プリンセスコネクト!リ・ダイブゥゥゥゥゥゥゥン!!!(ガッチョーン   作:古賀コーラ

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今回は説明回です、進展は…ないでふ。


生まれる感情

「…」

 

私は病室のベットの横の椅子に座っている、目の前には眠ったままのコッコロがベッドの上で横たわっている。

 

この病院を紹介してくれたエリコだがミツキにこの後も仕事があると言われ、私にしがみ付いて離れまいとしようとしていたが無理やり引き剥がされ連れて行かれた。

 

その際、ミツキに

 

『あのキマイラの動き、何か奇妙だったわよね?…黎斗君はいつも因果の中心にいるんだから、何かあったらいつでも言いなさい、トワライトキャラバンはいつでもあなたの力になるわ』

 

と告げられた、これから先あの千里真那と戦うと想定した時の戦力としては申し分ない。

 

今はそれに歓喜し、これからの事を考えていかなければならないのだが

 

「…何故目を覚まさない、コッコロ…」

 

これ程までに焦燥に駆られた事は今まであっただろうか、私は目を覚まさないコッコロを前に片膝を揺らす、所謂貧乏ゆすりの様なものをしてしまう。

 

…私は両手を細い目で見つめる。別に手に異常を感じたとかいうわけではない、ただ何か…確認したかった、どこでもいいから何かを確認したという所作をしたかった。

 

既に…私とこの少年の同化はかなり進行しているとみていいだろう。

 

私が他者に対しここまで親身になるなど…今まで考えた事がなかった、分からなかった。

 

だがしかし、今は分かる…これが『心配』という感情なのだという事が、私が誰かに対して心配などした事がなかった。

 

いや、訂正しよう。心配自体はした事はある、例えば永夢が勝手にパラドを殺害しエグゼイドに変身できなくなったあの時は流石に心配した。

 

しかしその様な心配とは別だ。…不安に駆られ、怒りや焦りが出てくる心配…今のこの現状の事。

 

「く、黎斗さん?…大丈夫ですか…?」

 

不意に背後から声をかけられた、この声は…チカか。

 

私は振り向く直前、チラリと壁にかけらた時計を見る、時刻は夜10時を回っており、既にコッコロが気絶をしてから3時間は経過していた。

 

そしてチカがこの場にいるという事はライブが何事もなく終了しここに来たという事か、あの魔物を撃破した後もカルミナは再び観客を呼び集めライブを再開したというのだから驚きだ。

 

「ああ…すまない、チカ、ノゾミ、ツムギ…先程は本当に助かったよ」

「そんなお礼なんて、私達が勝手にやった事だし…それにその子を守れなかったし…」

「そうですね…私達がもうちょっとちゃんとしてれば…その子を守る事だって出来た筈です」

 

ノゾミとチカが暗い表情になりながら呟く。

 

「そ、そんな事ありませんよ!私達はあの場で最善の選択が取れてた筈です!その子も…目は覚ましませんが生きてます!それで十分ですよ…!!」

「ツムギ…そう…だよね、うん、ファンのみんなも守れた、みんな…とりあえずは生きてる、それだけで十分なのかも」

 

ツムギの言葉にノゾミに軽く笑顔が戻る。

 

「君達はこんなところにいて良いのかい?確か…ツアーと言っていたろう、準備なんかが必要な筈だ」

「うん、だけどやっぱり気になっちゃって」

「ツアーは来週末までの長期に渡りますし、最後くらい黎斗さんにご挨拶をしておかなくちゃと思いまして」

 

ツムギが笑顔で答える、来週末まで…か、その日は王宮侵入決行日、心苦しいが彼女達の旅路の最後は大荒れとなるだろう。

 

「おい、お前達!ここで何をしている!!」

「うっ!この声…プロデューサー!!」

 

プロデューサー…?声に聞き覚えがあるぞ…

 

「クリスティーナ…?何故君が…」

「ワタシの方が驚きだがな、この子達は今や飛ぶ鳥を落とす勢いの天下のカルミナだぞ?それらが知人などファンの雄共が泣いて悔しがるだろうな」

「…質問に答えてもらおうか」

 

私が少しうんざりとした口調で言い放つとクリスティーナもまた、ため息を1つして口を開く。

 

