プリンセスコネクト!リ・ダイブゥゥゥゥゥゥゥン!!!(ガッチョーン 作:古賀コーラ
「その力は……っ…!!」
「うん?私のデータの中にはこれのデータは無かったはずだ、それとも予知でこの先の攻撃を見たのか?」
「いいえ、違うわ…確かにデータには無かった、でもね…何重にもロックされたソレを見て何も思わない程、私は愚かではないわ」
奴は明確に今の私に対して警戒をしている、これは予知などではなく奴自身の本能。
「ペコリーヌ、コッコロ、キャル…君達は皆下がっていろ…よく私が戻ってくるまで耐えたな、褒めてやる」
私はそう言って彼女達を下げる、もう何も心配する事はない、この私が来たのだからな。
「ゴッド…ねぇ、神の名を冠する者同士、仲良くしましょうよ」
「悪いが君は神に到達すべき人間ではない、今の所、神は私1人で十分だ」
「…そう、なら私もそう思う事にするわ、神は1人でいい」
奴は周りに水晶状の魔力の塊を生み出し、そこから流星を放つ。
私はそれを避ける事はしない、ただ真っ直ぐ歩いて突き進む、今更そんな攻撃を避ける必要もないからだ。
「…やっぱり効かないようね」
奴は手を緩めないが攻撃が単調だ、おそらくあらゆる未来を見通して私に対する攻撃手段を考えているのだろう。
「攻撃に予知を割いている暇はないぞ、千里真那ァ!!」
私はGMマイソロジーアームを伸ばす事で攻撃を開始する、射程距離は無限、どんな距離からでも攻撃が可能だ。
「…フッ!!ハッ!!」
私は連続で拳を振るも奴に攻撃は当たらない、それが奴の力だから当然だ。
「成る程ねぇ、姿形があの永夢君のマキシマムマイティに似ているから薄々感じてはいたけど、能力も同じようね、手足を自在に伸ばして攻撃可能、射程距離も上限無し、更に空中だろうと自由自在に動ける」
「いい推察だ、だが永夢のマキシマムと同じにされては困るな」
この攻防に意味はない、奴にこの程度の攻撃は通じないのだからな。
「…!!それは…っ」
奴が呟く、おそらく次の手を読まれたのだろう、ならば期待に応えなければな。
「シューティングクロニクル…起動」
私の言葉と同時にshooting chronicleのロゴが出現し、私の背後から複数の戦闘機が出現する。
その戦闘機の装飾はそうだな…どちらかといえばSFなどに出てくるような非現実なものだろう、私のイメージも実際の戦闘機というよりはそっちをイメージして生み出した。
「このゲームは宇宙からやってくる地球外生命体を、主人公が戦闘機に乗り込み倒していくシューティングゲーム、君は今地球外生命体と認識された」
「…成る程、私が外敵って扱いになってるって訳ね…でも」
街を焼き尽くすほどの集中火力、空中に展開された戦闘機がそれこそSFチックな謎のエネルギー弾を発射しディオを粉砕しようと過剰攻撃で攻め立てる。
しかし私の呼び出した戦闘機は数秒後、逆に粉々に粉砕される、ディオによって破壊されたのだ。
「無駄って分からないの?私の予知は完璧なのよ、例え戦闘機だろうとなんだろうと差し向けて来ても私1人で戦争を終わらせることができるの」
崩れる私の戦闘機達、数多の残骸がランドソルの街に降り注ぐ。
「モンスターズクロニクル起動」
次に私が生み出したゲーム、それは何百、何千の魔物達が千里真那を狙って攻撃をし始めた。
先の状況とは真逆、私達が魔物に襲われるのではなく千里真那を襲う。
「何かしらこれは!意趣返しのつもり!!?無駄よ!!」
奴は次々と迫る魔物を片っ端から潰していく。
「モンスターズクロニクル…とてつもない数の魔物を相手にする無双ゲーム」
「無双ゲーム?ふっ…だったら私が主人公という事よねぇ?無双ゲームってこうやって雑魚共を蹴散らしていく爽快感が売りのゲームだもの、尚更私を倒すことなんて出来やしない!」
『キメワザ、クリティカルアストルム』
奴の回し蹴りは流星を纏い、全ての魔物を一気に片付ける。
「主さまのお力…これは…一体…」
「アイツのことだから自分が死ぬ事まで計算に入れてたんじゃないの、死んでる間に何かしたのよきっと」
「…今は黎斗くんを信じるしかありません…他の皆さんも…もう限界ですから」
