「オオモト様! わたし燐とオオモト様に知り合えて本当に良かったです。 こんなに素敵な出会いが待っているなんて思いませんでした!」
蛍はやや興奮気味に喋っていた。
この満たされた幸福感を、なんとか燐とオオモト様に伝えておきたかったのだ。
「ふふっ、わたしもよ、あなた達二人を見てると全く退屈しないわ。燐も蛍もとても可愛らしい、このまま二人を箱の中に閉じ込めておきたいぐらいよ」
オオモト様はフォークでソーセージを突き刺しながらも、柔和な瞳を蛍に向けていた。
そのままもぐもぐとウサギの様にソーセージを平らげる様子は荘厳な容姿とのギャップがとても大きく、何故か少女の様に見えた。
「お待たせー、スープできたよ。はい、蛍ちゃんの分、いっぱい食べてね」
燐がお鍋を抱えてテーブルまで持ってきてくれた。レードルで掬うと、蛍の器になみなみとスープを注いだ。香しい薫りが立ち上って食欲を刺激する。
燐はまだ恥ずかしいのか、蛍と目線を合わせることが出来なかった。
そんな燐の顔を下から覗きこんで、微笑む蛍。屈託のない瞳を一心に向けている。
「そうだ、燐、錬金術でまた作ってみて欲しいな。すごく綺麗だったからもう一度見てみたいなって。折角だしオオモト様にも見てもらおうよ」
「ええ~! あれは失敗作だよ~」
蛍はあの錬金術のマッチの事を言っているのだろう。
その事を急に言われて動揺したのか、蛍と目線を合わせてしまっていた。
あどけない微笑みを返す蛍、燐も照れたように頬を染めながら、今できる精いっぱいの微笑みを返した。
「あら、燐。また変なものを作ったのね」
オオモト様の口調から、燐は日ごろから色々なものを作っているのが想像できる。
実際燐は、レシピを片っ端から試してみては、とりあえず作ってみるの繰り返しをして研鑽してきたのだ。
そのせいで工房の中には燐が作ったもので溢れている。
中には用途不明のガラクタもあったりして整理が追い付いていなかった。
「変じゃないですよ。すごく大きくて……凄かったんです! ちょっと音が大きくてビックリしちゃうけど……見たらきっと感動すると思います!」
蛍は燐に代わってあの時の、冬の夜空に大輪を咲かせた火の花を褒め称えた。
燐は失敗作と言っていたけど蛍には、あれこそがあの道具の本当の役割だと思っていた。
蛍の言葉を受けて、オオモト様は少し驚いた様子を見せた。
考え込むように瞼を閉じ、眉を寄せてしばし無言となるオオモト様。
そして理解できたように瞳を開くと、神妙な声色で燐と蛍に話しかけた。
「……あなた達……そういう道具を使うのはまだ早いわ。ちゃんと生身で愛しあってこそ、真の愛は育まれるのよ。道具を頼ってみるのはそれからでも遅くないわ」
オオモト様は何か別の物と取り違えているようだった。
その奇妙な違和感に、燐と蛍は思わず顔を見合わせて小声で話し込んだ。
「……燐、オオモト様、何のことを言ってるんだろう?」
「……全然、分かんないよ……っていうか分かっちゃいけない気がする……」
何となくだけど如何わしいことではないかと燐は察知した。
だからこれ以上詮索する事は危険な香りがした。
「いい機会だし、淑女の嗜みとして
オオモト様は既にワインを空にしていた、少々ペースが速い気がする。
燐は所詮酔っ払いの戯言かと決めつけてこの件は、ほおっておくことにした。
「蛍ちゃん、料理冷めちゃうから食べちゃおう」
「うん、そうだね……あっ! やっぱり燐の作るスープって美味しいね。わたしすごく好きだよ」
「ありがとう。わたしも、蛍ちゃんが美味しそうに食べてるのを見るの好きだなー。ほら、こっちのケーキも美味しいよ、食べてみて」
燐と蛍はテーブルを挟んで幸せそうに微笑んで食事を楽しんだ。
二人の笑顔は食卓に鮮やかな色どりを添えて、まるで天界の宴の様を思わせるほどだった。
「ふふっ、今日の最高の料理は燐と蛍ね。二人の
オオモト様は、ほおっておかれたことを気にしていないようで、燐と蛍のいちゃつきっぷりを肴に、ワインを新しく開けていた。
グラスに注がれるワインの芳醇な香りが殺風景な工房に広がって、パーティーの始まりを告げていた。
その部屋には、サンタの格好をした二人の少女と、長い髪の美しい女性がいた。
