プリンセスコネクト!リ・ダイブゥゥゥゥゥゥゥン!!!(ガッチョーン   作:古賀コーラ

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コッコロ「主さま、ゼロワンドライバーをお使いください」

騎士くん「mimiは夢のマシンなんだよ…!!」
『ジャンプ!』

騎士くん「変身!」
『プログライズ!飛び上がライズ!ライジングホッパー!A jump to the sky turns to a rider kick』

騎士くん「お前を止められるのはただ1人、俺だ!!」

今回もこんな話はありません。

黎斗の独白みたいなのが多め。


家族という絆とは

就寝前に入ってきたメイドのスズメの大声より私の睡魔はどこへやら…一気に目が冴えてしまった。

 

「一体何だっていうんだ…騒がしい」

「あ、すみません…ご夕食の用意ができたので呼びに来た…ではなくて…!!」

 

キーンとするような甲高い声で近寄ってくるんじゃない…全く

 

「あの…何か問題でも?」

 

そう切り込んだのは私にしがみ付いているコッコロだ。私達がどういう体勢で寝ているのかというと何でもない、本当にただコッコロが私の右側にピッタリとくっ付いているただそれだけだ。

 

「問題しかありませんよ!?」

「主さま、何か問題のようです」

「そのようだな、一体何が問題があるのか私にはさっぱりだが」

「さ、さささ、さっぱりって…!あの…もしかして、いつもその様に寝ていらしたんですか…?」

 

スズメの質問に私とコッコロは顔を見合わせる。そして同時に

 

「はい」「ああ」

「息ピッタリに肯定しないでください!!全く…いいですか!あなた達は年齢に差があれど年頃の男女なんですよ!?家族でもなければ兄妹でもないんですから…その…いかがわしい事に発展しかねないじゃないですか!!?」

 

確かに彼女の思考は世間一般的には常識だろう、しかし

 

「別に私はコッコロにいかがわしい事をしようとなどこれまで一度も思ったことはない」

「えっ」

 

何故かコッコロが驚愕の声を上げた後、少しだけテンションが下がったように見えたが、まぁ今は無視をして話を続けよう。

 

「そしてそう思っている君こそがただ単に変態なだけではないのか?」

「なぁっ///わ、私は別に変態ではありません!私はただこのサレンディア救護院には子供達もいるので不純な事がないようにと…」

「…ふむ、まぁ良いだろう、元々コッコロが私を守る為、などと言って私のベッドに侵入して来たのが事の始まりだし、私もそこまで一緒に寝る事に固執しているわけではない」

 

コッコロの場合、言っても聞かないからな。それに無理に拒む理由も無かった事とコッコロは体温が高く湯たんぽ代りになって便利であったのは確かだ。

 

「コッコロ、私は君の判断に委ねるよ」

「わたくしは……そうですね…やはり主さまと一緒にいたいのですが、居候の身、このサレンディア救護院に住む以上、宿主さまのルールに従うべきだと、わたくしは思います」

「だそうだスズメ、悪いがコッコロに別の部屋を用意してくれないか?」

「ほっ、良かったです聞き分けの良い子で…黎斗さんの事は信じてますけどダメですからね!小さい女の子と同衾なんて!!」

 

全く、たかが子供と一緒に寝ていただけでもこの騒ぎとは、彼女はどうやら男性経験が皆無のようだな、おっと勿論口に出すつもりはない紳士性に欠けるからな。

 

「こほん、とにかく広間でお嬢様達が待っています、勿論眠いのであれば寝てしまっても構いませんよ、お話をする機会なんてこれから先一緒に生活する上でいっぱいありますからね!」

「…そうだな、スズメの喧しい声で目が冴えてしまったし、コッコロ、君は眠くないかい?」

「はい、わたくしは大丈夫です。お世話になる人達への挨拶は初日にしたほうがいいですからね」

「や、喧しい…ガックリ……」

 

テンションが駄々下がりのスズメに先導されながら一階の広間へと向かうのだが

 

「ん…?」

「…すぅ…すぅ…zzz」

「あはは…クルミったら支度をしてる途中で寝ちゃって」

 

広間に向かうとそこには立ちながら眠ったクルミの姿があった、器用だな。

 

