プリンセスコネクト!リ・ダイブゥゥゥゥゥゥゥン!!!(ガッチョーン 作:古賀コーラ
崩れる王宮、後数分でこの場所は謎のヘドロで埋め尽くされる事だろう、退路はこの玉座の間の出入り口のみだが…
ドンと炸裂音が響く、奴が…確か
ソレの周りを浮遊する複数の目の様な物体から放たれたビーム状のエネルギーにより退路を完全に破壊される。
「退路は断たせてもらったわ、あなた達はここで死ぬのよ、私が直接手を下さずともね」
そう言って奴は浮遊していく、私達を相手にする価値すらないと見なされたか…とはいえ今追いかけられる程の武装はない。
ジェットコンバットはあるが単独で撃破出来る程奴は甘くない、ここは見逃してやるか。
外にはムイミやクリスティーナなどもいる事だし、まだ平気だろう。まずはここを脱出する事を先に考えるべきか。
「っどうすんだよ!この状況!!ラジラジの旦那!!あんたの力で…」
「無理だな、奴がラジニカーントの力を把握していないとは思えない、奴が再起動した時点でこの王宮には結界でも張られているだろう」
「黎斗さんの言う通りです、今現在強力な結界が張られており、私の力では脱出する事は不可能でしょう」
ちくしょう、とダイゴは地面を拳で殴りつける。
「ではどうすると言うんだい?黎斗君、君はこの状況でも落ち着いている…つまり対策をしているのだろう?」
「ああ…私にかかればこんなもの障害でもなんでもない」
私がそう言うと私達の近く、溢れかえった黒いヘドロ溜まりの一部が爆散する。
「ふふ、マサキよりも頼りになるナイトですね、流石は私が見込んだ男です」
「なっ…ネネカさま!!?」
私が…正確には私の増殖体が抱えて来たのはネネカ、ふむ…やはり残りの増殖体はあの爆発の犠牲になったか…まぁ1体でも残っていたのは御の字だろう。
「勝手に見込まれても困るが…ネネカ、君の力を借りたい、ここから皆を安全に同時に脱出する為にね」
「成る程、私としてもここで溺れ死ぬのは頂けませんし、貴方に借りを作っておくのも嫌ですからね」
ネネカは瞬時に姿形を変化させる、黒い箱のようなものだ、高さ3メートル、横幅2メートル程だろうか。
「ふむ、この人数で乗るには少々手狭だが、仕方がない、君達この中に入れ、脱出するぞ」
私たちがその中に入ると本当に狭かった、この人数で入るとギチギチになる。
「ヘドロの中に突っ込むのは少し気が引けますね…」
「箱のまま喋るな、気味が悪い」
「貴方だけヘドロの中に沈めますよ黎斗」
そんなやりとりをしつつネネカ箱はヘドロの中に勢いよく突っ込んでいく、そこからは加速し王宮の脆くなった壁を突き破り外へと飛び出していく。
玉座の間がある場所は王宮内で高い位置にある、そこから王宮城下町まで一気に下る為ちょっとしたジェットコースター気分だ。
高低差は約100〜200メートル程度はあるからな。
「皆さん衝撃に備えてください、着地しますよ」
ネネカの声と共にドガガガッと地面を削り擦る様な音が響き、箱全体が強烈な振動を起こす。
私の近くにいたペコリーヌが覆いかぶさり彼女の胸で視界が見えなくなる事以外は何もなかった、むしろ変身していてよかった、していなければ呼吸困難に陥っていただろう。
ガコンと上部が開くと光が差し込み、息苦しそうに女性陣がそこから顔を出す。
「うへぇ…流石にキツかったですね…」
「感想はいい、さっさと降りてくれないかペコリーヌ」
私の催促でペコリーヌ達が箱から降りる、私達男性陣も後から降りると箱に変化していたネネカが元の女性の姿へと戻る。
「おお、貴様達だったのか」
「お前ら!!みんな無事でよかったよ!!」
私達の目の前にはクリスティーナとムイミの姿があった。
