プリンセスコネクト!リ・ダイブゥゥゥゥゥゥゥン!!!(ガッチョーン 作:古賀コーラ
私はすこだ。
「うぅ…くそっ!!くそっ!!!くそぉぉ!!」
キャルの奴…錯乱しているな…自分の思い通りにいかない現状に苛立ちを隠せていない。
「シズル達は下がれ、ここからは私達がやる」
先に戦っていた3人を取り敢えず下げさせ、私達は構える。
「許さない…っから…あんた達っ!!!みんな…死ねえぇぇぇ!!!」
「…来るぞ!!ペコリーヌ!!コッコロ!!!」
私達は走る、キャルに接近しない事には始まらない。
アレだけシズル達が応戦し、消耗させている筈なのにこの攻撃の量…文字通り桁違いだな。
だが…キャル自身限界な筈…
「うぐっ…っゲホッ…ガハッ…っ…!!」
「っキャルちゃん!!?」
攻撃魔法は決して止まない、しかしキャルは吐血し鼻や目からは血を流している。
「あのままではキャルさまが持ちません!!」
「ペコリーヌ!!無理やり押し通るぞ!!」
「分かりました!!!…はぁぁぁ!!!」
まさに一心不乱、迫る攻撃魔法をとにかく排除し足を止めずに突き進む、後数分もすれば確実にキャルの命はない、いや…これ程の魔法の使い方をすれば数分もかからないかもしれない。
『シャカっと!リキッと!!シャカリキスポーツゥ…』
私はデンジャラスゾンビにシャカリキスポーツを装備し、腐食能力の付いたトリックフライホイールを投げつけ、道を切り開いていく。
「コッコロ!!全力でペコリーヌをサポートしろ!!」
「承知しました!!!」
ペコリーヌだけでも彼女の元へ向かわせる、ある意味で彼女にリベンジの機会を与える。
ペコリーヌに降り注ぐ攻撃魔法は私とコッコロが全力で防ぐ、万全ではないペコリーヌの負担にならないようにだ。
「待っていてください!キャルちゃん!!今度こそ…抱きしめて…みんなの帰るべき場所に帰してあげます!!」
「そんなの…誰も頼んでない!!アンタを見てると…イライラするのよ!何もかも奪われたくせに!!そんな笑顔でなんで立ち向かってこれるのよ!!」
ペコリーヌはキャルの猛烈な攻撃を受けてもなお、突き進む。
「わたしは1人じゃなかったから!!いつだってどんな時だって誰かの言葉が…存在がわたしを支えてくれた…だから!!キャルちゃんにも…!わたし達が支えになるんです!!1人になんて絶対にさせません!!」
私とコッコロがペコリーヌの進行方向を塞ぐ魔法を弾き飛ばす、これにより後はペコリーヌが数十歩進めばキャルに届くという距離まで詰め寄った。
「何よ…何よ何よ!!そんなの信じられない!どうせあたしは救われない!誰もあたしを救えない!!そんなのまっぴらごめんだわ!!」
「きゃぁっ!?…っ!!!?」
あと一歩という至近距離でペコリーヌは攻撃魔法にぶち当たる、吹き飛ばされ壁に衝突し、そのまま倒れ込んでしまう。
「はぁ…はぁ…やったわ…流石のペコリーヌでも…この攻撃には耐えられない…はは…ついに…やったわ…」
キャルは1人で壊れたように笑い始める。
「ははは…っそうよ…最初からこうしてればよかったのよ…!あたしは……あたしは…?何がしたかったんだっけ?『今』のあたしがやりたい事って…?」
「…キャルさま…?」
キャルの動きが止まる、コッコロも…そして私の動きも。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!あたし、あたしは…!!違う!!そうじゃない!!あたしがやりたかった事はこんなんじゃ…!ペコリーヌはあたしを助けようとして…っ!みんなは…!!あたしを…っ!!?」
…洗脳装置がリプログラミングされ事実上破壊された事により彼女の罪悪感が再び戻ってきている。
このままでは彼女の体も心も破壊されてしまうだろう。
「大……丈夫ですよ…キャルちゃん…」
「ペコ…リーヌ…?」
ペコリーヌは立ち上がる、至近距離で攻撃魔法を浴び大ダメージを受け、王家の装備の力もそこまであるわけではない、それでも彼女は立ち上がった。
「…これでもわたしは学習するんですよ。前に…安易に近づいて攻撃魔法を受けましたからね…ちゃんと対策はしましたよ」