森の奥の秘密の小屋で開かれている小さなクリスマスパーティーは、絢爛豪華なものとは程遠い、ささやかなパーティーだった。
それでも三人は十分満足しているように見えた。
それぞれが楽しく自由で素敵な一夜を満喫している。
一夜限りの幸せかもしれない。
それでも今ここいるだけでお互いの愛を共有できている。
それだけは確かなことだった。
その饗宴は梟さえも寝てしまいそうな未明まで、誰一人飽きることなく続いていったのだった……。
──
─────
「燐、どう?」
燐と蛍は、木々の騒めきさえも寝静まっている暗い夜の森に出ていた。
先ほどまで降り続いていた雪は、今やすっかり止んでいて、青い月と瞬く星達が顔を覗かせている。
真っ暗な森の中で静寂と、か細い水音だけが辺りを包んでいた。
さすがに寒いのか、蛍は震え声となっていた。
オオモト様は既にベッドの上で穏やかな寝息を立てている。
……そこまで二人で運んだのは割と一苦労ではあったのだが。
「うん……これなら、何とか入れそうだよ」
燐が雪を何度も入れて温度を調節していた。
白い雪が湯気の立つ水の中で溶けて、淡く透明な液体と混ざり合って無くなってゆく。
燐は何も身に着けていなかった。
寒空の下、身震いしながらも、裸の姿で外にいたのだ。
それは蛍も同様で、二つに結わいている髪の毛を解いて美しい長髪を星降る夜空に晒していた。
誰も居ない夜の森でも恥じらいがあるようで、手で体を覆う様にして秘所を隠している。
二人は生まれたままの姿で、寒さに震えながら、周りを雪に囲まれた湯気が立ち込める泉へと足を入れようとしていた。
「本当? それじゃ、お、お邪魔します……あ、熱っ!」
蛍は湯気の立つ透き通った泉に恐る恐る爪先を浸してみる……が、まだ温度が下がっていなかったのか、予想以上の熱さにこれ以上は入れそうになかった。
「大丈夫蛍ちゃん? この辺からなら……まだちょっとまし、かな? ここなら何とか大丈夫そうだよ。こっちから入ってみて」
燐は蛍の両手を引いて、自分が入っている場所へと湯船から誘導した。
また熱い思いをするのではないかと蛍は気が気でなかったのだが、極寒に近い気温で裸でいるよりはマシと、意を決してまた泉に足を浸してみた。
「……んっ、あ、ほんと、だね。まだ少し熱いけど、これぐらいなら大丈夫みたい」
何とか熱い泉の中に下半身を沈めることが出来た。
冷え切った体に暖かさが馴染んできて、蛍は肩まで浸かることができた、これでようやく落ちつくことができたみたいだ。
「それなら良かった……うーん、芯まで温まるね~」
蛍の落ち着いた様子に燐は安堵のため息をついた。
このまま入らずに工房に逃げ帰られてしまうのではないかと思っていたのだ。
「うん……それにしても凄いよね錬金術って、こういった温泉も作れちゃうなんて」
燐と蛍は工房の裏手にある露天風呂にきていた。
周りは一面の銀世界だったが、温泉の地熱は冷めきっておらず、普段は高温で水で温度調整をしないと入れないのだが、この時期はその辺の雪で代用出来るので手間が少なかった。
「ふっふっふ~、蛍ちゃん、これはただの温泉じゃなくて”
「へぇ……」
突然燐が、仰々しい名前で解説してきたので、蛍はてっきり燐が作ったとばかり思っていたのだが、どうやらオオモト様が作ったものに勝手にストーリーをつけて呼んでいるだけのようだった。
蛍は何とも返事をし難く、苦笑することしか出来なかった。
「でも全然使われてなかったんだよねー。勿体無かったから、何とか使えるように改良してみたんだ~。あ、名前はその時、わたしがつけたんだよ~。格好いいでしょ?」
湯船の中でガッツポーズを取ってみせる燐。
燐が今まで見せてくれた錬金術の中でも、これが一番の自信作のようだ。
あのネーミングセンスにも割と自信があるようだった……。
「ホント燐は凄いね。何でも出来るんじゃない?」
「そうでもないよ。出来ないことなんて、いーっぱいあるし、逆にやっちゃいけないことだってあると思う。だから、錬金術は基本、秘密なんだろうね……」
燐は温泉水を両手で掬って話し続ける。
普通の水とは違う、とろとろとした温泉水は燐の掌の中で、真上の月をゆらゆらと映していた。
