「どこだここ?確か俺は・・・」
ありのまま起こった事を説明する。あの時、銃を所持した一人の銀行強盗が突然現れ、周りを威嚇し始めたのだ。強盗は興奮していたのかあたり構わず乱射して物を壊していった。そして、あろうことか妊婦を次の狙いと定めたようだった。俺は咄嗟に強盗犯に近づいて羽交い締めにし、何とか弾道を逸らすことができた。しかし強盗はすぐ俺を押し返すと再び銃声が響かせた。自身を見ると着ていた白いシャツは真っ赤な血に染まっていた。
幾人かの悲鳴を上がる中、俺は一矢報いるため力を振り絞り、強盗犯を殴り飛ばした。強盗犯は吹っ飛んでしまい意識を失った。その後の事は覚えていない。気がついたらこの真っ白な空間にいた。
「目覚めましたか?」
突然後ろから声をかけられた。すると目の前に綺麗な金髪の女性が立っていた。
「誰だ?」
「私ですか?私は女神、とはいえ転生の神です。気付いてるかもしれないですが、…あなたは死んでしまいました」
「そうか・・・やはり俺は、それと女神と言ったか?神様って人間とそう変わらないんだな」
見た目は綺麗だが、普通の女性と変わりない見た目をしており神様というイメージほどの姿ではなかった
「……教えてくれ、あの後、強盗犯はどうなった?他の人達は無事なのか?」
「記録によるとあの後、逮捕されたとの事です……被害者は全員無事です、貴方以外は」
「そうか……なら良い」
俺は安堵して、そう告げた。
「優しいんですね、自分より他人の心配をするなんて…」
「お前が神ならわかると思うが、俺は決めた事や『正しい』と思った事は必ずやる……話は変わるが、何故俺を此処に?」
「そうでしたね、実は、本来貴方はこの事件で死ぬはずのない人だったのです……なので貴方を転生させる事となりました、『別の世界』にですが。」
「転生?別の世界と言ったが何処の世界だ?」
「貴方の場合は、『戦姫絶唱シンフォギア』と言うアニメ世界です」
「…………何だ、それは?」
俺は神にそう訊いた。
息抜きにゲームをやったり小説を読んだりする事はあるが、アニメや漫画の類は一切見ていないからわからん。
「結構有名なんですが、知らないのですか?」
「知るか」
「そうですか……では軽く内容を話します」
そして数分後、
「……と、大方こんな感じです」
「成る程、随分と物騒な世界へ放り込むみたいだな……まぁ良い」
神の話を聞いた俺はそう答えた。
「無論、そんな危ない世界に丸腰で貴方を送るつもりはありません。ですので貴方には特典をつけたいと思います」
「『特典』ねぇ……よし!俺が望むものは1つ、“転生しても自分の記憶と名を消さずに転生先でも引き継がせる”事だ」
「えっ?それだけですか?他の人は、色んなものを頼むのですが……」
「次に行く世界でも俺は俺であるつもりだ。ならば持って行くもは自ら学んだ知識や、鍛え抜いた身体だけで十分だ」
俺は神にそう告げた。
俺は自分に誇りを持っている。ノイズだの錬金術師だの聖遺物だのよく分からないものなど関係ない。生前と変わらずいられるのならそれで十分だ。
「しかし……これから行く世界は先程私が説明した通り厄介なものですよ。“ノイズ”は普通の人間では倒す事は不可能ですし、貴方の性格上、無謀に挑みに行って消し炭にされるのがオチです。」
「………覚悟の上だ」
「いえいえ、その、丸腰というのは、やはり……」
「ハァー、わかった……残りの俺の転生特典は勝手に決めてくれ。さっき俺が望んだ事を叶えてくれるなら俺は一向にかまわん」
少し貶されたような気もしたが、今は目の前の神の言う通りにすることにした。
「いえ、ですから勝手にと言われましても……ん?」
神はそう言うと何を思ったか、俺の顔を見つめ、タブレットのようなものを出し、その画面をジッと見つめた後、俺に顔を近づけた。いや、その前にどこから出したんだ、それは?