「な、なによ…それ…ふざけんな!!だったらもう1回…!!」
さて、どうしたものか。このままでは埒が明かない…彼女の心の問題は身体的なぶつかり合いでどうにかなるようなものではない。
このまま戦い気絶させて連れ帰ってもなにも意味はない。
その時だった、不意に私の頭に声が響き渡る。聞き覚えのある声だった。
『…黎斗…キャルちゃんに…あんたが触れなさい…』
それだけだった、私が…キャルに…?いや、考えている場合ではない、一か八かだ。結局誰かは彼女に近づき直接止めなければならなかったのだから、やる事は変わりない。
私が一瞬立ち止まった事に気づいたのはコッコロ。
「主さま…もしやアメスさまからの託宣を頂いたのでは?」
「というとコッコロ、君にも…」
どうやらアメスからの通達がコッコロにもあったらしい…なら…
「コッコロ!!これが最後の前進だ!!気合を入れるんだ!!」
「承知しました主さま!!」
私とコッコロ、そしてペコリーヌが同時に動く、既に弱り始めているキャルの攻撃魔法など容易く避けて進んでいく。
「な、なんなのよ、なんなのよ!!そんな必死なっちゃって馬鹿みたい!!」
「それだけわたし達はキャルちゃんが大切なんです…だから!!!」
私達は飛び出す、彼女との距離を一気に詰めて行く。
「戻ってきてください!キャルちゃん!」
「キャルさま!!!」
全員が手を伸ばし、そして…
…
「つぅ…こ…ここは…」
照りつける暑い太陽の日差しに私は目を覚ました。耳障りなセミの鳴き声、季節は…夏。
私が体を起こすと私が眠っていた場所はどこかのベンチだった。眼前に広がる街の風景。
街全体を見下ろすことができる高台…展望台のような場所、私は立ち上がりふらつく足取りで前進すると目の前には転落防止柵がありそれに近づいて行く。
「…ん?これは…」
私は柵に手を置き気付く。私の衣服は…制服か?学生服だ。
この見慣れた風景…いや、正確には知っているという訳ではない、私の住んでいた世界の光景と似ているという意味での見慣れたという事だ。
しかし…妙な懐かしさも感じる、それは恐らくこの少年の記憶にない記憶の思い出だろう。
「ここは現実世界…という事なのか?」
アメスが何かをやった、という事しか現状は分からない、とにかく周りを確認し状況判断をしよう。
私はひたすらに歩く、行く当てがある訳ではないが、とにかくだ。
歩き始めて数分、私は遠方にあるシルエットを発見する。
「あれは…キャルか…?」
私の前20メートル程先…転落防止柵を越えた場所にキャルが立っていた、落ちるか落ちないかのその場所で彼女は上を見ていた。
キャルかどうか一瞬で分からなかったのは現実世界の彼女と今まで見てきたキャルとは身体的特徴の差異があったからだ、今の彼女は私の知るキャルよりもどこか幼く感じる。
私は彼女に近づかない、この状況では何があるかわからないからな、私は近くにあったベンチに座り観察を続ける。
その間、別にキャル自身に大きな動きはなかった、しかし数分後。
「黎斗く〜ん!」
別方向から声が響く、ペコリーヌの声だ。手を振りながら白い大きめのハット、キャペリンやストローハットと呼ばれる種類に近い帽子を被りいかにもお嬢様といった雰囲気のペコリーヌ。
その隣には赤いランドセルを背負い儚げな雰囲気、そして髪の長い少女、見た目こそ違うが私は1発で現実世界のコッコロだと見抜くことが出来た。
「アメスさんの言う通りここに黎斗くんがいましたね!」
「それが現実世界の君達という事か……いや今はそれより、見るんだ」
私が指を指す、そこにはキャルの姿。
「…なんか柵の向こう側にいませんか?」
「危ないですね…成る程、主さまは刺激しないようわたくし達が来るまで待機していたのですね」
私達は静かに近寄る、すると彼女が見ていた上部分に何かがある事に気づく。
まるでモヤのようなスクリーンに映し出されたそれは…
「あれ…ってランドソルの…わたし達…?」
「ああ…これはわたくし達がお米を取りに行く依頼を受けそのお米でご飯を食べた時の記憶でございますね」
記憶…成る程、ここは現実世界というよりも、キャルの記憶の中、精神世界といった方がいいのか。