ペコリーヌの言う通りだ、奴の放った目のような物体のおかげで他のギルドも疲弊が限界に達している、これ以上戦闘を長引かせるわけにはいかない。
「ゲームを生み出すゲーム…それがゴッドマキシマムの力かしら?」
「君の予知と私の想像力…どちらが上か証明してやる……ライダークロニクル起動」
次は私が完成させた究極のゲーム、ライダークロニクルだ。
私の前に10種のバグスターが出現する、パラドやグラファイトも含めたあの面子だ。
「ふぅん、その子達は黎斗君のデータで見たわね」
奴はそう言いながら迫り来るバグスター達を一撃粉砕していく、下級バグスターは勿論、グラファイトやラヴリカ、パラドのような上級バグスターも簡単に弾き飛ばす。
「でも、歯応えがないわ、所詮貴方が生み出したゲームのキャラクター…オリジナルとは程遠いわね、このパラドって子はデータによるともう少し強かったと思うけど」
「そうかもな、だが次はどうだ」
次に召喚したのはブレイブレベル100、スナイプレベル50、エグゼイドハイパームテキ、ゲンムデンジャラスゾンビ、レーザーレベル0、クロノスゲーマドライバー仕様という錚々たるメンツだ。
「行け」
私の号令と共にそんな面子が一斉に襲い掛かる、ゴッドマキシマムでは初めて起動したゲームだ、中々に壮観だなこの光景は。
それだけではない先程吹き飛ばされただけの上級バグスター、パラド、グラファイト、ラヴリカ、ポッピー。
それらが力を合わせてディオに立ち向かっている。自分で言うのもなんだがこのような光景は2度と見られない貴重なものだろう。
オリジナルではないデータ状の産物とはいえ、私の心の中にこの光景は刺さるものがあった、こんな面白い光景、彼らに見せたらどんな表情をするか、考えただけで笑みが出てしまう。
「確かに、さっきの奴らよりはまともよね、それでも私に攻撃が届けばの話だけど」
あれ程の面子の攻撃も当たらなければ意味をなさない、奴の攻撃により次々と消滅させられていく。
「ガワだけの偽物で私を止められると思ってるのだとしたら黎斗君の目も腐ったものね」
奴の翼がブレイブとスナイプを消し飛ばす、残ったライダーはムテキとクロノスとラヴリカ。
この3体は特殊能力がある、例えオリジナルで無くとも特殊能力で耐える事は可能だ。
「ここに来て時間稼ぎのつもりかしら?小賢しいわね」
ムテキ達が奴を足止めしている、やはりディオに攻撃を当てる事は不可能、このまま私が静観していた所で勝負はつかない。
「シューティング、モンスターズ、フォートクロニクル起動」
戦闘機、魔物、そしてランドソルの街に巨大な砦が出現する。
「…予知通りだけど…何の真似かしら」
ディオは残った3体を捌きつつ戦闘機や魔物さらには砦からの砲撃を全て躱し、防御している。
側から見てもおかしな性能だと感じる、ここまでの連続攻撃はこのゴッドマキシマムでさえも一歩間違えればやられかねない、というよりそのレベルの攻撃を仕掛けているつもりだ。
ちょっとした戦争レベルの攻撃をしているのだが擦りもしないとは…
「凄すぎない…流石に引くレベルだわ…」
「黎斗くん…どんどん強くなっているんですね」
「流石はわたくしの主さま…」
私は奴に攻撃するついでに他の人間に襲い掛かっている目のような物体も射撃や砲撃で破壊し尽くす、これで誰かが死ぬような事はないだろう。
さて、準備は整った。
「私のおもちゃも全て破壊されてしまったようね、まさかそれが狙い…?無駄な事を…私の魔力は既に十分回復している、どれだけ破壊しようが再び…」
奴は言葉を失った、それもそうだ、奴の眼前には既に迫っていたからだ『星』が
「なっ…っ!!?」
何の星かは分からない、このゲームの世界に設定されたなんらかの星だ、大きさは火星程はあるだろう、それを私が持って来て奴にそのまま振り抜く。
召喚したライダーも戦闘機も魔物も砦も全て巻き込む形で奴を殴り抜ける、それは奴に直撃しそのまま大きく吹き飛ばす。
奴が吹き飛んだのは数百メートル以上先の王宮、その壁に打ち付けられ王宮が崩壊し始める。
「ふん」
