在るべき死に場所を探して   作:開屋

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急転

 最初に言っていた通り、射命丸はこの件に関しては大した色をつけることもなく記事にするようだったらしく、僕の目を通してもそこまで訂正させるような所はなかった。もっとも多少の脚色は謀っていたようだが。

 

 文屋の新聞による情報に期待と少しの不安を持ちつつ、記事の発刊を待った。

 

 

 

 数日後、待ちかねた記事がようやく出来た。僕自らが出向いて記事を配ることもした。もっともそれに対する人々の反応はあまり芳しいものではなかったのだが....いったいこれまでどんな記事を書いてきたと言うのか。

 

 さて、一番大切な目撃談であるが、僕自身あまり期待していなかった分、想定より上の成果はあった。だが目撃だんの分母が多い分、見つかった場所にバラつきが見られたのはかなり痛かった。

 

 多くの目撃談が寄せられることになったが、それらの多くに共通していたのが、『ボーッとしていた』だとか、『魂が抜けているかのようだった』と言うものが多くあった。これらの特徴は以前にも小傘が挙げていたものと同じである。

 

 見つかった場所がバラバラであった以上、同じ所に張り込んでいてもあまり効率は良くなさそうであったので、人里全体をターゲットに探すことにした。

 

 しかし、情報が出て数日間探すも中々見つからない。これまでの目撃談を聞くに白痴の老人にでもなってしまったかのようである。気まぐれに彷徨っているというのなら、確かに見つけるのは至難の技かもしれない。

 

 

 

 

 

 そんな日々が続く中、ある日思わぬ形で事態は動いた。

 

 

 

 

 寺子屋に通っている人間の生徒の一人が、僕の母親の心当たりがある、と言い出したのである。寺子屋の中ではこの話は慧音と一部の妖精らくらいにしか広まってないはずなのに。

 

 話を聞いてみると、その子の父親が珍しく新聞を持ち帰っていたらしく、気になってたまたま見た、とのことであった。普段は荒唐無稽な焚き火の種が実際にこのように役に立つとは正直思わなかった。

 

 話を聞くと、しばしば母らしき人物が立ち寄る場所があるらしい。今までの情報だとそういった規則性は見られなかったのだが....

 

 話の通りの場所に行き、しばらく張り込むことにした。どうやらその場所は僕が最初に小傘に驚かされた場所のようだった。それなら小傘が見かけたと言うのも成程合点がいく。

 

 

 1時間、2時間と時間は経つが現れる様子がない。人通りがそれなりにある分、目立つ様子の母がいればすぐにでも見つけられそうではあるのだが。

 

 それに当てもなく探すなんかよりこうやって少しでもヒントがある状況で探す方がよっぽど可能性がある―

 

 

 

 いた。




 ....
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