ガレスにとってアーサー王は英雄だった。
はじまりの街、そして始まりの日。茅場晶彦の言葉によってプレイヤーの誰もが絶望する中、ただ当然のように歩き、当然のように彼等、ランスロット、ガウェイン、モードレッド、ベディヴィエール、トリスタン、アグラヴェイン、後の『始まりの騎士』達を引き連れ、高台に上がった彼女はたった一言。
「私はベータテスターである!」
プレイヤー達は静まりかえる。
彼等の多くが「今度はなにが起きたのか」困惑と恐怖に顔を歪める中一部が唖然と口を開く。思えば彼等はベータテスターだったのであろう。
「これから、ゲームクリアを目指す者、ゲームクリアを待ち望む者、様々だろう。私の名はArutoria。ベータテスターとして責任を果たすべくこの場に立った!」
覇気という奴なのだろうか、ザワザワとした闘技場は
それは正しく英雄譚に語られる伝説の一ページだった。
――伝説。そう、後の最強ギルド『円卓の騎士』の主、騎士王が夫ガレスと結ばれる初めての出会い………ウハッ、ヒヒヒヒ………………!!!
―――円卓の騎士・ギルドメンバーガレスの日記より一部抜粋(一番まともだったやつ)
「ハックション!」
「王よ、ゲーム世界で風邪とは流石でございます」
「何が流石なのかなトリスタン君。取りあえずティッシュ取ってくれない?」
ポロロン
デスゲームと化したSAOで再会した時、マジモンのトリスタンかと勘違いさせられた『トリスタン』。楽器こそないが実力はフロアボスを単独で狩る化け物揃いの円卓の騎士で五本の指に入る猛者中の猛者であり、そんな彼とはそこそこ仲が良く、レベル上げなどでよくパーティーを組んでいた。
「トリスタンはさ、何レベ?」
「67です」
安全マージンが10レベ。現在解放されている最高階層が39層なのでこれはかなり狂っている。
「我が王よ、そう言う貴方は?」
「――69だ」
だが私はそんな彼よりも二つレベルが上だ。
何故かって?
「流石です。ですが、マッシュポテ………ガウェイン卿は先日70レベルに為ったとのこと。王が配下より弱いとは情けなく思われます。今日中に5レベルほど上げてしまいましょう」
「えっもうこれぐらいになると1レベ上げるのにぶっ続けで五時間ぐらい掛かるよね?トリスタン、キミは正気かい?」
「正気ですが何か?」
私のレベルが高いのは円卓のゴリラどもがバンバンレベルを上げ、トリスタンみたいな「王が配下より弱いとは……私は悲しい」ポロロン
育成部隊が控えているからである。トリスタンは口先だけで最悪無視すればどうって事ないが、モードレッドやケイの野郎は私がレベル上げを拒否するようならオレンジになるのも辞さない強硬派である。
「――同レベで勘弁して?」
「ええっとケイ殿へ――我が王はレベル上げを」
「うわぁぁぁ!!!!やりますから!5でも6でも徹夜で頑張りますからケイだけは止めてェェェ!」
夜通しでレベル上げをしたアーサー王はレベル75に為った。
【円卓の騎士】ギルドメンバー
ガレス…ショタでヤンデレ。
ガウェイン…マッシュポテト狂い。
トリスタン…ほぼ型月トリスタン。
ケイ…俺が新撰組だぁぁぁ、が少し落ち着いた感じの人。
モードレッド…槍王似の貧乳娘。現役女子高校生。THEスケバンて感じの人。