プリンセスコネクト!リ・ダイブゥゥゥゥゥゥゥン!!!(ガッチョーン   作:古賀コーラ

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ナナカ「夜は焼き肉っしょ〜!!」

ナナカ佐藤太郎説


目覚めよその魂

小鳥の囀る声、木々のざわめき、心地の良い風の音。

 

それら全てが綺麗な旋律として私の鼓膜を揺らす。

 

本当に心地良い…久々にぐっすりと眠るという行為を楽しみたい所だ…

 

「はじめちょろちょろ中ぱっぱ〜♪赤子泣いても蓋取るな〜♪」

 

声が聞こえた、少女の声だ。それにこの歌…聞き覚えがある。

 

と今は思考をするよりも先に目を覚ましておくとしよう、この声の主と私との距離はおおよそでも10メートル範囲内だ。

 

ここがどこで声の主が何者なのかハッキリしない間、ぐっすりと眠るなどという無防備な事は避けたい、まぁ今の今までぐっすりと眠っていた為、後の祭りではあるが。

 

私は目を開き、寝ていた上半身を起こす。声がした方向へと顔を向けるとそこには声の主らしき少女の姿があった。

 

歳にすれば10歳程度だろうか、随分と小柄な少女だ。独特な衣服、私の住んでいた世界ではまず特別なイベントの日以外ではお目にかかる事はできないであろうコスプレ感満載な衣服だ。

 

更に銀髪、そして尖った耳、まさに空想上のエルフと呼ばれるにふさわしいその少女はこちらに背を向け何やら作業をしているようだが…

 

「あ、お目覚めのようですね『主さま』」

 

少女は私をそう呼んだ。主だと?この私が?

 

記憶に間違いがなければこの少女と私に面識などはない、よって彼女と主従関係だったなどという過去など持ち合わせていない筈。

 

「突然の事で驚かれていますね、まずは自己紹介を…わたくしはアメスさまの託宣により主さまを導くようガイド役として選ばれましたコッコロと申します」

 

ガイド役…それにアメス…朧げながらその言葉に聞き覚えがある。どこで聞いたか…

 

その不確かな記憶を引っ張り出すことができない、記憶力に関しては良い方だと自負していたがそのことに関する記憶がそこから出てくる気配はない。

 

仕方がない、それは後に置いておこう。

 

それとは別に、今私は奇妙な感覚を覚えている。

 

この体…私のものではないと実感できる、何が奇妙なのかというと今しがた私はこの体を自分のものではないと確認した筈だった。

 

目線の高さの違い、衣服の違い…それらは全て、今確認した筈だ、しかし何故か私は『前からこの状態になっている』という事を知っている。

 

…先の不確かな記憶に何か関連しているのかどうか…今ある情報だけではどうにも出来ないな。

 

「あの…主さま、失礼と思いますがお名前の方をお聞かせ願います。わたくしは『主さま』と貴方さまに言っておりますが人違いの可能性もありますゆえ…」

 

彼女が不安そうにこちらに訊ねてくる、そうだなそういえば私は目覚めてからまだ一言も発していない。

 

「これはこれは、懇切丁寧なご挨拶をしてくれた淑女に大変失礼な事を…私の名前は檀黎斗、これでどうかな?君の人違いではないかい?」

「檀黎斗…いえ、アメスさまから教えて頂いた通りの名でございます、大変失礼致しました、人違いだなどと失礼な事を、わたくしになんなりと罰をお与えください」

 

…なんともまぁ、このご時世にこんな渾身的かつ奴隷根性がある少女がいるものだ、時代錯誤もいい所だ。

 

と言いたいところだがこの世界が私の住んでいた世界と同じ年代だと考えるのは早計か、彼女の身なりを見る限り私が住んでいる『現代』とは遠くかけ離れた時代もしくは文化のようだしな。

 

「いや、残念ながら私にイタイケな少女をいたぶる趣味は持ち合わせていない、遠慮させてもらうよ」

「ふふふっ、アメスさまの仰る通り、黎斗さまはお優しい方…コッコロは黎斗さまに尽くすと今決心致しました」

「ほう、中々見る目があるじゃないかコッコロ、存分にこの私に尽くしてくれ」

 

先程の時代錯誤だのなんだのという評価を訂正しよう、渾身的な敬いも悪くない、むしろこの神の才能を持つ私に対し全人類がこの態度を見習うべきだと私は思う。

 

「ふふっ、主さまはお優しいだけでなくとてもユーモラスな方でございますね。あ、そうでした、主さまがお目覚めになられたときの為にわたくし…」

 

そう言ってコッコロは竹皮に包まれたおにぎりを私に差し出してきた、個数は6つ。

 