「……蛍ちゃん。ごめんだけど、この工房の事は秘密にしてもらえるかな? ここでの事が知られちゃうとオオモト様も、わたしも、色々困ることになっちゃうし……」
「うん……分かってるよ。燐やオオモト様の事は絶対誰にも言わない。約束するよ」
秘密を共有することで、蛍はやっと燐の友達になれたんだと実感出来することが出来た。
それにこんな素敵な秘密、誰にだって教える気なんてない、この場所は既に、蛍にとっても特別な意味を持つ場所となっていたのだ。
(燐とオオモト様の秘密にわたしが加わってもいいんだ……なんか正式に仲間と認められたみたいで、すごく嬉しい……)
「蛍ちゃんどうしたの?」
「あ、ううん、何でもないよ。その、温泉、すごく気持ちいいなって」
蛍は慌てて意識を戻して、ぎこちない笑顔を燐に向ける。
その様子に燐は首を傾げるが、特に気にはしなかった。
「そういえば、この温泉って飲んでも平気なんだよ。むしろ飲泉は健康に良いぐらい」
「え、そうなんだ?」
こうやって入ることすら、まだ躊躇してしまうのに、これを飲用するなんて……燐が言うのなら間違いないとは思うのだが、蛍にはまだちょっと見当がつかなかった。
「うん。温泉ってね、入ってよし、飲んでよし、料理に使ってよし、と良い事づくめなんだよ。ほんと、自然の力って凄いよね」
「うん……そう、だね」
錬金術という特異な力を持っている燐が自然の力を絶賛することに少し違和感があったが、燐が楽しそうに語るので、つられて微笑んでいた。
「あ、ごめんね蛍ちゃん、結構ウザいでしょわたし。なんか、蛍ちゃんと一緒にいると色んなこと喋りたくなっちゃうんだ……蛍ちゃんにもっと自分を知ってもらいたいのかもね」
「ううん、そんなことないよ。燐の話ってすごく面白いし、いつまでも聞いていられるよ。それよりわたしこそごめんね、話す話題が少ないから、わたしといると退屈しちゃってるんでしょ?」
「全然そんな事ないよ。蛍ちゃんと一緒の時間ってすごく大切な事の様に思えるんだ。なんか、幸せ、感じちゃうんだよね。やっぱり好き、なのかもね……」
「燐……」
燐と蛍は裸のままで見つめ合っていた。
湯船で頬は上気していて、寒暖差の為か、体からは白い湯気が立ち上っていて少女の裸体を薄いヴェールが覆っている様に思わせた。
「……綺麗、だね」
「うん、空気が澄んでるからかな。月も星もはっきりと綺麗に見えるよね」
蛍は雪の大地にぽっかりと浮かんでいる真円の月を、湯船から身を乗り出して仰ぎ見た。
今にも落ちてきそうなほどな青い月と、宝石の様な星々が黒い夜空を瞬かせていた。
「そうじゃなくて、蛍ちゃん、すごく綺麗だよ。まるで女神さまみたい」
「え? 燐……変な事、言わないでよ、恥ずかしいから……」
燐の視線を受けて蛍は思わず手で隠してしまう。
その恥じらいの表情も月に映えて、より美しく蛍の豊満な肢体を浮かび上がらせた。
「あはは、ごめんね、だって本当に綺麗なんだもん。わたし好きになっちゃいそう」
燐は思ったままの感想を蛍に告白をしていた。
その忌憚のない燐の瞳の奥を見た蛍は、真っ直ぐに見つめ返した。
「わたしは自分の体、本当はあまり好きじゃないんだけど、燐が好きって言ってくれるなら……すごく嬉しいな。でも燐だってすごく可愛いよ、わたし好きだよ」
「くすっ、蛍ちゃん、なんか生々しいなあ。でもちょっと照れちゃうよ」
二人はお互いの体をまざまざと見つめ合っていた。
恥ずかしかったけど二人共隠そうとはせずに、ありのままの姿を白銀の野に晒していた。
「うふふ、蛍、ちゃーん」
燐は今までと少し違った笑顔を向けて蛍にゆっくり近づいてきていた。
そして……おもむろに首に手を回して抱きついてくる。
突然の出来事に蛍は目を丸くして困惑してしまっていた。
「り、燐?」
蛍は燐の名を一言発するだけで精いっぱいだった。
胸や太ももが直に密着して、お互いの柔らかい感触が全身から伝わってくるようで、何だかむず痒い。
「蛍ちゃんて……案外したたかなのかな?」
「えっ? それってどういう……やっ」
燐は蛍の耳たぶを咥えて舌先でしゃぶるように転がした。
外気に晒されていてすっかり冷えている耳にまた暖かい触感に包まれる。
