プリンセスコネクト!リ・ダイブゥゥゥゥゥゥゥン!!!(ガッチョーン 作:古賀コーラ
「サレンさん!そちらにも行きましたわよ!!」
「分かってるわよ!!」
もう!どうなってるのよ!!街中になんでこんなに『魔物』が!?
私達の周りにはかなりの魔物がいる…どうしてこうなったのか分からない。
そこにいるアキノさん達メルクリウス財団の人達と協力してお祭りを盛り上げようとしていたんだけど…予定が狂っちゃったわね…
「子供達、全員連れてきたわ!!」
「ありがとうミフユさん!」
「お嬢様〜申し訳ありません〜」
ミフユさんに連れてこられた子供達、それとメイドのスズメ…よかった、みんな無事ね。
あら?この子達…黎斗が仲良くしてる子…救護院に避難してきたのかしら…っとそれよりも。
「事態は急変してるわ、報告によると町全体にとてつもない数の魔物が入り込んでるみたいよ」
「入り込んでるって…
そう聞いてくるのはユカリさん、そう…本来ならこんなことありえないはずなんだけど…
「分からない…何がどうなって…」
「まるで街の中で突然湧いてきたみたいな感じですわね!」
アキノさんの意味不明な発言はいつものことだけど…なんだか今回ばかりは彼女言っていることは馬鹿にできない気がするわ。
「とにかく街は今危険な状態、子供達だけでも安全な場所に連れて行かなきゃ…!!」
「そう言うことならば私達の出番だな!!」
「だ、誰!?」
前方の魔物を吹き飛ばしながら現れたのは…小さな女の子?と槍をブンブン振りまわしてる女の子の2人。
「えと…あなた達は?」
「よくぞ聞いてくれた!!私達はギルド、ヴァイスフリューゲルランドソル支部!!ギルドマスターのモニカだ!!」
「あ、あの…私はアユミって言います…」
唐突に現れた2人…でもなんだか戦い慣れているような…
「黎斗の言っていた通り、異変が起きたようだな、私達が協力する」
「黎斗!?貴方黎斗を知っているの?」
「無論だ、この異変が起こる事を彼は知っていた、だから我々がこうやって待機していたのだ」
黎斗…アンタは何か知ってるって言うの…?
「でもいい提案だと思うの、私達もタマキさんの様子が知りたかったし、それに黎斗君からの指示もあったからね」
「あの子1人で別行動ってかなり心配だもの…」
ユカリさんとミフユさんがそんな事を呟く、同じギルドメンバーだものね、当然よ。
…というかここでも黎斗?…アイツ一体何人に声をかけてるのかしら…しかもみんな女の子ばっかり…
ちょっとイライラしてきたけど今はそんな感情任せじゃダメね、コホン
「分かったわ、貴方達の好意を受け取らせてもらう、アキノさん!貴方はタマキさんの所へ向かってもらってかまわないわ!子供達はあたしとこの子達で安全な場所まで連れていくから!」
「分かりましたわ!ですがサレンさん!無茶だけはしないでくださいね!!」
ふふ、相変わらずお人好しね…よぉしそうと決まればここから頑張り時よサレン!!
…
「嫌な気配だねぇ…」
「うむ…街の中央から邪気を感じるぞ」
アタシ達は無数の魔物を斬り伏せながら呟く。
「黎斗君が言っていた通りになっちゃったわね、まぁ私としてはこんなに材料がそっちから来てくれるなんて嬉しい限りだけど」
「ミツキさん、黎斗さまのお願いなんですから真面目にやっていただきたいのですが…」
はぁ、やれやれ…アタシ達のギルドはあいも変わらず呑気なもんだ。
「ほれほれ〜街の人たちはどんどん逃げな逃げな!!ナナカちゃんの杖が火を吹くぜぇ〜!!」
「ナナカ、あんまり無茶な魔法はよしてくれよ?ここは街中なんだから」
「いやぁルカ姉、こういう時しか街中でブッパできないんですぞ!やっちゃうよ、やっちゃうよ!?火力!暴力!!総合力!!アッハッハッハッハ!!」
あぁもう、ナナカのせいで街がめちゃくちゃだ…
「流石はナナカだ!私も真似をして…」
「アンナは真似しなくていいよ、ほらさっさと民間人を助けてあげな」
うちのギルドはコレでいいのかねぇ…まぁらしいと言えばらしいけど。
…
「皆さん構えてください!四方から魔物の軍団が襲ってきますよ!!」
既にラジニカーントは複数の魔物を相手取っている、複腕で殴り飛ばし、私達に近づけないようにしている。
「…退路は…無さそうだな」
