プリンセスコネクト!リ・ダイブゥゥゥゥゥゥゥン!!!(ガッチョーン   作:古賀コーラ

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アニメ二話もメッッッッッちゃ良かった(コナミ)



檀黎斗9610編終わり!!閉廷!!


EXCITEする未来!!

「…ここだ、きっとここに黎斗さんは来る」

 

僕には分かる、今この場所に黎斗さんはいない、多分何処か行ってる。

 

それでも分かるんだ、すぐにここに来るって

 

幻夢コーポレーション…僕はその中に入る。

 

既に社員の姿はない、みんなゲンムクロニクルの影響で逃げているんだろう、もしかしたら既に…

 

その時だった、社長室に向かう道中、部屋の隅に人影が見えた。

 

「作さん…!?何でまだここに…」

「ああ…君は…すまない…逃げ遅れてしまって…」

「そうですか……ここにはゲンムが入ってきていませんね…とにかくここで…」

「…この事態は…やはりあの…」

 

作さんの問いに僕は頷く、作さんも黎斗さんに散々嫌がらせを受けた人だしすぐに分かる事だ。

 

「僕は黎斗さんを止めます、その為にここに来ました」

「え?ここに…ですか?」

「黎斗さんにとってここは…思い入れのある場所です、戻ってくるとしたら…確実にここだと思うんです」

 

僕はそう言って作さんを比較的安全な場所に移動させてから進むべき場所に向かう。

 

社長室だ、あそこに黎斗さんはいる。

 

僕が社長室の扉を開くとまるで王様のようにその人物は椅子に座り踏ん反り返っていた。

 

「…もう戻ってきてたんですね」

「…まぁな、私はバグスターだからね…ワープができる暇さえあれば1秒かからずこの場に戻れるさ」

 

黎斗さんは立ち上がり、僕の方へと歩いてくる。

 

「決着をつけましょう、黎斗さん」

「ああ、その為に私はこのゲームを用意したのだからな」

 

…僕との一対一の真剣勝負、それをする為だけにこんな大掛かりなゲームを用意した…黎斗さんらしい。

 

「…でも、良いんですか?黎斗さんなら…例え僕との決着をつけると言えど、ゲームを利用するなんて…」

「利用では無い、言っただろう?これは挑戦状だと、ゲンムクロニクルの真のエンディングはこうだ。永夢、君が敗北し全人類がゲンムとなるか、君が勝ち人類の運命を変えるのか…」

 

端から人類がゲンムに打ち勝つゲームとして想定しているわけじゃない、僕が黎斗さんに勝つか負けるか、深夜0時がタイムリミットなどではなく全人類こそがタイムリミット。僕が悠長にしていたら人類は数の暴力によりゲンムとなる。

 

「さぁ、エクストラゲームの大本命だ!!永夢ゥ!!」

「…付き合いますよ、黎斗さんのゲームに、そう…僕は約束しましたからね」

 

『ゼッタイフメツゥ!!』

『マイティノベルエェックス!!』

 

「変身!!」

「変身!!!」

 

『ゼッタイフメツゲンムゥ!』

『俺のストーリーエェックス!!』

 

2つの声が重なる、俺は白のエグゼイド。ノベルゲーマーレベルXに、ゲンムは黒のムテキ。フメツゲーマーレベル?に変身した。

 

『ステージセレクト!』

 

俺達は変身した直後にステージセレクトで広場のステージに飛ぶ。そして俺は紡ぐ、言葉を。

 

「…これで終わりだ、ゲンム」

「ほう?『どのゲンム』だ?」

 

次の瞬間だった、ゲンムの目の前に大量のゲンムが…正確には通常形態のゲンムが沢山湧き出てきた。

 

そのゲンム達はまるでゾンビのように俺に向かってくる。

 

『これで終わりだ、ゲンム』…俺のセリフは全てノベル、運命だ。

 

運命が決定づけられ、その通りの出来事が起こる、それこそがノベルゲーマーの力だ。

 

本来なら今の一言ですべてが終わっている筈だった、だが、奴は返してきやがった、言葉を。

 

「ちっ…!!だったら…フメツ…!!ゼッタイフメツはそこで立ってろ!!」

「残念だが、ここにいるゲンム全てがゼッタイフメツにより生み出されたフメツだ、その言葉では止まらない」

「っ…っ!!!」

 

…やっぱり、ゲンムにはもうノベルは効かない、ノベルの弱点…それは『屁理屈』だ。

 

俺の視点から俺の運命を決定する能力。俺がこうだと信じていればそれが運命になる。

 