「ネネカの力を使いあそこから脱出した、洗脳装置の破壊、ペコリーヌそしてついでにキャルの奪還も成功した」
「ほう、やるじゃないか黎斗、後は…あの女だけか…」
クリスティーナが細い目をして遠くを見つめる。
「千里真那に会ったのか」
「ああ、つい先程な…お前達が乗ってきた箱を見た途端に話を切り上げ去っていったよ」
…私達が脱出する事も想定内か、それに逃げたということはまだ奴は万全ではない。
「なんか餌がどうとか言ってたよ…アイツ、万全じゃないからか…何かしでかそうとしてるんじゃないか?」
「餌…?……逃げた方角は分かるか?」
「街の中心の方だ、万全じゃないっていうなら話は早い、今のうちに真那をぶっ倒すぞ!!」
ムイミが声を上げるとダイゴ、ラジニカーントなどがムイミの後に続き街の中央方面へと進む。
「わたし達も後を追いかけましょうか、
「キャルさまは目を覚ましませんし…本来ならどこか安全な場所に置いておきたいところですが…」
「キャルに関しては私が運ぶ、とにかく今は奴を追うぞ」
私がキャルを背に抱え、走り出す。
「何をしているのですかマサキ、貴方も黎斗のように私を背負いなさい、私は変身により体力が少なくなっているのですから」
「喜んで背負いましょう!ネネカさま!!!」
私達に続き、ネネカとマサキも動き出す、目指すは街中央、奴は一体何をしようとしている…?
…
「早く!ミソギ!!追いつかれちゃうよ〜!!」
「分かってるよ〜って言ってもどこに向かってるのさキョウカ〜!」
私とミソギは走ってる、なんで走ってるのかというと
「助けてくれ〜!!
「なんだって!?よし…なら私達に任せ…ぐぁぁっ!?!?」
「なっ…!!?まだ来るのか…魔物共!!!!」
…走ってる理由、それはこの街に大量の魔物が侵入してきたから。
突如現れたソレらにより人々は逃げ惑い、街は破壊され…恐怖の声が沢山聞こえてきます。
「ううっ…っ!!?」
「き、キョウカっ!み、見ちゃダメ!!」
ミソギが慌てて私の目を両手で隠す、今…人の体がバラバラに…っ!!
「だ、大丈夫だよミソギ…大丈夫…」
「み、ミソギは一応お姉さんだからね!キョウカを守ってあげる義務があるんだ!」
「普段はチャランポランだからお姉さんな感じはしないけどね…」
「ひ、ひどい!」
ふふ、まだ余裕がある、街は酷い状況だけど、まだ心に余裕を持って行動できる。
「あ!そうだよ!!ここら辺だったら兄ちゃんの家に行こうよ!!」
「黎斗さんの…?確か…サレンディア救護院ってところでお世話になってたんだよね?」
「うん、ここら辺なら…えーと…あっちだ!ついて来てキョウカ!最短距離で駆け抜けるぞ〜!!」
「あ!待ってよミソギ!置いてかないで〜!!」
いつもイタズラをする為に街中を走り回ってるミソギにとってここは自分の家みたいなもので頭の中に地図が入ってるって前に言ってた。
こういう時、ミソギは本当に頼りになるな…
「頑張ろう!キョウカ!!ミソギ達2人で生き残るんだ〜!!おー!」
「おー!!」
…
「あわわわ!ど、どうして街中に魔物が!?」
「えーい!ぷぅきちフルスイーング!!」
「こっちに来ないでください〜!!」
な、なんという事でしょう…年長者である私を置いて、こ、子供達が魔物の対処を…
「お、おおおお、お二人とも下がってください!私が魔物をやっつけます!」
「す、スズメじゃ頼りないよぉ…こ、怖いけど…アタシはみんなのお姉ちゃんだから…泣かない…!みんなを守るんだ!!」
「うう…グスッ…わ、私もみんなを死なせたくないから…頑張る」
アヤネちゃんとクルミちゃんの覚悟が胸に刺さる…ああ…!私はなんで情けないんでしょうか…!!