「お前達はそろそろ出ろ、『転送の間』の手続きは済んでいる、アイドルたるもの時間厳守だ」

「は、はい、プロデューサー!!…それじゃあ黎斗君、またね!」

「黎斗さん、その子の事でどうか深く気に病まずに、体調だけは崩さないでくださいね」

「そうですよ!!元気出してください!!私たちが戻って来る頃には必ず目を覚ましてます!大丈夫です!!」

 

彼女達はそう言い残してこの病室から出て行った。

 

「…質問の答えだが、ワタシも色々とあってね、何の因果か、アイドルのプロデューサーという立場に今はいる」

「脱獄犯だというのにか?」

「そうだな、ある意味では丁度いい隠れ蓑にさせてもらっているよ、これからカルミナは全国を回るライブツアーだ…他国に渡れば少なくともワタシは監視の目から遠ざかる事ができる」

 

監視の目…

 

「まさか、このプロデューサーの件も作戦の1つか?というよりどうやってその座についた?流石にムイミ達の手配では不可能だろう」

「ああ、これに関してはアイツらの力じゃない、ワタシ自身の…いや、ワタシの身内の力といった方がいいか」

「君の…?あの誓約がどうとかいう家訓がある」

 

「そうだ、ワタシの実家はここから遠く離れた地にある名誉ある貴族だ、お前には話したがワタシは若い頃、実家に嫌気をさし半ば家出に近い事をしてこの地に流れ着いた…まぁ、若気の至りというやつだな、それからはこの地で1から力を勝ち取り貴族となり王宮騎士団(ナイトメア)に所属と…順風満帆に生活をしていた訳だが…」

 

ただでさえ家出という経緯があり、先日の逮捕からの脱獄、彼女が現在身内からどういう扱いをされているのか想像に難くない。

 

「我が家は色々と揉み消すことに必死さ、今回の『コレ』もその1つって事だな、自分の家から犯罪者を出す訳にはいかない、元からアイドルのプロデューサーをやっていたという事にする、まぁ金さえあればやれない事はない」

「つまり君はそれを利用するという事か」

「そうなるな、ワタシとしてもアイドルをプロデュースするというのは中々新鮮で楽しそうだとは思っているが、今はそうやって楽しんでる暇はなさそうだ、やつを…千里真那を消すまではな」

 

クリスティーナという人間は初めて対面した時の破天荒さで苦手意識を持っていたが彼女を知っていくとどうも真人間のように思えてくる、慣れただけかもしれないが。

 

彼女は先見の明があり、判断力や常識も兼ね備えている、こうやって落ち着いている時は私とも話しが合うからな、いかんせん戦闘時というか興奮時は話を聞かない。

 

「来週末までワタシはこの国を離れる、その間にちょいと仕込みをしてくるよ、せっかくの他国だ、利用できるものはしなくてはな」

「私達が相手取るのは国家そのもの…確かに利用するのならばそういったものの方が都合はいいか」

「さて…ここで耳寄りの情報だ黎斗の坊や」

 

彼女はドカッと私の隣にある椅子に座り込み

 

「王宮にはどうやら洗脳装置と呼ばれるものがある」

「洗脳装置…?待て、どこからの情報だ」

「オクトーの坊やだよ」

 

…オクトーだと?

 

「奴がワタシに接触してきてね、最初はワタシも警戒したさ、だが奴1人でワタシに挑んでくるとは考えづらい、話だけでも聞いてやったら出てきた言葉がコレさ」

「…話が本当なら王宮騎士団(ナイトメア)の現状は…」

「洗脳されているということになるな、だが露骨な洗脳とは違うらしいぞ?」

 

どういう意味だ?

 

「オクトーの坊やは『意識を心の奥底にあるものに集中させる』だとか言っていたな、奴自身あまり上手い表現で伝えられないとも言っていたが、黎斗、お前はこれに対してどう考える?」

 

…心の奥底にあるもの……人が誰しも抱える『闇』の部分、それを刺激して表面化させている…?

