プリンセスコネクト!リ・ダイブゥゥゥゥゥゥゥン!!!(ガッチョーン 作:古賀コーラ
オーエドニノンすき
「フッ!ハァッ!!ハァァッ!!!」
私は連続で拳や足を振るう、シャドウゲンムも同じように私の攻撃を真似し攻撃をしてくる。
ちっ…!!正直やり辛い、中々決め手になるような攻撃を与える事ができない。
流石は私…!シャドウになっても動きが緩慢になる事はないとは…!!
「しかし…っ!!!」
私のシャドウだけではない周りには他のシャドウがいる、それらを捌きながらゲンムシャドウを相手にするのはかなりの重労働だ。
その前に体力を使いすぎたのも裏目に出ているな…
「ぐぅっ!?」
背中を斬られた…!冒険者シャドウによる縦振りの剣が私の背を斬り付けた、軽い火花を散らしながら私は反動で少しだけ前に蹌踉めく。
「…やってくれる…っふぐぉっ!?」
私を斬り付けたシャドウを睨み付けている間に前方のシャドウゲンムが私に連続パンチとキックの応酬を仕掛けてきた。
全てに被弾した上、トドメと言わんばかりに中段横蹴りを私の胸部にぶつけてくる、それにより私は大きく吹き飛ばされ地面を数回程転がる。
「ぐぅ…このままでは…まずいか…」
私は胸部にあるライダーゲージをチラリと確認すると既に半分を切っている。
「うぅ…ぁぁ!!」
「ちっ…っ!!」
ゲンムシャドウ含めて残りのシャドウは15体…長期的に戦闘を行いスタミナを消耗しすぎたせいか私の動きが鈍くなりゲンムシャドウはおろか雑魚シャドウの攻撃すら避けられなくなっている。
「ぐぅぅぅぁっ!!?」
私は連続で雑魚シャドウの攻撃を受け、更にゲンムシャドウの飛び膝蹴りをまともに受け、私は再び大きく吹き飛び背中から地面に叩きつけられる。
「くっ…もう体力も残り少ない…このままではゲームオーバーになってしまう……仕方がない…っ一か八か…っ」
この私が運に頼るとは…しかしこれしか私が生き延びる術はない。
『ガシャット!キメワザ!!マイティクリティカァル!ストライク!』
『ガシャット!キメワザ!!マイティクリティカァル!ストライク!』
やはりゲンムシャドウも私と同じようにキメワザホルダーにガシャットを挿入し構えをとる。
奴は私の真似をする、私がキメワザを放とうとすれば必ずやってくる…だからこそ一か八かの賭け…
「…行くぞ…っ!!!ハァッ!!!」
私とシャドウゲンムは跳躍しエフェクトを出しながら空中で加速する、そして互いの足が衝突し爆発を起こす。
勝負は決まった。
…
「主さま…」
わたくしは未だ現れない主さまをひたすら外で待ち続けました。何分経ったでしょうか、分かりません、そこまで長い時間では無かったと思います。
しかしわたくしにとってそれはとてもとても長く果てしない時間のように思えました。
「コッコロちゃん…」
「スズメさま…」
振り返るとそこにはスズメさまだけでなくサレンさまのお姿も見られました。
「子供達はもう寝かしつけたわ…それにしても黎斗…まだ来ないのね…」
「…わたくしはとても心配です……しかし信じると主さまに言いました、だから……今ここで主さまを探しにいくのは主さまを信用していないという事になってしまいます」
だから…せめてここで待ち続ける、それが従者としての役目。
「あ、あれは!見てください!お嬢様!コッコロちゃん!」
スズメさまが指を指す方向にボロボロの状態の主さまのお姿がありました。
衣服は所々破け、体には土埃、皮膚を裂傷している箇所もあり出血もしています。
「主さまっ!!!」
わたくしはいても経ってもいられずにすぐに駆け寄りました、主さまはヨロヨロとした足取りでこちらに歩いてきています。
「主さま、如何いたしましたか!?どうしてそんなにボロボロに…ああ、なんとお労しいお姿に…!!」
わたくしが主さまを抱きとめると力無く主さまもわたくしに体を預けてきました、そして後方からスズメさまとサレンさまも走って駆け寄ってきます。
「すまないな、コッコロ…想定外の事態が発生してね…まさか私の姿をしたシャドウまで現れるとは…」
「主さまのお姿をした…シャドウ…」
だからここまでの傷を…