蛍は背筋から湧き上がってくる快楽に震えてしまっていた。
「蛍ちゃん、本当はすごく頭良いんでしょ? でもわざと分からないふりしてるんだよね、ちょっと意地悪だよ、ね。ちゅうっ」
燐は啄むように蛍の耳に吸い付いて、何度も耳を吸い上げる。
その度に蛍の体は震えて、可愛らしい喘ぎ声を何度も宙にあげていた。
声は湯気と共に冬の空に掻き消えては、また上がってきていた。
「あっ、あ……ち、違うよ、わたしそんなんじゃ……はうっ、し、信じて……燐……」
燐の激しい耳舐めに息も絶え絶えになってしまう。
その行為は燐から責められているように感じてしまい、蛍は涙目になりながら弁明する。
「ん……それでも、わたしはいいよ。わたしは蛍ちゃんと今、こうしているだけで……ちゅっ、幸せだから……」
蛍への責めがさらに大胆になる。
燐は舌を窄めて耳の穴を穿るようにして、耳の奥のぎりぎりまで差し入れようと試みる。
蛍は耳が塞がれるぞわぞわとした感覚に脳髄まで痺れたように激しく悶えた。
「り、燐、わたしはそんな、あうっ、やあっ! み、耳が……ううっ、燐。ぐすっ、わたし、わたし、ほんとに好きだから! やっ、あ、ああっ、り、ん!」
蛍は森の中の温泉で嬌声を響かせてしまっていた。
街のときは違ってもの静かな夜の闇に、少女の艶めかしい声が木霊となって森に反響して、恥ずかしい声が自分の耳へ返ってくる。
オオモト様は既に酔いつぶれて寝てしまっていたが、起きてしまうのではないかと思えるほどに艶のある声を蛍は響かせていた。
だがそんなことに構う余裕もなく、蛍は無意識に燐の髪を手でくしゃくしゃにしながら、喘ぎ続けていた。
耳の奥深くまで舌が届くと、蛍の体はびく、びく、と痙攣するように何度も震えた。
あまりの刺激に蛍の瞳から一筋の涙が零れ落ちる。
その様子を見た燐は、ようやく我に返ったようで、蛍の耳から慌てて舌を離していた。
「わ、ごめんごめん! 蛍ちゃんごめんね! もうしないから泣かないで、ね、ね?」
「ぐすん、燐……わたし燐の事が本当に好きなのに、燐はわたしのこと、嫌いなの? また友達に嫌われたくないよ……」
蛍は髪を振り乱して泣きじゃくる。
マフラーを渡したときに吹っ切れたと思っていたが、蛍はまだ前の友達の事を気にしていたのだ。
その取り乱す様子を目の当たりにした燐は、蛍に対して途方もない罪悪感を覚えてしまっていた。
燐は戸惑いながらも、蛍の手を壊れ物を扱う様に優しく、そして固く握りしめた。
「そうじゃなくて、本当にごめん! ごめんね……わたし、人から本当に好かれたことがなかったから、その、蛍ちゃんの気持ちを確かめてみたかったんだ……ごめんね蛍ちゃん。好きだよ、わたしだって本当に大好き、だから……」
燐はぎゅっと蛍を抱きしめた、さっきよりも少し強く、そして優しく。
慈しむように手を背中に回して抱きしめ合うと、お互いの鼓動が聞こえてくる。
それだけで他に何も聞こえないほどに、二人はお互いの存在を感じ合えた。
「燐……わたしだって大好きだよ……ありがとう。もう気にしていないから。でも、わたしもごめんね。前の友達に嫌われちゃったこと、まだ引きずってるみたいだった……」
「蛍ちゃん……立ってると寒いから肩まで浸かろ」
「うん」
二人は抱き合った体を離して再び湯船の中に体を沈めた。
暖かい水の中で、二人の手が弄るように指を絡めて繋ぎ合った。
「えっと、ね。わたし燐に色んなこと喋っちゃうね。燐がビックリしちゃうぐらいいっぱい喋っちゃうかもよ。だってわたし……燐が想像してるよりもずっと重い女なんだから。出来たら、引かないでいてほしいなって……」
「大丈夫だよ蛍ちゃん。わたしだって、これでも結構、重く考えちゃう方なんだよ」
「そっか、じゃあ似た物同士、だね」
「うんうん」
二人は曇りのない瞳で頷き合う。
最初からお互いの心の内は分かっていたのかもしれない。
「くすっ、ねぇ、燐。今日は一緒のベッドで寝たいな。燐とまだ喋り足りたいし、燐のこともっともっと知りたいんだ」
「うん、いいよ……蛍ちゃん、わたしも蛍ちゃんと喋り明かしたいなぁ」
「燐……今日は寝かせないよ」
蛍はちょっと意地悪な口調で燐に語り掛ける。
「あはは、お手柔らかにお願いします……」