 

「…私達の考える洗脳ならば、兵士達の発言が露骨に変化し、違和感を覚える程に私達を追跡してくるなどの行為をするだろう、しかしそうではなく『心を刺激する』と考えたらどうだろうか」

「『心を刺激する』?」

「ああ、例えば元々正義感の強い兵士がその洗脳装置とやらの術中に嵌った場合、どんな悪も見逃さなくなる、確かにそれ自体は良い事なのかもしれないが常軌を逸した正義の執行も厭わなくなるという難点もある」

「ふむ、確かに表面的にはただの洗脳よりは分かりづらいな、こちらの警戒心も逸らす事はできるだろう…だがしかし何の意味がある?あの暴君、千里真那がこんな周りくどい事をするとは思えないが」

 

…そう、あの千里真那がやるとは思えない、それにただの洗脳ではないと言うところもポイントだ。

 

「トモの話では、その洗脳の効果範囲は恐らく王宮内だけ、彼女も王宮騎士団(ナイトメア)だがその兆候は見られなかった」

「ほう、トモちゃんか、確かにあの子は庶民の出だからな王宮内には入る事は出来ないだろう」

 

つまり

 

「…王宮内全体を対象にするとなると…キャルも勿論対象内だ、そして洗脳と違いコレはどちらかというと『意識の塗り潰し』…」

「ふむ、つまりあのキャルとかいう獣人は『自分の意識を塗り潰したかった』しかも丁度よく王宮騎士団(ナイトメア)達も使役しやすくなる。考えたものだな」

 

…塗り潰したかった感情は考えるまでもない、私達『美食殿』への罪悪感、では彼女が罪悪感を塗り潰した感情とは何だ…?

 

怒り、憎しみ、哀しみ…考えられるとすればここら辺だが…これは直接彼女に会うまでは分からない…か。

 

「さて、そらそろワタシも話を切り上げるとしよう、あの子達のプロデューサーだからな、手を抜く訳にもいかん、楽しんでると思われるかもしれないが、やるからには彼女達のツアーは成功させるつもりだよ」

 

クリスティーナは席を立ち、ワタシに背を向けながら歩き出す、そして1度立ち止まり。

 

「…その子、目を覚すといいな」

 

そう言い残して去って行った。

 

……

 

それから丸1日、24時間と120分が過ぎた深夜0時の時刻を知らせる時計の音が病室に鳴った。

 

未だコッコロは目を覚まさない、私はその間ずっとコッコロのそばにいた、昨日同様に座りながらも片手はずっとコッコロの手を握っていた。

 

考えれば私にもこういった子供がいてもおかしくない年齢だったのだなとある意味で再認識できた、バグスターになり年齢という概念から解き放たれたとはいえ本来私は38歳…それこそコッコロぐらいの子供がいても良いぐらいだな。

 

この感覚は少年の優しさだけではない、私自身の父性とも呼べる部分が刺激されているのかもしれないな…私自身もまだ私の知らない部分がある…やはり人間の心というものは面白い。

 

分かった気でいてもまだまだ未知数、これはゲームのキャラクターを作るうえでも利用できる事だ、覚えておこう。

 

「あうぅ…」

「…コッコロ!!目を覚ましたか…!!」

「主…さ…ま…?手を…ずっと…握ってくださっていたのですね…主さまの温かなお手て…なんともあったかい事でしょう…」

 

私は咄嗟にその場で立ち上がり、彼女を抱きしめる、もはや歯止めが効かなかった、この行為に驚きこそしたが疑問は抱かなかった。

 

「あう…主さま…ふふ、主さまがこうした事をなさるなんて…初めてでございますね」

「ああ…そうだな…私も少し驚いている…すまなかった、私の注意不足だ、君を危険に晒してしまったのは」

「…いいえ、そんな事ありません、主さまのおかげでわたくしは再び再起できたのでございます…」

 

コッコロはそう呟きながら私を抱きしめ返してくる。

 

「主人さまの温もりを感じられてコッコロは幸せです…っと、そうではございませんでした、主さま、わたくしが昏睡状態に陥っていた原因をお話し致します」

「…なに?」

 

私はコッコロから離れるとコッコロが経緯を話し始める。

 

昏睡している間に自分は現実世界に赴き、『晶』と出会った事、現実ではどのようなことになっているのかという事、コッコロ自身がどういう立場の人間であったのかという事。

 

「…今回の昏睡はたまたま時期が重なってしまったことによる事故みたいなものだったという事か…」

「そうなりますね、本来ならあの日、わたくしが眠ってからあちらの世界のロボットと呼ばれるものに精神を移す手筈だったようです」

「とにかくコッコロがあちらとこちらを行き来する手段を得た、これはかなり使えるのではないか?」

「そうですね、しかし晶さまが言うにはあっちの世界よりもこっちの世界を今は注視して欲しいとのこと」

 