私はチラリと周りを見渡すがラジニカーントの言った通り四方を固められている、脱出するのはかなり厳しいだろう。
「うう…シノブゥ…俺ともあろうものが…娘のお前を守れないなんて…情けねぇ…!」
「はぁ…はぁ…大…丈夫…だよ、お父、さん…」
「コレ、あまり喋るでないシノブ傷口が開いてしまう…アカリ、なんとかならんのか?」
「うん…あまり回復魔法得意じゃないから…これが限界かも…」
「あわわわ…どうしよう、魔物がいっぱい寄ってきてる…このままじゃ…!」
心配なのは彼女達だな、戦力の要であるイリヤとシノブの2人が重症ではこの状況を突破するのは不可能に近い。
「さてと、高みの見物でも洒落込もうかしら、貴方達さえつぶれてくれれば私に楯突く人間はいなくなる…無駄な魔力と体力を使わずに効率的に私は栄養補給できる、なんて素晴らしいのかしら」
奴はフワリと浮かび上がり半壊した建物の屋根の上に座りこちらを見下す。
「くっ…
「いやよ、ここから眺めてる方が楽しいもの」
このままでは私達は数の暴力に圧倒され敗北するだろう、このままならな。
『バンバンクリティカァルフィニィッシュ!!』
ドンッという炸裂音と激しいエフェクトを出しながら1つの弾丸がこちらに向かって飛んでくる、それは複数の魔物を纏めて吹き飛ばし爆散させる。
「おっしゃあ!!中々いいんじゃねぇの!!」
「ほえ〜結構すごいなその武器…アタシにも欲しいくらいだ」
「ほう、やるなダイゴの坊や、初めて使うおもちゃにしては使いこなしてるじゃないか」
「ったりめぇよっと…まっ、もうこいつは必要ねぇな、ほれガキンチョ、お前に渡す」
「が、ガキンチョではありません、わたくしはコッコロです、いい加減覚えてくださいまし」
ダイゴはマグナムをコッコロに投げ渡し、両手につけられたガントレット状の武器を打ち鳴らす、そして一気に前進し両腕を振り回し残る魔物を殴り飛ばしていく。
「…お友達の到着のようね」
「みなさん!良いタイミングで来てくれました!」
私は魔物と戦いつつ、こちらに寄ってくるコッコロと合流する。
「コッコロ、あそこに瀕死の少女がいる、君の力で急いで回復をしてくれ」
「承知しました主さま」
コッコロはすぐに行動に移す、槍を手に魔物をなぎ倒しながら
「主さまの命により回復魔法を施させてもらいます、怪我人をこちらへ」
「あ、ありがとうコッコロ…本当に助かったわ…!」
「シノブの怪我を治している間はわらわが…ぐぅ…っ」
立ち上がり、斧を振りかぶろうとしたイリヤは片膝をつく。
「い、イリヤさんも重症なんだからコッコロちゃんに治してもらわなきゃ駄目だよぉ」
「安心するの…みんなの事は…ミヤコが守るの…!!」
「み、ミヤコ…!?」
「ぐぬぬぬぬ…ハイパーポルターガイスト!!なのぉ!!!!」
ゴゴゴゴゴ…ととてつもない霊気が発生する、霊感などない私でさえもピリピリとした何か気配のようなものを肌で感じ、その直後、彼女の周りの物が浮かび上がる。
物なんてチャチな物ではない、建造物…半壊した建物でさえ浮いている。
「へぇ…驚いたわ、私に生命力をあれだけ取られたっていうのに、あの子まだあんな力があるなんて…それとも黎斗君の力のおかげなのかしら」
「…まとめてぶっ飛ばすのぉぉ!!!!」
建造物をぶん投げて魔物達を撃破していくミヤコ、これならばあちらを心配する必要はない、自分の事に集中できる。
「この程度の魔物でアタシ達を止められると思ってるのか真那!」
「言ってくれるじゃない、勘違いしてるようだけど、貴方達は合流したんじゃない、私がさせたのよ?」
「なに?」
千里真那はニヤニヤと笑いながらムイミに向かって話を続ける。
「貴方達は貴重なレア物の栄養、それを一網打尽にした方がいいでしょ?だからここに来るように私が仕向けたの、気づかなかったの?それにこの程度とは言うけど後どれだけ貴方達の体力が持つか…見ものだわぁ」
「…確かに…戦いは数かもしれない、だったら…!アタシ達も数で勝負だ!!」
その時、不意にクリスティーナ達が来た方向の魔物達が吹き飛ばされる。
「おらぁ!!どこ行きやがった!クリスティーナ!!まだ話は終わってねぇ!!!」
「ちょっマコト、今はそんな状況じゃないさ〜周りを見るよ〜」
「そうだよマコト、どう考えてもこんなの異常にゃ、冷静に物事を考えるべきにゃ」
「さっすがタマ姉!かっこいい〜!!」
