鳴山白兎は語りたい   作:シュガー&サイコ

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明けましておめでとう!


後日談
番外編 はくとメタトーク 其の参


「ああ、今年ももう終わりですね…」

「早いなー。もうやになるよな。年取るごとに一年が過ぎるのが早くなっていくの。この調子だと、じいさんになったときはF1カーが通り過ぎる並みの速度で一年が過ぎるんだろうな」

「私はまだ大丈夫ですよ」

「いやいや、実際。僕なんてもうベン・ジョンソンが走り抜ける速さまで来てるからな。来てるからね、そこにベンが。若いからって調子に乗ってるとすぐに来るんだよベンは」

「マジですか。ベンが来るんですか。私はベンよりもカールの方がいいですね。かっこいいです」

「まぁ、ようは今年も充実した一年を送れたってことじゃない?」

「送ってませんよ!ちょうど元日ですよ!スタートダッシュですよ!ていうか、なんですかこのノリ!」

「どういうノリって聞かれても、BGオンリーのノリとしか答えられないんですけどね?」

「最近のアニメは1クールか2クールで終わっちゃって、こういうノリが出来る作品が少ないんですよね。クオリティーが上がってるのは良いことなんですけど」

「本当にな。まぁ、こうしてこたつとみかんと半纏で過ごしてるアニメはそうはないんだけどね」

「いや知りませんって。明らかに私がついていけない話をチョイスしてますよね。ていうか、昨年に一応ちゃんとした最終回を迎えたのになんでいきなりこんなグダグダのノリなんですか?」

「まぁ、新年だし?常にノリノリをキープするのは難しいんだよ。そもそも裏話なんてこういうグダグダなノリで明かされるのが世の常なの」

「開き直らないで下さいよ。そもそも、私が延々とツッコミ役にされてるんですか」

「それはですね、藤原先輩。こういうオタク的な会話をさせたら、自然とアニメに疎い藤原先輩が分からないからですよ。この人と付き合うには、そういう漫画ネタの応酬にきちんとついていかないといけないんです」

「いや、まぁ、それ以外のノリでもやれるけどね?」

「だったら初めからそうして下さいよ!」

 

 

最終回を中心とした解説

 

「という訳で、話していくわけだけど。最終回を中心とした解説ね」

「確かに、最終回は今までの話よりも長いのに、色々と端を折った展開ですよね」

「まぁ、僕の心理描写とか色々と察した状態で展開してたからな。そこで分かりづらいかもしれない」

「それじゃあ、まずは白兎先輩は誰が一番好きなのかというのをハッキリさせましょうか!」

「いきなりそこか……。う~~んと、10のマイナス100京乗位の差で美青かな」

「なんですか、その天文学レベルの数値。……別にそこまで気遣わなくて良いんですよ?」

「いや、ここがメタ時空だからぶっちゃけるけどマジで差なんてないんだよ。ていうか、そもそもどちらも性的な意味での好きだけど、絶妙に違う好きでもあるんだよね。引っ張ってくれるって意味なら千花だし、支えてくれるって意味なら美青って感じで。静と動というか、日常と非日常というか。そういう意味では、僕は日常を守りたかったと言えるのかも」

「私は非日常枠ですか!いや、確かに非日常ですけど、玉枝とかその象徴ですけど!」

「でも、白兎先輩の好みって最終的にどういう人なんですか?」

「………甘えさせてくれる人になるかな?」

「「ああーー……」」

「白兎先輩って、基本的に相手を甘やかす方向で動きがちですからね。それに、過去が過去なだけにそれを自分にして欲しい人ですし」

「それで自分もそういう感じで甘えさせて欲しいというのは納得ですね。まぁ、そういう風に動いても強がっちゃうんですけどねこの人」

「今までしてこなかったことは中々と出来ないものですよ」

「仕方ないですね……。ほら!」

「ちょっ!」

「膝枕ですよ。よしよしよしよしよし」

「いや、甘やかしてそんな押し付ける感じじゃなくて!うぅぅぅぅ」

「むぅぅぅぅ。藤原先輩、私だって甘やかしてあげたいんですけど。ていうか、白兎先輩もなんで満更でもない顔で顔を赤くしてるんですか!」

「………抱き枕

「え?なんて?」

「美青。ちょっと抱き枕になって」

「変なトリップしてる!?今までだしたこともない欲望が出てますね!?」

「いいから、いいから。取り敢えず抱かせて」

「ちょっと!私だってしたいんですけど!」

「ああ、もう!」

 

キンコンカンコーン

 

閑話休題

 

「よし、何もなかったな」

「そうですね」

「じゃあ、次は玉枝の話でもするか」

「蓬莱玉枝。私の怪異、ではありますけど本質的には秀知院の怪異の集合体というのが正確ですね。元々秀知院に集まっていた『よくないもの』に私という指向性が与えられて生まれたのが蓬莱玉枝です。なので、性格的にはもろに私です。というか、義務的に呪いを吐き出す以外はほぼ私です」

