シンフォギア・ウルフ   作:狼ルプス

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第5話 特異災害対策機動部二課 (通称 特機部二)

ノイズを装者の二人と協力し撃退し、響たちに正体を明かしたイサムは、奏の頼みで“特異災害対策本部機動二課”に向かう車の中で、窓の外をボーッと眺めていた。

そんなイサムに、奏が話しかける。

 

「なぁ、あんたさ」

 

「……なんだ?」

 

「名前…なんて言うんだ?」

 

「…不破イサム、好きな呼び方で構わない。」

 

「じゃあ…イサムって呼ばせてもらうわ。改めてあたしは天羽奏だ。よろしくな!」

 

「勘違いするなよ、俺はあんたらをまだ信用した訳じゃない」

 

イサムに自己紹介をしたが、信用していないことも告げられ、奏は頬を膨らませて拗ねた。

 

それから数十分後、車が止まり、イサムたちは車から出る。すると響は着いた場所を見て驚いた。

 

「ここって…………私が通ってる学校⁉」

 

「ここが未来と響が通っているリディアンか…ほんとに広いな」

 

連れてこられた場所は、響と未来が通う私立リディアン音楽院であった。イサムはリディアンの施設内に入るのは初めてだったので広い敷地内に驚いている。

 

車から降りたイサムと響は、奏と翼のマネージャー兼二課のメンバーである緒川慎次を先頭に、リディアンの中へと入っていく。

だんだん歩き進めて行くと、本来は教師たちがいる中央棟まで来た。

そしてその中にあるエレベーターの扉が開き、全員中へと入る。

 

「危ないですから、手すりに掴まってください」

 

緒川にそう言われ、翼と奏、緒川は手すりに掴まった為、倣うように響とイサムも手すりに掴まる。しかし見た感じ大きなエレベーターな為、イサムはそう危なそうな感じがしなかった。

 

「おい…何が危ないか説明をしてくれたって……

 

イサムが説明を求ようとした次の瞬間、

 

―ギュイイイイイイイイイン―!

 

「いいだろうがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ⁉︎」

 

「うわぁあああああああああ⁉」

 

突然、もの凄い勢いで急降下するエレベーターに、イサムと響が大声を出しながら驚いたのも無理はない。

それを見て、奏と緒川は苦笑いする。

 

「な、なんなんですか今の⁉」

 

「そりゃあ驚くよな?」

 

「驚くどころじゃねぇ!あんな急降下するなんざ誰が思うか‼︎」

 

「僕たちの本拠地は地下にあるので」

 

「地下……ですか?」

 

「ええ。だけど、ここからは気を引き締めることよ。これから向かう所には、微笑みなど必要なくなるから」

 

「は、はい‼」

 

翼に言われ、響は気を引き締める。数分後、エレベーターが止まり扉が開く。

すると

 

―パン‼パンパンッ‼パン‼―

 

「ようこそ‼人類最後の砦、特異災害対策機動部二課へ‼」

 

エレベーターの扉が開いたのと同時に、クラッカーの音が大量に鳴り響き、パーティーでも開いたかのような雰囲気で、弦十郎と二課のメンバーがイサムと響を迎えた。

しかも、垂れ幕が用意されており、垂れ幕には『熱烈歓迎‼立花響さま&不破諌さま』と書かれていた。

迎えられた響とイサムは目をパチクリさせる。正気に戻ったイサムは緒川を見やった。

視線を向けられた緒川と奏は苦笑いし、翼は頭を抱える。

 

すると二課の中から白衣を着た女性、櫻井了子が携帯のカメラを構えて響に近づく。

 

「さぁさぁ、笑って笑って‼お近づきの印にツーショット写真♪」

 

「えぇ⁉︎嫌ですよ‼手錠したままの写真だなんて、きっと悲しい思い出になりますよ‼ というかなんで私達の名前を知ってるんですか!?」

 

響の問いかけに大男は答える。

 

「我々二課の前身は、大戦時に設立された特務機関なのだよ。調査程度お手の物だ」

 

「はいこれ、返すわね」

 

科学者らしき女性職員が鞄を差し出した。それはまさに響が自分で破棄した彼女の鞄だった。

 

「あーッ! 私の鞄! なーにが調査はお手の物ですか! 鞄の中身を覗いただけじゃないですかぁー!」

 

 

「イサムくん一緒に写真撮りましょ♪」

 

「すまないが……遠慮させてもらう」

 

「いいじゃない、こんな美人と写真を撮れるなんて滅多にないわよ?だから一緒に撮りましょう♪」

 

「遠慮する……美人なのは否定しないが、状況を整理する時間をくれ」

 

「あら……嬉しいこと言ってくれるじゃないの」

 

