在るべき死に場所を探して   作:開屋

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エピローグ

 地獄で与えられる罰というのに表向きでは強がってはいたが、内心は怯えている部分もあった。小町とか言う妙に明るい死神の話を一方的に聞かされていた分、閻魔からの判決は正直怖かった。突発的だったとはいえ多くの人間を傷つけてしまったのだから。

 

 どんな責め苦を受けることになるのか、そういえば生前は地獄の責め苦なんて―とか考えたが結局はただの強がりに過ぎなかったのかもしれない。もしくは精神が不安定だった分、気持ちが大きくなったのかもしれない。結局のところ僕自身は元来小心の者なのだと今になって痛感した。

 

 何かの書物で見た。地獄での刑期はほぼ永遠と言っても過言でない程の時間での苦痛に溢れたモノであるということを。

 

 だがせめてもの救いは、短い間だったとはいえ死ぬ前に母の優しさに触れられたことだ。この時間を得るための対価が地獄での罰だと考えれば何とか乗り越えられる気がする。そう自分を奮い立たせていた。

 

 

 

 ....そして今僕はここにいる。周りの景色は僕のイメージ通りの『地獄』である。だが当初思っていたよりは俗っぽい、というか案外秩序といったものも感じられ....いや、流石にそれは言い過ぎたかもしれない。

 

 こんな風に意外なイメージも挙げてみたが地獄は地獄、時間の感覚もない中での罰は覚悟していたとはいえ、流石に堪えるものもあった。この様相であるにも関わらず話半分に聞いた『旧地獄』が地獄として機能していた頃はもっと凄絶であった、ということは想像するにも恐ろしい。

 

 とまぁ、僕の責め苦を受ける話を聞いたところで毒にも薬にもならないだろう?だから今はこの位にさせてもらうよ。ちなみに閻魔様曰く、お勤めの終わる時期は決まっていないんだってさ。

 

 あと話は変わるけど、僕が死んで間も無くして母も死んでしまったらしい。多分僕が母の命のほとんど全てを使ってしまった所為であろう。残念ながら、というのも少し違うかな。この場合幸運なことなのかもしれないが『この場所』では母に会うことは出来ないそうである。

 

 お勤めを終えた僕はどうなるかはその時にならないと判らないが、きっと悪いものにはならない気がする。確信は無いがそんな気がした。

 

 

 

 人間の世界ではかなりの時が流れたある日、寺子屋は普段より少しだけ様子が違った。

 

「はい、これで転入手続きは終わりです。お疲れ様でした」

 

「ありがとうございます」

 

 慧音と転入生の母が何か話しているのを、子供はちょっと不安気に母の服の低い部分をぎゅっと掴んでいる。

 

「お子さん、お母さんのことが大好きみたいですね」

 

「そうですね、何をするにも私から中々離れなくて....実際明日からのことが不安なようで....」

 

 母親も母親で少し心配そうな様子を見せる。それを見て

 

「きっと大丈夫ですよ」

 

 と、慧音は自信げに笑った。

 

 

 

 翌日の寺子屋、転入生の噂はすでに広まっていたらしく朝から妙に騒々しい。

 

「おーい、朝礼始まるぞ。静かにしろー」

 

「けーね先生!今日新しい人が来るって本当なの?」

 

 前のめりにチルノが慧音に尋ねる。やれやれ、といった様子で

 

「この様子なら勿体ぶる事も無いみたいだな。....おーい、もう入ってきても大丈夫だぞ」

 

 慧音が呼ぶと新入生の子は緊張した様子で入ってきた。

 

「は、初めまして。僕の名前は―」




 何とか最後まで漕ぎ着けることが出来ました!拙文ではあったかと思いますが、この手のお話を最後まで書き切ることが出来たのは大変喜ばしく思っております!
 
 さて、ここまで読んでくださった方々には深く感謝申し上げます!またいつか何らかを書いていきたいと思っておりますのでその時またお会いできれば幸いです。


 それでは最後に、本当にありがとうございました!!
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