鳴山白兎は語りたい   作:シュガー&サイコ

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原作の方も色々あるけど、気にせずにストーリーを進める今日この頃。


まきコンストラクト

四宮かぐやは私の叔母である。

正確には、再従祖叔母である。

その四宮かぐやと私は対立して、敵対している。

それは四宮家と四条家の争いの延長線。

数十年前の『四宮家お家騒動』に端を発する争いは今この時も続いている。

正直、凄くくだらないとは思うけど……。

でも、人死が出るまでに加熱した争いは簡単には終わらない。

四条家が急成長したのも『四宮憎し』の一念が大きい。

その一念が、多くの抗争の犠牲者の手を取り合わせた。

共通の敵が存在し、その敵を倒すために皆で協力する。

一見してみれば、それは美談かもしれないけれど。

でも、その敵になった人にはどう映るのだろう?

まして、その争いの最中に生まれた人にはどう映るのだろう?

……四条家も決して真っ当な手段ばかりを使ってきたわけじゃない。

パパは四宮家の人間は邪悪が根付いているというけれど。

その血脈でもある四条家もあるいは同じなのかもしれない。

だとするなら、果たしてこのまま四宮家と争うことが正解なのだろうか?

もっと違う答えがあるんじゃないかとそう思う。

そう、思う。

 

***

 

昨日までのまとめ。

私こと、四条眞妃は四宮かぐやにノートパソコンでのDVDの再生方法を伝授。

その過程で、四宮かぐやと和解し、そのDVDを一緒に見た。

が、そのDVDはなんと性教育のDVDだった。

貸し出し人は、私の親友、柏木渚。

しかし、その彼女は正義のリア充(出典:鳴山)こと伊井野ちゃんに連行されたらしい。

その連行の最中、ギリギリの所で隠れてそのDVDを渡すことに成功したそうだ。

その後の渚は色々とこってりと絞りられたらしく、今朝は、

 

『これからは、もっとしっかりとしていこう』

 

と、何かを悟ったような表情をしていた。

多分、すぐに戻ると思うけど。

 

閑話休題。

 

その後は、早坂の彼氏がいるいない話から早坂が最近鳴山の話ばかりをしているとか。

あれ?鳴山って結構酷くない?という話。

そして、おば様の()()()()()()()の話をした。

なので。

今日は男子どものその辺を訊くことにした!

まえがきはどうした?

知らないわよ!そんなの!

という訳で生徒会室。

 

「おい男子ども!そんなに女と契りたいのか!」

 

「ちぎ……」

「え?なに?」

「あー……。アレの話か……」

 

三者三様の様子を見せている御行、優、鳴山。

鳴山は相変わらずなにかを悟った風なのが気になるけど。

優は言う。

 

「いいですかツンデレ先輩。大抵の男子はドスケベなことが好きです」

「どっ……」

「おい、石上」

「いえ。こういう箱入りタイプはこれ位強く言わなきゃ駄目なんです」

 

そうして、優は言う。

 

「おっぱいやパンツの話でワイワイ盛り上がり、道端に落ちてたらとりあえず読んじゃう……、それが男です」

「いや、それ小学生の話では?」

「やはり性欲か…!女の敵!」

 

鳴山のツッコミも気になる所ではあるけど、それでも今までの話で十分に駄目でしょ。

やっぱり、女の敵よ!

 

「ですが……、童貞は意外とセーフティ!!ていうか、白兎はかなり例外的な奴だろ」

「失礼な。僕は真っ当な変人だぞ。例外にならない方がおかしいだろ」

「いや、認めるのかよ」

「いや、それはいいから話を続けてくれない?」

 

なんだか、鳴山の話に脱線しそうだったのを軌道修正して、優の話を聞く。

 

「男ってのは確かにエロい生き物です」

「世の中にはただヤりたいだけの男ってのもウジャウジャいます」

「でもそれほぼ非童貞なんですよ」

 

そこから、よく分からない例え話をしだした。

古い店がどうなの、一度入ったらどうなの。

なんの話なのか、よく分からないんだけど。

 

「まぁいるけどなそういう奴…」

「まぁOKが出ればねぇ……」

 

なんだか、他の男子は理解しているみたいだけど。

 

