在るべき死に場所を探して   作:開屋

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 今回もまた短いです....申し訳ありません....



某日の職場

  一人の少年が死んでからしばらく経ったある日、小野塚小町は彼岸の四季映姫・ヤマザナドゥの仕事場を訪れた。

 

「何しにここに来たの?もうすでに休憩の時間は過ぎているはずだけど」

 

「やだなぁ、まだ少し残ってますって」

 

「そういう事にしておきましょう。それで、どうしてここに?」

 

「いやぁ、あたい自身気になることがありまして、ほら、少し前にここに来た外の世界の人間ですよ」

 

「ああ、あの人ですか。確かに色々な方々を裁いてきましたが割と印象にも残ってます。あの方について何か気になることでも?」

 

「何というか、情状酌量があるとはいえ思ったほど厳しい判決にならなかった、というか相当優しいもんだったなぁって思ったんですよね。らしくない」

 

「別に私は好きで罪人に対して厳しい判決を下している訳では無いわ。あくまでその人の生前の行いに相当した判決を下してるだけだから」

 

「まぁそうなのかもしれないんですけど、一応あの人間のせいで死にかけた人間も出たんですし、むしろ結構な重罪になり得るものかと思って」

 

「小町は私の下した判決に異論があるとでも?」

 

「うぇっ、そ、そういう訳じゃないですって」

 

「よもや大体何処かの書に記されているような、少なくとも数兆年単位の責め苦を受けさせるなんてそんな趣味の悪いことを私がするとでも?」

 

「いやまぁそこまで言ってるわけでは....ちょっと気になっただけですって」

 

「そうですか。ならば私からの説明は終わり。ここからの時間はある種、重罪人よりタチの悪い仕事をしない部下への叱咤に充てるとしましょう」

 

「えっ!?いやちょっと待ってください!もしかしてワザとこの機会を設けるために中途半端に話引き延ばしたんですか!?」

 

「別に私は小町がここに来るなんて今日は考えてもいませんでしたし、それは単なる小町の言いがかりでは?」

 

「うっ、ぐうの音も出ない....出来るだけお手柔らかにお願いします....」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ....相変わらず四季様の説教の長ったらしいったらありゃしない....ちったああたいにも温情かけてくれたらいいんだけどねぇ....」

 

 我々の感覚からすると説教というモノを遥かに超越した何かを終えた小町がブツブツと呟く。

 

「それにしてもあん時の幽霊みたいなのはホントいくら渡しても退屈しないからいいんだけどねぇ....そうすりゃもう少しはあたいだって真剣に働けるだろうに。例にも漏れず向こうは口無しだけど....次に来る機会があればそれはそれで楽しみだな」

 

 

 

「はぁ、全く小町の仕事ぶりには困ったものです....どうにかしたいものですが....」

 

 恐らく反省していない様子の小町の後ろ姿を見送った後、映姫はため息を吐いた。

 

「しかし、判決を下した以上後悔はないと言え今回に関しては小町の言う通り少しだけ私らしくないところもあったかもしれませんね....でも—」

 

 そこから先は何も言わなかった。




 恐らくですが次回で完結になると思います。妙な期間を空けないように精進したいと思いますので何卒、宜しくお願い致します。

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