プリンセスコネクト!リ・ダイブゥゥゥゥゥゥゥン!!!(ガッチョーン   作:古賀コーラ

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ペコリーヌが捕まってるのにアイドル鑑賞をしている理由づけが1番難儀しました。この理由以外は私には む、無理です…


それぞれの動き

終わった…これで、何もかも…

 

もう、後戻りはできない。

 

陛下が残した、特別なシャドウって奴の気配も消えていくのが分かる。時間切れか…

 

「…黎斗達の方は…逃げられましたか…」

「それでぇ?この子…どうする訳ぇ?」

「仰々しい態度はよせとは言いましたがいきなりフランクになりましたね、まぁ別に構いませんが…」

 

オクトーにペコリーヌを縄で縛ってもらい、適当に使役した大型で爬虫類型の魔物の背にペコリーヌを乗せる。

 

「キャル…ちゃん…どう…して…」

「…おや?まだ意識がありましたか、やはりタフさだけはありますね、貴方は」

「本当凄いよね〜あんな魔法を間近で受けてまだ意識があるなんてさ」

 

ボロボロになり、ぐったりとしながら微かに目を開けてあたしを見つめるペコリーヌ。

 

だから、少しでも希望を持つコイツの心を折る為にもあたしは口を開く。

 

「最初から貴方は嵌められていたと先程言いましたね?その理由をお教えしましょう。私のこの仮面は単なる魔力増強装備に過ぎない、貴方が考えるような代物ではまるでない」

 

ペコリーヌに仮面を見せびらかすように手に持つ。

 

「そして私が貴方の前に姿を現したのも全て貴方を誘導する為、仮面をつけていたのも黎斗やコッコロのような観察力のある人間に怪しい点だと気づかせる為、最も黎斗には効き目がない事は百も承知」

 

あたしは続ける。

 

「だから、黎斗に無駄な思考をさせない為に妨害の先手として魔物達を襲撃させ、更にはリトルリリカル?でしたっけ、あの方が仲良くしていた子供達を利用させてもらいました、これで貴方を助けるという選択肢が無くなるわけです」

「最初…から…だったんです…ね」

「ええ、そうですよ…全てはマヌケな貴方を捕らえる為の作戦だったのです……ペコリーヌを連れて行きなさい」

 

あたしの命令で魔物が動く…なんでだろう、胸が苦しくなる…凄く痛いんだ…

 

でもこれでいい…これで……そうですよね…陛下…

 

 

 

 

 

 

「はぁ…はぁ…皆…無事のようだな…」

 

私達はラジニカーントの空間跳躍により、先程の平原とは別の場所へと飛んでいた。

 

詳しい場所は分からない、しかしかなりの距離を移動したと思われる。

 

私は既に変身が解除されている、それ程までに疲弊していたのだ、ゲーマドライバーとガシャットは。

 

それと同時に私はふらりと倒れ込む、片膝をつき、息が上がり肩を上下に揺らす…

 

ゲンムの姿であってもこの連続強化の代償は大きい、本来、戦闘をしながらこの能力を使うものではない。

 

戦闘による疲労だけでなく能力を使い続けた嘔吐感が私を襲う。

 

いつもならばコッコロが私の体を支えてくれるのだがコッコロもその余裕がなさそうだ。

 

私以外の皆もそれぞれが地面に座り込み、私同様に息が上がっている。

 

数分の間、私達に会話がなかった、皆息を整えるのに必死だった。

 

1番回復が遅れたのは私だ、エグゼイドとの戦闘と味方強化による疲労の為である。

 

「…む?…おお、どうやらワタシの力が戻ってきたようだな」

 

クリスティーナがそう呟く、となると、シャドウ永夢が自然消滅したという事か。

 

全く、厄介なものを生み出してくれたものだ、奴が存在している間はもう迂闊にデータを流す事は出来ないな、利用されてしまっては敵わない。

 

とはいえ、既にクロノスが初めて登場した時ぐらいまでのデータを流してしまっている。

 

流石にクロノスをこちらの世界にシャドウとして読み込む事はシャドウの耐久性を考えれば不可能だと思われる、が何かしらの手は打っておいた方がいいだろう。

 

「さて、これからどうする?もう日も暮れた…休む場所を確保したいのだが…」

「ここら辺は…うん、大丈夫だよ、この近くにもかなり小さいけどアジトがあるから、今日はそこで休もっか」

 