「貴方の名前……少し違いがありますが、この顔も……生まれつきですか?」
「不服か?」
失礼なやつだな、この顔は……俺にとっては、亡くなった両親から受け取った最高のプレゼントだ。
「これで良し!決まりましたよ」
「そうか、決まったのなら早くしてくれ…そうだ、最後に一つ確認してもいいか?俺が助けた妊婦とお腹の中の子どもは無事なんだよな?」
「先程言ったとおり、貴方が助けた女性は無事ですよ。あの後、陣痛が来たらしくそのまま病院に搬送され無事に生まれました。因みに男の子です。」
「そうか、よかった、俺は……守ることができたんだな」
そう言うと俺の足元が光りだし、徐々に体が消えていった。
「生まれた赤ん坊の名前は、貴方と同じ名前みたいです。余計かもしれませんが一応伝えておきます。それでは新たな人生が素晴らしいものになる事を祈ります、行ってらっしゃい…不破イサムさん」
神がそう言ったと同時に俺…不破イサムの意識は無くなった。
しかし女神は何やら腕を組み考えていた。
「うーん、考えれば流石にあれを常時持たせるのはまずいかな……あっ、そうだ!あれをウォッチ化させて持たせれば不審に思われないはず!本来の装備より武器とキーも追加させて……バイクもあれを改造させて送っておこう!」
転生してから2年後───
転生してから2年の月日が流れた。
不破イサムは1人で人類の天敵“ノイズ”を撃退し続けていた、そう、変身した時からずっと……。
そして今現在、イサムはある廃工場の前にきていた。
「見つけたぞ…ノイズ共!」
『『『℃$@*′●○○▲▼◇※〒』』』
イサムが廃工場の中に入ると、そこには大漁のノイズがいた。
ノイズがいることを確認したイサムは、青い拳銃の付いたバックルを腰に装着し、四角形状の“プログライズキー”を取り出し、
「お前らは…この俺がぶっ倒す!」
《バレット!》
ボタンを押す。しかし施錠されているのか中々展開できないのがイサムにとって不安要素だ。
「ッ〜ラァっ!」
ギギギギギ!と音を鳴らしながら、力尽くでキー形状にして展開する。
「フンッ!」
《オーソライズ!》
プログライズキーを銃に装身させる。
《kamen rider kamen rider kamen rider》
イサムは銃をバックルから外し、目の前にいるノイズに狙いを定める。
「変身‼」
《ショットライズ‼》
一発の弾丸が放たれノイズ達に直撃しながらイサムの元に戻る。そしてイサムが弾丸を拳で殴ると、銃弾が弾け、装甲を足から順に身に纏わせる。
《シューティングウルフ!》
《The elevation increases as the bullet is fired.》
《ブレードライズ!》
そしてイサムは持っていたカバン、アタッシュカリバーをカバン形状から剣に変えてノイズの大軍に突っ込んだ。
一方その頃、ある組織では……。
「司令‼ノイズが現れたポイントに、別の反応を確認‼」
「別の反応……まさか」
「パターン確認‼unknownです‼」
「奏‼翼‼お前たちが向かっているポイントで、unknownがノイズと戦闘している‼」
『ホントか‼』
「毎度の事だが、unknownと接触したら此方に来るよう説得してくれ‼」
『了解です、叔父様‼』
『任せときな‼』
奏と翼と呼ばれた人物との通信を終え、再び画面に目を向けるのは、風鳴弦十郎……組織の司令官である。
そこに、異端技術〈聖遺物〉を動作させる〈櫻井理論〉を提唱する天才研究員で、聖遺物に加えて本部及び防衛システムの管理や、シンフォギア適合者達のメディカルチェックなど、この場の組織の主要技術を一手に担当している女性、櫻井了子が、弦十郎に話しかけてきた。
「何者なのかしらね?unknownって?」
「分からん。おそらく敵ではないのは確かだろう」
そう断言した弦十郎だが、数年前からunknownと遭遇するも、説得に失敗して逃げられたり、力づくで押さえ込もうとして返り討ちにされたりとうまくいっていないのが現状だった。
場所は戻り廃工場
「ふん‼」
『『『∞℃¥¥@#%%&&⁉』』』
イサムは、アタッシュカリバーで次々とノイズを蹴散らしていく。
だが、ノイズは消えるどころか、増える一方であった。
「……チッ、キリがないな。だったら、これならどうだ!」
アタッシュカリバーをカバン形状に戻す。
《チャージライズ!》
待機音が鳴り、イサムは再び展開させる。
《フルチャージ!》
するとアタッシュカリバーに、黄緑色のエネルギーが蓄積される。イサムはトリガーを押し剣を振る。
「ハァ‼」
《カバンストラッシュ!》
緑色の斬撃が放たれ、ノイズ達ら真っ二つになり倒れていく。
この一撃でかなりの数が減った。イサムはバックルから銃を抜きノイズに狙いを定め撃つ。
