「くそッ出血が酷い!輸血パックを持ってこい!」
それは、二人の少女が産まれた病院。
難産で帝王切開が行われ何らかのアクシデントで大量の出血が確認される、そして緊急輸血が行われる事になり…………後にその血液は汚染されていたことが全ての悲劇を産んだ。
「美遊ちゃん大丈夫だからね!頑張ろうね!」
だが、その汚れた血は一時間後に双子を出産する女性ではなく金髪の赤ん坊一人の為に使わようとしていた。
「オギャア!」
「……可愛いぃ」バシャッ
「おい何やってんだお前!」
いや、使われる直前で赤ん坊に魅とれた看護師が落として中身をぶちまけ、汚染されていない違う物を使うことになるのだが…………。
「はぐはぐ」
「あー!また美遊が私のクレープ取った!?」
「仕方ないよぉユウキ…………だって美遊ちゃん、私達よりも一時間だけ年上なんだから~はいっ私のもどうぞ♪」
アルトリア・ペン・ドラゴン
15歳。双子の幼馴染を持ちお隣さんに餌付けされ双子の姉の方に可愛がられる―――――
中学生である(9話参照)
「美遊ちゃん!」
「美遊!」
目が覚めるとよく知る双子と両親が涙を流しながら出迎えてくれた。
「ゲームは終わったのだな」
重い体を動かし、改めて実感するとアルトリアにもこみ上げてくるものがあった。それでも涙を流さないのは大ギルドの長としてのプライドが未だ自分の中に居座るからだろうか?
それとも――「おせぇぞ父上!」「無事に目覚められたようでなりよりでございます」「美しい家族愛ですね」「いやーこの祝いの席に弟が居ないとは残念だ。後でこの感動を伝えてやらねば」「Arrr俺も結婚して子供ほしい」「一同、車椅子姿で申し訳ございません。同じ病院だと分かると皆いてもたってもいられず…………」
「ははっははははは!」
笑いが止まらない。こんなにも早く再会を果たす事が出来るなんて。涙なんてたまるわけがない。こんなにもこんなにも嬉しくて心踊る事はないのだから。
『私は誰一人円卓を欠かすことなくこのゲームをクリアする』
守ったぞかつての私。
私が王として建てた誓いは今こうして達成させられた!
「ありがとう私の円卓、騎士達よ。汝らのお陰で私の心は満たされた」
照れたように笑うモードレッド
頬を赤めて平伏するアグラヴェイン
詩を唄い始めるトリスタン
太陽のような笑みを浮かべるガウェイン
疲れたように笑うランスロット
糸が切れたみたいに泣き始めるベディヴィエール
これが私の円卓。私の円卓のほんの一部。
まだケイや皆とは会えていないけれど、fateのアルトリアに誇ったっていい
私は騎士王、円卓の主
私の円卓は間違いなく世界最強だ!
fateのアルトリア「何ですかっあれは!?ランスロットは寝とらないしッモードレッドが素直ッー!つまり理想郷はここに在ったと!?」
SAO編【完】やりたい事は全部やった!