プリンセスコネクト!リ・ダイブゥゥゥゥゥゥゥン!!!(ガッチョーン   作:古賀コーラ

36 / 59
黎斗がどんどん丸くなっていっている…騎士くんパワー凄い


デンジャラスな力

 

 

 

「くっ……うぐっ…い、一体何なんだ…」

 

ガラガラと音を立てながら、瓦礫の中から出てくるジュン。

 

「…コッコロ、大丈夫か?……ふっ…良く耐えたな、偉いぞ」

「はい……わたくし…主さまを信じておりました…」

 

フラつくコッコロの体を両手で支え、優しく頭を撫でてやる。

 

こんな小さな体であのジュンと戦っていたのだ、褒めてやらなければ神の名が廃るというものだ。

 

「そうか…その姿…黎斗君か…やはり手を抜くのは駄目だな…私もまだまだ甘い…手足の1本でもへし折っとくべきだった」

 

私は背後で立ち上がり拳を構えるジュンを無視してコッコロの頭に片手を乗せたまま目線を合わせる為に片膝をつき話しかける。

 

「傷の方は軽くでもいい、今治療しておくんだ、その間の時間稼ぎくらいはする」

「…無視とは心外だな、なら遠慮はしない、背後からだろうと叩き伏せる」

 

背後のジュンが動く、だがしかし

 

「……時間稼ぎをすると言ったろう」

「っ!?!?」

 

私はジュンに対して何かをした訳ではない。

 

しかし私の背後では無数のゲンムがジュンの行手を阻んでいる。

 

そう増殖体だ、全部で9体。それらが多方面からジュンを攻撃している。

 

「な、なんだこれは…!!?」

 

流石のジュンも予想外の攻撃に狼狽えている、その隙に私はコッコロに続けて話しかける。

 

「そうだ、そのまま回復魔法で自分の治療に専念しろ。コッコロ、君はこの後そこの階段を降りてペコリーヌの元へ向かうんだ……彼女の相手は私がする」

「し、しかし…主さまもお怪我をなさって…」

「君の方が怪我をしているじゃないか、何、安心しろこの程度はかすり傷さ」

 

背後では未だに増殖体がジュンを押さえ込んでいるが後何秒持つか分からない、せめて10秒は持って欲しい、コッコロの治癒を考えてもな。

 

私はコッコロの治癒を眺めつつ、背後を何度かチラチラと確認する、やはり増殖体では抑えるのはかなり厳しい。

 

毎秒毎に増殖体が消されていく、ほとんど一撃粉砕だ。

 

だがしかし時間は十分稼げた。

 

「コッコロ、君は私の従者だ。君なら出来る、さぁ…行くんだ」

「主さま………分かりました、主さまもどうかお気をつけて」

 

コッコロの治療がある程度済んだ事を確認し、彼女を見送る。私はその場で立ち上がり、背後を確認すると丁度私の増殖体が1匹残らず消された瞬間だった。

 

「…こんな芸当までできるなんて、思いもしなかったよ黎斗君」

「流石は王宮騎士団(ナイトメア)団長、増殖体とはいえゲンムをものともしないとは」

 

私達は対峙する、以前の私ならジュンを相手取る事など不可能だっただろう、だが今の私なら同じ土俵にくらいは立てると確信している。

 

「今度こそ手足を折って、2度と戦う気を起こさせないようにする、勿論あの子もだ」

「ふん、笑わせるなよ、君がコッコロに触れる事など2度と無いと思え。これでも私は今、虫の居所が非常に悪い」

 

私はいつも通りゾンビの構えを取り、相手の動きを観察する、いつでも来るがいい。

 

「…っ!!」

 

心した瞬間、ジュンが懐に入り込みアッパーを仕掛けてくる、それを左側に体を逸らしつつ右手を使い、アッパーしてくる拳をイナして回避する。

 

そこからのジュンは拳の連打、私はそれを全て素手で弾いて回避を続ける。

 

見える、やはりちゃんと見えるぞ、スペックが上がったことによりジュンの攻撃ですら見切ることができる。

 

彼女の一突き一突きは非常に重い、コッコロは良くこれらを生身で耐えたものだ。まともに食らえば一撃でも致命的だ。

 

見切れる今、ただ防御に徹しているだけではない、私は防御の合間に攻撃を仕掛ける、ジュン同様拳による殴打。

 

互いに攻撃を捌き、仕掛けては防御し防御しては攻撃をする、力は拮抗していた。

 