私は適当に星を空に投げ捨て、メテオファイトブーツの力を使い一気に奴に近づいていく。
「驚いたな、あの攻撃を受けてまだ立ち上がるとは」
「ぐっ…がは…そんな…っ…!!」
あの一撃はあのクロノスでさえ1発ダウンさせる程の威力だ、まともに浴びればどうなるか考えるのは簡単な事だ。
奴は予知能力を使いギリギリで防御態勢に入ったのだろう、奴に取り付けられていた魔力の武装である爪や翼は粉々に砕け散っているのもその証拠だ。
「…そんな攻撃が…残っていた…とはね…っ」
「君の予知能力は完璧だ、最初から星による攻撃をしたとしても君の殲滅魔法により星は砕かれていただろう」
だからこの手は今の今まですることが出来なかった、予知したとしても回避できない攻撃ならば破壊すればいいだけだからな、そして奴にはそれが可能だ。
「あの…無駄な攻撃は…全てそっちに予知を割かせる為の…ブラフ…」
「おかげで君が予知により殲滅魔法を放つという選択肢を潰すことが出来た、言っただろう、君は全て私の手の上で転がされているのだと」
だが…まだ終わりではない、奴は満身創痍でも戦える。
「…そう…私の予知が断片的に数珠繋ぎで行っているとバレたあの時からこの策を思いついていたのね…晶からその力を受け取る事も全て…」
「ああ」
私は肯定する、奴の能力は本来ならば1から10の過程から結果までを予知できるだろう、しかし戦闘中ではそうはいかない、だからこそ奴は1、2、3…と区切りをつけてそれを連続で処理する事で完璧な予知をしていた。
しかしそれではラグが生まれる、相手の手数が多く本手を隠された場合はこの様に対処が遅れる。
「…でも…まだ…負けた訳じゃない…!」
「ああ、そうだ」
私達は構える、そして…
「ふん!!」
「はぁぁ!!!」
先に攻撃が命中したのは私の方だ、伸びた腕が奴の顔面を捉える、もう既に予知をしている余裕が奴にはないのだろう。
奴は私の伸びた腕を掴み取り、引っ張り引き寄せ、拳を叩きつける。
「ぐぅっ…っ…っ!!」
私にもダメージがある程のパワー…っしかしここで狙うのは…っ!!
私は拳を振り抜き、奴のバグルドライバーを殴りつける、するとショートしたように火花が散り破損する。
「ぐぅぅっ…がぁっ……この…っ!!!」
奴もまた拳を振り抜き私のゲーマドライバーを殴りつけると、同じようにショートし破損する。
お互いにベルトやガシャットに負荷をかけ過ぎた、私のゴッドマキシマムに至ってはこの世界で維持するにはあまりにも強大、そこに加えこのベルトへのダメージは深刻だった。
ゴッドマキシマムを維持する事はもうこれ以上できない。
たったのそれだけで私達は大きく後方へ下がりそのまま尻から地面に倒れる。
私のマキシマムゲーマの武装が消え、私の姿はゲンムの姿になってしまう、奴も体から火花を散らし、もはや完全に予知能力は消え失せただろう。
「はぁ…はぁ…うぐぅぁぁぁぁっ!!!」
「はぁ…はぁ…くっ…うぁぁぁぁっ!!!!」
私達は立ち上がり拳を構える、そして一心不乱に拳を振り抜く、ここからは何もない、策略も能力も何一つない泥臭い殴り合いだ。
ポツポツと雨が降り始める、ああ…そうだ、いつだって何かの終わりの時は雨が降る。
雨の中、私達はとにかく殴り合いを続ける、胴体を顔を…とにかく殴り続けた。
再び互いに拳が顔にクリティカルヒットした、その衝撃で私達はまた後退する。
「黎斗くん!」
「黎斗!!」
「主さま!!!」
私達を追いかけて来た美食殿の3人がこちらを見る。そして…
「これで…最後よぉぉぉぉ!!!」
「はぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
大きく振りかぶり、私達は互いの顔面に渾身の一撃を叩き込む、お互いにふらつきヨタヨタと後退した後。
「ぐぁ…ああ…」
ディオは仰向けになって倒れた。私も倒れそうになったが駆け寄った美食殿の皆が私を支える。
互いに変身が解除され、雨に打たれながら奴は呟く。
「…ああ…私はまた…負けるのね…」
「…そうだな、君の負けだ」
「ふふ…ふふふ…私はただ、夢を追い掛けていたはずだったのに…」