アメスができる事といえば確かに夢の世界を生み出す事…この今の状況と合致する。
映し出されるキャルの記憶、私達と過ごした記憶が流れ、そして
次に映し出されたのは陛下…千里真那とキャルの会話だった、この日にあった出来事なのだろう。
内容は単純だった、千里真那は嫌味や罵倒を言いながらもキャルが作ったおにぎりを食べあの千里真那が珍しくキャルを褒めた。
ただそれだけだった。複雑な表情を浮かべるのはペコリーヌとコッコロ、この2人には何か思うことがあったのだろう。
「…ふふ、笑っちゃうでしょ、これがあたしと陛下の唯一の楽しかった思い出…それ以外は無視されて罵倒されて…お仕置きされて…」
柵向こうのキャルがついに口を開いた。
「…それでもあの時は幸せだった、あたしが必要とされてるんだって実感できた……あたしはさ…両親が変な宗教にハマっちゃってろくに面倒なんか見てもらわなかった」
彼女は両手をポケットに入れて話す。
「貧乏って訳じゃなかったけど…親があたしにお金を払うなんて事はなかったから…着るものだってコレともう1着あるくらいで見窄らしくて、勉強できなきゃ怒られるし、お金がないからバイトしなきゃならないし…時間に余裕がないから学校では友達なんて出来ないし…」
私達は彼女の話を黙って聞いていた。
「あたしの両親は頭がおかしいから学校には無駄に口出ししててさ、それが原因でクラスメイトからは悪評立ってさ…軽いイジメみたいなのもあたしにしてきて、余計に孤立して…なんか…毎日が退屈で、勉強とバイトだけしかしてなくて……ゆっくりとあたしの心は死んでいってたのかもしれない」
彼女の境遇はどことなく永夢と似ている、いや…劣悪度で言えばこちらの方があるか。
「そんな時に知ったのが陛下の存在だった、あたしと同じで境遇が1人ぼっちだった筈なのにみんなから褒められるくらいすごい人になって、そんなすごい人があたしの親戚にいるんだって思ったら…あたしはなんだか勇気が湧いてきて…!!」
現実世界での彼女の話は、他人事とはあまり思えない。
前にキャルは以前の私に似ていると思ったことがある。そして今の話の中で似通っている部分それは『共感できる相手が生まれた』という事だ。
私の場合は永夢、彼女の場合は千里真那。私の場合は『嫉妬』、彼女の場合は『憧れ』。違いはそれだけだ。
「あの人に会って、あの人を愛せるのはあたしだけなんだって、世界中の誰もが敵になってもあたしだけはあの人の味方でいるんだって…そう思う事であたしはあたし自身に価値を見出してた…でも」
彼女の声色が震える。
「…辛くて…あたしは何か間違えてたのかなぁって……あの人に認められないならあたしの価値って何?あたしの存在ってなんなの?いる意味はあるの?生まれてきた意味は!?」
彼女の慟哭に誰もが答えられなかった、だから私は彼女に近づき、彼女の真隣、柵を背に両肘を乗っけながら口を開く。
「…自分の価値など他人が決めるものではない。自分の価値は自分で決めるものだ」
「…え?」
私は続けた。
「……少しだけ私の話をしよう。私も君と同じで両親の愛情というものを知らない…私は…私自身の才能が優秀過ぎた。誰からも理解されないしされなくてもいいと、幼少の頃は考えていた。父親もまた才に溢れる存在だった、しかし奴は私を自身の子供としては見ていなかった。才ある私を自分の会社の商品としてしか見ていなかった」
私の話にキャルは絶句している。違いはあれど私の家族も…正直な話、常軌を逸していると言えるだろう。
「母親は凡人だった。だが凡人故に私達家族から一線身を引き、干渉することはなかった、いや出来なかった。…だから私が信じていたのは常に自分自身だ」
「自分自身…」
「他人に決められる価値など、表面的なものだけだ、真に重要なのは内にある自分の心だ。そして君にはそれが出来るだけの強さがある、だからそろそろ君は、君自身に素直になったらどうなんだ?」
私の問いかけにキャルはブンブンと顔を横に振る。
「無理よ…今更…あんた達のところになんて帰れない…あたしは、あんた達に…特にペコリーヌに酷いことしたんだもん…」
「それは…洗脳装置のせいで…!」
