プリンセスコネクト!リ・ダイブゥゥゥゥゥゥゥン!!!(ガッチョーン   作:古賀コーラ

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プリコネで好みのキャラが多すぎて吐きそう。




覇瞳の皇帝 その②

 

 

「あなたはさっき、私のことを『ゲームマスター』と呼んだわね?あなたが何者かは分からないけどそっちの知識はあるって認識でいいわよね?」

「ああ」

「だとするとこの世界がどういう世界か…あなたが身につけている装備をこの世界で生み出した時点で察しはついているって事でしょ?」

 

…こいつ…中々鋭い人間かもしれないな。言葉を慎重に選ぶ必要があるか…?

 

「酷く歪んだ世界、この世界は何度も再構築を繰り返し、クソッタレな神さまに都合が良い世界に作られている」

 

…再構築、つまりリセットが何度もこの世界…ゲームでは行われた、この女の言い方から察するにそれはゲームマスターの立場である彼女でも想定外の存在によるリセットと考えられる。

 

リセットが出来る立場、となると考えられる線は大きく分けて三つ。

 

ひとつ目は悪質なプレイヤー、それも天才的なハッカーによる攻撃またはウイルスによる侵食等。

 

二つ目はゲームクリエイターやゲームに携わる人間による内犯、その中でも中枢を担う人物によるものだ…それはこの女である可能性が高いから除外だ。

 

三つ目は…何かしら独立したプログラム、彼女はその存在を神さまと称した、となるとこのゲーム世界を『リプログラミング』できる程、優秀でこのゲームの製作者の管轄外で勝手に制御するシステム。

 

つまり『AI』のようなものが存在する。それが濃厚な線か、それならばその存在を神と称するのも頷ける。

 

「そして、今現在、この世界を再構築する際、様々な不具合が発生した…所詮は子供じみた知能でしかない『アレ』じゃあこの辺が限界ってことね、それがさっき言った、政治やら何やらの粗さって事ね」

「…つまりお前は自身の管理下に置かれなくなったこの世界は歪で汚らしい世界だ、と言いたいのか?」

「ふふふ、かなり正解に近いわね♪そう、この世界は醜い、でもね、何度も繰り返してきたこの再構築の世界……『夢』を私はなんとかして自分の都合の良い夢に作り変えた…」

 

…作り変えた…過去形の言葉、この世界は既に奴の思い描くシナリオ通りの世界という事になるのか…?

 

いや、そうでは無いはずだ、彼女の発した言葉から推測しろ、思考しろ、考えを止めるな。

 

彼女が次に言葉を発する数秒の間に状況を把握しろ、私ならば出来る、神の頭脳を持つこの私ならば。

 

一つ、彼女は何らかの目的がある。これは何度も再構築をしたという発言から察するにその目的の為に何度も失敗をしたという事他ならない。

 

二つ、都合の良い世界に作り変えた。これは都合の良い世界に作り変えたというだけで何かを成し遂げた訳ではない、成し遂げる為に生み出された世界という事だ。

 

三つ、なんとかして。このネガティブな発言はその神さまとやらに妨害をされている可能性が高い、だからこそ世界に不具合が発生している。

 

つまり、この世界は『出来るだけ彼女の都合の良い世界』という事。彼女が望む完全な世界ではない、その一歩手前の不完全な世界…といったところか。

 

先程から私は要点を『三つ』挙げているが、これは別に深い意味合いがあるという訳ではない、私独自の持論だ。

 

何故、『三つ』なのか、三つ以上だとまとめにしては複雑になり混乱する、それでは要点とは呼べない。

 

一つでも二つでも無く三つである理由は、そうだな、例えるなら『起承転結』という言葉があるだろう、導き出す答えを『結』だとするのならば『起承転』が必要だ。

 

だからこそ、それらを当て嵌める三つの要点が必要だと私は考える、更に言えば人間…というより日本人は3という数字にキリの良さを無意識で感じているのかもしれない。

 

3秒後でVTRが始まるように、3.2.1の合図で一緒に物を持ち上げるように、ベスト3の発表があったり、大体は3の数字で物事を始めるという奇妙な数字、古来より日本では3という数字は縁起の良いものとされているのも由来しているのだろうな、三猿やら御三家やらと3にまつわる物も多い。

 

そんなことを考えていると、彼女が口を開く。

 

「さてと、そこでなんだけど…黎斗くん、私が聞きたいのはここからよ…あなた……どこまで過去のことを覚えているかしら?」

「…どういう意味だ?」

「ふふ、あなたの今の状況がよく分からないけれど、ある仮説を立てているわ、それはあなたが彼の体に憑依している場合、『彼の記憶はあなたに引き継がれているかどうか』…って事よ」