「わ、私だって!!やる時はやるんです!!お嬢様がいなくても…出来るんですよ!!」
本当なら今頃、子供達はお祭りで楽しく…笑顔で過ごしていた筈なのに…それなのにこの魔物達は全てを破壊した…許せません!!私が成敗してやります!!
「えーい!!ダスト・クリーニング!!」
本来はお家のお掃除魔法の筈…しかし私の場合は何故か…
ドンっ!と爆発を起こしてサレンディア救護院の前に立つ無数の魔物を吹き飛ばす、そう…何故か私の魔法は敵をお掃除する魔法になってしまうんです。
「はぁ〜…相変わらずスズメの魔法って意味不明だよ…」
「で、でも…これなら魔物を退治できる…かも?」
子供達が慰めてくれますが何だか情けない気持ちに…
「あ!あそこだよキョウカ!!」
「た、助けてください〜」
魔物を吹き飛ばした直後、前方から女の子が2人…アレは…黎斗さんのお知り合いの子の…
…
や、やばいってやばいって…!!
私達のギルド『
突如として現れた謎の女…不気味でとてつもない魔力を持ったソレは私達を襲撃してきた。
「あら…貴方の魔力を食べに来たのに…どうも楽にはいかなそうね、イリヤ・オーンスタイン」
「この姿になったからには、一筋縄で行くとは思わない事じゃな」
手も足も出ないと思っていたけど、突然イリヤさんは元の姿に戻った。シノブさんやアカリが言うには愛の力らしいけど…
それでも、嫌な予感というか寒気が止まらない、いつもなら大人の姿になったイリヤさんには絶対的信頼と安心感がある筈なのに…
「お主らは下がっておれ、名指しでわらわを指名しているのじゃ…お主らは関係ない」
「何を言っているのかしら、確かにメインディッシュは貴方だけど…他の子も魔力が高そうだしぃ…逃すと思っているの?」
「ああ、逃すとも…わらわはその為におるのじゃからな」
「…っ!!?」
「えっ…?」思わず私はそう口に出してた、それもその筈、イリヤさんは既に奴の背後に回り込んでいたから。
「遅いのぉ…戯け者が」
「…っち…!!」
でも既の所で攻撃を防がれる、イリヤさんの大きな斧による攻撃は奴の持つ剣みたい武器で弾かれた。
「凄〜い、イリヤさんいつもよりずっと速〜い」
「恐らく、いつも以上に力が戻っているのでしょう…イリヤさんはお優しい方ですから…」
「い、イリヤ!がんばるの〜!」
みんなが応援してる、そうだ、ダメダメ!弱気になってちゃ…!私も応援しないと…!!
「どうした?さっきまでの威勢がないのぉ…!!!」
(…やはり面倒ね、少しでも多くの生命力を補給しておきたい所なんだけど…イリヤ・オーンスタイン相手じゃ、今の私では手間取って時間を無駄にするだけね)
よし…!押してる!!イリヤさんの連続攻撃で相手は防御しか出来てない!このままイリヤさんが…!!
「…予定変更よ」
「むぅ…!?」
ドドンッ!と奴の周りを浮遊していた目のような球体から連続でエネルギーが放たれる、それは私達というよりは地面に向かって放たれた。
砂塵が舞い、視界が極端に悪くなる。
「…ここで目眩しじゃと…?小賢しい真似を…!!」
「ふぎゃあっ!?」
声が響いた、聞き覚えのある声…ミヤコ!?
「なっ…ミヤコさん!!?」
「いつの間に…ミヤコ!!」
シノブさんとイリヤさんが叫ぶ、そう…今の一瞬でミヤコが…アイツに捕らえられていた。
片手で首元を掴まれ、宙に浮かされてる…いやミヤコは幽霊だから自分で浮いてるのかもしれないけど。
「イリヤ・オーンスタインを食べる為にも少し力が必要と判断したわ、貴方…確か幽霊なのよね?だったら都合がいいわ、肉体を元から持っていない貴方は生命力を奪いやすい」
「な…何を言ってるの…?はぐっ!?うわぁあぁぁぁぁぁぁ!?!?」
ミヤコの体に黒い稲妻が迸る、それと同時にミヤコは絶叫…あんなの…ひとたまりもないわ!!!