アレは…マコト、カオリ、タマキにヒヨリ…獣人祭りだな、それにそれだけじゃない。
「だけど、なんとなく話が見えてきたね、この状況…あの屋根にいる女…アイツからはとてつもない邪気を感じる、この状況を生み出しているのはアイツで間違いない」
「…この魔物達を操ってるって事なんだよね」
レイにユイ…この2人もいるようだ、意外と心強いメンツが揃ったな。
まさかムイミが頭を使って彼女達を誘導してくるとは、やるじゃないか。
「…貴方…草野結衣…ちゃん…」
ここで反応を示したのは意外にも千里真那だった、聞こえてきた草野結衣…ユイの現実世界での本名か。
「えっ…貴方も私をクサノユイって呼ぶの…?貴方は何か知っているんですか?」
「…ええ、知っているわ、とても…凄く…ね」
「ユイ!今はそうしている暇はなさそうだ!魔物が来る!!」
レイの言葉通り、魔物達の動きが活発になる、千里真那は確実にここで私達の息の根を止めようとしているようだな。
「ふっふっふっふ…よくぞやったぞコッコロよ、褒めてやろう、シノブ…動けるか?」
「ええ、勿論です…先程よりも力が湧いてくるようですよ」
「おおおぉ!!シノブゥ!元気になってくれてパパは嬉しいぞぉ!!」
どうやらあちらも戦線復帰したようだな、ならば良し。
「全員背中を預けろ!!この魔物達を駆逐する!今までの啀み合いなども全て今は水に流せ!!」
私の言葉に反応を示したのは勿論マコトだ。
「っ…くそ…確かにこんな状況じゃ……しゃーねぇよな。おい、クリスティーナ」
「なんだ小娘」
「今は休戦してやる、だから背中を貸せ」
「…ほう?もっと可愛げのある頼み込みをして見たらどうだぁ?ほれ、ワンワン♪」
「後で覚えてろよ…この…おばさん!!!」
「誰がおばさんだこの犬ころが!!!」
そう言いながらも2人は背中を預け、互いに背面の魔物を撃破していく。
「よっしゃあ!!ドンドン来やがれってんだ!!」
「…なんでしょう、下劣な暴力の筈なのに、凄く心地よい…以前の私はそう言った人格の持ち主だったのでしょうか」
ダイゴは乱打で魔物を撲殺し、ラジニカーントは空間跳躍による瞬間移動と複腕による殴打の併用で広範囲の魔物を一瞬で撃破していく。
「あん?んなもん関係ねぇよ、前の旦那と今の旦那…変わらずに旦那は旦那だ、俺のダチだぜ」
「お!そこのおっきな人!良いこと言ったね!!私も友達を守るために戦ってるんだ!友達も友達の友達もそのまた友達も!みーんな守るんだ!!」
ヒヨリもまたダイゴと同じくステゴロだ、蹴りや拳で魔物を粉砕し突き進んでいく。
「ったく、1人で突っ込んでんじゃねぇよガキ」
「ガキじゃなくてヒヨリだよ、ダイコンさん」
「ダイコンじゃねぇよ!お前は良い加減名前覚えろ!!…って俺お前に名前名乗ったか?」
「あれ?そういえば…というか良い加減にって私達初対面だよね?」
記憶の混流か…?彼女達は以前…前世ともいうべきか、そこで知り合ったことがあるらしいな。
「皆で力を合わせる、確かに素晴らしい物だ、1人では無理でも2人…3人…人が増えればそれだけ突破口が開ける、私達はそういった心の絆を信じたい、そうだろうユイ」
「うん、勿論だよ!ここにいる人達はみんな…きっと黎斗君との繋がりでできた物…」
「そうですね、それが貴方達の強み、1人1人は劣っていてもそれらが合わさった時、奇跡の力を生み出す…私たちを打ち破った時もそうでしたからね」
ネネカ…いつの間にこの場に……見れば隣でぜぇはぁ言っているマサキ、成る程今まさに辿り着いたといったところか。
「うわぁ!?き、君…いつの間に…」
「はい、私はいつでもそばにいますよ、私はネネカ、ふふ、今は手を取り合って協力しましょう、マサキ…私のプリンセスナイトなのですから頑張りなさい」
ネネカの言葉と同時にマサキの体が光り輝く。
「おお…!!ネネカさまの力が…愛が流れ込んでくる!!!」
「…気持ちの悪い表現をしないでください」
マサキは手に持ってた剣を掲げた後、近寄る魔物を剣で差し込み、引き抜く。すると何か剣先から糸のような煙のような白いモヤが吹き出し。
次々と他の魔物達にも同様に突き刺しと引き抜きをする、そして。
「これで十分だ」
ドンッ!眩い閃光と共に突き刺された魔物達が一瞬で合体を起こす、これが…マサキの力か…!
