遣を行っておりますが、近年は直接戦闘に限らず支援や指揮などの業務も承っております。当社の起源はPD.114年に当時のSAUの首相補佐官であった―――」
「誰が説明文をそのまま読めと言ったんだ、掻い摘め」
「難しいんだよ、そういうの得意だろ」
「じゃ、インカム貸してくれ」
投げやりな形で放り出したそれをベルグはいとも容易くやってのけた。
SAUと関わりの深い傭兵派遣会社、というならそこまで怪しまなくても済みそうだが、戦闘はあまり得意ではない。
実際、数日前の戦闘でも体当たりくらいしか出来ていなかった。
それを見定めたのか、ベルグがケマルに言った。
「傭兵、とは書いてあるが戦うだけじゃないぞ。人員派遣も兼ねているらしいから最近はジャンク屋も多く入ってきているらしい」
「結局やることは変わらないと」そう呟く。
「レーナンの言ったとおりだ。希望さえ通ればまあ危ない目には合わないだろうな」
するとオリアスの首がこちらを向く。
「別に僕は戦闘で食って行けるならそれでもいいですよ」
「…まああまり危険な目に遇わなきゃいいけれども」
ベルグは少し躊躇したようだった。
ケマルだってエルマとそう年は変わらない。それでも彼がそう言う自信があるのはひとえにガンダムがあってこそだ。
ケマルはあくまで補充兵でしかなかったのでガンダムに乗ったのはあの時が初めてだったという。
それでもあれほどの動きを実現できたのは阿頼耶識とガンダムの力が大きい。
心配する以上に簡単にはくたばらないだろう、というほとんど確信に近い、強力な力をケマルは抱えながら話しているのだ。
それは判断に困っても非難できない。
答えは出ないまま、ガルべリア・コロニーの誘導路にランチは乗った。