『『『『@◇&#¢£☆#%@⁉』』』』
イサムは、攻撃の手を緩めず、ショットライザーで次々とノイズを撃ち抜いていった。
「ぶっ潰す!」
そう言うと、イサムは、アタッシュカリバーを粒子状にして手放す。
《バレット!》
使っていたショットライザーに装身したプログライズキーのボタンを押す
「ハアァァァァァァ」
ショットライザーを残ったノイズに構える。銃口に青いエネルギーの弾が凝縮されていく。
「ハァッ!」
トリガーを押すと、青い大きな弾丸が放たれた。
『『『『『#%*℃¥@§¢$℃&#⁉』』』』』
《バ
レ
ッ
ト
シューティングブラスト!》
ショットライザーから放った必殺技、シューティングブラストを放ち、ノイズを一掃した。
「……ハァー……これで終わりだな。…………ん?」
ノイズがいないことを確認するイサムだったが、遠くからバイクのエンジン音が聞こえてきた。
「また奴等か………毎度毎度しつこいな」
誰が来たのか察したイサムは変身を解除し、ウォッチの形状に戻してからポケットにしまう。そして待機させたバイクに乗りその場から去る。
その5分後、バイクに乗った奏と翼、車に乗った組織の職員が到着した。
「狼野郎‼どこだ‼」
「…………どうやら、unknownはいなくなったみたいね。ノイズもいないみたい」
「ダァー!クソッ‼また逃げられた~‼」
「司令、unknownの反応はありますか?」
『いや、お前たちが来る5分前に反応が消えた。恐らく勘づいて離れたのだろう。unknownの捜索は此方で、やっておく。お前たちは戻ってこい』
「分かりました」
「りょうか~い」
弦十郎の指示に従い、奏と翼は本部に戻っていく。
イサムは住んでいるマンションの家に戻りベッドに横たわる。
「フゥー、疲れたな…ったくあの神様、なんでこんな部屋に俺を住ませたのかね」
イサムが住んでいるマンションの部屋は2LDK。それはマンション暮らしの人達なら半数以上の人が羨む物件である。
転生当時に遡る
転生時、イサムは、朝の日差しで目を覚ました。目覚めた時、イサムは仰天した。生前でもこんな部屋に住んだ事はなかったからだ。家の中を探るため、リビングに向かうと、テーブルの上に手紙とスマホ(?)、そして四角形の物体に通帳、時計のような物が置いてあったのだ。イサムは手紙に手に取り読み始めた。
『貴方がこの手紙を読んでいるという事は、無事に転生できたみたいですね。手紙以外にあるのは貴方が生きていくために必要なものです。他に貴方をサポートしてくれるアイテムもありますが、まずは時計のようなものを表面を回して顔になるようした後でボタンを押してください。』
イサムは手紙を一旦テーブルに置き時計のような物に手に持つ
「顔になるようにって…こうか?」
表面を回したイサムはボタンを押す。
《バルカン!》
「グッ!うっ…うう!」
ボタンを押した途端イサムは頭を手で押さえる。頭の中に色んな情報が流れ込んできたからだ。
「ああ、はぁ…はぁ…はぁ、なるほどな、これが神様の選んだ特典の一つか」
イサムはお腹辺りを見ると青い拳銃のついたバックルを装着していた。
「確かに…この状態じゃ持ち歩けないな、見た目はただの玩具みたいだがかなりの重量感だ。警察に見つかったら銃刀法所持違反で警察行きだなこれは」
バックルを外すと先程の時計の形状に戻ってしまう。バックルを自分で外すとウォッチ状に戻るみたいだ。
「次は…これか、スマホにしてはやけにデカないな…それでこのキーを展開せずに挿し込むっと」
《チェンジライズ!》
「うおっ!」
スマホが手から離れ一気にバイクに姿を変えたのだ
「こいつはスゲェ。場所を考えて変形させないと下手すりゃ大騒ぎだな」
普通の技術では不可能なため周囲を考えながら変形させなければいけない。イサムはバイクの状態からスマホに戻す。
「とりあえず手紙の続きを読むか」
イサムは再び手紙を手にする。
『そうすれば、この世界での情報や力の使い方、アイテムの使い方もわかるはずです。バルカンの力はノイズやアルカノイズに対抗できるようこちらにで改造しているので炭化する事はありません。
『それから、免許などは既に習得してる事になっているので安心してください。通帳にはお金を振り込んでいるので確認してください。これからの生活には困らない程度はあります。』
『私が伝えるのは以上です。なおこの手紙は貴方が読み終わると消滅する仕組みになっています。
こちらでの貴方の幸せを願っています。この素晴らしい世界に祝福を』
イサムが読み終わると、手紙は光の粒子状になり消えていった。
「あの神様……余計な心配はいらねぇよ。けど…ありがとな…新たにもらったこの命、大事にする」
この日から不破イサムはこの世界で仮面ライダーバルカンとしてノイズを倒していくことになった。