「行け!!我が生み出した生命よ!!」
マサキの声と同時に生み出されたキマイラが他の魔物を撃破していく。
「さて、少しくらいは私も手伝わなければ、あの黎斗にどやされてしまいますね」
ポフっという効果音がつきそうな感じで彼女は自身が生み出した半透明のソファに優雅に座り込み膝を組む、先程の発言とは裏腹に妙にリラックス体勢で腹立たしい。
「…ワンダフルコピー」
その状態でコンと軽く地面を杖で小突く、ただそれだけだった、石畳の地面の1つ1つが隆起し、変化していく。
それはまるで戦国時代の火縄銃のような見た目をした武器に変わっていた、彼女は一瞬で数百もの銃を生み出したのだ。
彼女の前方に浮かぶ数百の銃、狙いを定め、彼女は退屈そうにソファに座りながら頬杖をつき。
「さて…こういう時はなんて言うんでしたっけ……ああ、そうですね。日本式の銃ですが言わせてもらいましょうか、ファイア」
一斉射撃、引き金は引かれた。火縄銃は1発ずつしか撃てない、しかしこれ程の数ならばそんなものは関係ない、圧倒的火力で圧倒的な数の魔物を瞬時に撃破する。
…やはり彼女も
「黎斗、何ボサッとしてるにゃ!今は戦うことに集中にゃ!」
「…ああ、タマキも協力に感謝するよ」
「まぁ、こう言う時だからこそ助け合いってやつにゃ、アタシも義賊を名乗ってるくらいだから、みんなの平和はアタシが守るにゃ」
ふむ、中々耐えれているな、最悪の状況に変わりはないがこれならば活路を見出す事は可能だろう、しかしそれを奴が許すとは思えないが…
「えっと…ユイちゃん!お久しぶりです!すこしお願いがあるんですけど、いまだに目覚めないわたしのお友達がいるんです!ユイちゃんの力でなんとかなりませんか!?」
「えっと…ペコリーヌちゃんって言うんでしたっけ?久しぶり、とそうじゃなかった、目を覚まさない…ってまたこの子気絶してる!?」
ペコリーヌとユイは眠ったまま放置されていたキャルに近づきつつそんなことを話している、ちなみにキャルは私がここにくる前にコッコロに渡しておいた。
「とにかくやってみるね……うん大丈夫、ただ寝ているような状態なだけ…むむむ、えい」
ユイが何かの魔法を唱えると淡い光がキャルを包み、キャルが目を覚ます。
「ん…んん?あれ…」
「わーい!キャルちゃんが目を覚ましました!キャルちゃーん!」
「うわっ!?ペコリーヌ!!?抱きつくな!苦しいっての…!」
ペコリーヌがキャルに飛びついているが…この状況ではやめて欲しいものだ。
「ペコリーヌ、再会を喜んでいる場合ではない、未だに敵の数は多い、キャル、君も万全ではないだろうができればすぐに戦線に加わってほしい」
「…えっと…黎斗…みんなごめん…迷惑かけて…あたしにできることがあるならなんでもするわ、がんばる」
よし、着実に戦力が強化されている、ここを突破し千里真那を削除する。
(…キャルまで目を覚ましたようね、それに魔物の数が合わないわ、本来ならもっとここに集結していてもおかしくない、腑抜けた
「どうした、千里真那…想定外なことがあったような顔をしているぞ?」
私が何かを考えている千里真那に向かって言い放つ。
(…やっぱり黎斗君の仕業ね、大方こんな状況になる事を想定して手を回しておいたって所かしら…多分相当手練れのギルドに声をかけてるわね…となると、少し予定を変えた方がいいかしら1人ずつ処理をしましょう)
奴が動く、立ち上がりこの場から離脱するように離れていく。
「…っ!!奴が逃げます!!逃しません!!」
「ペコリーヌ!!わかっているな!!」
「はい!これは罠です、でも…逃しません!!絶対!」
前回、キャルにしてやられた事もあるペコリーヌはその反省をしている、ならば。
「ムイミ!」
「へ?な、なんだ!?」
何やらユイと話をしていたムイミを呼び。