私は支えてもらいながら千里真那に近づいていく。
「君の夢は…なんだ?」
「…私の夢は…このレジェンドオブアストルムをみんなに遊んでもらう事…夢を叶えるこのゲームで…」
「…なら私と同じだな、千里真那…ゲームクリエイターは誰かに遊んでもらう事が…夢を提供する事が使命だ」
私は続ける。
「君は先程、自分の名前…マナは神の力を指し示す名だと言っていたな…しかし…マナには人々の豊穣を願い分け与えるという意味合いもある、君の…本来の夢のあり方だと私は思うがな」
「…もう1度、やり直しましょう…
「…本当……貴方には敵わないわね……なら1つ…私の良心で教えてあげるわ……私を倒しても…まだ闇は潜んでいる」
…ここに来てまさかそんな事が判明するとは正直思わなかった。
「どういう意味だ」
「そのまま…意味よ…だから気をつけなさい、死にたくなければ…ね…」
「待て…それは…くっ…」
私も存外ダメージを受けている…っ…千里真那はその言葉を最後に眠りについた、おそらく死んではいないだろう。
「大丈夫…?黎斗」
「ああ…なんとかね…」
「とりあえず雨に濡れない場所へ行きましょう」
「この人も連れて行かないと風邪引いちゃいますよね」
私と千里真那は彼女達に連れられて屋根のある場所で雨宿りをする。
「やっと…終わったんですね…」
「陛下…大丈夫かなぁ」
「雨のせいもあるのでございましょうが…終わった、という感じがしませんね…」
彼女達は座りながらそう語る、その時だった、私の体が淡く光り始める。
「主…さま…?」
「ちょっとあんた…体が光ってるわよ!?」
「そうか…もう時間切れのようだな」
「時間切れ…ってどういう事ですか!?黎斗君!?」
…ゴッドマキシマムの代償か…私はこの世界にいる事ができない。
ならばさっさと済ませてしまおう、別れを惜しむ前に、ね。
「私は君達と出会えて良かったと思っている、君達のおかげで私の才能は更なる高みへと昇る事ができた、感謝するよ」
「何を言って…」
「ペコリーヌ食べ過ぎには注意したまえ、キャル、君はもう少し素直になる事を努力しろ…コッコロ…君はよく私を支えてくれた、これからもこの体の事を頼むぞ」
さて…別れ挨拶は済んだ、あまり長々といるつもりはない……これからどうなる事やら。
「そんな…主さま…お待ちを…」
「そんな顔をするな、コッコロ…安心しろ、私は不滅だ」
「主…さま…」
そして私の体が更に光り輝き…
…
久しぶり、とここでは記述しておこう。
ん?私が誰か、と疑問に思っているようだが、私だ、檀黎斗9610。まさに今プレイヤー達に見てもらった私のデータの記録で少年に憑依していた個体さ。
ここはデータの世界、プレイヤーは私のデータの記録を見終わり再びこの場に帰って来たのさ。
ではあちらではあの後どうなったかって?そんな事は私は知らない。もうあの世界と私は関係がないのだから。
だが安心して欲しい、私という存在は不滅だ。私という個体があの世界から消えても私がいた痕跡は…軌跡は残る。
比喩でもなんでもない、これは事実だ。
もしプレイヤーの君達があちらをまだ見れるというのならば是非、見て来て欲しいものだ、私としても気にはなっているからね。
…
「…ん…」
「主さま!!目を覚ましましたか!?」
「…君は…」
主さまが目を覚まし、キョロキョロと辺りを見渡しています。先程の言葉もありわたくし達は少しだけ身構え言葉を待ちます。
「…コッコロ、キャル、ペコリーヌ…」
主さまが名前を呼んでくれました。どうやらいつも通り…
「…は…はぁ、何よ!!あんた!さっきのお別れみたいな言葉はなんだったのよ!!」
「そ、そうですよ!ビックリしたんですから!」
「…」
「あの…主…さま?」
黙ったままの主さまにわたくしが声をかけると
「…ああ、すまなかったなコッコロ、キャル、ペコリーヌ。ちょっとしたジョークだ、楽しんでもらえたかな?」
「ジョーク…?…こんの……ふざけんなぁー!!!」
「あわわ!お、落ち着いてください!キャルちゃん!」
主さまとキャルさまが取っ組み合いになります、ふふ…良かった、いつもの美食殿に戻ったのですね…