私の疑問にシズルが答える、寝床があるだけ幾分もマシだ。

 

「キョウカ、ミソギ、ミミ、今日は君達を家に帰すことができない、明日になるだろう、君達も一緒に来るといい」

「は、はい…なんだか疲れちゃいました」

「今日はいろいろあったもんね〜」

「パパとママに連絡しなくちゃ、お兄ちゃんとお泊まり会するって」

 

良かった、子供達の心身に影響は無さそうだ。

 

私達はそのアジトへと向かい、寝泊りをする事となった、小さいと言っていただけあって、設備も最小限のもの、しかし先の事もあり誰も文句を言うものは出ず、1日の疲れを癒す為に皆はすぐに就寝する事となった。

 

翌日、ムイミとラジニカーントが子供達を街へと帰す為にこのアジトから出て行った。

 

街ではいまだに私たちへとの警戒が続いている為、かなり準備をし街の状況を入念にチェックをしていた。

 

「ふぃ〜ただいま〜子供達は無事届けたぞ〜」

「よくやった、ムイミ、街に直接飛ぶことができない今、大変だったろう」

「まぁな、仕方がない事さ、アタシ達は今第一級のお尋ね者…日向を歩む事は当分出来ない」

 

それにしても、とムイミが話を切り替える。

 

「コッコロのやつ…大丈夫か?」

「…意気消沈という感じだな、昨日のことで頭がいっぱいなのだろう」

 

コッコロは昨日からずっと俯いたままだ、キャルの裏切り、ペコリーヌの捕縛、この2つの事が同時に来たのだ、まだ小さな子供にはショックが大きい。

 

だが慰めている時間などない、我々はすぐにでも行動を起こさなければならない。

 

「コッコロ、いつまでそうしているつもりだ、もう既にその過程は終了している、気持ちを切り替え、先へ進むことをだけを考えろ」

「ああ…申し訳ございません、主さま…少し気が滅入ってしまって…」

 

…これではダメだな、私の従者ともあろう存在がこの様では…仕方がない。

 

「はう…主さま…慰めてくださるのですね…」

 

私はコッコロの頭を撫でる、気休めかもしれないが少しでも元気を取り戻してもらわなければ話が進まない。

 

「とにかく、今はシャキッとしろ、現状は芳しくないまま…ムイミ、次の策は練ってあるか?」

「正直、どうしたもんかって感じだな…街の状況もかなり悪かったし…見た感じ情報操作されてアタシ達『ラビリンス』の悪評がばら撒かれてるみたいだしな」

 

街で大々的に活動は出来ない、元々ラビリンスはそういうギルドではないのだから関係はないのだが。

 

「サレンさまなどには連絡は…取れるわけがありませんよね…」

「そうだな、今の状況で連絡を取り合うのは危険だろう」

「今回の件で分かった、アイツらはもう大々的に動いてくる時期に入ってる、多分、もし次アイツらが動き出したら今回以上の大規模作戦でアタシらを叩いてくると思う」

 

それは同感だな。

 

「どうせそんな事になるのなら…アタシ達も大っぴらにやっちまうっていうのも手だとアタシは思ってるよ」

「ほう?算段はあるのか?」

「いや、大見え切ったけどまだ具体的には何も、とにかくこれから作戦を立てる、黎斗、お前チャートとか作るの得意だろ?お前の頭が必要だ、期待してるんだからな、頼んだぞ?」

 

やれやれ、そんな最後の希望のような目で見られても困るのだが…まぁ、この私なら最後の希望にでもなんでもなってやるさ。

 

 

 

 

…きな臭くなってきたね〜どうも…

 

僕の名前はオクトー、知ってる人は知ってるよね?

 

今現在、僕は王宮の…しかも玉座の前にいる訳なんだけど…その玉座に『陛下』と呼ばれる存在はいない。

 

代わりに鎮座するのは『陛下代理』とかいう女の子…変な仮面つけちゃってさ〜

 

ただ…その力は…『陛下』とかいう存在から託された力は本物だ。

 

昨日の戦場を見て分かったけど、この子はとんでもない量の魔物を操る事ができ、膨大な魔力を保有し、得体の知れないシャドウすらその手に収める。

 

僕の隣には黒い鎧を全身くまなく身に纏った、現団長のジュンって人がいるんだけど、色々と代理に突っかかってて面倒だなぁ〜

 

…僕としては少し気になる事があって、そっちに手を回したいんだよね。

 

気になる事…ついさっき、1時間くらい前かな、あの代理が『ある場所』に向かっていた。

 

この玉座の間の丁度真下にある奇妙な部屋だ、奇妙っていうのはそうとしかいえないからだね。

 

だって必要のない部屋なんだもん、この王宮には、だだっ広くて特にこれといったものが無い部屋にポツンと謎の機械が1つ、本当にそれだけ。

 

機械1つの為にしては広すぎるその部屋は奇妙だとしか言いようがないでしょ?