それを受けて燐は恭しく敬語で返してみせる。
「うーん、手加減出来るかな? さっきのお返しで燐のこといっぱい苛めちゃうかも?」
「ふ、ふーん、わたしは耳で感じたりしないもんね~。だから大丈夫だもん!」
燐は少し胸を逸らして謎の強がりを見せた。
その仕草がなんとも可愛らしく、蛍はつい悪戯してみたい気持ちになっていた。
「えー、本当かな? それじゃあ、ん。ふーっ……」
蛍は自分がされたときと同じ様に、燐の耳元に息を吹きかけてみた。
出来るだけ優しく、燐に想いを伝えるように長く息を吹いてみる。
「あ。んっ……ほ、ほら大丈夫でしょ?」
燐は体をぴくぴくとさせながら耳への吐息に耐えてみせた。
明らかにやせ我慢にしか見えなくて、蛍はつい噴き出してしまっていた。
「燐ってば、変なとこで意地張っちゃうんだ、可愛い。これは苛めがいがありそうだね」
蛍の目が怪しく光る、以外にもそっちの気もあるのかもしれない。
燐は少し唾を呑んだ。
「もう、蛍ちゃんってばえっちだよね~」
「あはははっ。燐のほうがえっちだよ~」
ふたりして裸のまま笑い合った。
体はお湯に浸かっているので冷えを感じることはないが、それ以上に心が熱くて汗ばむほどに顔が上気していた。
「あれ? 燐。見て、流れ星!」
「ほんとだぁ! わたし初めてみたかも!」
笑い合う二人の頭上を一筋の流れ星が一瞬の間に通り抜けていった。
それは燐と蛍に向けたクリスマスプレゼントだったのかもしれない、都合が良い考え方だが、今はそれが自然な答えのような感じがしていた。
「ねえ、燐、流れ星を見るとねその人の──」
「え、そうなの? 蛍ちゃん物知りだね。わたしはね……」
燐と蛍の会話は雪で白く染まった森と、冬の星座で散りばめられた真っ暗な空に溶るように染みわたっていった。
裸のままで囀るように語り合う少女達。
それは寒さすら忘れたように続いている。
この分だと二人共風邪を引いてしまうかもしれないが、それでも良かった。
だって二人がまた一緒に居られる口実が出来るから。
二人がもらった最高のプレゼント、それはお互いが欲しかったものとは違うのかもしれない。
でもそれでも良かったんだ、だって今が一番幸せだから。
だからそれだけで……。
そう、それだけでわたしは幸せだよ、蛍ちゃん……。
…………
……
「燐」
蛍が不意に燐の手を取った。
突然の事に少し驚いて、燐は眠るように閉じていた瞼を開く。
そこには、満天の星空に負けないほどに瞳を輝かせている蛍の姿があった。
「ねぇ、燐。踊ろうか?」
蛍が悪戯っぽく微笑む。
その微笑みはやけに透明に見えた。
「今、ここで? さすがにヤバくない?」
燐は困ったような笑顔を向ける。
二人は暖かい温泉に浸ってはいるのだが、よく考えると、裸のままで雪深い夜の森にいるのだ。
ヤバイなんてレベルではない気がするのだが。
「そう……じゃあ、そこで見ててね」
蛍はニコッと微笑みかけた。
燐は蛍が一体何をするのかまるで理解できていなかった。
蛍は燐の手を離すと温泉から出て、裸のままで雪の草原に足を踏み入れた。
「蛍ちゃん!?」
燐はすかさず蛍の手を掴もうと腕を伸ばしたのだが、すんでのところで空を切った。
蛍はそのまま白い草原を駆けだして踊るようにステップを踏んでみせた。
その光景はあまりにも美しく、裸体に水滴を纏わせながら蛍は軽やかに舞っていた。
まるで、雪の妖精がワルツを踊っているような、非現実感を思わせた。
暫く状況を忘れたように、燐はその可憐な蛍の姿に見入っていた……。
「燐もおいでよ! 踊ると暖かくなるよ!」
蛍は精一杯の声を張って燐に呼びかけた。
冷たい空気が肺に満たされて少し息苦しくなるが、気に留める様子はみせなかった。
(蛍ちゃん……もしかしてわたしの為に?)
燐は先ほどの流れ星を見た時に、何故か涙を流していた。
これは感動したわけではなく、多分、悲しかったんだ。
幸せなのに悲しい。一見矛盾してるようだが、朝になればまた何時もの生活に戻ると思うと、わけもなく悲しかった。
でも今の燐には蛍がいてくれる。
自分を励ますために健気に気を遣ってくれる蛍が。
それだけで灰色な生活も楽しくなるはず、きっとそうだよ!