そういえば私が目を覚ました時には彼女はこちらに背を向けて何かをしていた、このおにぎりを作っていたという事か。

 

作業をしていた所を見ると少量の薪、木の枝で作られた…そうだな物干し竿のような物か。

 

そこに引っ掛けてあるのはライスクッカーと呼ばれるキャンプなどで使われる米などを炊くことの出来る便利グッズ。

 

「おにぎりを作っておきました、ちょうどお昼時の時間にもなりますしどうぞお召し上がりくださいませ」

「そうか、それは助かるよ。ありがとう」

 

そう言って私はコッコロのおにぎりに手を伸ばした時だった。

 

「うぅ〜ん…お腹が減りましたぁ…クンクン…この匂いは…!!」

 

ガサガサと音を立て近場にあった草むらをかき分け少女が這い出てきた、歳は10代後半といった所。

 

胸部分を大きく露出させた衣服、腰まである長い髪が特徴か、その少女はこちらに気づいたのか一瞬にして近づきコッコロの持っていたおにぎりを全て奪い去った。

 

「ひゃっ!?な、なんなんですか貴方は…!」

「いやぁ〜お腹が減っていたんですよ〜!ありがとうございます!いただきま〜す☆」

 

コッコロの質問に答える事もせず傍に自身の身の丈程の巨大な大剣を地面に突き刺し勝手に食べ始める少女、それを見て

 

「おい待て!それは私のおにぎりだ!返せ!!」

 

流石の私も彼女を止めようと抗議の一声を上げる。

 

「もぐもぐもぐもぐ☆ん〜おいひぃれふねぇ〜!!」

「…この女…!全く話を聞いていない…!!!」

「あ、ああ…わたくしが主さまの為に作ったおにぎりが…」

 

この女め、余程育ちが悪いと見える、勝手に人の物を奪い、勝手に食べ始め、そして人の話を聞かないと来た。

 

世が世ならば即警察沙汰だ、運が良かったな。

 

「ゴックン☆ぷは〜ありがとうございます!見知らぬ旅人さん!ご飯を分けてもらっちゃって!」

「分けたというか勝手に食べられてしまったのですが…」

「貴様…何者だ、この私から勝手に食事を奪ったんだ、名前くらい名乗ってもらおうか」

 

私が少しだけ敵意の眼差しで彼女を問い詰めると彼女もまた何やら言い渋るように口ごもりつつ

 

「え〜と、そうですよね…わ、私は「だ、誰かぁ!助けて〜!!」

「…っ今度はなんだぁ!!」

 

彼女の言葉を遮るように別の少女の声が辺りに響いた、私達は声のした方向へと顔を向けるとそこには桃色の髪をしたショートヘアの少女が1人、こちらに向かって走ってきている。

 

それはいいのだが、その背後には無数の生物の姿があった。

 

スライム状の不定形な生物、蜂やら蟻というには大きすぎる巨大な昆虫、二足歩行する巨大なネズミや犬のような動物。

 

私の住んでいた世界には存在しなかった、否、空想上には存在した生物、私の世界ではこの生物達の事をこう呼んでいた筈だ。

 

『魔物』と、日本なら妖怪だとかで呼ばれているか、しかしながらこういった西洋ファンタジーのような世界観なら魔物の方がしっくり来る、現にこういった物を題材にしたゲームを多数手掛けてきた私にとってはそちらの呼称の方が馴染み深い。

 

「あれは…?一体なぜあの方は沢山の魔物に追われているのでしょうか?」

「も、もしかしたら私を狙っていた魔物達かもしれません…!わ、私結構魔物に狙われやすいタチで…」

「そんな呑気な事を言っている暇はないぞ、さぁどうする?魔物供は眼前まで迫っている」

 

私達と魔物までの距離は50メートルを切った、ものの数秒でここまで来るだろう、その前にあの桃色髪の少女が追いつかれ無惨にも挽肉にされてしまう可能性の方が高いが…

 

「どうするもこうするも…助けるに決まってます!元々私が撒いた種かもしれませんしね!!てや〜!!」

「っ!?」

 

私は思わず片腕で軽く顔を隠した、凄まじい風圧と砂埃から顔を守る為だ。

 

彼女が地面から引き抜いた剣を片手に前へ飛び出すと、その踏み込んだ足は地をえぐり風を巻き起こした、1秒足らずで彼女は魔物の群れに突っ込んでいる程の速さと力強さ。

 

「速い…!人間じゃないのか…!?」

 

私は驚きを隠せなかった、仮面ライダーでもないただの人間がこれ程の速さを持つなどあり得ないからだ。

 