 

彼…つまり私のこの肉体の本来の持ち主か…

 

「…聞いてどうなる」

「これは私にとってもね、重要な事よ、何せ、彼は主人公…私の天敵なんだから」

「ふ…だとするのならばその質問は意味がないだろう…どのみち、知ってようが知ってまいがお前は私を逃すつもりはないのだからな」

 

数秒、私達は黙り込み互いに睨みをきかす、その後すぐにユースティアナは笑みを溢し。

 

「まぁまぁ良いじゃないの、ぶっちゃけこれは私のやる気の問題だし?あなたが脅威になるかどうか、今後の展開にちょっとだけ影響が出るかもしれないじゃない」

 

自分に不利な可能性の1%も許さない、そんな気迫が彼女からは感じて取れる。

 

「それで?あなた『レジェンド・オブ・アストルム』って知ってる?『ミネルヴァ』って分かる?『プリンセスナイト』って単なるギルドの名前だと思ってる?」

 

…畳み掛けるように彼女は単語を放つ、はっきり言えば私には聞き覚えのないものばかりの筈だ、しかし、どこかで聞いたようなことがある錯覚もない訳ではない。

 

「…フィオっていうあなたの周りをうろちょろ飛んでたあの口うるさい妖精は?」

「フィオ……」

 

この単語…フィオという単語にだけは強烈に私の頭の中に残った…間違いなく聞いたことがある単語だ…なぜ…?

 

「…ふふ、長考してるって事は覚えがあると言っているようなものよ、黎斗くん♪」

「っ…!」

 

しまった、私とした事がこういう頭の回る奴の前であらかさまに考え事をするというのは後手に回る行為だ。

 

仕方がない、ここは誤魔化しても意味をなさないだろう。

 

「…そうだな、軽く引っかかる部分はあったよ」

「そう、つまりあなたは『彼』でありそして黎斗くんでもあるって事が今証明されたわね♪」

 

…推察とはパズルゲームだ。

 

キーワードを並べ整理し読み解く、クロスワードのように一見バラバラのワードも全てが揃えば1つの答えが導き出される。

 

ならばパズルをしようじゃないか、彼女の発言を一言一言注意して読み取ってね。

 

『レジェンド・オブ・アストルム』…レジェンドとオブは英語、アストルムはおそらくラテン語だ。

 

日本語にすれば星の伝説といったところか、この世界には確かソルの塔とルナの塔と呼ばれる建造物が存在する。ソルは太陽であり恒星、ルナは月であり衛星、どちらも星を象徴する存在だ。

 

この単語から推測できるのは『ゲームのタイトル』、この世界そのものの名前という事が分かる。

 

他にも根拠として挙げられるものはこの大陸の名前は『アストライア』そしてこの街の名前はランド『ソル』。全て上記で挙げた単語に引っ掛けた名前だ。

 

私もゲームクリエイター、そういうネーミングは嫌いじゃないしむしろ自身のゲームにも多く取り入れているから分かる。

 

次に『ミネルヴァ』だ、詩・医学・知恵・商業・製織・工芸・魔術を司るローマ神話の女神の名前と同じもの。

 

…私としてもなんとも因縁深いというか…『ミネルヴァ』は医師と医療を司る女神とされている、もしこの世界にも『ミネルヴァ』という神がいるのならば、ゲームに医療…まさに私がライダークロニクルに必要とした素材の2つを象徴とする神ということになるな。

 

女神という点から、先程、彼女が言ったクソッタレな神さま、というのもイコールで結ばれる。同一のものと考えて良いだろう。では仮に『ミネルヴァ』が『AI』だとするならば

 

元ネタの『ミネルヴァ』は『知恵』も司る、その為、私の世界では数々の教育施設で知恵の象徴として像が置かれている程だ。

 

知恵の象徴…知恵とは物事を正しく判断し身につけていく事。『AI』もまたそれらを学習し身につけさせる事で物事をこなす存在だ。…まさに『ミネルヴァ』とはうってつけの名前という事だな。

 

三つ目『プリンセスナイト』…この世界では単なるギルド名だが、彼女はキャルに電撃を浴びせながら与える力の事を『プリンセスナイトの力』と呼称した。

 

だとすると『プリンセスナイト』とは役職だ、RPGの魔法使いや戦士のような固有の職種、その中でもかなり特別なものだろう…勇者に近い部類のものと考えるのが妥当だ。

 

最後に『フィオ』…どれにも当てはまる事のない単語、彼女は口うるさい妖精と言った事からまずはその妖精の名前である事が分かる。

 

私の周りをうろちょろ飛んでいた妖精…という事はプレイヤーではない筈だ。つまりキャラクターだが…口うるさい…?まるで意志があるような言い方だな…自立型のAIという事か?