逆に言い換えればノベルは『言葉の力』。

 

俺の紡ぐ物語を言葉巧みに屁理屈で並べ立てられると、途端に語るべき物語に齟齬が出る。

 

例えば、俺が目の前にいる子供を女の子だと認識していても、実際は男の子だったり。

 

例えば、仲睦まじい男女を見て恋人だと思ったら実は兄妹だったり。

 

俺から見た物が、俺が感じた物が俺の物語になってしまう、それがノベルだ、そしてそれをある意味でねじ曲げ信じ突き通すのがノベルの力だ。

 

だからこそ、屁理屈で押し通されるとその根本の部分が崩される。『確かに』だとか『そうかもしれない』という理屈がノベルの力を弱体化させる。

 

『屁理屈』や『とんち』じみた問答でゲンムの話術には敵わない、なんせ過去に俺は何度も奴の話術に打ちのめされてきた。

 

そして…ノベルにはもう1つ弱点がある…っ…!!

 

「ノベルには戦闘能力はなァい!!」

 

そう、ノベルには戦闘能力はない、正確には俺が『俺の攻撃は必ず当たる』などの言葉を紡げれば関係がない。

 

でも、それを奴は許さない、今俺を羽交い締めにしてくるゲンム達はおそらくほぼ全て元人間のゲンムだ。

 

下手に俺が攻撃すれば…消滅する。

 

ゲンムはそれを分かってて、こんなにも沢山のゲンムをこの場に召喚したんだ。

 

「くそっ…離せ!!お前達!!」

 

俺のその発言に何体かのゲンム達が離れていく、よし…複数形の発言なら…

 

「ふん!!」

 

その瞬間、ゲンムのライドヘアーが俺に迫りくる、まずい!!

 

「お前の攻撃は俺には当たらなっ…ぐぅぅっ!!?」

「…『お前』とは誰の事だ?」

 

っ…屁理屈が過ぎる…っ!!俺はしっかりと迫りくるゲンムを見てハッキリと発言した、それでも…ノベルで紡ぐには具体性に欠けるって事か…!!

 

『ゲンム』だとか『お前』だとかの表記ではオリジナルのゼッタイフメツゲンムを止めることができない。

 

仮に『オリジナルのゲンム』と発言したとしても意味を為さないだろう、奴の事だ、『私はオリジナルのゲンムではない檀黎斗9610だ』とか言い出す。

 

そして『檀黎斗9610』と指定しても『本当に私が檀黎斗9610だと言えるのか?』なんて言われれば奴に効力を示さないだろう。

 

ノベルの能力が相手に効くのは、相手が自分自身を『自分』だと認識してるから効くんだ。例え『お前』だろうと『ゲンム』だろうとそう思っているのなら曖昧な二人称でも能力は効いている筈。

 

ゲンム…檀黎斗にはそれがない、自分の事を檀黎斗だと思っているし思っていない…だからこそ厄介なんだ。

 

だからこそこんな屁理屈が通るんだ、正直、ノベルのような概念能力が主なガシャットの力じゃ…今のゲンムを打ち負かす…もとい言いまかす事は出来ない。

 

「ふぅん…」

「ぐっ…」

 

俺は背中から倒れ込み、胸部をゲンムが右足で踏みつける、見下されて嫌な気分だ。

 

「ノベルを使って短期決戦を挑んでくるとは…相変わらず容赦がないな、永夢」

「…あんたこそ…1度…負けた相手の…対策はバッチリってか…っ」

 

ゲンムはそのまま俺のガシャットを引き抜き、奪い去る。

 

ノベルを奪われた僕は変身が解除されて元の白衣の姿に戻ってしまう。

 

…今にして思えば『僕以外のこの場にいる全員の動きは止まる』とでも言っておけばよかったかもしれない。

 

でも時既に遅し、黎斗さんにガシャットを奪われた。

 

黎斗さんはノベルを奪ったが何かまだ探しているようなそぶりを見せる。

 

「…ん?おかしい…ムテキはどこだ?」

 

黎斗さんはムテキを探しているようだった、でも残念…ここには無い。

 

「やっぱり…黎斗さんなら…そうしてくると思いましたよ」

「…何?」

「…ノベルは完全対策し完封勝ち……その後はムテキを奪う…それこそが貴方の描いたシナリオ…そうすれば貴方の勝ちですからね…」

 

それに今回は僕の能力対策としてプリンセスコネクトガシャットは黎斗さんが既にゼッタイフメツに変化させている。前回のノベルの時のように奇跡による逆転を無くす為に。

 