「なんとか…キメワザで相討ちにまで持っていけたよ…シャドウは耐久力がないからな…それを賭けて一か八かの攻撃をした…しかしその代償は大きかった、中々の怪我を負ってしまったよ」
主さまは右肩を押さえておられます、おそらく肩関節が外れてしまっているのでしょう、それを無理やり治すほどの筋力さえ残っていらっしゃらない様子。
「スズメさま、共に主さまに回復魔法をかけましょう、わたくし回復魔法が得意ではないのであまり力になることはできませんが…」
「は、はい、黎斗さん、ジッとしていてくださいね、今ちょちょいと治してあげますから」
わたくしとスズメさまが魔力を練りそして回復魔法の詠唱を行うと淡い緑色のオーラが出現し主さまの体を癒していきます。
「……ごめんなさいね黎斗、あたしがいなかったばかりに…あんたにこんな無茶させちゃって…」
「…何を言っている、会合は君にしかできないことだ、君には君のやるべき事を私には私にしかできないことをやった、ただそれだけさ」
…ああ、主さまはこういうお人です。不可思議な事を言ったり、変な行動をしたり、他人を侮蔑するような言い回しをしながらも誰かをお助けになる時は理由もなくお助けになる優しいお方…
「それより…子供達は無事かい?」
「はい、大丈夫でございます、これも全て主さまのおかげです」
わたくしがそう言うと主さまは静かに「そうか」と呟いて傷が癒えるのを待ちました。
「とにかく私はもう疲れた…すぐにでも眠ってしまいたいくらいだ」
「そうね、このギルドハウス、結構大きめで空き部屋も沢山あるし今日はここで寝泊まりした方がいいわ」
「是非そうさせてもらう…今回のシャドウの事も話し合いたいところだが、先に失礼させてもらうよ」
回復を終えた主さまはわたくしの名前を呼んで共に来るように指示を出されます、わたくしは勿論黙って付いて行きます。
こうして、ようやくわたくしと主さまの長い1日が終わりを告げるのでありました。
…
翌日、私とコッコロの2人で
理由は勿論、先日クリスティーナの襲撃で半壊したギルドハウスの片付けの手伝いの為だ。
「サレンさま、今日もお忙しそうでしたね…」
「そうだな、子供達はスズメが連れて救護院に戻ったようだが…」
「子供達は怯え切っておられました…トラウマになっている子もいるでしょう」
ふむ…私はドクターではない、心のケアを出来るほどの技術も知識もない、こういう時永夢のような小児科医の力が必要なのだがな。
「いずれにせよ、そちらの事はサレンか何か知恵を出すだろう、コッコロも出来るだけ子供達のケアに当たってくれ、生憎私は力になれそうにないからな」
そんな会話をしつつ
昨日と何ら変わりはない、強いて言うなら
「おーう、黎斗!コッコロ!待ってたぜ!」
「遅れてすまない、昨夜面倒ごとに巻き込まれて朝起きるのが遅くなってしまった」
「ああ、知ってるよそれ、カスミから聞いたからな」
カスミ…?そう言えばマホもそんな名前を言っていたな、まだ私は会った事はないが度々名前が出ると言う事は何かしら有能な人材なのだろう。
「何故そのカスミとやらは知っている?」
「カスミは最近シャドウっていう魔物みたいなのを追っててさ、昨日は仕掛けあった『魔力索敵機』…?ってやつにめちゃくちゃな反応があったらしいんだよ、ほんと凄ぇ驚いててさ、真夜中だってのに飛び出してったよ」
確かにアレだけの数のシャドウが現れたとなると追っていた側としてはまたとないチャンスだ。
その時に私の姿を確認した、ということか?…なら加勢に入ってくれても良いだろうに。
「…そのカスミという奴は今どこに?」
「…ん?部屋じゃねぇのか?多分流石に帰ってきてると思うけど…」
「…そうか、分かった。すまないコッコロ、私は先にカスミに会ってくる、シャドウの研究をしているというのに興味がある」
「承知しました主さま、わたくしはマコトさま達のお手伝いをしております」
私はコッコロ達と分かれ、マコトに教えてもらったカスミの部屋へと向かう。
私は軽くノックすると中から声が聞こえる、少女の声だ。
「どちら様……っと君は…」
「ん?私の顔に見覚えが?」
彼女は右肘に左手を添え、右手を顎に持っていく、所謂考えるポーズで思考する。