 

自立型のAIが過去のこの私…この少年の側にいたという事は、考えられるとしたら『ガイド』キャラクター、今の私からいうコッコロのような存在か。

 

さて、これらは全てバラバラのキーワードに思える、だがしかしクロスワードパズルのように一つ一つ繋ぎ合わせ、導き出せばある程度の事はわかってくる筈だ。

 

彼女がそれらを私に聞いてきたという事は全て過去の私に関係のある単語なのは間違いない、つまり

 

過去の私は『レジェンド・オブ・アストルム』というゲームをプレイしその中で『プリンセスナイト』と呼ばれる役職で何らかの力を保有していた。ガイド妖精の『フィオ』に導かれ『ミネルヴァ』と協力あるいは利害の一致をし、このユースティアナと対立、そして戦い、結果、ユースティアナは完璧な世界を作る事ができず、この少年は記憶を失い私が憑依した。

 

ふむ、このキーワードだけでここまで仮説として立てる事ができる。果たしてどこまで合っているのかは分からないが、この程度の仮説を立てられれば十分だろう。

 

「それじゃあ最後にもう一つ、『七冠(セブンクラウンズ)』って分かるかしら?それらを名乗る人物にはもう出会った?」

 

…またしても新たな単語…いや、どこかで目を通した事があったな…この世界の歴史書に記されていた単語だ、人名と思われる単語と共にそれが載せられていた筈。

 

「…いいや、残念ながら全く知らないな」

「そう…ふぅん…記憶は無い…か」

 

名前の通り7個程、名前が載せられていた筈だ、その中にはクリスティーナの名前もあった、そう考えるとなると七冠(セブンクラウンズ)とはゲームクリエイターの事だ、この世界を…このゲームを生み出した7人。

 

そしてクリスティーナの能力から察するにその7人は製作者権限としてチートを使える、と考えた方がいいな…そして目の前にいるこのユースティアナと名乗るこいつもまたその1人だろう。

 

こいつの名前はおそらくユースティアナではない、七冠(セブンクラウンズ)の名前にそんな名前はなかったからな。自分の都合の良い世界に作り上げた際に奪い取った名前か何かだろう…いやそれどころか立場もだろうな。何故それが自分に都合が良いのかは……

 

おっとその考察は後に回そうか、そろそろ奴が動く。

 

「まぁ、本来のあなたなら正直言って、ただの男の子だし?記憶を失ってるのなら尚更脅威の対象にもならないって思ってはいたんだけどねぇ…」

 

スッと彼女の頬に紋様が浮かび上がる、片側に赤い横ラインが3つ、合計6つ。

 

衣装も何やら武装が取り付けられ羽衣が装備され、更に持っていた扇は碧光を放つ刃渡り30センチ程の槍状の武器もしくは短剣と表現できる武器に変化する。

 

「今のあなたはかなり脅威になりそうだから…ここで始末しておこうかしら、悪い芽は早めに摘んでおかないとね」

「…やれるものならやってみろ、女狐。ふん、白髪に狐の獣人…白狐とはな、そのビジュアルで神になんぞ憧れるとは皮肉なものだな、お前は決して神になれない」

「…博識なのもよくない点ね、あまり長生きしないわよ、無駄な知識をひけらかすのは」

 

再び私達は衝突する、今度は牽制ではない、本気のぶつかり合いだ。

 

「くぅっ!?」

 

っ力負けする…っ!!正面からぶつかり合った私は武器同士での鍔迫り合いで押される、しかも一瞬でだ。

 

確実に負ける前に私はバックステップで距離を取る、しかし

 

「それは『予知通り』よ」

「なに!?」

 

完全に行動を読まれていた。そうだ、クリスティーナに『絶対防御と絶対攻撃』があったようにコイツにも何かしらの能力がある。

 

私は槍状の武器の斬り上げにより胴体を斬られ、大きくのけ反る。

 

「ぐぅっ…!」

「まだ終わりじゃないわよ?」

 

更に胸部分にその武器の先端を突きつけられ、そこから膨大な魔力の塊が発射される。先程キャルに放っていた緑色の電撃を一点集中したような光線エネルギーだ。

 

「ぐぁぁぁっ…!!くぅ…がはっ…っ!」

 

私は後方に数十メートル程吹き飛ばされ、床を数回転がる。

 

「ぐぅ…ぜぇ…ぜぇ…」

「あら?もう息切れ?冗談はよしてほしいわ〜まだまだ始まったばかりよ?」

 

次の瞬間、奴は私の視界から消え、私の真左に瞬間移動してくる。

 