燐は涙を拳で拭って蛍の元に駆け寄ろうとして、温泉から出たのだが──。
──え。
蛍の足が雪で滑っていた。
バランスを失った蛍の体は反動で一瞬、投げ出されるように宙を舞っていた。
その様子は燐の目にはスローモーションの様にやけに遅く感じられた。
「蛍ちゃん!!」
そのまま体を雪の大地に叩きつけられる……はずだったが……何時の間にか燐がしっかりと支えてくれていた。
一瞬の出来事だった、まるでこうなることが分っていたかの様に、燐の体が反応していたのだ。
それは自分でも不思議なぐらいの咄嗟の判断だった。
「あ、燐……これも錬金術?」
蛍は何事もなかったように、あどけなく微笑んだ。
それは天使の様に無垢な微笑み。
その無垢な微笑みに燐は深くため息をついた。
「もう、違うよ。壊れやすいプレゼントを受け止めただけ」
「プレゼント? わたしの事?」
蛍は目を丸くしながら自分の事を指差した。
「そう、蛍ちゃんはわたしがもらった大切なプレゼント。だからずっと守ってあげたい」
燐の瞳に迷いの色はなかった。
蛍がいれば他になにもいらない、流れ星にもそう願う事が今なら出来そう。
「そっか、じゃあわたしは燐のこと貰ってあげるね」
蛍は手に首を回して燐に抱きついた。
二人の柔らかい体が絡みつくように抱きしめ合う。
「じゃあ二人共プレゼントってこと?」
「そういうこと」
燐と蛍は頬を摺り寄せて笑い合った。
二人共、泣き笑いのような表情で肩を震わせながら。
お互いの気持ちが頬から熱をもって伝わってくるようだった。
「くしゅん!」
蛍が突然目の前でくしゃみをしたので、燐は一瞬顔をしかめた。
「やっぱり寒いんでしょ? ねえ部屋に戻ろう? 暖かいスープまた作ってあげるから」
「うん、燐のスープ好きだよ。燐の事大好きだよ……」
「わたしも……蛍ちゃんの事大好きだよ」
見つめあう燐と蛍。
何度目だろうこうして瞳を見つめ合うのは、まだ出会ったばかりなのにまるで。
──昔からの恋人同士みたい。
…………
……
その後、少女達は逃げるように工房へと舞い戻った。
そしてベッドの上でスープを啜りながら、有言通り、朝まで眠ることなく語り明かした。
二人の目は真っ赤になってクマも出来ていたが、幸いにも風邪は引いていないようだった。
そして──朝が来ていた。
いつもと変わらない朝だけど、いつもとはちょっと違った朝だった。
それは本当に大切なものが見つかった朝だったから。
「おはよう、蛍ちゃん」
「ん、おはよう……燐……」
まだ寝ぼけ眼の大好きな親友が一緒にいてくれる。
それこそが最高の幸せだった。
…………
……
…
やっと、やぁっと終わりました……なんかもう辛かった……年を跨いでまで書くことになるとは流石に思わなかったです。
でもまあ書いてるときは色々忘れて没頭出来るので良かったりなんですけどね。
さてさて、ここからは各話の解説的なことを書いてみたりします。
☆第一話。
赤ずきん燐とオオカミ少女蛍ちゃん、お婆さん役のオオモト様は最初から決まっておりましたねー。
ついでに狩人役も作ろうと考えていたのですが結局三人での話となりました。
出したとしてもチョイ役でしたけどねぇ……。
実は名前の事でちょっと悩んでいたときもありました。
一応ドイツを舞台にしていたので、カタカナで呼んだ方が世界観的に良いのかと思っていたのです。
ですが……、リン、ホタル、だとなんか別人の青い目のイメージしか湧いてこなかったので、ここは原作通り無難に、燐と蛍(ちゃん)として設定しておくことにしました。
個人的にこれでやっぱり良かったと思っております。
本当はこの話で赤ずきんネタは終わりにするつもりだったのに、無駄に長くなってしまったので次の話にも持ち越すことに……。
☆第二話。
Q: 何で燐は裸のままなの?
A: なんか可愛いから、ではなくてペロー童話の要素を無理やり取り入れた為です。
ペロー童話版の赤ずきんは、お婆さんに化けたオオカミの男? と裸の赤ずきんがベットに入って終わるという、ちょっとバッドでアダルティーな終わり方になっているようです。
そんな訳で、燐は理不尽にも裸にしてベッドの上で蛍といちゃいちゃさせておきました……蛍の方が理不尽な目に合ってるかもしれないですが……。
ライザのアトリエ要素は、二話目にして早くもネタに困ったので、最近やったゲームとして話に取り入れてみました。
本当は戦闘シーンも入れようかと構想していたのですが結局止めて、謎の料理シーンにしてしまいました。
戦闘と言っても、燐が外で採取をしてる最中に
ちなみに。
燐=ライザ。
蛍=クラウディア。
オオモト様=アンペル。
の配役となっております。
これは二話だけの設定にしたつもりでしたけど、結果、全話このキャラ設定に則しちゃってるカンジは否めないです。
特にオオモト様は終始キャラ崩壊でした……個人的に便利だなーオオモト様は。
ついでにラスボスを倒した時、偶然にもこの三人のパーティーでした。
個人的に相性が良かったんでしょうか?