「ちょっと伏せてて下さいね!」

「えっ!!あ、はい!!」

 

桃毛の少女は彼女の言葉通り頭を両手で抱えながらその場でしゃがみ込むと同時に

 

「せいやぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

横に大振りの一撃が振るわれる。まるで野球のバッティングを思わせるような大味なフォームから繰り出された剣撃は剣本体に当たった個体のみならずその一撃で発生した余波により十数体の魔物が吹き飛ばされた。

 

剣本体に当たった数体の魔物に関しては原型を留めていない、木っ端微塵という言葉がふさわしい状態となっていた、赤、青、緑と様々な血液、臓物を辺りに撒き散らす。

 

剣圧に吹き飛ばされた個体は後方にいた別の魔物達に衝突し足止めに役立った様子だ、魔物達の動きがほんの数秒だが緩慢になる。

 

「さぁ!貴方はえっと…あっちの人達のところまで下がって下さい!ここは私が食い止めますから!!」

「わ、分かりました!!ありがとうございます!!」

 

桃毛の少女は立ち上がりすぐにこちらに向かって走ってくる、その間にも彼女は剣を片手に多数の魔物を相手取る。

 

「はぁはぁ…た、助かったぁ…」

「ふむ、君、名前は?」

「えっ?…えっと…ゆ、ユイって言います」

「そうか…私は檀黎斗、彼女はコッコロだ」

 

私は軽く挨拶を済ませる、いつまでも桃毛の少女などと表記するのは不便で仕方がないからな、私なりの配慮をしておこう。

 

コッコロもまた私の自己紹介と共に軽く彼女に頭を下げた後

 

「主さま、わたくしもあの方のフォローに向かっても構わないでしょうか?少々数も多いようですし、数に圧倒されてしまっては敵いません」

「君は戦闘ができるって事かい?」

「はい、幼少期より主さまを守る為に磨いた槍術がございます、下級の魔物程度には遅れを取りません」

 

そう言ってコッコロが掌をかざすと風が巻き起こり槍が出現する。

 

その槍を手に彼女は私達の一歩前へ足を踏み出す。

 

「主さま達は出来るだけ魔物達とは距離を置いて安全な所へ、わたくしがあの魔物達を全て排除いたします」

「そうか、無理はせずにがんばりたまえ」

「…はい!!!」

 

私の激励に元気よく返事をしてコッコロは走る、彼女もまた小柄ながら機敏な動きで魔物達を切り裂いていく。

 

小さな子供だと思っていたが彼女の言う通り幼少期からの鍛錬の賜物、実に素晴らしい動きだ。

 

風を纏わせたその槍は迫り来る魔物の皮膚を切り裂き、突き刺し、殺していく。

 

風を纏っているのはいわゆる魔法と呼ばれるものなのだろうか、ファンタジーの世界では常識の筈だが。

 

「っしまっ!!主さま!!そちらに魔物が…!!」

 

どうやらコッコロが1体取り逃したようだ、獣型、狼や犬のような姿をした魔物だ。

 

「安心しろコッコロ、自分の身くらい自分で守れる」

 

私は腰にかけてある鞘から剣を引き抜く、うん、実にファンタジーの王道を往く剣だ。

 

なんの変哲もない剣、さて

 

「き、来ますよ!!黎斗くん…!!」

「分かっている」

 

ユイの言う通り、既に魔物は私の目と鼻の先、私の喉笛に鋭い牙で噛みつこうとしている所だった。

 

「ふん…!!」

「キャインッ!!?」

 

私はすぐに行動を開始する、飛びかかってきた奴の首を下から手を振り出し掴む。

 

そのまま片手で宙に浮かした状態のそれをもう片方の剣を持つ腕を振り抜き奴の心臓目がけて突き刺す。

 

深く赤い潜血を飛び散らせながら魔物は絶命、ゲームでいう所の雑魚中の雑魚敵の魔物だ、この私が一対一で遅れを取ることはまず無いだろう。

 

一応仮面ライダーとして戦ってきた過去の経験があるからな…しかし

 

「…たった今の一連の動きで息切れが起こるとはな…少し体力が少ないんじゃないか、この体は」

 

この体の元の持ち主はあまり体力がないらしい、下手にあの魔物の群れの中に飛び込んでもすぐに体力が尽きて足手纏いになるのは目に見えている。

 

なら私がやれることは何もない、ここで静観しているしかない。

 

「くっ…っ!!魔物の数が想定よりも多いです、このままではやはり数に押されてしまうかもしれませんね…!主さま…!!」

 

コッコロが私に向かって何かを叫ぶ。

 