イサムの返答に少し驚きすんなりと諦めた了子は、響の手錠を外して一緒に写真を撮り始めた。イサムは状況を整理しながら考えていた。イサムがイメージしていた組織とはかけ離れていることに混乱しているのだ。状況を整理でき、周囲を見渡した後、イサムは二課の司令である弦十郎に歩み寄る。

 

「あんたがここの司令官か?」

 

「如何にも…俺がこの二課の司令官、風鳴弦十郎だ、君は不破諌君でよかったか?」

 

「ああ、まず一ついいか…垂れ幕の俺の名が漢字になっているが…名前の方は全て片仮名だ」

 

「なんと⁉︎そうだったのか!すまない……それはこちらのミスだ、次からは気をつけよう」

 弦十郎は間違いにすぐに謝罪をした。イサムは素直に謝られるとは思わなかったので内心驚いている。

 

「それから…君には色々と聞きたい事があるんだが」

 

「その前に、響のことについて説明しろ。なんで響が天羽奏と風鳴翼と同じ物を纏った」

 

「いいだろう。では、自己紹介をするとするか。みんな集まってくれ」

 

弦十郎がそう言うと、奏と翼、響と了子、緒川と二課のメンバーが集まってくる。

 

「それでは、改めて自己紹介だ。俺は風鳴弦十郎。ここ特異災害対策機動部二課の責任者だ」

 

「そして、私ができる女と評判の櫻井了子よ♪」

 

「僕は緒川慎次といいます。奏さんと翼さんのマネージャーです」

 

「改めて、天羽奏だ。ツヴァイウイングの1人で、【ガングニール】っていうシンフォギアってやつの装者やってんだ。んでこっちが」

 

「風鳴翼、ツヴァイウイングの1人で、【天羽々斬】を纏う装者だ」

 

「えっと、立花響です。私立リディアン音楽院高等科に通ってます」

 

「仮面ライダーバルカンこと…不破イサムだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、あの!あれは一体なんだったんですか?」

 

「貴方たちの疑問に答えるためには、2つばかりお願いがあるの。一つ目は今日の事は誰にも内緒。そしてもう一つは……」

 

櫻井女史は響を抱き寄せ、色っぽく耳打ちする。

 

「取り敢えず、脱いで貰いましょうか」

 

「はいぃぃぃいいいいい⁉なんでぇっ!?」

 

 了子のぶっとんだ発言に響は顔を赤くして絶叫する。

 

「了子くん、もう少し彼女にわかりやく説明してくれ、我々も何故響くんがシンフォギアを纏えるのか分からないんだ。だからまず、響くんの体を検査させてほしい」

 

「なるほど」

 

弦十郎の話に響は納得する。

 

「とりあえず、この後響くんには検査を受けてもらって、後日またここで検査の結果を話す。ということでいいかな?」

 

「はい‼分かりました‼」

 

 響は二課の職員に連れられ、検査を受ける為、退室した。

 

「さて、響くんについては検査が終わった翌日にするとして……」

全員の視線がイサムに集中する。

 

「イサム君……すまないが君のことを説明してくれないだろうか?」

 

「……言える範囲でならば構わん」

 

「ありがとう‼ではまず、君のあの姿について教えてくれないか?」

 

「いいだろう……が、直接見せた方が早いかもな」

イサムはポケットから時計型のデバイスのようなものを取り出し顔が出るように表面を片手で回すしボタンを押す。

 

《バルカン!》

するとデバイスはイサムに溶け込むように身体を光に覆わせる。

 

《ショットライザー!》

イサムの腰に拳銃の付いたベルトが現れる。

 

「なっ⁉︎拳銃とベルトが突然!」

周りは突然ベルトと銃の出現に驚いていた。

 

《バレット!》

イサムはプログライズキーを起動し展開させショットライザーに装身する。

 

《オーソライズ!》

 

《kamen rider kamen rider kamen rider》

 

イサムは銃をバックルから抜き前に構える。

 

「なっ⁉︎待つんだ!こんな所で発砲は……」

周りはイサムに銃を向けられ慌て始める、しかしイサムはそれを気にせずに

 

「変身」

 

《ショットライズ‼》

一発の弾丸が放たれた。弾丸は二課の職員達を綺麗に避けながらイサムの元に戻る。そしてイサムは弾丸を左拳を突き出し殴る。銃弾が弾け、装甲を足から順に身に纏っていく。

 

《シューティングウルフ!》

 

《The elevation increases as the bullet is fired.》

 

 

「一発の弾丸で……変身…した」

 

「と言うか……危ねぇじゃあねぇか!私らを撃ち殺す気か‼︎」

奏が怒りながら声を上げ、それに釣られ職員達もうなずく。

 

「これが俺のルールだ…文句言うな」

 

「だからって、銃をこの場で発砲する馬鹿がいるか⁉︎」

 

「それがバルカン…報告通り、近くで見ると狼のような見た目だな…」

 