「ミヤコを離しなさいよ!!」
「そうだよ!!ミヤコちゃんは大切な仲間…痛い思いをさせるなんて許せない!!」
私とアカリが武器を手に持ち突っ込んでいく、幸いミヤコに攻撃?だかなんだか知らないけどやってるのなら奴はこっちに攻撃出来ない筈!!
「…鬱陶しわよ、邪魔しないで」
なっ…!?次の瞬間、奴の目のような球体達が一斉に動き出す、自動的に私達に狙いを定め、連続でエネルギービームを発射してきた。
「きゃぁぁぁ!!?」
流石に避けられない、予想外だった、まさか自動的に防衛できるなんて…っ!!
「や…やめて…欲しいの…ミヤコは…みんなと一緒にいたいの…成仏は…したくないの…」
「それは残念ね、その願いは叶わない、私が奪うから。このゲームは願いを奪い合うゲーム、奪われたくなければ他者から奪うのが真理、貴方が弱いのがいけないのよ?」
更に力を加えられたのかミヤコの叫び声は更に増していく、このままじゃ本当に…!!
「ふざけるのも…大概にするのじゃ…!!!この…小悪党がぁ!!!」
「…お父さん」
「分かってるよ」
イリヤさんが斧を振り下ろすとそこから大量の影の腕が伸び、シノブさんが刀を振り翳すとそこにドクロ親父さんの青白い炎が灯り、炎熱が奴に向かって襲い掛かる。
「…下らない」
奴は身動きせずにそれを防ぐ、あの球体が自動的に守ったんだ。
「下る、下らないはわらわが決める、何故ならばわらわは世を統べる王じゃからな」
「王如きが神に敵う筈ないじゃない、私は
「傲慢ですね、貴方は神という存在から最も遠い存在です」
接近戦、2人は距離を詰めて奴に斬りかかる、勿論あの球体が自動的に防御して2人の攻撃を捌いてるけど…
「…っ!!」
ミヤコの生命力を吸収しながらあの2人を相手するのはかなりしんどい筈、現に徐々にだけど奴は2人の攻撃を取りこぼし始めてる。
イリヤさんは言わずもがなだけどシノブさんだってこのギルドのナンバー2の実力がある程強いんだから心配ないわ。
「…隙ありです!!」
「…っ!?…やってくれるじゃない…」
シノブさんの斬撃が奴の片腕を掠める、それによりミヤコが解放された、私とアカリは急いでそっちに向かってミヤコの事を介抱する。
酷い汗…うなされるように唸ってるし…それに体も点滅し始める…これかなりやばいじゃないの!?
「…はぁ、本当にやんなっちゃうわ…でもこれで貴方達に勝ち目は無くなった」
「…なに?」
その言葉の次の瞬間だった、その時には既にイリヤさんとシノブさんの体が宙を舞っていた、何が起きたのか分からなかった。
「な…なんじゃと…っ…今のは一体…っ…!!」
「シノブさん!?しっかりして!!シノブさん!!」
「シノブゥゥゥゥ!!!??」
イリヤさんは無事、流石だと言えるけど…シノブさんの方がやばいわ、アカリとドクロ親父さんが叫ぶのは無理もない。
シノブさんの右肩、左脇腹、右太腿からは出血、おそらく何か…エネルギー的なものが貫いたんだと思う、それも超高速で放たれた複数の奴…私達どころかイリヤさんですら目で追えない程の超スピードの攻撃が。
私達のギルドはヒーラーがいない、強いて言うならアカリがちょっと使える程度、このままだとミヤコより先にシノブさんが…!!