「なんだ、コッコロ」

「主さまには…他者を強化する力が備わっております!!それを使い、あの方やわたくしを強化してはもらえないでしょうか…!!」

 

うん…?他者を強化するだと…?私に…いや、この体の本来の持ち主の能力か…

 

それは精神が私になったとしても使えるのか?しかしどう使えば良い。

 

あまり考えている暇もなさそうだなコッコロの方は若干押され始めている、あの女の方は大丈夫そうだがコッコロの方までは手が回らないらしい。

 

「物は試しだ、やってみよう」

 

とにかくこういったものは念じたり体に力を入れておけばなんとかなるだろう、感覚の問題だ。

 

私は彼女達を強化する、という気持ちを念じてみる、すると体から光が溢れ出し何やら不思議な感覚のある力が私から放出される。

 

「これは…」

「凄い…黎斗くんから何か力を感じる」

 

近くにいたユイもそう感じているのか、ではこれをコッコロ達に向かって…

 

「これが…主さまのお力…!凄まじいエネルギーを感じます」

「おお…!なんだか力が湧いてきましたよ…!この戦闘でちょっとお腹が減ってきてたんですがこれなら…!!!」

 

…!!凄いな、たったこれだけのことでみるみる内に戦況が変わっていく。

 

力、俊敏性、魔力、洞察力。運動性能のそれら全てが2倍…いや少なくとも3倍は跳ね上がっている。

 

このバフ能力はタドルクエスト系列の力を彷彿とさせる、正直な話私好みではない。

 

それに…この力を発動している間、私の体にかかる負荷もそれなりだ、全身が少しダルい、全く身動きが取れないというほどではないが、使い所を誤れば一瞬でゲームオーバーだ。

 

「…!」

 

この能力を行使している間にも数体の魔物が彼女達の攻撃を潜り抜けて私に襲い掛かる。

 

この状態で交戦するのは中々骨が折れるが…

 

「えい…!!」

「…ユイ…!」

 

彼女が私の後ろから無数の光弾を発射し魔物共を殲滅する。

 

「凄い…いつもより力が上がってる…これが黎斗くんの力…!」

 

ふむ、これなら私が何かをするまでもなく彼女達のみで殲滅できるだろう、と思考している間にも魔物達は数を減らし続け既に数えられる程度にしかいない。

 

…過ぎた力だ、この力は、バフ能力の効果としても強すぎる。

 

ただ存在するだけでこれほどの力とは、それに私のみにこの力があるとしたらゲームバランス崩壊もいい所だ、ライダークロニクルなら最初からタドルレガシーがいるようなもの。

 

そうこうしている間に魔物共の殲滅が終わったようだ、各々が武器をしまいつつ警戒は怠らない。

 

「よくやったぞ君達、中々に悲惨な光景だが、良しとしよう」

 

周りは魔物共の死体と血溜まりであまり長居はしたくない。

 

「主さまのお力無くしてはこの危機を乗り越えることはできませんでした…して、貴方…そうですね、お腹ペコペコのペコリーヌさまはどうしてこのような場所に?」

「ペコリーヌって私の事ですか!?わーい、まさかかわいらしい渾名を付けてもらえるなんて嬉しいです!!」

 

…その渾名が可愛いかどうかはさておいて彼女がこの渾名を受け入れ名前を名乗ろうとしないのには何か理由がありそうだな……まぁいい。

 

「それよりちゃんと質問には答えてもらおうか、君は何故ここにいる、というのかを」

「うーん…そんな大した理由ではないですよ?私はただ武者修行をして世界各地を歩き回ってるってだけです、あっランドソルは私の故郷なんですがその故郷に帰る途中だったんです」

 

ランドソル…それが今いるこの土地の名前もしくは国、街の事か。

 

「それで、君はよく魔物に襲われていると…何やらきな臭いが…」

「あのぉ、さっきから何か変な魔力の流れを感じませんか?」

 

不意にユイがそのような事を言ってきた、魔力の流れ…私にはそう言ったものは一切感じない、ペコリーヌと呼ばれた女もあまり感じていないのか首を傾げている。

 

「そうですね…わたくしもあまりそういった分野は得意ではないのですが戦っている最中に何か違和感を感じました」

「うん、そうだよね…私の感覚が間違ってなければ…あっちの草むらの方だと思うんだけど…」

「よぉし、では見に行ってみましょう!もしかしたら敵かもしれませんし、警戒を怠らずに!」

 

ペコリーヌを先頭に私達はその魔力の流れの元へと向かう。

 

そこには

 

「…女の子…?猫耳の女の子ですよ!?」

 

獣人の少女が倒れていた。

 

 




マナが足りないのでヒューマギアを暴走させます。
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