「ペコリーヌは千里真那を追う、出来るだけ退避が出来る様、ラジニカーントと共に退路の確保をしていてくれ」
「全く、無茶な注文してくれる…この状況でもいっぱいいっぱいなのに…!でもやるぞ!!アタシとしても真那をここから逃すつもりはない!!」
ペコリーヌとムイミそしてラジニカーントは千里真那を追っていく、その時だった。
「ちょっと良いかしらキャル!それに黎斗!!」
声が聞こえた、この声は
「君は…ネビア、どうやって外に?」
私達のギルドハウスに居座る妖精、ネビアだ。本来なら外に出る事はできないと言っていたが…
「フィオ…アメスになんとかしてもらって一時的に出してもらってるのよ、とにかくキャル、あんた夢の中の事どれだけ覚えてる?」
「夢…?えーと…黎斗達に謝って…それで変な女が来て…なんか言われて…」
「やっぱ微妙に覚えてないのね、かなり重要な事だからあたしが教えてあげるわ!感謝しなさい!特別よ!」
「…とにかくこの乱戦の場所でも話はできる、簡潔に話せ」
私は周囲の魔物を撃退しながらネビアに訊ねるもネビアがすこし困った声色で。
「いやまぁ、話すのは確かに出来るんだけど、ちょっと問題があってね、黎斗とキャルだけでも良いからこの場を離脱できない?」
…この状況で離脱か…
「大丈夫だよ黎斗君、私達だけでもなんとかなるよ」
「そうだね、あまり舐めないで欲しい、私たちを信じて黎斗」
ユイとレイが私達にそう言う、ならば仕方がない。
「ネビア、あまり時間はかけられない、頼むぞ」
「分かったわ、コッコロも付いて来なさい、一応美食殿の問題なんだから」
ネビアの言葉が何か引っかかるがとにかく私とキャルそしてコッコロはこの場から離脱し少し離れた場所に移動。
幸い魔物達はあの場に集結しているからかこの場には見当たらない。
「それで、私とキャルに何がある」
「んじゃまぁ、簡潔に話すわ、キャルには今、『晶』に託された黎斗の力がある、それをアンタに渡すって話よ」
…キャルが目覚めなかったのは晶との接触があったからか。
「そんでもって力の受け取りの儀式、儀式って言うと色々とあるんだけどその中でも比較的オーソドックスな形式を今回は取るわ、簡単に言えば…キスよ」
「ファッ!?き、キスぅ!?こ、ここここいつと!?」
「成る程、ならさっさと済まそう、単独で突っ込んだペコリーヌに保険をかけているとは言え危険な状態にあるのは変わりない」
「なんであんたは平然としてるのよ!?」
所詮は唇と唇の皮膚接触に過ぎない、そんな事で一々騒いでいたら面倒なだけだろう。
「むぅ…しかし…そうですよね、ここであまり時間をかけてはいられません、断腸の思いですがキャルさま限定でほんのちょっぴり、一瞬だけならキスをしても構いません……はぁ、変わってあげられるのならわたくしが変わって差し上げたいのですが…」
「こ、コロ助もコロ助でおかしいわよ…というかそれって口にしなきゃダメなわけ?」
キャルが最もらしい質問をする。
「いや、そんな事ないわよ?ああ、出来れば顔の方がいいけど、顔なら別にどこだっていいわ」
「なら最初から言いなさいよね!!?……はぁ、大丈夫、口よりはやり易いわ…」
「よし!覚悟決まったんならさっさとブチューとやっちゃいなさい!あんた達に世界の命運が掛かってるんだから!!」
「うう…黎斗…なんかごめん、コロ助にも悪いし…」
珍しく彼女が素直に謝る、さっさとこの状況を片付けなければならない、私は無言で彼女方に向く。
「よし…覚悟決めたわ、行くわよ」
彼女が両眼を閉じて背伸びをしながら私の顔に近づいてくる。
「ほれ、キース!キース!キース!キース…ぶへぇ!?」
私の背後で飛び回り煽っているネビアを裏拳で吹き飛ばしキャルの意識を乱さないようにする。
「なんと…ネビアさま、ご無事ですか?」
「あ…あんにゃろ…本気で殴りやがったわね……」
そして
次回、ようやく覇瞳皇帝と戦える…かも?