…晶は晶で現実でやるべきことをやっている、その間は私たちに全部こちらを任せるという意味合いか。

 

「それと…これを…」

「…?」

 

コッコロが手を私の手のひらを包むように触る、すると光り輝き始める、最初は何かの魔法かと思ったがそうではなかった、何か…物が転送させられて来ている。

 

「少々お待ちを…時間がかかると仰っていましたので… 」

「…晶の差し金か?」

「はい、晶さまが主さまに今必要になるものだと…」

 

一体なんだと言うんだ…?私に今必要なもの…

 

手のひらが光り輝き始めてから3分ほどで私の手に何か感触がある事が確認できた、どうやら転送が終わったらしい。

 

コッコロが私から手を引くと

 

「こ、これは…!!!」

 

私の手のひらにあったもの…それは

 

「デンジャラスゾンビガシャット…っ!!!」

 

白と黒の配色、ゾンビのイラストが描かれた正真正銘本物のデンジャラスゾンビガシャット…本物というよりはデータか。

 

「どうやって…いや、現実世界からの干渉なんだ、晶がクリエイターであるのならば新たなデータを加える事など造作も無いこと…しかし驚いたな」

 

恐らくこちらの世界の千里真那同様に私が流したデータから持ってきて再現した、しかも現実世界で手順を踏み、この世界にちゃんと正規のアイテムとして登録したというところなのだろうが。

 

「コッコロ、晶は他になんと言っていた?」

「そうですね…」

 

『黎斗君に伝えておいて欲しい点がある、1つ、そのアイテムは君が望むほどの性能をしていない、色々とアタシも試してみたんだけど現段階じゃあ完全再現とまではいかなかったよ、いやぁ〜凄いねコレ、黎斗君が作ったもんなんでしょ?こりゃすぐに真似できないよね』

 

『んでもって2つ、アタシは何とかして黎斗君のデータを漁ってアイテムを再現してみるとするよ、きっと何かの力になる…とはいえ、そのガシャット?とかいう不完全なアイテム1つ再現するのにめちゃくちゃかかったから次はいつになるかは分からないけど…真那を打倒する為に協力は惜しまないよ』

 

『そして最後に、こっちで真那は止めてるけど、もうそろそろ限界だ、心してかかるように、良いね』

 

「…と仰っていました」

 

…嬉しい知らせだな、デンジャラスゾンビですら中からのハッキングではデータを再現することはできなかった、それを外からやってくれるというのだからありがたい話だ。

 

しかし完全再現はできていない…となると不死身の能力は無いと考えた方がいいな、不死身がなければ何がゾンビだという話になってしまうが単純にスペックが向上するのは大きい。

 

それに死のデータによるダメージも無いと考えていいだろう、となるとデンジャラスゾンビガシャット1つで変身可能…それどころか他のガシャットと併用できるというのは利点だ。

 

「…ふっ、でかしたぞコッコロ…これで、奴を…千里真那を倒せる可能性が格段にアップした」

 

私は笑みを抑えられず笑いながらコッコロの頭を激しく撫でる。

 

「わふぅ…それだけではございません、ペコリーヌさまを助けられます」

「…そうだな…あとは出来れば…キャルもだな」

 

私達は決意を胸に眠りに付く事にした。この幻の夢の世界で私達が成すべき事を成す為に。

 

 

 

 

それから月日が流れ、王宮侵入決行日。つまりランドソルの祭りの日、初日。

 

2週間程度の時間が流れたもののその間に私は色々と手を尽くしていた。

 

例えば力になると言ったトワイライトキャラバンに協力を要請し、万が一の時の為に街で待機してもらうことになった。

 

同じく戦闘を主とするギルド『ヴァイスフリューゲル』の面々にも出張って来てもらっている、彼女達にはこのランドソルの外周を警備、上記の通り万が一に備え民衆達を効率的な避難誘導をしてもらうつもりだ。

 

彼女達と言ったがヴァイスフリューゲルの面々も全員女性だ、彼女達もかなりクセのある5人で構成されたギルドである、その紹介は後にしておこう。

 

民衆を効率的に避難……恐らくこの作戦は成功しようがしまいがこの街にもたらす被害は想像を超えていくだろう。

 

何せあの千里真那…核兵器級の魔法を放つ魔術師と戦わなければならないのだからな。

 