…
君達はスワンプマンという思考実験をご存知だろうか。
ある男がハイキングに出かける。道中、この男は不運にも沼のそばで、突然雷に打たれて死んでしまう。その時もうひとつ別の雷がすぐそばの沼へと落ち、この落雷は沼の汚泥と化学反応を引き起こした事で死んだ男と全く同一、同質形状の生成物を生み出してしまう。
というものだ。
沼から生まれた男、だからスワンプマン。そのスワンプマンは死んだ直後の男と完全に同じであり完璧なコピーの存在だ。その後は死んだ男がかつて住んでいた部屋のドアを開け、家族と電話をし、読んでいた本の続きを読みふけりながら眠りにつく。そして翌朝、職場へと出勤していく。
果たしてこの存在は死んだ男なのかそれともそうではないのか、というのがこの思考実験の本質であり、この私、檀黎斗9610という存在にも当て嵌まるものだ。
私は檀黎斗という人間の遺伝子情報をデータ化して生まれたバグスターだ。
それだけではない、かつて宝生永夢が記者に「データは命と言えるのか」という質問を突きつけられた。
バグスターとして生まれ変わるという事は上記のスワンプマンと同じなのだ、だからこそあの記者はそう訊ねた、バグスターとはその人物の記憶を持った別人だと。
私にとっては些細な問題だが、知恵遅れの人類はそれを許さなかった、そして永夢はそれに対して答えを提示した、頭の悪い人類が出来るだけ納得できる答えを用意した。
と、今はそんな事はどうでも良い事だ。さて…そのスワンプマンだが、バグスターだけでなく、もし仮に私の記憶と性格を引き継いだ他人がいたとしたら…それは果たして誰になるのだろうか。
他の人間ならば別人だと切り捨てる方が楽な考えだ、しかし私はそうは思わない、もしその人物が心の底から自分を檀黎斗だと思っているのならば、同じ思考をしているのならば、ソレは本当に檀黎斗なのだろう。
私は檀黎斗の複製体であると理解しているが私自身は檀黎斗である、とそう思っているのだから。
だからこそ言うのだ、私は不滅だと。
さて、長々とこのお話を続けて来たが、そろそろ終わりにしよう。
このデータを元に新たなゲームを作らなければならないからね、私は作業に戻るとしよう。
では、また…新たなゲームでお会いしよう、プレイヤーの諸君。
ー???ー
…私だ。
私は檀黎斗9610…から派生した存在、そうだな、檀黎斗Xとでも名乗っておこう。
私はこの体…この少年に檀黎斗9610が長期間憑依をした結果、融合を起こし、9610がこの体を離れた後もこうして残存している存在だという事だ。
私は檀黎斗9610であってそうではない存在…なんと興味深いのだろうか。
檀黎斗から派生したバグスターから派生した存在という極めてイレギュラー、このような事象にこの私という個体が経験出来たのは興奮を禁じ得ない。
今のこの状況を少し整理しておこうと私はこうやって記録に書き記している訳だが。
今現状ではこの体の本来の持ち主『ユウキ』と『檀黎斗』の2つの記憶を私は保持している。
しかし『ユウキ』の方は少々記憶の欠落が存在しわかっていないことの方が多い、故には私は『檀黎斗』と名乗らせてもらっている。
今後私のすべき事は檀黎斗9610がこの世界でやり残してしまった事をこの私が引き継ぐというものだ。
やり残した事…単純だ、この世界でこの私が『檀黎斗神王』と名乗るに相応しい存在となる事、それ以上でもそれ以下でもない。
もし、この私の記録を見ている人間がいるのならば、引き続き私の動向を見守って欲しい。
私のゲームは終わらない。
ー次回の仮面ライダーエグゼイドは!!ー
「僕の名前は宝生永夢、聖都大学附属病院に勤めるドクターだ」
宝生永夢の元に届けられた新たなるガシャット───。
「おいおい、またあの神の仕業じゃねぇだろうな?」
「奴のお遊びに付き合うのはノーサンキューだ」
神の仕掛ける新たなるゲーム───。
「…約束したんです、黎斗さんのゲームは必ず攻略するって…!」
再びドクターライダー達が立ち向かう!!───。
次回『その絆はPrincess!!!!』