「つまるところ、セックスってのは酒やタバコと同じ、一度手を染める事で反復性が付くんです!」

「一度もタバコ吸った事無い人間がニコチン中毒にならないでしょ!?」

「だったら一度もセックスした事無い人間がセックス中毒になる!?」

「なりませんよねぇ!?」

 

うわー……、なんか凄いテンション。

なんかよく分からない。

 

「なぁ、優」

「なんだよ!!」

「僕はツッコまないといけないの?」

 

その瞬間、なんだか周りが静かになったように感じられた。

鳴山は、本当に悲しいそうな声で言う。

 

「いや友人だし、相当にデリケートな話だから僕もあんまり言いたくないんだけどさ。ねぇ、しなきゃ駄目?」

「……………」

「……………」

 

えっ、なにこの雰囲気?

優も御行もなんで黙っちゃうの?

えっ、えっ、え!?

 

「………気づいてたのか?」

「まぁ………。……どの道、彼女持ちがそういうこと言うのかって感じではあるし」

「まぁ、確かにな……」

 

男子どもがお通夜みたいに静かに話してる。

いや、私もどういう意味か分からない訳じゃないけど!

ていうか、伊井野ちゃんは何やってるの!?

ああ、もう!

 

「ちょっと、ちょっと!結局、男は性欲に生きるの!?どっちなの!?

「ああ、結局したことのない人は未知の領域を恐れて早々にはそういうことをしません。というか、優が例に出したのは極端なだけで、多少の抵抗の薄れはあれど、誰も彼もがそういう思考になる訳じゃありません」

「……まさか、お前も…!」

「いえ、ないですよ。ただ、統計的に見たらそうなるだけです」

 

独自のですけどね。と鳴山は言う。

う~~ん。

まぁ、鳴山の言うことではあるし、大丈夫なのかな。

その前の衝撃的すぎることがスッゴイ気になるけど。

 

「そういうものなら、まぁ……、一安心だけど……」

「裏を返せば、非童貞には略奪戦略が仕掛けやすいという事でもある」

「あっ、そういう話はいいわ」

 

もう、翼くんのことは振り切った。

今更、略奪だとかなんとかなんて話はしない。

 

「そうなのか」

「ええ。翼くんのことはもう振り切ったわ。どっかの誰かさんのお陰でね」

「へぇーー。一体、どこの誰なんでしょうね?」

 

白々しく言う。

はぁー…。

こいつも大概面倒くさいわね。

 

「まぁ、それは置いておくとして。そもそも四条先輩がそんなことを言い出したのは、四宮先輩が理由ですよね」

「四宮が?」

 

相変わらず、当たり前みたいに見抜いてくるわね。

でも、言って良いのかしら?

相談内容もそうだけど、その前提にある御行とおば様の交際。

………いや、駄目でしょう。

私だって嫌だし、勝手にバラされるの。

 

「心配しなくても、ここに居る全員、白銀先輩と四宮先輩が付き合っているのは知ってますし。あくまで()()()()()()()()ですからね」

「……それはどうも」

 

意外と知られてるのね。

まぁ、生徒会メンバーなら知らされてもおかしくない……。

いや、鳴山辺りは素で見抜いてるだろうけど。

というか、鳴山が流布している可能性もあるわよね。

いや、そういう本当に大事なことを流すタイプでもないか。

おまけに、自分が気づいただけだから私は悪くないという論法まで用意するし。

 

「でも、ねぇ………」

「じゃあ、ここからは僕の完全な推論ですけど。大方、どこだかのカップルの片割れが四宮先輩に学校に持ってきちゃいけないものを渡して、四宮先輩は再生方法が分からなくて、四条先輩に訊いて、その流れで和解して、で、一緒に見て、その流れからの話でするのかしないのかみたいな話になったと推測してるんですけど」

 

最早推測じゃなくて、普通に見て聞いてたんじゃないかしら?