イサムはショットライザーからプログライズキーを引き抜き変身を解除する。

 

「イサム君、すまないがそのデバイスを見せてもらっても構わないだろうか?」

 

イサムは無言でウルフのプログライズキーを弦十郎に渡す。弦十郎はプログライズキーをマジマジと見る。

 

「一見見ると、ただのデバイスにしか見えないな。展開してみても構わないか?」

 

「構わん」

承諾をもらい弦十郎はプログライズキーを展開しようとしたが展開しなかった。

 

「なっ…なんだこれは…開かないぞ?フンッ!」

力づくで展開しようとするがビクともしなかった。イサムは現在知らないが弦十郎は二課では霊長類最強と言われるほどの人物だ。その人物が小さなデバイスを展開できないと言うのだ。

 

「それは俺にしか展開できない。ある意味俺専用のアイテムだからな」

バックルにショットライザーを装着しベルトを外すとベルトとプログライズキーは粒子状となり消え時計型のデバイスに戻る。

 

「イサム君、君はそれをどうやって作ったんだ?」

 

「作ったと言うよりは……貰った物だ。信じるかはあんた達次第だ。ある日突然、家に銀色のオーロラが現れてな…そこから帽子をかぶった眼鏡の男──鳴滝──と名乗る男が現れ、そいつを渡された。」

 

半分嘘だか半分は本当だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

イサムが転生してから一年後のことだった。バルカンとしてノイズと戦う日々を過ごしていたイサムは、何もない日は自宅でゆっくりしている。そんな時、突然部屋に銀色のオーロラが現れショットライザーを構え警戒した。

その中から人影が見えたかと思えば、中年の男が現れた。

 

すると男は「私は鳴滝、今から数年後、君は大きな戦いに巻き込まれるだろう。それは今と比べ物にならないくらいにね。これは私からの選別だ」

男は何も移されていないブランク状態のプログライズキー、そして形は違うがイサムが持っているバルカンのウォッチに似ていて他は携帯電話のような物が幾つか置かれた。

 

 

「何でお前がそれを?お前……いったい何者だ?」

ショットライザーを構え警戒しながらイサムは問い出す。

 

「私は君のような人物の味方だ。それから最後にもう一つ……ディケイド には気を付けろ、奴は全てを破壊する世界の破壊者だ……健闘を祈っているよ不破イサム君」

 

「なっ⁉︎待て!」

 

男は銀のオーロラカーテンに入り込み、この場から消えてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…と言うわけだ」

イサムはその時にファイズフォンχとコダマスイカアームズ、タカウォッチロイド、ブランク状態の幾つかのプログライズキーをもらった。転生の件は流石に伏せたのだ。

 

「成る程、にわかに信じられない話だが…君がそのデバイスを持っている時点で信憑性は高いな」

 

「…鳴滝、イサム君にバルカンの力を託した男……一体何者かしらね」

了子は鳴滝と言う男について考察し始める。

 

「不破……ディケイドとは何だ?それに、世界の破壊者…不穏な感じがするのだが」

翼は話に合ったディケイドが気になったのかイサムに詳細を聞く。

 

「詳しい詳細は知らん…知っているのはおそらく鳴滝と言う男だけだな」

イサム自身、ディケイドの事は何もわからじまいだ。

 

しかしイサムは近い未来、世界の破壊者と邂逅することになる。

 

 

「不破イサム君」

 

弦十郎は、真剣な顔でイサムを見る。

 

「君に、これから我々とノイズを撃滅するのに協力してほしい‼」

 

「……………………」

 

「もちろん、バルカンについては決して口外しない‼だから頼む‼協力してくれ‼」

 

「…………」

 司令自ら頭を深く下げている姿にイサムは言葉が出なかった。

 

「(俺は…何を勘違いしてたんだろうな、政府の連中はみんな欲望まみれの連中と思っていたが……でも、こいつらは違う、特に司令官の目。守りたいのは機密じゃない、人の命。そう思わせるような感覚、信用してもいいかもな……こいつらなら)」

 

イサムの答えはもう決まっていた。

 

「いいぜ…あんたらに協力してやる」

 

「っ⁉︎いいのか⁉」

 

「ああ……お前達を信じることにした。だがバルカンについては絶対に口外はするなよ?」

 

「ああ‼絶対に口外しない‼ありがとう‼」

 

イサムは弦十郎に協力することを約束する。

 

イサムは弦十郎に手を出す。

 

「改めて不破イサムだ。今を持って俺は二課の仮面ライダーとして、お前達と協力する。これからよろしく頼む、風鳴司令」

 

 

「こちらこそ、よろしく頼む…頼りにしているぞ、イサム君」

弦十郎も手を出し二人は握手を交わす。

 

 

その後イサムは、弦十郎から通信機を受け取り、イサムは響に事情を説明した後、自宅へと帰っていった。

 

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