「まぁ、知識面とかで違いはあるけどね。玉枝はその出自上、怪異的な知識は臥煙さんに一歩劣るかな程度で、力的なスペックは完全モードの死屍累生死郎並なんだよな」

「私には分からないんですけど。つまり、どの位凄いんですか?」

「「世界を真面目に危機に追いやれるレベル」」

「ええ……」

「まぁ、本編中ではいざ滅ぼすぞ!みたいな感じに言ってはいるけど、あんなのはあくまで理由付けで、実際に滅ぼしにかかったかって聞かれたら、全く滅ぼされなかっただろうけどね」

「…………まぁ、そうですよ」

「それじゃあ、なんであんなこと言ってたんですか?」

「単純な話で、退治されたかったってだけの話だよ。蓬莱玉枝はそれなりに自由度はあるけど、実際としては呪いの怪異であることには変わりない。呪わなきゃ成り立たない存在だから、どうあっても人に害をなしてしまう。だから、退治されたかったんだよ。まぁ、怪異的には自然消滅が一番良いんだけど……。はい。その辺は僕が原因ですね」

「……そこまで分かってましたか。やっぱり」

「どういうことですか?」

「蓬莱玉枝が呪ってる対象は僕だってことだよ。蓬莱玉枝は呪いの集合だけれど、元の話的に縁談としての意味合いも大きくある。つまるところ、縁結び的な怪異でもある。簡単に言ってしまえば、呪った相手と呪った本人をくっつける為に呪いを振り撒き倒すんだよ。つまり、このシリーズの怪異譚って纏めると、僕と千花をくっつかせる為に、邪魔者を排除したりお膳立てしたりする為にあるんだよ」

「ええ……。なんですかそれ?傍迷惑にも程がありますよ」

「怪異譚なんて、紐解けば大体傍迷惑の産物ばっかだよ。むしろ、崇高な目的ーとかの怪異譚があったらむしろ聞いてみたいわ」

「あんまり言わないでくださいよ…!一応、私でもあるんですから」

「まぁ、だから僕が千花を選んでいたら、玉枝は消えてそのまま問題解決にもなり得たってことだよ」

「……なら、なんでそれを選ばなかったんですか?」

「……みなまで言わすな。怪異を理由に選びたくなかったんだよ」

「そういう所は誠実ですね。現状は誠実じゃないのに」

「僕としても、こうなるのは色んな意味で予想外なんだよ」

「………」

「………」

「………」

「この話はこの辺にしよう」

「はい」

「そうですね」

「次は…、僕の現状辺りでいいか」

「今は神様なんですよね」

「そう。因幡の白兎の性質を持った幸運の怪異としての神様。まぁ、秀知院の神様になったから力的なものはかなり上がってるけど、それでも単純な実力じゃあ玉枝には敵わないんだけどね。まぁ、それ抜きでも敵わないだろうけど」

「元々はカチカチ山の兎ですよね?」

「『辛兎』。呪い系の怪異であり、原典はカチカチ山の兎であの話はおじいさんの作物を食い荒らしていた狸を捕まえた所で、心優しいおばあさんが逃してくれたのに、狸はおばあさんを殺し、その肉で作った汁をおじいさんに食わせて、イカれた歌を歌いながら逃げていく。それを知った兎はブチギレ、散々と仕返しをして、最終的に泥船に乗せて、沼に狸を沈める話。だから、呪った相手を様々な方法で仕返しをするっていう性質を持っている。色々と死因に違いがあるのはその辺が理由だな」

「因果応報の怪異ですよね。受ける仕返しの具合は白兎くんの気持ちと白兎くんに対する行動によって変化してますし」

「あれ?メタ時空だからと無視してましたけど、藤原先輩はどうして白兎先輩の過去を把握してるんですか?」

「それはですね。私が玉枝のことを感じる度に玉枝の知っていることが体感として分かってきたんですよ。これは本編中からそうです。明確な自覚は3学期辺りからですけどね」

「僕も気が付き始めたのはその少し前、クリスマス辺りから、なんとなく分かってきた。要するにちゃんと向き合うことで気づき始めたってことなんだけど」

「基本的に察しの良い白兎先輩がいつまでも気づかなかったのってそういうことですか」

「そういうこと」

「この話はその辺にしましょう。それで神様としての名前は何になるんですかね?」

「暫定的にはただの『神様』ってことにはなるかな。あるいは『鳴山白兎』とという名前の怪異ってことにもなる。まぁ、これは神様になった奴らは大概そのままの名前だからな。撫子も本人の中で『クチナワさん』っていう怪異のを妄想してはいたけど、あくまで神様としての名前は『千石撫子』だからな。まぁ、究極的に言えば何の神様とかって別に人は大して気にしていないって話なんだけど」