「今日は私やお嬢様がいませんでしたからクルミちゃんが1人で家事をしてくれてたんでしょう、よっぽど疲れてたんでしょうね」

「だとしても立ちながら眠るなど…私でも月に一度あるかないか…」

「いや、あるんかい!…っとツッコミを入れてる場合じゃないわよね、黎斗悪いけどクルミを部屋まで運んでくれない?場所はスズメが案内するから」

「…分かった」

 

何で私が、とは言わない。居候である立場というのも勿論だが現場の状況を見ても男手は私1人だ、結論からいえば力仕事を任されるのは当然だろう。

 

私はクルミを起こさないよう丁寧に抱き抱える。お姫様抱っこといわれるアレだ、しかし子供だからか随分と軽い。いや違う、この短期間で私が体力をつけたからだ、この体でも30、40キロ程度なら楽々持てるということが証明された。

 

「こっちですよ〜」

 

スズメの案内でクルミの部屋に到着、スズメが部屋の扉を開けるとそこには1人の少女がいた。

 

外見年齢はクルミと変わらない、赤毛の長いツインテールで巨大なクマのぬいぐるみが先端に取り付けられたハンマーを常に抱っこしているのが特徴的だ。

 

外見年齢はクルミと変わらないと言ったが実は彼女は14歳らしく、この救護院では最年長なのだが、外見も内面もハッキリ言ってクルミ以下だと判断せざる得ない。

 

初めて年齢を聞かされた時、私は驚きを隠せなかった、よく子供が大人びているとは耳にするがその逆は滅多に聞かないからな特に女性の場合は。

 

私はそれで彼女は何か心に闇を抱えているのではないか?と推測したこともある、その証拠には彼女の持つクマのぬいぐるみ、ぷぅきちといったか、それを『イマジナリーフレンド』として扱っている。

 

まぁ、このゲーム世界ではぷぅきちは『イマジナリーフレンド』とは言い難い存在ではあるがな。

 

と、長々と彼女の事を話してしまったな、それだけ彼女は興味深い観察対象だということだ、勿論彼女の観察結果はいいデータとして収集させてもらう予定だ。

 

「ん?あれ…スズメ、帰って来てたんだ」

「アヤネちゃん、起きてたんですね!」

 

おいスズメ、その馬鹿みたいに大きな声を出すのをやめろ。

 

「ん…んん…あぅ…あれぇ…?」

「ほら見たことか、スズメが大きな声を出すからだ、少しは静かに話すということができないのか君は」

「えぇ!?わ、私ですか!?す、すみません…」

 

起きてしまったものは仕方がないか、ここに来たことが完全に無駄足になってしまったというのが非常に不愉快ではあるが。

 

「あれ?クルミを抱っこしてるのは黎斗お兄ちゃん?何でここにいるの?」

「それは色々と事情があってね、まぁ主にスズメのせいだが、今日からこの救護院に厄介になる事になった、よろしく頼むよアヤネ」

「へースズメのせいか〜、うん、何となく分かった、よろしくね!黎斗お兄ちゃん!」

「何となくでわかんないでください!アヤネちゃん!!」

 

私があまりにも彼女に対し辛辣な発言をしすぎたせいか既に半分涙目だ、彼女をイジるのは今日はこれで最後にしておこう。

 

「あれぇ?アヤネちゃんも黎斗お兄ちゃんを知ってるの?」

「うん!前にお世話になったんだ!そういうクルミも?」

「うん…!黎斗お兄ちゃんに色々助けてもらったの♪」

「今日だけでも黎斗さんのお知り合いだと名乗る方が凄くいましたよね、黎斗さんって随分顔が広いんですねぇ」

 

元の世界の方が私の顔を知っている人物は多いと思うがな、なんせ幻夢コーポレーションの元社長!!…であり犯罪者としてな。

 

元の世界ではあまりにも多くの前科が私にはついている、世界の人間が私に追いつかなかったばかりに私は犯罪者扱いだ、全く神の思考は理解されない、いつだって異端扱いだったさ…

 

「そっかぁ、でもでも、黎斗お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、このサレンディア救護院では私の方が先輩だからね!アヤネ先輩って呼んでもいいんだよ!」

「それは参ったな」

『そうだぞ、なんなら俺の事もぷぅきち先輩って呼んでくれよな!新入り!』

 