 

それで気になったっていうのはその機械の前で代理はこう呟いていたんだ。

 

『そろそろこれを起動できる…これを使えば王宮内の人間の意識を……アタシのこの…気分の悪い罪悪感も…』

 

ってね、代理の子が無用心すぎるって?そんな事ないよ〜、こう見えても僕、かなり隠密スキルあるからさ、可愛そうだからここは僕の隠密が凄かったって事にしておいて。

 

にしても…起動か…あの装置、何か面倒な事になりそうな気がする、というか今現在、奇妙な感覚がある。

 

頭、脳に違和感を感じる。あの機械はそういう類、『陛下』って奴は確か民衆の認識をズラす事も出来るらしいからアレもそうなんだろう。

 

流石にそれは気持ちが悪いし…僕も対策しておくのが賢明な判断だよね。

 

僕はその対策として自分の頭の記憶領域に直接結界魔法を張り巡らせてる、かなり高度な技術さ、これでなんとか頭の方は守ってるって訳。

 

そして、話は玉座の間に戻る、何というか割と結構強めに精神に作用するっぽいね、あの装置…対策をしている僕ですら気分が良いとは言えない。

 

そして隣にいる団長さんが『正義』とやらを語ってるけどその『正義』は歪められてるって事に気付いてない、実に厄介だ。

 

「分かったわ、来週末のお祭りは予定通り開催する、変に民衆に不信感を持たせるのは良くないものね」

「そうしてもらえると助かる」

「…分かってはいると思うけど、だからといってラビリンスの残党や黎斗達の捜索はやってもらうからね、街中にいないとは限らないんだから」

「…分かった」

 

そして、次に発する『陛下代理』の言葉が何か重みを感じる、先程からの団長とのやり取りの時には感じられなかった重みが。

 

「…いいわね、黎斗は必ず連れてきなさい、私の目の前に」

「…?なぜ彼を…いや、分かった」

 

ジュン団長と僕は彼女から背を向ける、その際。

 

「…オクトー副団長、彼女の事を見張っておくんだ…何かよからぬ事を考えてそうだからな」

「…えー?僕がぁ?無理だと思うけどねぇ〜…まぁ、やれるだけのことはするけどさぁ」

 

…さてと、どうなるんだろうねぇ……この王宮は、僕としても『正義』なんかより『悪』の方が性に合ってるからこっちの方が居心地はいいんだけど…

 

肝心の『自由』って奴がここにはないよね〜『悪党』って奴は自由でなくちゃ、自論だけどさ。

 

それじゃあまぁ、僕は僕なりに自由って奴の為に動きますかね。

 

そうだろう?ノウェム。

 

 

 

 

 

「狙い時はここ、来週末に行われるランドソルの祭りの期間だ」

 

ムイミが紙に書いた表に丸をつけながら話す。

 

「この期間は王宮の方も手薄になる、黎斗のお仲間を救い出すとしても良い機会だ」

「待て待て待て、王宮が手薄になるってどうして言い切れんだよ、アイツら俺らを探してんだぜ?てか祭り事なんてやってる方が不自然だろ」

 

ダイゴがツッコミを入れてくる、意外とコイツは頭が回るな。戦術などに関しては妙に回転する奴だ。

 

「君の言うことも分からなくはない、が…王宮はどうも民衆とやらの目を気にする、これ以上民衆の反感を買うわけにはいかないからな、祭りの中止はまずないだろう」

 

前にあったクリスティーナの逮捕から脱獄の流れで民衆の王宮への目はかなり痛いようだからな、慎重にならざる得ない。

 

「そうだ、それに祭りの警備に対して手を抜くことも出来ない、ただでさえ獣人との確執もあった訳だし、他国からもぞろぞろと人が集まってくるんだ」

「待ってくださいまし、その作戦は良いのですが…来週末って…!?その間ペコリーヌさまは…っ!!」

 