「だから、僕はムテキを置いてきたんです、あそこに」

「置いてきただと?…何処に…ふぐぉ!?」

 

黎斗さんの体に何かが衝突し、僕に体重を乗っけていた黎斗さんは吹き飛ばされ地面を転がる。

 

「待たせちまったな…永夢」

「ありがとうございます!貴利矢さん!!」

「九条…貴利矢だと…!?」

 

吹き飛ばしたのは爆走バイク姿の貴利矢さん、すぐに変形しレーザーターボの姿になる。

 

「悪いな、神…お二人さんのゲームの邪魔しちゃってさ、まぁ安心しな、自分もここからは手を出すつもりはないから」

 

そう言って貴利矢さんは僕が預けてたガシャット、ハイパームテキを僕に手渡す。

 

「永夢、もう既に大先生達もかなり危険な状態だ、頼むぜ」

「はい、任せてください…もう、終わりますから」

「いいや、終わらない…このゲームは永遠に続く」

「そうですね……人生というゲームはこの先もずっと続きます」

『ハイパームテキ!!!』

 

僕はハイパームテキのスイッチを入れる、黄金に輝くガシャットは煌めく音声を鳴り響かせ、辺りを照らしていく。

 

『ドッキーング!!パッカーン!!ムーテーキー!!輝け!流星の如く!!黄金の最強ゲーマー!!ハイパームテキエグゼイド!!!』

 

俺は黄金粒子に包まれ、仮面ライダーエグゼイドムテキゲーマーに変身する。

 

黒と金のムテキが揃った…いつかに見た2人のマイティを彷彿とさせる…だが並んではいない。

 

最初の頃のように対立し、相手を見据える。

 

「…レーザー、周りにいるゲンムを頼む」

「…了解」

 

俺はレーザーにそう声を掛けて一瞬でゲンムの間合いに入る、右拳を振るがそれはゲンムの右手で掴まれる。

 

「流石はムテキ…私の最高傑作のゲームだ」

「そういや、あんたとムテキでガチバトルするの初めてだな…!!!!」

 

俺とゲンムは拳で殴り合う、互いに腕を払い、迫りくる攻撃を完璧にいなし防御する。

 

互いのスペックは互角、速さもパワーも同じだ。

 

だけど何か違和感を感じる…なんだ…これ…

 

「はぁ…!!!」

「くぅっ…!?」

 

ゲンムの攻撃が俺の胸部に打ち当たる、その違和感の正体をようやく俺は知覚した。

 

「ぐっ…くっ…これは……ダメージっ…!!?」

 

ムテキにダメージがある…いや違う、ヒットマークは出ていない、ムテキにはダメージはない。

 

ダメージがあるのは『俺自身』だ…!!

 

「ムテキがダメージィ!?(…いや、今にして思えば、自分もそこら辺に違和感を感じてた…俺にはダメージがあったのに変身解除をしなかったあの時…)」

 

レーザーが驚いてる、そりゃそうだ…俺だってガチでビビってる。

 

ムテキでダメージを受けるなんてマジで久しぶりだし、何というか…仮面ライダーで受けるダメージというより生身に直接殴られてる感覚で気持ちが悪い。

 

「…それもフメツの力か」

「その通りだ、フメツには『スペックは無い』」

 

どういう意味だ?

 

「『力』も『スピード』も全てこのフメツには存在しない…無だ」

「無って…それじゃあ理屈が合わない」

「この私に理屈を求めるのか?」

「…そうだな」

 

そうだ、コイツに理屈は通用しない、無というのはゲーム的な表現なんだろう。

 

「フメツには力はない、だがしかし、『プレイヤーに直接固定ダメージを与える力』がある」

「固定ダメージ…ね、ムテキならそれも無効になる気もするが…」

「私がムテキの粗を知らないとでも?」

 

ムテキを生み出したのもゲンムだ、自分で対策を生み出すことも可能。

 

ムテキにダメージを与えることはできない、恐らくゲムデウスムテキのようなイレギュラーな存在以外は。

 

そうなるとプレイヤー自身にダメージを生み出すプログラムを作る、確かにゲンムらしい。

 

「そして私が受けるダメージもまた同じ固定ダメージだ」

「…つまり『ムテキの超攻撃力も無意味』って事か」

 

受けるダメージも与えるダメージも同じ…スペックの差だとかそんなものは一切無くなる。

 

「成る程な、実力勝負、そう言いたいんだな」

「そういう事だ、天才ゲーマー」

 

俺達は再び拳を交える、今度はキックも混ぜ、ライドヘアーで打ち合う。

 