そこでジュンが動く、変則的に彼女は一気に屈み込み私に対して足払いを仕掛けてきた。

 

私はそれをバックステップで回避すると、ジュンはその流れで後方に飛び込み前転で下がりつつ地面に転がっていた自身の大剣を拾い上げる。

 

そして立ち上がりと同時、高速で私に接近して斬り上げをしてくる。

 

「ぐぁぁっ!!!?」

 

流石の私もそれに対応する事は出来なかった、斬り上げをモロに胴体に浴び、吹き飛ばされる。しかし地面を転がりながらもダメージ自体は少なかった為、すぐに立ち上がり体勢を整える。

 

「良かった、やはりその鎧は私の剣撃に耐える事ができる…これで遠慮なく剣が使えるという事だ」

「…っ随分とお優しい事を言うじゃないか」

「勘違いしては困る、私の目的はあくまで拘束だ、殺す事じゃない」

 

ジリっと互いに構えを崩さない、ジュンが武器を持ったか…厄介になるな、なら…

 

「私もこうしよう」

『ガシャット!!アガッチャ!タドルクエ〜スト!!』

 

私はタドルクエストガシャットを起動し挿入。デンジャラスゾンビにタドルクエストの武装が付与される。

 

アンデットナイト…不死身の騎士さ、まぁ不死能力はないのだが。

 

ガシャコンソードを出現させ、こちらも剣を構える。

 

そして

 

「ふん!!」

「はぁ!!!」

 

互いの剣がぶつかり合う、激しく剣芯をぶつけ合い、金属を打ち鳴らす。

 

一歩も譲らぬ攻防、普通の剣撃では埒が明かない。

 

「…ヘヴンストライク!!!」

 

先に動いたのはジュンだ、そう叫びながら回転斬撃を打ち込むと刀身が光り輝く。横薙ぎのソレは空気を揺らし、私の胴体目掛けて飛んでくる。

 

勿論、私もソレをまともに受けるつもりはない、先手で私はソードで剣先を下から叩く事で上に弾き、軌道を逸らす。

 

それによりあらぬ方向に飛んだ斬撃は遠く離れた天井部分を粉々に粉砕する。即ちこの攻撃は飛ぶ斬撃なるものだった、光り輝いた刀身から光のエネルギーが飛んだのだ。

 

ガラガラと石造りに天井が崩落しこの王宮全体を激しく揺らす。

 

私自身も弾いたソードを持つ右手がビリビリと痛む、それ程の高威力の技…何度も打ち込まれたくないものだ。

 

「…なんて思っているんじゃないか?」

「…っ!?」

 

そこからは連続だった、同じく刀身を光らせながら先程と同じ技を打ち込んでくる。

 

ちっ…!!この場を完全に破壊するつもりか!!?互いに生き埋めになるぞ!!!

 

それを考えない程、ジュンは馬鹿ではない、しかしそれ以上に私を捕らえるという事に固執している。

 

「…ふざ……けるなァァ!!!!」

『キメワザ!!デンジャラス!クリティカァル!!フィニィッシュ!!』

 

私の放つ飛ぶ斬撃はまるで無数の闇の腕が手を伸ばし、ジュンを取り捕まえようとするような不気味なものだった、しかし。

 

「インフェノシールド!!」

 

彼女が大剣を地面に突き刺す動作をすると、彼女の前方に半透明の巨大な盾が紅蓮の炎と同時に出現、それは私のキメワザを吸収し消し飛ばす。

 

攻めも防御も一級品…流石は団長という立場だ、このまま戦っていても時間だけが無駄に消費されるだろう。

 

私達にそんな時間はない、先に進まねばならない理由がある。

 

「いい一撃だ、感動的だな、だが無意味だ。私に君の攻撃は届かない」

「…そのようだな……だが先に謝っておこう」

「…どういう意味だ?」

 

ジュンが不思議そうに私の話を聞く。

 

「『1匹残らず消したと勘違い』させてしまった事を、ね」

「っ!?」

 

次の瞬間、彼女の背後から増殖体の1体が彼女の兜をヒョイと取り上げる。

 

私は最初に1体だけは彼女に立ち向かわせずに私達が初めに隠れていた壁の影にスタンバイさせておいた。

 

全てはこの時の為に。

 

「な、なななな…!!?何をするんだ!!返してくれ!!」

 