「その辺は雑ですよね。神話とかに出てくる神様なら兎も角、土地神とかはどういう神様なのかは気にしても、その名前まで気にしていることはないですし。因みに、私の神様としての名前は『蓬莱玉枝』ということになってますね」

「随分と不思議な立ち位置ですよね。藤原先輩って」

「別に神様と人との間に生まれたって訳でもないのに、人でもあり神様でもあり、かと言ってあやふやでもないってのは相当に珍しい例だね。二人で一人というか、一人が二人というか、あんまり独立もしていないし」

「そう言えば、藤原先輩はどちらかが死んだ場合はもう片方はどうなるんですか?」

「嫌な話ですけど、どちらかが死んでももう片方には大した影響はありません。蓬莱玉枝は私自身ではありますが、しかし根底的な所は秀知院の怪異なので秀知院がある限りは消えたりすることはありません。ただ、一番の観測者になり得る私が死んでいるのでその人格や設定に多少の変化が起こる可能性はありますけど。玉枝の方が消えた場合も私には何の影響もありません。ただ、私の遣わした呪いが消えたというだけなので。呪い返しされたのなら、また変わりますけど、それが出来るのは白兎くんだけですから」

「一心同体でもあり、しかし、別個の存在でもある。……中々複雑ですね」

「その点、僕はきちんと一人だよ。本当は一柱というべきだろうけど。純然たる先天的な怪異だよ」

「先天的?後天的ではなくて?」

「まぁ、因幡の白兎として存在を偽った時点では、後天的な怪異だよ。ただ、バランサーに飲まれかけた時に言った美青の言葉で僕の存在は許された訳だけど、けど、あれって実質僕の存在の再定義だから」

「……ていうことはもしかして、先輩を完全に怪異にしたのは私ですか?」

「そうだけど、それなかったら存在ごと消えてたからね、僕。まぁ、無茶したことへの反動みたいなものだし、ぶっちゃけ臥煙さん的にガチで怒ってるだろうからそのまま見捨てられなかっただけかなり温情だよ」

「そんなに言われるほどですか?」

「世界と赤の他人一人を比べて、どっちを取りますか?」

「ああ、なるほど」

「僕も同じ状況ならそうしているよ。……灰被未見の時がそうであるように。そこに複雑な心境はあっても、専門家として果たさなければならないことはちゃんとこなしているんだよ」

「私のときもそうであると思ってましたけど」

「赤の他人ならだよ。僕は専門家である前に人だったってだけだよ。僕は当たり前のように身内贔屓をする。身内と世界のどっちを取るなんて聞かれたら、身内だと即答する。まぁ、それはそれとして専門家としての対策も取ってはいたけど」

「え?そうなんですか?」

「撫子の家に寄った時にそれも貰ったんだよ。いくつかの細工を施して、僕が()()した時に最低限の責任がとれるように道連れにするための怪異の存在を打ち消す御札をね」

「神様にできる御札が作れるんですから、そんなものが使われたら確実に駄目でしたね。やっぱり、千石さんはかなり規格外ですね」

「所詮、僕が神様止まりなのに対して、あいつは神を通過点にしているからな。本人に自覚が足りてないけど。まぁ、あのまま突っ走れば確実に大成するよ。色んな意味で」

「世の中は本当に広いですね」

「広いよ」

「それはそれとして。臥煙さんが白兎くんのことを助けたのは、そういう対策もしていることを見抜いたからじゃないですか?」

「どうだろう?子どものワガママだからで対応した可能性もあるし、ここで僕に消えられたら後の対応に相当に困るからってのもあるだろうし。少なくとも、僕自身に対しての専門家的な信頼は今回の件でなくなったかなとは思ってる」

「でもどうあれきちんとした結果を引き出してはいますから、そこまででもないと思いますよ?だからこそ、秀知院の神様っていう私の監視とこの都市の平定という役割を与えているでしょう」

「そうは思わないけどな」

「白兎先輩のそういう自分に対して厳しい所は直りませんね」

「今後の課題ですね」

「目が怖いですよ二人とも」

 

***

 

「まぁ、こんなものですかね」

「そうですね。まだ、何か補足しきれてないことがあるかもしれなせんけど、作者が聞かれたら答えるでしょう」

「それじゃあ、最後に挨拶しましょう」

「ええ、かれこれ一年近く物語を語ってきましたが、お付き合いいただきありがとうございました。これからも後日談を語っていこうと思うのでそちらの方もお付き合い下さい」

「今回のメタトークの担当は、何か良いことあればいいですね、鬼ヶ崎美青と」

「何か良いことがあるのが私、藤原千花と」

「何か良いこと起こすのが僕、鳴山白兎でおおくりしました」

 




今年もよろしくお願いします!

この作品の正ヒロインは誰?

  • 鬼ヶ崎美青
  • 藤原千花
  • 千石撫子
  • 鳴山白兎
  • その他
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