昨夜の事を知っているということは私の顔を知っているという事だ、だとすれば何故だ?彼女とは一応初対面のはず、少し推察してみよう。
「君…見覚えがあるよ、確か…檀…黎斗さんって言ったかな?」
「…成る程、私の話がこのギルドで出たのを聞いたって所かな?」
「その通り、君の話題はよく上がるよ、特にマホさんやマコトさんからね、その話の特徴と君の容姿が合致したし何度かこのギルド内ですれ違ったりしてたからもしかしてと思ってね」
…ふむ、彼女は中々観察眼と思考能力に長けているようだ、神の才能の私に比べればまだまだひよっこだが彼女も才能ありといったところか。
「それで、君はわたしに何か用かな?」
「…その様子だとかなり行き詰まっているようだね、シャドウの件は」
私がそう言うと彼女は目を丸くして驚いた表情をする。
「驚…ろいたね、どうしてそう思うんだい?」
「君が今手にしているカップの中身は珈琲だ、それも『アウェイクリン』というランドソルでもっぱら『目が冴える』と言われている豆だ」
そして私は更に彼女の机の方に指を指す。
「そしてそこにある資料の散らかり具合、用紙の隅がぐしゃりとヨレているのは何度も見直している証拠だ、君はかなりマメな性格だね、鉛筆で頭に引っかかった内容の部分に印をつけている、がその数が極端に多いのは結論が出ず迷っているという事」
彼女は私の言葉を黙って聞く。
「最後に君の髪の毛だ、寝癖が付いている、多少はケアをしてはいるが今起きたばかりだね?昨夜シャドウの大量発生に飛び起きて向かったと聞いている、シャドウは夜中に発生することが多いからな、ここ最近の生活は不規則だろう」
となると。
「結論から言わせて貰えば君は寝る間も惜しんで徹夜で仕事をしている、結果を出せずに何日もの間ずっとね」
「…あ…ああ…っ」
…ん?彼女は何か言って…体が震えている?
「き、君!なんて聡明なんだ!素晴らしい!!どうだろう!わたしのシャドウの調査を手伝ってくれないかい!?君のような才能ある人物に手伝ってもらえればなんと心強いかっ!!!」
彼女は目を輝かせながら私に迫ってくる。私はその勢いに圧倒され半歩後ろに下がってしまう。
「お、おっと失礼、つい興奮してしまって…コホン、改めて自己紹介させてもらうよ、わたしはカスミ、前まではソロで活動していたけど今はここ
「探偵か…成る程、だからシャドウを…誰かの依頼かい?」
「まぁね、誰か…という個人のものではないよ、複数の住人からの依頼さ」
彼女は自身の机を指でなぞりながらそう答えた。
「最近はシャドウの目撃情報が多発しているからその影響で君のような探偵に依頼をしているという事か…」
「そういう事さ、さて黎斗さん、どうかな?この件を手伝ってくれるかい?」
「…良いだろう、元々それに興味があって来たのだから」
私がそう言うと彼女は満面の笑みを溢す。
「本当かい!?やった!実は1人では限界だと思っていたんだ!君のような頭の良い人が協力してくれるのなら本当に助かるよ!!」
「まぁ、まずはこのギルドハウスの片付けをやってからだが…」
「おっと、そうだったね、まぁシャドウが出るのは夜だし、今晩から早速行動しよう!今夜は寝かせないぞ、助手君♪」
こうして私はカスミの助手になりシャドウの調査に出る事となるのだが…それはまた別の話になる。
…
シャドウ襲撃から数日が経過した、私はその間にカスミと共にシャドウの調査に出たりと色々とやっていたのだが。
「子供達がシャドウの一件で怯えちゃってる、だから一時的でもいいから避難させたいのよ」
と、サレンから伝えられた、どうやら私がその避難先予定である『エリザベスパーク』の住人と知り合いである事がバレてしまっているようだ、大方両者と面識のあるマホ辺りが伝えたのだろう。
そのおかげでこうやってサレンが私に頼み事をしてきたわけだが。
「分かったよ、私がエリザベスパークに行き、避難先として使えるかどうか交渉に行けばいいんだな?」
「うん、ごめんね黎斗にばっか迷惑かけちゃって、本当はあたしが行きたい所なんだけど…はぁ…ちょっと今は無理そうね…」
「君は連日会議で大忙しだからな、無理はするな、こっちは私に任せておきたまえ」