「主さまの準備は整っておられるようですね」

「ああ、この2週間で色々と分かった」

 

そう言いながら私はデンジャラスゾンビガシャットを取り出し、手首のスナップでコッコロにそれを見せつける。

 

デンジャラスゾンビガシャットを試運転した結果、分かった事。

 

私の推測通り、不死身の能力自体は無かった、ダメージ自体は受けてしまう。しかし『ダメージを受けた瞬間、そのダメージの半分程度の数値分ライフを回復する』機能が追加されていた。

 

恐らく晶が気を利かせデンジャラスゾンビの能力に付け足したのだろう、これにより実質耐久力が上がった。

 

そして音声はピン挿しの場合、レベル2の音声『デ・デンジャラスゾンビ!デ・デンジャラスゾンビ!!』というものなのだが…何故かバグルドライバー仕様の音声となっていた。

 

これも推測になるが晶が私のデータからデンジャラスゾンビガシャットデータを再現する際、最も長く使っていた期間の音声データを抽出し使用したからだと思われる。

 

私としても『ジェノサイド!』や『wooo』という音声があった方が馴染み深いといえば馴染み深い。

 

そしてやはり他のガシャットと共に併用可能だった、デンジャラスゾンビに他の武装が取り付けられるのは中々新鮮で非常に興味深い。

 

増殖機能もあった、通常は10体まで召喚可能、他のガシャットと併用時は3体。どちらも増殖体の耐久力は殆ど無い、乱戦時には使えるだろうくらいの認識でいいというのが私の出した結論だ。

 

微調整は私の方で行った、ゲームクリエイターとはいえ初めてガシャットに触れた晶では繊細な部分の調整は施されていない、私は2週間かけてデンジャラスゾンビガシャットの調整を行った。

 

最後に、この2週間の間に何度かキャルからの刺客と思われる魔物を撃退したり分身体のネネカと接触したりと様々な事があったのだが、それらは割愛させてもらう。

 

これで準備は万端…後は他の面子を待つだけなのだが…

 

周りを見渡せば人、人、人…流石は祭りだ、他国からも観光客が来ているというのだから人口密度が半端ではない。

 

「凄いですね…様々な出店が出ていますよ、本来なら楽しみたいところですが…」

「祭りは5日間あるらしい、もし事が平穏に終わるのであれば、その後に楽しむとしよう」

 

希望的観測をしつつ私達は歩を進める。私達が向かっているのはあるクレープ屋。

 

そこにラビリンスのシズルと合流する手筈なのだが…

 

「あ…あそこではございませんか主さま」

 

コッコロが指を指し示すその場所に1つの出店が確認できた、クレープ屋だ。

 

そこには女性が1人、クレープを焼いているのだが…ん?

 

よく見ればあれは…シズルか?いや…見た目自体そこまで変化はないのだが若干違和感を感じた、シズルだとパッと見で判断する事ができなかった。

 

「…シズル、私だ」

「あ!黎斗くーん!!会いたかったよぉ〜っと…ダメダメ、今は抱きついたりしちゃ…」

 

私は驚愕した、いつもなら問答無用で飛びついてくるあのシズルが我慢しただと…?

 

「…何か他人に触れてはいけない魔法でも使っているのか?」

「正解だよ!ほら、あのネネカって人……正確にはその人の分身だっけ?まぁいいや、その人がね私達に『認識を誤認させる』魔法を掛けてくれたんだよ、おかげで黎斗君でもすぐに気付かなかったでしょ!」

 

成る程、先程の違和感はそういうカラクリがあったのか。

 

「でもでも、少しでも誰かに触れると解除されちゃうから…黎斗君に抱きつく事ができなくて、お姉ちゃん寂しい」

「それよりも、他はどうしている?いつ始めるんだ、その作戦とやらは」

「…もうすぐだよ、黎斗君、コッコロちゃん、気を引き締めて行こうね」

 

シズルの声色が変わる。そうか、ついに始まるのだな…では最終決戦と行こうじゃないか。

 

 

 

 

 




前から2部もやろうかなぁなんて思ってて、溜めていた2部のストーリーを読み始めたらまた岸君の記憶が破壊された事に驚きました。ついでに読む前に想定してた自分の物語のプロットも破壊されてあーもうめちゃくちゃだよ。
岸君の赤ちゃんプレイのくだり…ドウスッペ…
まぁその時が来たら考えます(諦め)
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