コッコロの懸念も最もだ、その間ペコリーヌが生かされてる保証など無いのだから。

 

しかし

 

「それは大丈夫だコッコロ、確実にペコリーヌは殺される事はない。なぜ言い切れるのか……理由は1つ、恐らくペコリーヌは餌だ」

「餌…?」

「何を考えているのかは分からないが、キャルは私達に『王宮内に来て欲しい』ようだ、つまりペコリーヌを助ける事自体が罠だと思った方がいい」

 

私の言葉にコッコロの表情が歪む、結局のところ、私達は敵の罠に飛び込まなければならないのだからな。

 

「といっても、相手方もロクに動けないって言うのはわかり切ってんだ、ここからは互いに切羽詰まった状況でやり合うしかない」

 

ムイミの言う通り、互いに手の内はバレている、だとするのならばその中でどれだけ相手の上手を取れる策が練れるか、勝負はそこだ。

 

「…とにかく、その間に練れるだけの策とその為の準備をする、今日はこの紙にプランをめちゃくちゃ書くぞ、そんでもって明日からはここに書いた策を実行する為に皆個々に分かれて行動を取ろう」

 

ムイミに言葉に皆が頷き、今日はそこから10時間もの間、紙にチャートを書き続けた。

 

 

翌日。

 

私とコッコロはランドソルの街に帰ってきていた、街は近づく祭りの日に合わせて賑わいを見せている。

 

そんな時、私の服の袖をつまみ、コッコロが話しかけてくる

 

「しかしわたくし達はこれで良いのでしょうか…」

「ああ、これでいい」

 

今、私達にはあまり大きな仕事は回ってきていない。

 

というよりむしろチャート内容の全貌を私とコッコロは見ていない。

 

あの作戦会議で『全体の大きな流れ』を作ったのは私だが細かい内容は全て、ムイミ達に任せた。

 

理由は単純、キャルの狙いが『ラビリンスよりも私達、美食殿に固執しているから』だ。

 

つまりキャルは私達の動きを注視している、ならば逆に私達が動かなければラビリンスの動きが悟られにくくなる。

 

私達自身のリスクが高くなるが、これでいい。

 

「コッコロ、極力王宮騎士団(ナイトメア)との接触は避けよう、私達が捕まれば計画は全て水の泡、それどころか捕まっているペコリーヌは用済みになり…最悪その時点で殺されるかもしれない」

「そ、それは困ります」

「…何にせよ、キャルの目的が見えないのがネックだ…何故、私達に固執しているのか…」

 

私はブンブンと頭を振り、考えることを止める、今はまだその時ではない、無駄に思考していると周りの王宮騎士団(ナイトメア)に怪しまれる。

 

「とにかくだコッコロ、私達は何も考えずに街を散策をしよう、逆に王宮騎士団(ナイトメア)に見せつけてやるんだ、私達が何もしていないと言うところを」

「なんとも矛盾を抱えた状況でございますね…今のわたくし達は…」

 

王宮騎士団(ナイトメア)に接触してはならない、しかし私達が何もしていないところを見せつけなければならない、確かに矛盾だな。

 

その後は特に何事もなく私達は街を散策した。日も傾きやる事はない為、私がこう話を切り出す。

 

「さて、泊まる場所を確保しよう、昨日泊まった場所はもう使えないからな」

「わたくし達は狙われの身、一箇所に留まるのは危険ですからね」

 

宿探しを始めてから数分、何やら周りが騒がしくなってくる。

 

「おや?何やらあちらで人だかりができていますよ?それに…楽しげな音楽まで……何か催し物でもあるのでしょうか?」

「この曲…聞いた事があるな…カルミナか?」

「かる…みな?」

「アイドルと呼ばれるものだよ、気になるかいコッコロ」

 

私の言葉に少しだけ考えた後。

 

「いえ、今は遊んでいる場合ではございませんし…」

「…ふっ、言ったろうコッコロ、私達はむしろそうした方がいいのだと気になるなら行ってみようじゃないか」

 

私が手を引き、カルミナのライブ会場へと足を踏み入れようとした時だった。

 

「あ、トモねーちゃ〜ん!黎斗さん見つけたッスよ〜!」

「お、本当だ、流石マツリちゃんだね、鼻が効く」

 