「…確かに洗脳装置の影響もあったのかもしれない…今さっきの事はなんかフワフワっとした感じでしか覚えてない…でも…ペコリーヌ、あんたを捕まえた時は…あたしは正常だった、自分の意思であんたを…傷つけた」
それは確かに紛れもない事実だ、変えることもできない、言い訳することもできない。
「…ペコリーヌ、あんたはよく…あたしの事、大好きだって言うわよね?でもさ…あたしには人に愛される権利なんてないのよ、あたしは薄汚いのよ…いつもいつも…自分がなんとかしがみ付くために誰かを傷つける選択ばっかりしてきた…そんな奴に…」
「それでもわたくし達は愛しますよ、キャルさまの事を」
「…!!」
コッコロの言葉にうんうんと頷くペコリーヌ。
「キャルちゃんはよくぶっ殺すとか言ってますが…わたし達はこの通り生きてます、生きている限り、キャルちゃんにこう言うことができるんです、『許します』って」
「殺されそうになったわたくし達が言うのですから他の第三者がなんと言おうとキャルさまは許されてもいいんです、愛されてもいいんです、違いますか?」
この2人のお人好しさは目に染みる、私にはね。
「…良いのかな…パパにもママにも…ううん、誰からも愛されなかったあたしが…こんなに…愛されても…良いのかなぁ…?」
「良いんですよキャルちゃん、黎斗くんも!キャルちゃんの事大好きですよね?」
まさか私に振ってくるとは…しかし
「…ああ、そうだな…私も君が好きだよ」
「うへぇぇ!?///ま、マジなの…っ!?!?///」
明らかにペコリーヌ達に好きと言われた時と態度が急変するキャルだが、私はそれを無視して
「…確かに君の人生は最底辺だった。ゲームでいうならばベリーハードモードの人生だ、でも君は今までそんな難易度の人生を、様々な選択肢を『選択』してここまで来たんじゃないか、たとえ折れそうになっても決して折れずに、君はここまで来た」
人生とはノベル。数多の選択肢を選び、導き、未来へと紡ぐ。
そしてそれはキャルにだって当てはまる、キャルはここまでの人生をちゃんと歩んできた。たとえどんなに惨めで誇れるようなものでなくても。
「私はそういった挑戦者は嫌いではない、むしろ好きなタイプの人間だ。キャル、君はそういう人間だよ間違いなくな」
「黎斗…」
「珍しく主さまが他人をお褒めに…」
「黎斗くんってキャルちゃんへの評価めちゃくちゃ高かったんですね〜ビックリです」
私だって誰かを褒める事はある、いや…確かに珍しい事なのかもな、私の人生を振り返ってみても。
「はぁ…私の事は別に良いだろう、それで?キャル、これで満足か?十分君の不満は吐露できたか?」
「…うん」
「ならここにいる必要はない、帰るぞ」
私は彼女の腕を掴んだ、その瞬間だった。眩い光が差し込んだと思ったら。
「…っ!!?」
目の前に広がる光景はキャルではなくシズルだった、周りを確認するとペコリーヌそしてコッコロ、キャルが眠っている。
私の変身もどうやら解除されている事が確認できた。
「良かったぁ…!黎斗君やっと目を覚ました…!!ってそんな事言ってる場合じゃなかったんだった!」
シズル達が何やら慌てているがその原因はすぐに分かる、揺れている…王宮全体が激しく揺れているのだ。
どうやらこの揺れで私は目を覚ましてしまったらしい、あそこが夢の世界というものならば目を覚ませばあそこから弾き出されてしまうという事だ。
この場にはシズル以外にもリノやマサキは勿論、ダイゴやラジニカーントが既に合流している。
さてと念の為、私はゲンムに変身しておく、勿論デンジャラスゾンビだ。何か嫌な予感がする。
「…ん…んん…」
次に目を覚ましたのはコッコロ、その数秒後にペコリーヌが目を覚ます。
「あれ…キャルちゃんは…?」
ペコリーヌは寝ぼけるようにキャルを見つめるもキャルが目を覚ます様子はない…
「キャルちゃんが目を覚ましませんよ!?黎斗くん!!」
「…あちらで何かあったと考えるべきか…アメスが何かしているのかもしれない」
「だとしてもこのまま放置はできません、何やら王宮全体が揺れておりますし」
コッコロの言う通りだな、状況は一転している…この揺れ…なんなんだ…?