素顔を露わにした彼女はあたふたと動き、増殖体のゲンムにまるで子供のような動きで兜を取り返そうとしている。

 

「ふん!」

「ぐえっ!!!?」

 

その隙に私は彼女の背後に近づき手刀を首元に1発お見舞いすると彼女は力なく倒れた。

 

意外とうまくいくものだな手刀による気絶…まぁ、ゲンムの姿で不意打ちでも決めればどの攻撃を受けても生身の肉体ならば気絶するか。

 

アホみたいな作戦だが、彼女の家系は代々素顔を晒してはいけないらしく、このように兜を取り上げれば一気に戦力ダウンする、というのが彼女の弱点だ。

 

初めから私はまともに彼女と戦う気はなかった、最初から言っていただろう王宮騎士団(ナイトメア)の現役団長とやり合うなど体力の無駄。

 

さて、兜は……いや、まだ持っておこう。彼女が目を覚ました時、再び戦うという面倒事になるからな。

 

私は取り敢えず変身を解除しておく、あまりゲーマドライバーに負担をかけているといざという時、変身できなくなってしまうかもしれない。これから先もまだコレには頑張ってもらわなければならないのだからな。

 

「こっちだ!!地下牢獄からだぞ!!!」

 

バタバタと足音が複数響く、まずいな…ジュンのめちゃくちゃな攻撃により王宮内の兵士達に気付かれた。

 

どうする…?このまま放置しコッコロの元へ向かったとしても現場のこの状況、確実に怪しまれ牢獄方面に突入してくる。

 

「ちっ…結局面倒な事になったな…!!」

 

ドカドカと階段を駆け降ってくる音が複数聞こえ、そしてその時はやって来た。

 

 

 

 

数分後。

 

私は長く続く地下牢獄前を走っていた、つい先程まで追い詰められていた筈だったのに。

 

理由は何故か。それは王宮騎士団(ナイトメア)が突入してくる際、先陣を切って現れたのはオクトーだった。

 

『あー…はいはい、ここは僕に任せて君達は持ち場に戻ってもらえる?』

『し、しかしオクトー副団長…!!』

『ここは団長の持ち場でしょ?団長なら平気だよ〜、後は僕と団長でやっとくから君達は見張りに戻った戻った〜他にも賊が入り込んでるんだからさ〜』

 

という風に自身の部下達を事前に追い返したのだ、私としても当然疑問に思い。

 

『…何故助けた』

『ちょっと僕にも思うことがあってね、というか君達洗脳装置も狙ってるみたいだし、僕の事、薄々気付いてるんじゃないの?特に君ならさ』

『…』

 

私達にその後の会話はない、静かに視線を交わし、最後に

 

『…ジュンの兜は君に預けておく』

 

そう私は言い残して現在に至る。

 

この地下牢獄は非常に長い、直線状にとてつもない数の牢が並べられ、更に複数のトラップが張り巡らされている。

 

最も既に先に向かったコッコロが全て破り進んでいるようだ。

 

セキュリティ的にも本来は脱獄した人物に対するトラップのようなので外からの侵入に対して鈍い、そもそも外から侵入してくるという事を想定していないからか、コッコロ1人でも容易に破壊可能という訳だな。

 

ペコリーヌが捕まっていた牢屋は最奥だった、そこへ向かうとコッコロが牢の前に立ち、どうにか破れないか試しているようだった。

 

「うぅむ、どうしたものでしょう、ただの鉄格子という訳ではないようですし…魔法なども阻害する何かが仕掛けられているようです…力業では…」

「よく辿り着いた、コッコロ」

「主さま…!!ご無事で…!!」

「あ…黎斗くん…!!!」

 

牢の中にはペコリーヌの姿があった、普段身につけている王家の装備は当たり前だが無い、肌艶は荒れ、髪もボサボサ、衣服も所々汚れている。

 

当たり前だ、2週間もの間この牢獄に閉じ込められていたのだからな、牢獄内はボロボロのベッドと洋式トイレのような見た目をした石造りのトイレが1つという質素なものだ、コンクリのように見事といえば見事だがのっぺりとした石造りの正方形の室内。

 

そんな場所に2週間か…彼女は私の姿を見て本来の笑顔の絶えない少女に戻ってはいるが…想像を絶するだろう。

 

彼女は私のような運命にいる人間ではない、永夢や他のドクターライダー達のように過酷な運命に自ら投じる意志があった訳ではない、そもそもまだ十代の少女だ。

 