いや、いくら察しが良いからってここまで察せられないわよ。

おば様の方はその理由は知ってそうだけど。

でも、ここまでバレてるものは隠しようがないわね。

 

「……大体当たりよ」

「つまり、あれか。俺が四宮に無理矢理したりしないかって話か」

「まぁ、無理矢理はしないでしょうけど。いざその時になった時に、怖くなって思わず拒否しちゃったとかで嫌われるのが怖いとか、まぁ、色々と不安になるって話ですよ」

 

大まかに言えばそうなんだけど。

さも、当然の如く言われるとなんかモヤモヤするわね。

 

「……………」

「まぁ、男女交際には、互いの気遣いが必要で不安を感じさせないようにしないといけないってことですよ」

「あなたがそれを言うのね」

「部外者だから簡単に言えることもあるんですよ」

 

それもそうだけど。

御行は悩んでいるみたいね。

それもそうか。

さっき、鳴山も言ってたけど。

別に男女交際は一人でするんじゃない。

相手だって、色々と悩んだりするよね。

 

「……そうだな。今すぐにとは言わずとも、そういうことはいつか四宮とちゃんと話さないとな。四条もすまないな。気を遣わしたみたいで」

「別に良いわよ。私もちょっと気になってたことではあるし」

「ところで優、なんか静かだけどどうした?」

 

と、ここで鳴山は途中、というか、鳴山に半分暴露された辺りから話してない優に話しかけた。

 

「……いや、僕達ってなんかアレだなーって……」

「まぁ、その辺は個人差はあるし。正直、結構なむっつりとむっつりがくっついたら、早めにしそうだなって思ってたし」

「言っとくけど、お前も原因だからな…!!」

「?……まさか、アレか…?」

 

ちょっとわからないけど。

えっ、何か心当たりあるの?

 

「……なんだよ。把握してるんじゃないのかよ」

「なんでも知ってる訳じゃないって。それにしても、アレかー……。アレが理由でやったんかー……。なんかごめん」

「いや、謝られても困るんだけど」

 

全く事情が飲み込めない。

一体何があったの?

そして、私はどうすればいいの?

 

「お、おい。鳴山に石上」

「なんですか?」

「結局、何が原因なんだ?」

 

御行が聞く。

 

「クリスマスです」

「………あっ、あれか。ああ、そうかアレかー……」

「待って。今ので分かったの?」

 

御行はちょっと考えてすぐに答えを見つけたらしい。

もの凄い微妙そうな顔をしている。

そんな顔をするような理由なのだろうか。

 

「まぁ、四条先輩も居ますし、この話はこの辺りにしましょ」

「そうだな」

「うん。そうしよう」

 

なんか勝手に話が纏まったんだけど。

実際、話についていけなかったのは確かだからいいんだけどさ。

 

「そう言えば、四条先輩は冬休みどうしてました?」

「私?私はクリスマスはバレスチナのベツレヘムまで行ってきたわ」

「何でまた……」

「なんとなくよ。ただ、マジなやつが見たくなって」

 

インドとも悩んだけど、別に悟りを開きたい訳じゃないし。

ただ、なんか宗教的な何かが見たくなったのよね。

 

「ちょっとまだ、カウンセリングが必要そうですね」

「どういう意味よ」

「いえ、別に」

 

引っかかる言い方ね。

翼くんのことなら、ちゃんと振り切ってるわよ。

ただ、すっきりしきってないだけで。

 

「あの二人と一緒じゃなかったのか?」

「会長。クリスマスにその愚問訊きますか?」

「あっ、すまん」

「別にいいけど。そういうあんたたちはクリスマス何してたのよ」

「「「生徒会でクリスマスパーティー」」」

 

クリスマスパーティーね。

仲が良いこと。

でも……、

 

「その頃って、あんたたち、それぞれの相手と進展してなかったっけ?」

「進展して、そして、それぞれがそれに上手く適用出来なくて拗れてたんですよ」

「「言い方!」」

「ていうか、お前もお前で藤原先輩と……」

「何か言った?」

 

鳴山が迫力のある笑顔で優を脅した。

その辺りは禁句なのかな。

ていうか、そういう反応する時点で脈はあるのよね。

藤原に……。

えっ?

大丈夫?

あの藤原よ?

 

「今、千花先輩に対して失礼なこと思いましたね」

「なんで分かるのよ」

 

結構、敏感なのね。

ていうか、今の様子からも脈が……

 

バン!