☆第三話。
本来最終話の予定で、マッチ売りの少女とサンタクロースを絡めてみたのですがー、なんか変なことになっちゃったぞ、という話になってますー。
特にサンタの件はかなり悩んでしまって、このネタ自体止めようかと思うほどでした。
それと言うのも、どうやらドイツ圏ではサンタ以外にもプレゼントを配る人物?が居るようでして、宗派の違い?というか会派の違いから来てるようなので、にわか知識では扱いきれそうになかったからです。
結局二人共サンタの格好にしましたが、燐と蛍でそれぞれ違う会派の──とか少し考えてみたりしましたが、なんか面倒な事になりそうなので止めておきました。
マッチ売りの少女は、燐が担当予定でした。
奇しくもマッチの原料の”燐”と燐の名前が一緒だったし、赤ずきんとマッチ売りの少女は外見上の共通点が多いので違和感なさそうと思っていたのですが、ある理由によりマッチのみとしました、理由は後述します。
☆第四話。
これで終わりって言ったやーん。でも無理でした……だって遅筆なんだもん……。
実はマッチ売りの少女と同じようなラストシーンにする予定もありましたが、青い空のカミュの燐と蛍でそれをやってしまうと……ねぇ?
色々、シャレで済まない気がしていたのでやっぱり却下しました。
ちなみにマッチ売りの少女の話って、私はてっきりクリスマスの話だと勝手に思い込んでいたのですが、実は大晦日の夜の話だったんですねー。
いやあ、無知にも程がありますわー。
前述での解説でマッチ売りの少女は燐がやる予定と書きましたが、まさかとは思うのですが原作の燐の元ネタの一つではないです、よね?
流石に考えすぎかと思っているのですが……少し、気になってしまいました。
☆第五話。
四話と同じく作る予定の無かった話です。
うーん、長いよねえー、まさか適当に考えた温泉ネタがこんなに長くなってしまうとは……。
でもここでも文化圏の違いの様なものがありまして、入浴して体を癒すのは日本だけの文化のようですねー。最近は海外の方も日本式入浴が知られてきたようで肩まで浸かったりするようです。
ドイツでは主に飲泉とか医療用に使われることが多いみたいです、知らないことって多いなあー。
後は、例の龍○寺の湯ネタをぶっこんでみました。書いてる途中で突然思いついたんですけど、思わぬ形で温泉ネタと被らせることが出来て割と満足かも。
そういえばまだ今年は行ってないなーちょっと遠いけどまた行きたいぞー。
流れ星は実はマッチ売りの少女から拾ったものです。
でも不吉を意味するものではなく、ここでは幸運を呼ぶものという解釈にしております。
さてさて、今回も拙作でした。
短編であっさり終わらせるつもりだったのに予想以上に長く難航してしまって、相変わらずの無計画に辟易しております。
でも書いてるときは苦しくても楽しいものなんですよねー。だからって年末にやらなくてもねぇー。
でも、なんとか終わらせて一安心です。
次回作は……青い空のカミュ発売一周年記念とかで書いてみたいですねー。それまでは何も書かない……かな? 気が向いたら何か書くかもです。
今回の艦これイベント小説は書かないかなー。結局時間なくて最終海域は、乙でイベ終えちゃったしね。
えっと、もしここまで読んでくださる方が居たら、有難うございます。
基本、独りよがりなので今度は読み手の方を意識するように書いてみることをチャレンジしてみます。
さてさて、ここからは今更、今更なんですが、2019年を振り返ってみようかと思ってます……。
本当は去年の内に終わらせて書きたかったけど、今更言ってもしょうがないので今、この場でやってしまいます。
時事ネタとかではなく主にゲーム関連で書いてみます。
まずは……。
☆青い空のカミュ。
なんでこんなに楽しくて切ないんだろう。そして何で飽きないんだろうか。
何回やったってエンディングは変わらないのにやってしまうんだよね。ヤバいですよー。
一応、平成時代に発売されたんですけど、平成最後の怪物として私的に崇められている作品となっております。
もし、もしも、自分の小説を見て”空のカミュ”を知ったという稀有な人がいましたらば、是非とも体験版をプレイしてみてください。PC版オンリーかつ、18禁という条件をクリアできる方限定なのですが、自分の作品よりもずーーっと楽しめると思います。(これも前回に続いて2回目の宣伝)
もし次回作があったら嬉しいですけど少し複雑な思いもあるかもですね……でもあるに越したことはないので、どんな形にせよファンとして喜びたいと思ってます。
2020年も青カミュ、まだまだ楽しんでおります!
☆ライザのアトリエ。
それ程期待していませんでしたが、結構楽しんじゃいました。
ただ序盤がねー、お使いやらされゲーと化してるのはあまり良くない感じがしますねー。
クラウディアが仲間として使えるまでをチュートリアル、ストーリクリアしてからが本番と捉えると良いのかもしれません。
後、ジャンプの制約多すぎで殆ど役に立ってないことと、戦闘は慣れていても面倒と感じてしまう所がちょっと気になりますですねー。
それとちょっとメインシナリオがあっさり目かなぁ?