「…少しやつれたな、ペコリーヌ」

「えへへ…一応ごはんとか運んできてくれるんですけど量が少ないので…む、むしろこうやって生かしてもらってる方が不思議ですけどね!……キャルちゃんの指示なんでしょうか…」

 

彼女は下を向き、考え込む。

 

「…それを確かめる為にも今は脱出をしよう、ここの鍵はここを守護していたジュンから奪っておいた、扉を開くぞ」

「おお、流石は主さま、あのジュンさまを倒したのですね…!」

 

私は鍵を使い、牢屋の扉開く、ようやくペコリーヌとの鉄格子を間に挟まない、ちゃんとしたご対面だ。

 

私は彼女を抱き寄せ、ハグをする。これは私自身の意思だ。彼女のこれまでの頑張りに敬意を払い抱擁する。

 

少しばかりコッコロとのスキンシップが最近多かった事もあるのだろう、こういった行動に抵抗が薄まりつつあるのは確かだ。

 

「わふゃあ!?く、黎斗くん!?…えへへ…黎斗くんがこんな事をしてくれるなんて…凄く…驚きです」

「私達が来るまでよく頑張ったなペコリーヌ、褒めてやる」

「で、でも…その…今わたし…きっと臭いですよ…お風呂とかも入れてませんし…ケアだって…」

「そんな事はない、頑張った君は汚くなんかない、むしろ美しいさ、誇るといい」

 

私がそう言うとペコリーヌは突然涙を流し始める、流石の私でも予想していなかった。

 

「あ…す、すみません…本当に…黎斗くんって優しいなって思って…こうやって…ギュってしてると安心して…」

 

ペコリーヌは私に対して抱きしめ返してくる、その力は…弱々しかった。

 

いつものペコリーヌらしくない、当たり前だ、いつもは王家の装備により馬鹿みたいに力があり、私でさえ抵抗できない程だ、それが今ではか弱い少女。

 

「……本当に心が折れそうだったんです、黎斗くん達に迷惑かけて、何も出来なくて…」

 

ペコリーヌは泣き声混じりに続ける。

 

「美食殿での生活はとても楽しくて…失いたくなくて…全部奪われたわたしにとって…たった1つの帰る場所…それが無くなっていくのが怖くて…」

「それでも君はこうやって諦めなかったじゃないか」

「……ある言葉が…わたしの支えになっていたんです」

 

ある言葉…?

 

「…わたしは…黎斗くんやコッコロちゃん達と出会う前…偽物の王女として追われる身となって…全てを投げ出し自暴自棄になってた時期があったんです。そんな時に『彼』は現れました」

 

ペコリーヌはギュっと私を抱きしめる手を強める。

 

「あの人は…わたしにこう言いました『君ならいける気がする』って…『本物の王女だって信じてるのなら…きっと支えてくれる人達が必ずそばにいてくれる』って…」

「…そうか、君が諦めなかったのはその人物の言葉のおかげという事か」

「はい…だからずっと…ここにいる間…ずっと…コッコロちゃんと黎斗くんの事を考えてました…キャルちゃんの事も…美食殿はわたしにとって…そばにいてくれる大切な人達だから…!」

 

感謝しなければなその人物とやらには、こんな不衛生な場所に2週間近くも入れられていれば精神的にも肉体的にも参ってしまってもおかしくない。

 

「主さま、仲の良い事は大変微笑ましいのですが…そろそろ脱出致しましょう」

「…ああ、ペコリーヌ、立てるか?」

「あう…すみません…安心したら腰が抜けちゃって…どうも動けなさそうです…」

「…仕方がない、ペコリーヌ、私が君を抱き上げる事にする、君が動けるようになるまではな」

 

私はペコリーヌをお姫様抱っこで担ぎ、コッコロと共に来た道を走り戻る。

 

獄中の者共が恨めしそうに『俺達も出してくれ』などと言っているが全て無視だ。

 

「えへへ〜これが本当のお姫様抱っこですね!前に黎斗くんがいつか抱っこしてくれる日が来るかもって言いましたけど、こんなに早く来るなんて、嬉しいです」

「あまり力を強めるな、息が苦しくなる」

 

私達は駆ける、再び地上に這い上がると白を基調とした王宮内は光を反射し眩しく照らされ、地下から出てきた私達にとっては目に悪い。

 

