少年が宝箱に触れると不気味なアラーム音が鳴り響き空間は赤く光る、そして無数のモンスター達が湧き出した。
「おいっ何だよこれ!?」
「トラップだ!皆、俺から離れるな!」
ギルド月夜の黒猫団を守るように剣を抜いたキリトは目の前のモンスターを斬り伏せ――しかし、横から別のモンスターに殴り飛ばされる。
「キリト!」
「俺に構うな!早く転移結晶で!」
月夜の黒猫団のメンバーサチは震えながら槍を構えキリトを守るようにモンスターの群れに立ちふさがる。
「使えないの!」
「そんっ!クソッ」
サチに棍棒を振り下ろすモンスターの腕を逆に下から上へ振り上げるように斬りつけたキリトの視界に映ったのは、サチ以外のメンバーが一塊になってモンスターと戦う姿と宝箱を開けた少年が赤いドットを撒き散らし、モンスター達が集中的に攻撃を加えている光景だった。
「うわぁぁぁヤメロォォ!!!!」
少年のHPがレッドに差し掛かり悲鳴を上げる。キリトは飛び出すように地面を駆けるが間に合わ―――!
「問おう、あなたが私のマスターか」
黄金の一閃
パリッパリッパリッパリッパリッパリッパァァ
瞬間、少年を囲んでいたモンスターが消え失せた。
「たった一撃、だと…」
「……助かった?」
キリトと少年の視線はモンスターを斬り伏せた黄金の剣――それを持つ純白な少女へと移る
「……あぁ、そう言う事か」
少女は冷めた目で少年とサチを除いた月夜の黒猫団を襲うモンスター達を眺めた後――ブチリッと金髪を一房引き抜いた。
空気が変わる。
アルトリアの毛先が金から色が抜け落ちたような白へと変化し、青い鎧は黒く変色する。
破壊不可能な筈の空間はビリビリと震え、それは錯覚なのかモンスター達が彼女の変異に怯えているように見えた。
『……鏖殺する』
青は黒く染め上がり蹂躙が始まった。
「カンパーイ!」
「いや~まさかあんな所でアーサー王に会えるなんて俺たちツイてるよなぁ!」
「おい、お前のせいで危うく全滅する所だったんだぞ!もう少し危機感をだな!」
「とか言いつつ、握手してもらったのは誰かなぁ?」
「そっそりゃあ仕方ねぇだろ!アーサー王って言ったら俺たち中層組の憧れだ!」
「へ~ん?」「このっお前!」「「「ワハハハハハ!」」」
場所は月夜の黒猫団のギルドホーム。
かの有名なアーサー王に助けて貰った月夜の黒猫団は新たなギルドホームで宴会を上げていた。
一歩間違えば全滅、そうでなくとも彼ら一人一人に死の恐怖という一生もののトラウマが残っても可笑しくなかったが、アーサー王。全プレイヤーが認める最強にして最高の王。レベル差もあるだろうが素人目で見てもあれほど卓越した剣技を魅せられては怯えるほうが馬鹿らしいと感じてしまう。
「ねぇキリト」
「なんだい?」
「今日…………いいよ」
「ブアホッ」
「アハハ何噴いてんだよ!キリト!」
「うはぁ腹痛テェェ!」
黒猫の宴はまだまだ終わらない、月夜の沈むその時まで
サブタイトル【アスナヒロイン脱落?これも全部、茅場のせい】
「私はアスナでもリーファでもシノンでもなくサチを推す、異論は認めない」