実を言う所、私は今ワクワクしている。理由は何故か、それは先日のシャドウの襲撃の際にシャドウをハッキングし流したデータによりこの世界で複数のガシャットを製作することに成功した。
それを早く試してみたいという欲求に駆られており、今はなんでも良いからこの街から出たいというのがあった。
エリザベスパークはこのランドソル近くにある小高い山の頂上付近にあるため、その道中では魔物と出会う可能性もあるだろう、その時に試してみるのはアリだ。
今回は私1人で向かう、コッコロは今日も
私は複数のガシャットとゲーマドライバーを持ち、早速街を出る。
長い山道をひたすら歩く、エリザベスパークへの道のりは慣れた冒険者なら楽々進めるが街の人間が向かうとなるとかなりキツイだろう、ここを何度も往復するのは私でも勘弁願いたいくらいだ。
山道を進んでいると、不意にガサガサと草陰が揺れる音が響く、何か生き物の気配も同時に感じ、私は魔物ではないかと考え鞘の剣の柄に手をかける。
次の瞬間、草陰から飛び出す1つの影、私は反射的に剣を鞘から引き抜き、逆手持ちで襲撃者の攻撃を防ぐ。
カンッ!という甲高い金属音が響く。
「…ん?君は…ペコリーヌ」
「あれ?そういうあなたは…黎斗くん!」
襲撃者の正体はペコリーヌだった。甲高い音が響いたのも剣による斬撃だった為だ。
「何故私に襲い掛かる」
「す、すみません、凄くお腹が減ってて…何か気配を感じ取ったので魔物かなって思って…」
「君は私を食べるつもりだったのか…」
彼女はお腹が減りやすい体質らしく、腹が減ると思考能力も著しく低下し見境なく襲い掛かる性質がある、全く恐ろしい女だ。
「も、申し訳ありません!うぅ…でも…お腹が減りましたぁ…」
「はぁ…仕方がない、私の持ってきていたおにぎりをやろう」
コッコロに今朝持っていくようにと用意されたおにぎり4つを彼女に渡す。
「い、いいんですか!?わーい!あなたって本当に優しいですね!いただきま〜す!!もぐもぐ☆」
相変わらず良い食べっぷりだ、彼女の食べっぷりは見ているこっちまで食欲をそそる様な感じがする、これは是非食事をテーマにしたゲームの参考にしよう。
「ゴックン☆ンま〜い!!美味しすぎてヤバいですね☆こんなに優しいご飯久々です!恋してもいいですか?」
「…君は何を言っているんだ?」
「あはは!わたしよく勢いが凄いとか言われるんです!ん〜お腹が満たされたから思考も纏まってきました!所で黎斗くんはどうしてここに?」
それは私が君に聞きたいところなのだが、質問を質問で返すのもアレだ。
「私は先日シャドウという魔物の襲撃を受けてしまってね、私の寝泊りしている救護院の子供達が酷く怯えてしまって、1度避難させる為にこの先にあるエリザベスパークに挨拶に行く途中だったんだよ」
「あ〜成る程、そういう事ですか、わたしはまぁ武者修行ってやつです、本当にたまたまこの山で魔物を倒していたところあなたに出会ったという訳ですよ、それにしても黎斗くんは相変わらず偉いですね〜よしよ〜し☆」
そう言って彼女は私の頭を撫でてくる、彼女と共に行動をする際、彼女はかなりの高確率でスキンシップをしてくる、これは別に私に限った話ではない、コッコロやキャルに対してもだ。
「君の激しいスキンシップは何なんだ?誰にでもそのようなことをしているか?」
「えっ!?ち、違いますよ〜流石に見知らぬ人とかには絶対しません!心を許した人だけです!!…わたし今まで結構1人でいることが多くて、多分寂しかったんだと思います…だからそれも相まって誰かと接したいな〜なんて思ってるのかもしれませんね」
そう言う彼女の顔は何故か寂しそうに見えた、そこから垣間見えるのは彼女の過去。
「よし!だったらわたしも黎斗くんのお手伝いをしますよ!丁度予定もありませんし!」
「別に構わないが、特に何も面白いことはないぞ?」
「別に構いませんよ!わたしはあなたと一緒にいるだけで楽しいですから!」
相変わらず能天気な女だ。
彼女と共にエリザベスパークに歩を進めて数分、何処からともなく声が響く。
「誰か〜!助けて〜!!!」
その声は私の知る声だった、どうやらまた私に新たなイベントが訪れるようだ。
ゼロワンのドライバーの数が多すぎてお金が減っていく…