 

「恋バナの匂いは蜜の味!恋バナセンサー感度良好!ラブ探偵チカ久々の登場ですよー!!」

「非常識過ぎんません?藤原先輩」

 

と、大きく扉を開いて現れたのは藤原と、後輩の鬼ヶ崎ちゃんだ。

 

「恋バナはしてませんよ」

「いいえ!私の鼻は誤魔化せませんよ!」

「してませんよ」

「成程。つまり、白兎先輩の恋バナなんですね!」

「違いますよ」

 

二人が詰め寄ってきたのに対して強めの声で否定する鳴山。

普通、これだけ強めにしたら引くだろうけど、何故かグイグイ押していく。

 

「そもそも、僕の恋バナって需要ありますか?」

「ありますよ」

「私達にもありますし、多分、生徒会メンバー全員に需要あります」

「まぁ」

「そうだな」

「ええーーー……」

 

心底面倒くさそうな声を出す鳴山。

まぁ、私も興味があるかないかで言ったらあるけど。

散々と人をからかった分、からかい返したいし。

 

「ホラホラ、言って下さい」

「そうですよ。言って下さい」

「ぐぅぅぅ」

 

とか、そんな風に考えている間に鳴山が二人に追い詰められて端に追いやられた。

優や御行も興味深そうに覗いている。

鳴山も顔を引きつってる。

初めて見る表情だ。

 

「ブレザーって可愛いですよね」

「「「「「え?」」」」」

 

何を急に言いだしたこの男?

 

「何を誤魔化そうと…」

「いやいや。この秀知院だと独特の制服だけど、一般的な制服は基本ブレザー、たまにセーラーですよね。で、その中で一番可愛いって思うのはブレザーなんですよね。なんていうか、半端にラインが見えるよりもキッチリとちょっと隠れる感じが好きなんですよね。はい。いやー、ブレザー姿の女子が見たいなー。特に千花先輩と美青は特に似合うんだろうなーー」

「そこまでして話したくないんですか……」

「大人しく白状すればいいものの……!」

 

意図がバレバレ過ぎる。

というか、普段の上手ぶった態度はどこにいった。

こういう時こそ、発揮すべきでしょうに。

 

「まぁ、今日は部外者も居ますし、勘弁してあげます」

「なぁ、部外者って俺たちのことか?」

「この人、一対一とかじゃないと言おうとしないですし」

「そうなんだ」

「ちょっと、そういうのバラすのは止めてくれない?」

 

鳴山が止めに入る。

……なんだか楽しそうじゃない。

 

***

 

後日談、というか今回のオチ。

 

「それでどうですか?」

「似合ってます?」

「ほほう」

 

その後、鳴山の要望?通りに二人はブレザーを着た。

それを見て、鳴山は感嘆の声をあげた。

 

「千花先輩はブレザーだと普段よりも存在感が大きくなりますね。理由はブレザーであることというより秀知院の制服が黒だからというのが理由でしょうけど。でも、やっぱり上下で違うと良いですし、防御力も高い。ただ…」

「ただ?」

「スカートを膝上位までにしません?スカートは短い方がおしゃれって言いますけど僕はそうは思いません。ただただ防御力が低いのは痴女にしか見れない人なので」

「そうですか…」

 

なんか注文が多い気がする。

 

「美青はアレだな。元々が普通に可愛いし、中等部が白だからか、存在的なギャップはそんなにない。が、だからこそ、しっくりくるというか、ちゃんと可愛い感が出てるんだよな。でも…」

「でも?」

「もうちょっと崩してもいいかも。学校だとあれだけど、アクセサリーの類を付けてもいいかもね」

「なるほど…」

 

細かい。

いや、細かいと言う程でもないのかもしれないけど。

なんかオタク臭い感じね。

 

「まぁ、でも」

 

鳴山はいい笑顔で言った。

 

「二人とも似合ってますよ」

 

凄いいい顔と凄いいい声で言った。

これは凄い。

人によってはクラっときそうな感じだ。

現に二人がくらっときている。

 

「あいつ、ああいうことするんだよな」

「ホントっすよ」

 

御行と優が白けた表情をしている。

まぁ、外から見るとそうよね。

 

「あれ?元々の目的ってなんだっけ?」

 

最初の目的を忘れる私だった。

 




石ミコに何があったって?
18になったら、18の所に行こうか。
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