キャラの掘り下げが一番上手くいってるのがメインキャラでなく、サブキャラのボオスな所もねえー、この作品も次回作を見据えているんでしょうか?
でも最後まで楽しくのめり込んでやれましたので次作も期待したいです。
さてここからはちょっぴりアレな事を書いてみたり……。
★バトルガールハイスクール。
実はスマホデビューからやっていたゲームの一つでした。
私が初めてやったころは確定ガチャも武器ガチャもなく、星4カードも全然出なかったのですが何故かそれでも楽しかったです。無料で石も結構配ってましたしねー。
当時はここまでサービス旺盛なゲームはあまり見なかった気がします。
その後キャラカードは10連で星4確定になったり、作るのが大変だった武器はガチャが実装され、これも10連だと星5武器確定と更にゲームが楽しくなったんですけどね……。
その後色々なのが実装されました。新キャラ、マイルーム、レイド戦、変身、等々、どんどん容量は増えてゲームも重くなっていきます。まあそれはスマホゲーじゃ当たり前なんですけどね。
そしてアニメ化……これはあまり良くなかったかなぁ? 結局視聴することは無かったです。
そのあとは、あんまり良くない感じになっちゃったかな? まあ運営会社に色々ありましたからね。
私は今からちょうど一年前位に自主的に辞めてしまいました。それでも機会があれば復帰しようかと思っていたのですが、その前に2019年の夏でサービス終了してしまいましたね……。
しかもその終了理由が……まあ噂レベルだと思ってます。
でも楽しかった時期もあったので良しです。長い間お疲れさまでした。
★ハッカドール。
実はこれもスマホデビューのときからお世話になっていたアプリです。
サブカル情報を漁るのには割とよいアプリでした。
ですが、何年か経つとあからさまに記事に紛れるように広告が表示されていたり、それを消すためにプレミアムが出来たりと、なんだかちょっと……って感じになりました。
そして後から公式で発表があったんですが2018年がハッカドール勝負の年だったんですねー。
確かにVTuberとか色々? やっている気がしたんですけど正直興味はなかったです。
そしてこれも2019年夏にサービス終了、かなり人気があったアプリだと思うのですが、既定の売り上げに届かなかったんですね……ちょっと勿体無かったカンジもします。
こちらのアプリも長い間お疲れさまでした。
さて2019年は年号が令和に変わったこと以外にも様々な事がありましたねー。特に、凄惨な事件や、自然災害が目立った年でありましたねー。
しかも何故か”青い空のカミュ”が発売された後の事柄が多いんですけど……何か因果関係があるのでしょうか?
来年……っていうか既に今年、2020年はオリンピックイヤーですが、その他にも色々な事象があると思います。出来れば楽しく健康に過ごしたいですねー。
それでは長々と拙文、失礼しました。
それではまた──。
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──うーん、今回は青カミュネタバレ考察はしないつもりだったんですが、ちょっとだけやってみたいと思ってます。
以下ネタバレ関連となりますので、もし”青い空のカミュ”未プレイの方が居りましたらここから下は見ない方が楽しめると思います。
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えーと、前作のあとがきで小平口駅のモデルについて幾つか候補があると書いていたと思います。
その一つは、恐らく浜松市の天竜川沿いにある秘境駅、
理由としましては、小平口駅および町の設定と一部、一致している部分があって、3つの県の県境に近い場所にあること、過去に集落があったがダムによって水没してしまったこと、そして何年か前までは近くに民家が1件だけ残っていて、そこには
それを踏まえまして、小和田駅が小平口駅、町のモデルになってるのではと推測してみました。
なんか名前も似てますしね。
ちなみに、駅舎が違うことやロータリー等はないのですが、それらは別の駅がモデルになってるのではと思っております。
以上の情報から、あのあとの続きを考察してみますと……。
小平口ダムが決壊して小平口町は水没してしまった。
だが三間坂家だけは山の中腹にあったので唯一、被害を間逃れることが出来た。
誰も待って居ない家、誰も乗降しない駅、それでも蛍は一人、電車に揺られながら燐が乗ってくるのを待ち続けた……。
いつまでも、いつまでも。
と、言った解釈になってしまいますかねぇ? これは辻褄はあってる……のかな?
個人的にはあまり出したくない感じの結論だったかなーと思ってます。
ただ、これが答えだと言いたいうわけではなく、あくまで
それに私個人としましては、燐は必ず戻ってくると思います。
どんな結果が待っていようと燐は蛍の元に戻ってくる、だってそれこそが燐が求めていた幸せなのだから。
だからこそ今回の自分の話でも二人はやはりいちゃいちゃさせてっていうか、耳舐めばっかり
させてたなあ……まあASMR好きだからしょうがないね。
さて、話が大幅に横道に逸れましたが、今回はこれで失礼します。
此処まで読んでくれて本当に有難う御座いました!!