私たちの目の前に現れたのは王宮騎士団(ナイトメア)のマツリとトモだった。

 

「…あなた達は…王宮騎士団(ナイトメア)…っ!!」

 

あらかさまに警戒を示すコッコロ、仕方がない事ではあるが…

 

「まぁ、待って待って、私達は別に2人を捕まえに来た訳じゃないから、本当だよ?」

「トモねーちゃん…怪しさマックスッス…」

「主さま…ここは逃げましょう、怨敵である王宮騎士団(ナイトメア)の方達との接触はまずいのでしょう?」

 

先ほど私が言ったことが裏目に出ているな、コッコロは必要以上に警戒している。

 

「あはは、随分と嫌われちゃったね…まぁ、リトルリリカルの子達から聞いたのが真実だとしたら…仕方ないことだけど」

「…あの3人から話を聞いたのか?」

「まぁね、あなた達の大切な仲間が連れ去られた事も聞きましたよ」

 

…少しこの2人に話を聞いてみたい、王宮騎士団(ナイトメア)の現在の内情も知りたいとは思ってはいたからな。

 

「主さま、行きましょう!この方々の話に耳を傾けてはなりません!!」

「お、おい、コッコロ…!!」

 

私はコッコロと手を繋いでいた為、無理やり引っ張られ人混みの中に入り込んでしまう、流石にここで手を離して戻るのはコッコロと逸れてしまう可能性を考慮し、私はそのまま引っ張られていく。

 

仕方がないか、今回は私がコッコロを無駄に刺激してしまった事による失敗だ、反省し次に活かそう。

 

 

「あ〜…行っちゃったか、しょうがない」

「追わないんスか?トモねーちゃん」

「あの子が警戒してる今、無理に追っても逆効果だよ…落ち着いた時に黎斗さんだけでも話ができるタイミングを見計らう必要があるね」

「それじゃあ自分もカルミナのライブ見てもいいッスか!?いいッスよね!」

「やれやれ…仕方がないなぁマツリちゃんは…」

 

 

 

「みんなお待たせ〜!!」

「私達のライブに来てくださってありがとうございます!一生懸命歌いますので、皆さんよろしくお願いします!」

「カルミナのライブツアー初日!このランドソルからスタートですよ!!張り切っていきましょう〜!!」

 

私達はトモ達から逃げる為に人混みをかき分けて割と先頭集団のところまで来ていた、ぶっちゃけ迷惑客だな私達は。

 

センターに茶髪のロング、赤いリボンがアイデンティティのノゾミ。私達から見て左に薄い緑髪のロング、どこか儚さを感じさせるチカ。右側にとてつもなく騒がしいがしっかりした性格、桃毛のサイドアップツインテールのツムギ。

 

この3人が歌って踊って戦うギルド『カルミナ』だ。

 

「これが…アイドルですか…」

 

コッコロは初めて見るアイドルに目を奪われ、キラキラとしている、先程までの警戒は何処へやら…

 

私が彼女達と出会った頃はまだまだひよっこだったが…随分と様になったじゃないか。

 

彼女達の歌が始まる。私はあまりこういったものに詳しくはない、しかし彼女達の歌は素晴らしく魅力的だと素人の私にさえ分かる。

 

目を焼き付けておこう、アイドルゲームの制作に何かしら使えるかもしれない、それにもしかしたらこれが最後の息抜きとなる可能性もあるのだからな。

 

「おや?主さま、あのアイドルの方々ともお知り合いなのですか?今…一瞬ですが主さまの方を見て話されていたように見えたのですが」

「ああ…そうだな、知り合いだよ」

「そうでございますか、相変わらず顔が広いですね、主さま…っ」

 

その時、コッコロの表情が変わる、険しい顔だ、それだけではない壇上のチカの顔色も優れない。

 

この2人の共通点は精霊を使役する、それはかなり高精度の探知能力を持つというところだ。

 

つまり

 

「…何かあったな…コッコロ」

「はい、こちらに一直線に近づく…強大な力を確認できました、距離にして1キロ…かなりの速度でこちらに向かってきています」

 

ここから1キロ…つまり既に街門は突破され街中に入り込んでいるということか…

 

「主さま」

「分かっている…私達で対処するぞ」

 

どうやらこの世界とやらは私に息抜きをさせるつもりはないらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




何気に9章が1番黎斗を絡ませづらい
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