「ミヤコ…とか言ったかしら?その子。ありがとうね、おかげさまでまぁまぁ満足に戦えるだけの力を取り戻せたわ」
「…ふざけた事を…!!」
「ふざけてなんかいないわ、今の私なら伝説の吸血鬼だろうと、一捻りって奴よ」
ドドドドンッ!今度は見えた…っていう表現が正しいのか分からない、奴が人差し指でイリヤさんを指すと指先からめちゃくちゃな数の細いエネルギービームを連射した。
それは1つ1つが速すぎて私には連射というよりもひと繋ぎのビームに見えた。
それはイリヤさんの全身を満遍なく貫く、イリヤさんですら対応できなかった、それ程のスピード、そして最後に奴はイリヤさんの額に向かってビームを放ち、イリヤさんは何も出来ずに額にビームを受けて後方に頭から吹っ飛んで行く。
「がはぁっ!!!?」
そのまま壁に衝突し、その壁は崩落、建物は半壊して砂煙をたてる。
「流石は伝説の吸血鬼、今の攻撃は並みの人間なら即死しててもおかしくないわよ?随分な耐久力じゃない」
…予想してた通りだった、ミヤコはもう動けない、シノブさんも瀕死、イリヤさんですら敵わない、私とアカリじゃ相手にすらならない。
「まぁいいわ、これで貴方達全員の生命力を安全に食べられる、そうすればもっと効率よく行けるわ…!」
「そうは…させん…皆の者…逃げるのじゃ…!!」
イリヤさんは立ち上がる、私達を逃す為に奴の前へと立ち塞がる。
「…随分とふらついているようだけど、もう貴方に出張られると面倒なだけなの、大人しく寝ていて頂戴、吸血鬼」
「そうはいかないのぉ、奴らはわらわの愛しい眷族達じゃ、ここから先には一歩も行かせん」
「…鬱陶しい、愛だ絆だと無価値なものに縋る者達を見るのはもううんざりだわ」
その言葉を皮切りにさっきの高速ビームが連続で撃たれる。
「…っ…しかし、2度も同じ攻撃が通用すると思うでないわ!!」
イリヤさん、さっきは避けれてなかったけど今はギリギリだけど…避けれてる。
「よいしょ…お姉ちゃん!一旦アカリ達も下がろう!」
「で、でも…!!」
「ミヤコちゃんもシノブさんもボロボロだし…イリヤさんの足を引っ張っちゃう!」
…っ…そうよね、私達がいたところでなんの役にも立たない、それどころかイリヤさんが満足に戦えない…そんなの嫌…!
アカリがシノブさんをおんぶして私はミヤコを抱き抱えて走り出す、取り敢えずは遠くに…
「逃さないわよ」
「いいや、絶対に逃すとも、ヴァーミリオン・スパイク!!」
イリヤさんが片足で地面を一回叩くとそこから赤黒い棘が一斉に発生して奴の視界を覆う。
「…下らない、時間稼ぎのつもりのようね」
「わらわの魔力も全開とは言えんのでな…省エネって奴じゃよ」
「あら、そこだけは気が合うじゃない、限られた魔力でやりくりするのって…大変よねぇ?」
ドンッ!そんな音が響いた、次の瞬間、イリヤさんがこっちに向かって吹き飛んできた。
「ただ貴方と私では元の容量が違う、格が違うのよ。そうねぇ、十万円くらいでやりくりしなきゃいけない貴方と一千万でやりくりしている私とでは最初から勝負になってないの」
イリヤさんが発動した棘も一瞬で粉々にされた、あんな…適当な魔法でイリヤさんの全力が粉々に…!!
