私立みたま高校、かつて甲子園大会の通算成績において夏二回、冬三回の優勝を果たした強豪校である。
しかし最近ではあかつき大付属高校や帝王実業高校に押され気味で前回は準決勝で敗退。その時のリベンジを果たすべく現在は熱心に練習に取り組んでいる。噂ではいい新入生がいるという話だ、かなり期待が高まっている。
そんなにモチベーションが高まっている
端的に言うと、彼は何百回も時間逆行をしているため野球のスキル、いわば特能を極め切っている野球少年である。ただし、それは前までの世界ではの話である。
正直に言って大量の特能を持っていたとしても前の世界では普通に打たれたりあっさり三振にされたりする猛者が大量にいた。猪狩守とかマキシムとか阿麻とか虹谷とか木場とか不屈とかケンシロウとか、あれ、自分でもかなり鍛えたと思ってるのに結構多くね?
とまあ、激闘を続けてきた彼にとって今の身の振り方はかなり悩ましいことになっている。このまま野球を続けるか、それとも別の道を歩むか。
この世界には『――』はおろかどの高校に行っても絶対にいたパワプロと矢部昭雄の姿もおらず、知っている面々も何故か女性になっており話しかけることもはばかられている。ただのヘタレともいえるが責めないでやってほしい、彼女キャラは全部パワプロに取られてたし恋路を応援するタイプだったのだから。
そんな田中山太郎似でモテない彼もここでは別、調べたところ男女比がいように女性に偏っているかつ性欲も彼の知ってる男子高校生と変わらない。逆に男子高校生の方は大人しくまさに草食系といって差し支えない。
故に、迷った。
なんやかんやで野球はプロよりできると自負している自分が逆にチームの輪を乱しかねないのではと考えるほどになっていた。
「あの、野球部に何か用があるの?」
「あー、入部しようか迷っていて」
「えっと、入部?マネージャーじゃなくて?」
「はい、具体的に言うとあそことあそこを守りたいんです」
逆巻が指さしたのは外野とピッチャー。外野はともかくピッチャーをやりたい男子はいない、というか野球部に男子の選手は全く持って見受けられない。つまり、今の逆巻は前の世界の
「早川さんだっけ?あのスライダーで有名な…………どこのチームか思い出せないけど」
「なんか失礼な気がするなぁ。でも男子がぴピッチャーを務めるのは無理だと思うよ。だって私がいるもの」
「デスヨネー」
まさか彼女がここにいるとは思っていなかった、とは口が裂けても言えない。こういうことはまれにある、他校の選手が本来いる高校にいたりいなかったりすることが。
そんな会話をしつつ練習に励む野球部を再び見る。余談ではあるが、逆巻が見ていることで気合が入っていた利入っていなかったり。
「まあでも、試験さえ突破できたら大丈夫だともうよ」
「…………そうですか」
逆巻はその会話を終わりにするかのようにその場を去った。一方的に切る形だが、両者にとってはどうでもよかった。片方はこの世界にはいない友人のことを思い、片方は男子と話せたことでガッツポーズをとって内心狂喜乱舞しているため問題はないのだ。ないったらない。
翌日、野球部に入部届を持ってきた逆巻がいた。もちろん、マネージャーではなく選手としての入部である。
ちょうど新入部員の入部テストを行う土壇場ではあったが、ジャージやグローブ等の必要物品は既に準備していたため飛び入りで参加することができた。
「新入生の逆巻
地味とはいえ男子は男子、女子部員しかいないこのご時世に華が来てくれたことにおおと感嘆が上がった。しかし、内心ではどこまでやれるか見もの程度と思っていた。
先ほども言った通り今の彼は彼の知る早川あおい状態、無謀ともいえる挑戦を行おうとしている同じなのだ。
注目を浴びつつ先輩からの説明が入る。内容は短距離走、長距離走、バッティング、遠投、そして新入生同士の練習試合である。
ここで現在の逆巻時碇のステータスを確認してもらおう。
投手能力
最大球速135km
コントロール102
スタミナ60
適正・中継ぎ
特殊能力(虹のみ表示) 真・強心臓、真・怪物球威、真・変幻自在
金特殊能力以下全て取得済み。重ねられない能力は適時切り替え可能(例・ポーカーフェイスと闘志)
変化球 カットボール6
ドロップカーブ6
????(オリジナル)7
シンカー6
野手能力
弾道2
ミート102
筋力60
走力60
肩力80
守備力102
捕球102
適正・外野
特殊能力(虹のみ表示) 真・安打製造機、真・広角砲
捕手及びそれぞれのポジション専用の特能以外の金特以下保持
控えめに言って怪物である。少なくとも技術面は一年生の能力ではない。ここからまだ成長できるというが、時間逆行を繰り返しているためどこまで筋力面を伸ばせるかが常に課題と彼は言う。それでも肩力はS1に行かせるため伸び幅はかなり高いのだろう。
闇野がステータスを蓄え身体面を超人化するタイプというなら逆巻は力は蓄えられない代わりに技術を持ち込めるタイプだったのだ。
つまりは、持久走と短距離走以外の項目では非常に優秀な数字をたたき出した。もちろん、この結果を出したことで彼を見る目が大きく変わったのは言うまでもない。
そして時間はあっという間に過ぎて練習試合をする時間になった。
このステータス、あえて緑と赤の得能は書いていません。何故かというのは後で分かります。