「ぐほぉらっ!!!?」

 

一撃、私の左半身を斬り付けられる、その1回で終わるはずが無い、2度、3度、4度…何度も連続で斬られ

 

裁きの瞳(ジャッジ・アイズ)

 

彼女の詠唱と共に空間に魔力の色と同じ緑光色の目が複数現れ、それが開眼すると同時にそこから怪光線を連射してくる。

 

「ぐぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

それに多段でヒットし、私は大きく吹き飛ばされ床に倒れる、力の差、レベルの差、全てが今の私には足りない。

 

指に力が入らずガシャコンブレイカーを握る事ができない。すぐに立ち上がる事ができない。

 

ライダーゲージも既に点滅しているほどのダメージの大きさ。

 

「黎斗っ!!!…へ、陛下…っ!!おやめ下さい!!黎斗が…っ黎斗が死んじゃう…っ…!」

「…黙りなさいキャル…何あなた勝手に喋っているの?そもそもなんで彼に肩入れしているのかしら」

「そ、それは……っきゃぁぁぁっ!!!?」

 

私が倒れている隙にユースティアナは先程の電撃でキャルを炙る。

 

「キャルっ…!!!」

「あーあ、本当、私には味方が1人もいないのね〜寂しくなっちゃうわ〜」

 

っ…何を倒れている私…!!このまま奴の思うようにさせるなど……っこの私が断じて許さない…!!!

 

「はぁぁぁ!!!」

 

『ガッチャーン!!レベルアップ!!シャカリキ!シャカリキ!バットバット!?シャカッとリキッとシャカリキスポーツ!!』

 

「あら、残念、それも『予知通り』よ」

 

私はシャカリキスポーツにレベルアップ後、すぐに肩の装備であるトリックフライホイールをユースティアナに目掛けて投擲する。

 

勿論それは彼女の能力で簡単に回避されるのだが

 

「…それはどうかな?」

「……なんですって?」

 

私の狙いはそこじゃない、1度通り過ぎたホイールを操作しこちらに戻ってくる動作の最中に1つを彼女が放つ電撃の切断に使い、そしてもう1つを私が変身前に投げ捨てていた私の剣に着弾させ弾き、彼女目掛けて飛ばした。

 

「っ…」

 

彼女はギリギリでその剣を回避するも頬の一部を切り、血が滴る。更にその隙に私はキャルに近づき抱き抱え距離を取る。

 

「どうやらその予知は…『自分自身に対する予知』しか出来ないらしいな」

「…黎斗くん…あなたって人は…っ」

 

どういう原理かは未だに分からない、だがしかし予知に関しても『間接的な攻撃なら届く』事が証明できたな。

 

私の今の攻撃はユースティアナ本体にしたわけではない。私の落としていた剣に攻撃する為にホイールを投げた、その時に発生したいわば事故のようなものだ。

 

それを察知できていない、いや、本来ならばできるのかもしれないが彼女は自分自身で言った『やっぱりこの世界線だと未来予知も全然信用ならない』と。確実に本来の力よりは弱体化している筈。

 

キャルをお姫様抱っこ状態から降ろし、戻ってきたホイールを片手で受け止め、もう片方の腕でキャルを下げさせる。

 

「黎斗…っ」

「…ユースティアナ…お前を攻略してやる」

 

私はホイールを構え、ユースティアナを睨みつける。

 

「はぁ…やっぱりダメね、ちゃんとしなくちゃ……そろそろ私を守護する兵隊さん達が騒ぎを聞きつけて来ちゃうと思うし……そうなったら色々面倒だしね…ちゃんとするわ」

 

その言葉と同時に私は何かただならぬ気配を察した。

 

「…っ!!!キャル!!!」

「きゃっ!?へ…?く、黎斗!?」

 

キャルを突き飛ばし、それと同時に私の真下に魔法陣が展開され激しく発光、私は強烈な電撃に打たれ膝をつく。

 

「ぐぅっ…っがはっ…っ!?」

 

『ガッシューン…』

 

変身が解除されてしまうのは元々体力が少なかったからだ。それに奴の攻撃はそれだけでは終わらない。

 

「ばいばい、黎斗くん」

 

私は光に包まれる、この感じ…まさか…また…転移をするつもりか…っ…!!

 

「黎斗ぉ!!」

 

私の目に最後に映ったのは突き飛ばされ尻餅をついた状態から必死に手を伸ばして私に近づこうとするキャルの姿だった。

 

 

 

 

 




ちなみに神社に祀られてる白狐さんは騙したり、欺いたり、奪ったり、生きている時に悪い人だったので狐に化けてしまったなんていう話があるらしいです。
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