「ぐ…まだ…わらわは…」
ポンとイリヤさんの体が小さい子供の姿に戻ってしまう。
「万事休すって奴よ、貴方達はここで食べられるの、私の…神の食事となる事を光栄に思いなさい!!」
「神は神でも…偽物の神さまですけどね!!!」
「…っ!!?」
そんな時、別方向から声が聞こえた、その声の主は一気に奴に迫っていって、剣を振り下ろす。
「…しつこい女は嫌われるわよ…お姫様」
「それがわたしのいいところなんです!逃がしませんよ…
「…面倒ね、このままだと合流されちゃうかしら…ならまずは…そこの吸血鬼達だけでも頂くわ!!」
「なぁっ!?」
飛びかかった女の人をそっちのけで私達を!?奴が放った閃光が私達に向かって飛んでくる…ヤバっ避けられな…
「お前の計画もこれまでだァ…千里真那ァ!!!」
でも攻撃が届く事はなかった、白と黒の仮面の騎士が私達を守ってくれたから。
「…黎斗君…成る程、ラジニカーントで先に寄越すのは貴方達にしたのね」
…
「そ、その声…黎斗なの!?」
「ああ、とにかく状況はどうなってる」
私は倒れ込むヨリやアカリ…その他もろもろを確認する。
何故彼女達が狙われたのか…餌をどうこうとクリスティーナが言っていたが、考えられるとすれば彼女達のエネルギーでも吸収しようという事か。
「た、大変なの…!イリヤさんやシノブさんが大怪我してるのは勿論だけどミヤコちゃんが…!!」
アカリの叫びに私はミヤコの様子を確認する、どうやら奴にエネルギーを奪われ、今にも消滅しそうな勢いだ。
「…そうか、怪我の方はここにコッコロが向かっている、治療は彼女にしてもらえ、ミヤコは取り敢えず私の強化能力でなんとかする、万全とはいかないだろうが多少はマシになるだろう」
ミヤコの延命…幽霊なのに延命とはいかがなものだが、とにかく延命をする。1分程それを続けるとミヤコの様子もだいぶ落ち着きを取り戻した。
それを確認した後、私はすぐに千里真那を睨む、彼女は何やらペコリーヌに向かって何かを言っているようだが…
「なにを話している、今のうちに斬り倒せペコリーヌ」
「…黎斗くん…シャドウやロストの原因が分かりましたよ」
シャドウ…それはこの千里真那が原因だというのはおおよそで付いていたが…ロストも…か
「…どういう意味だ?」
「アイツが…定期的に人間の生命エネルギーを吸い取り副産物的に生まれる存在がシャドウ…そして奪われ肉体を失ったものがロスト、という事です」
成る程な。先程のヘドロ状のものは全てシャドウの残骸か、アレにより千里真那が復活したと言う事か。
「つまり…全ての元凶という事ですよ…アイツが…!」
「…やっている事は神というよりは魔王だな、千里真那」
「なにを言っているの?命を選別し私に献上させているのよ?むしろ最も神らしいと思わないかしら」
…気に入らないな。
「…シャドウの事は分かりました…でも目的がわかりません、貴方の目的はなんなんですか?」
「それを聞いてどうなるの?お姫様だから私の言うことでも叶えてくれるって言うのかしら」
「…貴方は憎むべき相手です、しかしただそれだけで終わってしまうのはとても悲しいことだから…キャルちゃんが信じた貴方を少しでも知る必要が…わたしにはある」
ペコリーヌの言葉に千里真那は嘲笑う。
「お優しい事ね、でも少し貴方のそのちっぽけな頭で考えた方がいいわよ、今までのヒントで分からないようなら待っているのは死だけなんだから」
「…周りに複数の魔物を確認!!皆さん!迎撃してください!」
そう叫んだのはラジニカーント、彼は複腕を出現させ構える、それと同時に怒涛の勢いで私達の周りに魔物が出現し始める。
「なっ…いつの間に…!!?」
「私が親切で貴方と会話をしていると思ったのかしら、そんなわけがないでしょう?この世界で死ねばシャドウになる、そしてシャドウになれば私が管理できる…貴方達は極上の餌…私の栄養なんだから」
…魔物の使役…キャルにできる事は奴にできて当然か、さてこの状況…どう切り抜けるか…他の奴らが合流したとしてもかなり厳しい現状だ。
そして…目の前には千里真那、余力を残しているやつとの決戦をこのような混戦の中でやりたくないものだ。
しかし
「お前が万全でないのなら、やはりここで潰しておくのが最も撃破率が高い、千里真那…決着をつけるぞ」
宣戦布告、ここで終わりにする為に。
本編だとまぁしょうがないとは言え、覇瞳皇帝がずっとエボルト並みの無双してたのは心苦しかったのでイリヤを強化しました。