「道中でジュンさまを見ませんでしたね…何処かへ行ってしまわれたのでしょうか?」

「そこら辺はおそらくオクトーが手を回してくれたのだろう…とにかく」

「あの!少し良いですか?」

 

ペコリーヌがそう聞いてくる。

 

「わたしの装備…王家の装備はおそらく宝物庫か何かに入れられてると思うんです、それを回収した方が多分、戦力になるかと…」

「場所は?」

「大丈夫です、王宮内は自分の家なので把握しています」

 

ならば目的地は宝物庫、もはや隠れる事も面倒だ。

 

「コッコロ、正面突破だ、急ぐぞ!」

「はい!主さま!!!」

 

私達は隠れもせずにひたすら走り続ける、ペコリーヌの指示で的確に宝物庫へとナビゲートされていく。

 

「いたぞ!!あそこに賊だ!!」

 

複数の兵士達が剣を引き抜き私達に迫り寄ってくる。

 

「コッコロ!私にゲーマドライバーとガシャットを!!」

「承知しました!行きますよ!主さま!!」

 

ペコリーヌを抱っこし両手の塞がる私にコッコロがゲーマドライバーを腰に装着しガシャットをスロットに挿入する。

 

『デンジャー!デンジャー!ジェノサイド!デス・ザ・クライシス!デンジャラスゾンビィ!!woooo!!』

 

「はぁ!!!」

 

私はホログラムの壁を蹴りでぶち破りながら前方の兵士達を蹴り飛ばす。

 

側面にいる敵もコッコロが槍を使って迎撃している。

 

「あれ?黎斗くんの見た目、また変わっていませんか?白黒になってますよ?」

「ああ、君を救う為に新たな力を手に入れたのさ」

 

私達は進む、迫りくる兵士を次々と薙ぎ倒し宝物庫らしき巨大な扉の前にたどり着いた。

 

「当たり前ですが閉まっています…何やら魔術回路のようなものが…複雑すぎてわたくしでは解除するのは無理そうです」

 

コッコロは巨大扉の前にある小さな石柱に触れている、触れると青白く光り何やら文字列が浮かび上がっている。

 

私達の世界でいうセキュリティープログラムのようなものか、ハッキング…は無理そうだな。

 

「大丈夫ですよ。わたしなら開けれます、なんたってここの王女なんですから!…黎斗くん、近寄ってもらっていいですか?」

 

ペコリーヌを担いでる私がその石柱に近寄るとペコリーヌが片手でその文字列を操作する、すると

 

まさにダンジョンの最奥にあるボス部屋の如く、ゴゴゴという音を立てながらスライド式で両脇に収納されるように開いていく。

 

「おお…!!これはまた中々見ることの無い光景でございます」

「そうだな、圧巻な光景だよ」

 

私達の目の前には金銀財宝が山のように並べられている、生前の私でも見ることなど無かっただろう。

 

「さて、色々と目移りしてしまうが…ペコリーヌの王家の装備を探そう」

「あ、あそこに…!」

 

ペコリーヌが指を指すとそこには丁寧に保管された王家の装備があった。

 

「よかったです、ちゃんと保管してあって」

「コッコロ、王冠だけでもいい、ペコリーヌに付けてやってくれ」

「承知しました主さま」

 

コッコロは少し駆け足で王冠に近寄り、手に取って再びこちらに向かって走る。

 

「どうぞ、ペコリーヌさま」

 

コッコロがペコリーヌに水晶で作られたような王冠を取り付けるとカッと光り輝き。

 

「力が戻ってきましたよぉ…!!黎斗くん、もう平気です、降ろしてもらって構いませんよ」

 

私はペコリーヌを降すとペコリーヌは二本の足で立つ。

 

「少しフラつきますが全然平気です、他の装備もつければカロリーがなくなるまで戦える筈です」

 

ペコリーヌは自身で他の装備に歩み寄り、自分に取り付ける。

 

「…完全フル装備です、行きましょう、黎斗くん、コッコロちゃん…キャルちゃんの元へ」

「そうでございますね…脱出するのなら…キャルさまも一緒です」

 

キャルを助け、そして奥に眠るとされる千里真那を暗殺する事、私達に与えられた使命は今コレだ。

 

「…全てを終わらせるぞ、コッコロ、ペコリーヌ」

 

私達は向かう、キャルがいる思われる玉座の間に。




でもそろそろ尖がらせようと思っています。次回まではまだ甘いですけど
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。