菊岡は罰金を払い出所済み
キリト君は原作通りUWへ。
謝罪とアドミニストレータァァァ!!!
“キャメロット”
それはソードアートオンラインにて、かつて円卓がギルドホームとして構えていた巨大な城の名前であり、街の総称であった。
四十九層にあるそれは当時、アグラヴェインやガレスなど意外な秀才達の手によって活気に満ち、珍しいアイテムや武器なんかが市場に流れ中層プレイヤーや攻略組もよく利用していた賑わい高い場所だった。
――しかし、それもゲームクリアされた今ではデータの藻屑と化し亡き幻想…たまに懐かしく思うこともあったが、悲嘆にくれる物ではなく、それはそれで素晴らしかったと胸を張って言える物だった。
「いや、しかし……これは」
ALOに浮遊城アインクラッドが追加された。
少々のパラメーター調整は入ったものの、始まり街の外見はあの頃のそのままであり、もしかしたらキャメロットもあのままかもしれない……なんて二ヶ月前に言ったのが運の尽きか。
おい、その先は地獄だぞ。
――助けて、士郎
正義の味方などこの世には存在せぬ。
強制か担ぎ上げられた狂気故か、円卓は
1日十時間ログイン?
睡眠時間は二時間足らず?
馬鹿か?
……馬鹿だな。断らなかった私はそれ以上の馬鹿かもしれないが。
絶剣という名の幼馴染や青アーチャーと云われる昔馴染みを新たな仲間に迎え全盛期の勢いを取り戻した円卓の怒濤の攻略ラッシュが再発し、製作陣の予定に反して四十九層までたった二ヶ月で上り詰めてしまった。
攻略スペースはデスゲームの倍以上……これを幸と取るか不幸と取るか。
今日は四十九層に到達した栄えある日、円卓が全員集まる珍しい日だ。
ふらふらと覚束ない体に鞭をうちキャメロットのテラスにて
お馴染みのランスロット、ガウェイン、モードレッド、ベディヴィエール、トリスタン、アグラヴェインを背後に従えた私は剣を突き上げる。
「「「「オオオオオオォォォォ!!!!!」」」」
総勢千五百(+二)の円卓の騎士達が雄叫びを上げキャメロットの王の帰還に熱を上げた。
時刻は深夜の二時だ。
こんな時間までログインしていると兄貴でパパン気質なケイ卿が「学生はさっさと寝ろ!」と叱り倒して瞬く間にこの熱狂を沈静化してくれる筈なのだが……悲しきかな、彼はリアルの用事で席を外している。
「(眠いな…)」
テラスから降り、円卓の中でも上位に位置する騎士達が守護する王座の間にて目蓋を擦るアルトリアは思わず欠伸を漏らした。
――そろそろ休もうか。
キャメロットも戻ったし皆とその嬉しさを分かち合ったアルトリアは肩の力を抜いて間延びする。
「私は、もう寝る」
「ハッ」
アグ君が短く返事を返したのでアルトリアはステータス画面を操作して
目蓋を一擦り、ログアウトボタンを選択する。
――ザザッ……ザザァ……王ッ……父上ェ!
―ザザッ…………ザザッ……ザザ…………ザザァ………………
そこから先の記憶がない。
気がつけば私は――「整合騎士なんて目じゃない…最高の駒を手に入れたわ」
藤色の髪を揺らす絶世の美女に見初められていた。
……不思議と違和感は覚えない。
「我ら、アドミニストレータ様の前に」
まるで何回も練習したかのよう、私と私の背後に従える“騎士達”はアドミニストレータと呼ばれる妙齢の女性の前にそれが当然の事であるかのようが如く膝を屈する。
《無毀なる湖光》ランスロット
《転輪する勝利の剣》ガウェイン
《燦然と輝く王剣》モードレッド
《一閃せよ、銀色の腕》ベディヴィエール
《痛哭の幻奏》トリスタン
《鉄の戒め》アグラヴェイン
《約束された勝利の剣》アルトリア・ペンドラゴン
1人1人が名乗りを上げ、額に紫に発光するナニカを埋め込まれる。その瞬間、我ら一同はどうしようもない幸福感に包まれた。
「あぁ素晴らしき我が主よ!!!」
喝采を上げる。我ら円卓の新たな主アドミニストレータ様!
貴方様の望むままに貴方様の思い通りに円卓は動きましょう!
熱に浮かされた生娘のように口早に捲し立てる皆。
円卓ギルドの再建という素晴らき日
SAO時代全盛期の武装に身を包む我ら円卓は最高司祭を前に永遠の忠誠を誓った。
味方だった者達が敵に回る恐怖。