今私の脳裏に直接聞こえてきたような声、男…というには少し高めの声だ。どう聞いてもアヤネが低い声を出しているようにしか聞こえない、それがクマのぬいぐるみのぷぅきちの声である。

 

これがイマジナリーフレンドというには少し例外的な存在だと私が思う所以だ、この世界では彼は喋り意志を持つ存在…バグスターに近い存在だと私は勝手に思っている。

 

それもアヤネに感染したバグスター…例を出すなら永夢とパラドのような関係、分身…ともいえる部分だろう。

 

彼女が抱える闇…永夢を例に出したがそれと同じと考えるならばぷぅきちと呼ばれる存在は彼女の深層心理から生まれ出た存在という事になるのだが…

 

「えへへ…♪先輩かぁ…それじゃあ私も…クルミ先輩って事になるのかなぁ…なんか変なの…♪」

 

おっと、先ほどからやけにアヤネの分析をしてしまっている、しかも現在進行している会話を疎かにし分析のみに思考を割いているなど…

 

やはり少し疲れと眠気があるのかもしれないな、この私が同時に二つ程度の事を処理できないとは。

 

「そういえば、さっきちゃんとご挨拶できなかったから…これから家族としてよろしくね、黎斗お兄ちゃん♪」

「おっと…」

 

少し驚いてしまった、何故ならクルミがいきなり抱きしめてきたからだ、彼女が目を覚ましてからも私はずっと彼女を抱き抱えたままだった為、彼女は私の首に手を回してハグをしてきたのだ。

 

…なんだ、この奇妙な感覚は…

 

「わーい!アタシも!!これからよろしくね!黎斗お兄ちゃん!!」

「き、君もか…アヤネ…」

 

走って飛びついてきたアヤネに吹っ飛ばされないよう足腰に力を入れる。

 

この温かな気持ちはなんだ…?以前にも感じたことがある…私がパラドに殺されそうになった時、ポッピーが私を庇い抱きしめてきた時だ、当時何故そんな気持ちになったのか、アレは過去に…檀櫻子に抱きしめられた時の事を微かに思い出したからだ。

 

だがしかし

 

『黎斗の才能の芽を潰す事は何より罪深い事だ』

『黎斗は磨けば必ず我が社を成長させる商品価値のあるものとなる』

 

…私の『家族』に対するイメージはコレしかない。

 

私の話を黙って聞く『母』と私の事を商品としか見ていない『父』それが私にとっての『家族』であり無価値で無意味なものだ。

 

だからこの感情は私のものではない、この少年の深層心理によるものだ、決して、私のものではない…

 

「あらあら、2人とも黎斗さんに甘えちゃって…私も混ざっていいですか?なーんちゃ…」

「ダメですぅ」

「ダメ〜!!」

「おふざけが過ぎるなスズメ」

「し、辛辣…です、本日二度目のガックリ…」

 

先ほど本日はもうイジらないと決めていたがスズメ自らイジられに来るとは想定外の為ノーカウントだ。

 

私は抱きついていたアヤネを離し、クルミを床に下ろす。

 

「さて2人とも、もう子供は就寝する時間だ。良い子はちゃんと寝れるね?」

「そうですよ〜早く寝ないと悪いお化けが貴方達を食べてしまいますよ〜」

 

おいおいスズメ、流石に園児という程幼い子供ではないのだからそんな脅し文句で通用するわけが…

 

「はーい!」

「お、お化けはいやですぅ…」

 

…通用したな。

 

私とスズメは2人を寝かしつけた後、一階の広間へと戻る。

 

広間の長テーブルには豪勢な食事が用意されていた、食事の数々は量が減っており子供達の食べ残しの余り物。当たり前ではあるがな。

 

「余り物で悪いけど遠慮せずに食べてもらって構わないわ」

「悪いな、食事の用意までしてもらって」

「別にいいわよ、ここに住む以上、あんた達も家族の一員なんだから」

 

救護院という偽善…いや彼女の場合は心の底からそうなのだろう、そんな心持ちの為か家族という絆にサレンは執着している。

 

彼女自身、別に本来の家族と仲が悪いなどという話は聞かない、なら何故執着するのかとなってくるが、考えられるとすれば幼少期にその家族という部分で心に傷を負ったかあるいは絆が必要だと強い決意を抱いたか…