「なんか気味悪ぃヘドロみたいなのが流れてきてねぇか?」
ダイゴの指摘通り、大量のヘドロが王宮に走った亀裂の隙間から流れ出てこの玉座の間を満たさんとしている。
「あ、あれは…!!ネネカさま!!」
今度はマサキが指摘する、彼の指を指す方向、玉座の間の奥、下10メートル程先に何やら装置が1つ、その装置が開くとそこには分身体で何度も接触してきたネネカの姿があった。
「今助けに行きます!!ネネカさま!!」
「落ち着けマサキ、あれは罠だ」
「何を言って…!!」
「装置が仮に洗脳装置…ダイゴ達が破壊した装置はこの王宮全体のシステムを制御していたものだ、だとするのならばネネカの繋がれた装置もまたそのうちの1つ、であるならば破壊と同時に彼女が解放されてなければおかしい」
だというのにこの時間差……
「そう簡単に脱出なんかさせないわよ…?だってあなた達はここで死ぬんだから」
「…っ!!」
この声…1度聞いたら絶対に忘れないだろう。
「…千里…真那ァ…!!!」
フワリと彼女は私達の前、上5メートル程の位置まで浮かび上がって出現する。
その姿は以前、殲滅魔法を放ってきた時と同じ、露出度の高い…まさに諸悪の根源という言葉が似合うあの格好だ。
「ふふ、黎斗君は相変わらず察しがいいじゃない」
パチンと指を鳴らすとネネカの居た位置が爆発を起こす、初めから仕掛けていたのか…爆弾を。
「ネネカさまぁぁぁ!!!…き、貴様ぁぁ!!!!」
「一網打尽にしてやろうとも考えていたけれどやっぱり黎斗君がいるとうまくいかないわね…計画の軌道修正も大変だわぁ…」
「軌道修正する必要はなぁい、お前の計画もここまでだからだ」
私は構える、ここでコイツと一戦交えても構わないように。
「違うわよ黎斗君…私は既に次の極地へと向かっている…千里真那なんて人の名は捨てたわ…今の私は『
…
「あ、あれ?黎斗達の姿が消えちゃったわ!?」
あたしは突然の事に頭が回らない、アイツらなんで…
「ゴメンね、ちょっと良いかしらキャルちゃん」
「へ?ってあんた誰?」
あたしの目の前に現れたの知らない女の子…本当に誰?
「あたしはアメス…コッコロたんから名前くらいは聞いた事があるでしょ?」
…確かコロ助がなんか崇めてる神様みたいなの…だっけ?
「それが何の用よ」
「アイツらは今、王宮に起きた異変で目を覚ましちゃってる、このままだとあんたも危ないから早く目を覚まさせて…」
「まぁまぁ、ちょい待ってもらえる?」
今度は別の女の人の声が聞こえた、すごく何というか…おちゃらけてる様な印象がある声色だった。
「ってへぇ!?晶!?なんで!?」
アメスがすごい表情で驚いてる。
「そりゃあアタシも腐っても
「…は、はぁ…あの……陛下とお知り合いなんですか?」
アタシの質問に飄々とした顔つきのまま答える。
「まぁね、旧友さ…それよりも君にはやってほしい事があってここに残ってもらってるんだけど、良い?」
「やってほしい事?」
「そ、黎斗君…いや、違うね。アタシのかわいいプリンセスナイトにプレゼントを届けて欲しいのさ」
その言葉を聞いて慌てふためくのはアメス。
「ちょ、ちょっとあんた正気!?あいつの記憶を今の……黎斗に流したら…!!」
「わかってるよ、だからほんの少しだけ、脳みそが壊れない程度に、そうすればあの子の力も強化されるし格段にパワーアップできる、最終決戦ぽいし、しのごの言ってられないでしょ?」
「だからって…っ!!」
2人だけで会話を続けてるけど、入っていけない…
「それともう1つ…これはちゃんと黎斗君に対するプレゼントがあるんだ、この2つをキャルちゃん、君が彼に渡してほしい」
「あ、あたしが!?どうして…」
「…この力…どっちかというと…プリンセスナイトの方だけどこの力ってさ、『絆』なんだよね」
晶と呼ばれた女性は続ける。
「んで、この力を渡せるのは…ぶっちゃけ黎斗君とキャルちゃん…君達くらい絆パワーって奴がカンストしてなきゃ無理って話、良かったね〜キャルちゃん、黎斗君は意外と君の事を大切に思ってるよ〜」
「なっ///」
へらへらと笑ってるこの女、腹立つわ…で、でも…それ以上にアイツがあたしの事を気にしてくれてるって事が嬉しい…!きっと今のあたしは気持ち悪いぐらいニヤニヤしてるんだろうなぁ…
「さぁ、最終決戦の始まりだよキャルちゃん、あたしの方も、もう1つくらいは策を用意してるけど少し時間がかかる、だからそれまでは…君達に任せるよ、世界を救ってこいヒーロー達!!」
まぁ、全員好きなんですけどね。40股くらいへーきへーき