 

人間を形成する上で最も影響を及ぼすのは幼少期に受けるポジティブもしくはネガティブ。それが過度であればあるほど尚更人格が変わってくるだろう。

 

そう考えれば彼女達の人格の輪郭がある程度見えてくる。

 

何故クルミは臆病なのか、それは不安があるからだ。何に対する不安なのか、それは分からないという事に対する不安だ。彼女は臆病ではあるが好奇心が旺盛だからな、知りたいと思う好奇心はあるがそれに対し恐怖や不安を感じる。そして知っているものに対しては平常でいられることが何よりの証拠だ。

 

何故スズメはドジなのか?それは失敗しても大丈夫だという安心があるからだ。彼女は幼少の頃からサレンのメイドとして仕えているらしい、サレンが昔からあのような性格をしているというのならば頼りになるだろう、そしてスズメ自身そんな高潔で頼りになるお嬢様の力になろうと無茶をする。失敗をしてもサレンがなんとかしてくれると心のどこかで思っている、それにより失敗を恐れず力になろうと動く事でドジを踏む。

 

よく怪我をする、と私のよく知る所では永夢がいるが、彼もまた怪我をしてもいいや、と幼少期に抱いた感情が元だ。自分が怪我をしても誰にも迷惑をかけない、怪我をすれば優しいドクターの元に行ける、と。

 

こうやって人間観察をする事で様々な楽しみが増えていく、そしてそれはゲームにおいて最も必要なキャラクター性に繋がっていく。

 

キャラクター性はプレイヤーを引き込む要、どんなキャラにどんな背景があり、どうしてそうなったのか。仮に作中で多くを語らずとも仕草や癖、好みや性格によりその背景を推察することができる、それこそが深みのあるキャラクターというものだ。

 

そういった点ではこのサレンディア救護院のキャラクター性は実に面白い。心に闇を抱える少女、過度に臆病な少女、ドジ、博愛主義者。どれもこれも私のデータ収集に欠かせない存在だ。

 

「そういえばお嬢様と黎斗さんってお知り合いだったんですね、ずっと気になっていたんですよ」

「まぁね、ひょんな事から知り合ったのよ、よく仕事の手伝いとかしてもらってたの、そういうスズメもでしょ?」

「はい!どうやらアヤネちゃんもクルミちゃんもお知り合いだったようです、さっきお兄ちゃんなんて呼ばれて懐かれていましたから」

 

おっと長考をしていたから話を聞いていなかったな。いけないな、先ほど二つの事を同時に処理できなければ私ではないと言ったばかりだというのに。

 

「ふぅん、黎斗、言わなくても分かってると思うけど子供達に変な事をしたら許さないからね」

「その下りはスズメで済ましたよ、私がそんな事をする人間に見えるかい?」

「う、うーん…子供達に何かをするようには見えないけどたまに危険人物には見えるわ…」

 

おかしな事を言うものだ。

 

「はぁ、それにしても疲れたわ…この後、結局ギルド間で事情聴取というか話し合いというか…会合をするってジュンさんから今さっき連絡があってジュンさんと私、後はマホさんで集まる事になっちゃったわ…はぁ…夜更かしは良くないっていうのにお肌が荒れちゃうわ」

「私から見ても君の肌艶はかなりいい方だと思うが」

「そういう油断が一番危ないのよ…でも褒めてくれたのね、ありがと♪」

 

事実だからな、彼女は仕事の忙しさから徹夜などを多くしているそうだがその割には肌艶は良い、むしろその辺にいるモブキャラよりは断然にな。

 

「事情聴取というと私達も参加した方がいいですかね?それに…こんな大ごとになるなんて…やっぱり私のせいで…」

「別にスズメのせいじゃないわよ、あんまり弱気にならないで、そういう所を付け込まれるんだから…むしろ今回はクリスティーナにつけ込まれた訳だし。事情聴取ならあんた達は明日以降になるんじゃないかしら、今日は大分時間も遅いしね」

 

なら私達は安心して体を休めることができるという事か。

 

「さてと…それじゃあ少しだけギルドのお話をしましょうか、黎斗は平気だと思うけど、スズメやコッコロの為にもね」

 

そう言ってサレンは語り始める。

 

 




サウザンドライバー音声が少ない…少なくない?
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