更には高速移動、広大なゲームエリアをふんだんに使って移動と攻撃を繰り返す。

 

パワーが互角なんじゃない、スピードが互角なんじゃない、同じにされているからこそムテキの強さについてくる。

 

「マジかよ…こりゃ自分じゃついていけねぇわな」

 

複数のゲンムを取り押さえながらレーザーが呟く。

 

「くぅっ…!!」

 

俺は空中で掴まれ、そのまま地面に叩き落とされる、その後すぐに無理やり立ち上がらせられ腹部に3回ほど拳を入れられる。

 

俺は切り返しで右ストレートをゲンムの顔面に叩き込み距離を離す。

 

「はぁ…はぁ…くっ…」

「……永夢ゥ…」

 

俺達は互いに片膝をつく、体力が…厳しい…

 

ゲンムもバグスターだがダメージにより疲労している。

 

まだだ…まだ…!!!

 

俺達は再び接近し殴り合い。ゲンムのゲームはいつもこうだ、最後は殴り合いになる。

 

そこに何もなく、ただの…

 

いや…これが…

 

 

黎斗さんの望みなんだ。

 

黎斗さんは自分と対等にゲームができる人間を探していた。

 

そして見つけ出した相手には小細工がない勝負を挑むんだ、黎斗さんは。

 

勝って、それに勝つ事で黎斗さんは証明するんだ、自分が自分であると。

 

だからこそ僕は答えるんだ、そんな黎斗さんに。

 

「…これで最後です、黎斗さん」

「…ゲーマーではなく『君』で来るか…いや実に君らしい、永夢…」

 

『ハイパークリティカァルスパーキングゥ!!』

『ゼッタイクリティカァルクリエイトォ!!!』

 

僕達はキメワザを放つ、激しいエフェクトが飛び散りながら、構える。

 

「はぁぁ!!」

「はぁ!!」

 

跳躍、ここからだ…ここから…!!

 

僕達は一気に接近し、蹴りを打ち込む…っっ!!

 

く…ぐぐぐっ…!!力負け…しそう…!!いや…力負けなんて存在しない、フメツの力でそれはありえない!!

 

ここからは…心の強さだ!!!心を滾らせろ!!!

 

「はぁぁぁぁ!!!!」

 

凄まじい爆発が起こり、僕達はバランスを崩しながら地面に叩きつけられ転がる。

 

不格好でも…勝負は付いた。

 

「はぁ…はぁ…黎…斗さん…っ」

「ぐっ…くっ…これで…ゲームは…終わり…か…」

 

先に変身が解除されたのは僕だった、でも黎斗さんの方もその後すぐに変身が解除される。

 

お互いにボロボロだ、普通のライダーバトルよりも自身の体に直接ダメージの入るフメツとの戦いでの傷は重い。

 

周りにいた複数のゲンムも消滅…消滅!?

 

「安心したまえ…私の敗北と共に…ゲンムウイルスに感染した人間は全て消えた場所にデータとして送られる…すぐにでも…元の姿に戻るだろう」

「そこまで考えているなんて…流石黎斗さんですね」

 

僕がそう言うと、あの黎斗さんが微笑んだ、前までの不敵な笑みじゃない、本心だ。

 

「…黎斗さん…変わりましたね」

「…ふっ…何を言うかと思えば…私は変わらない…今も昔も…これからも」

 

…そう言って笑う黎斗さん…少しだけ僕は悔しかった、僕は以前、黎斗さんの笑顔を取り戻そうとしていた。

 

…でもそれは最後の最後まで叶わなかった。

 

そして笑顔は…この笑顔を取り戻したのは、きっとあの女の子達なんだって、そう思った。

 

プリンセスコネクトガシャット、あれはただ僕達にフメツを作らせる為だけに生み出したものなんかじゃない、僕達に見せたかったんだ、自分が変わるきっかけをくれた子達を。

 

だから悔しいんだ、僕よりも先に黎斗さんの笑顔を引き出したあの子達を。

 

変わったものと変わらないもの、黎斗さんはきっとこの先も大きく変わったりする事はないだろう。でも…少しなら少しづつなら変わっていく。

 

「…神…どういう事だ?あんたがこの程度で終わるわけがない、まだフメツの力…残ってんだろ?自分には嘘が分かる」

 

変身を解いた貴利矢さんが歩み寄ってくる、フメツの力がこの程度なわけが無い、僕もそう思っていた。

 

「…なに…初めに言っただろう、ゲームクリアおめでとう、と…あの時点で私は既に負けていたんだよ君達に……。そしてこのゲームはエクストラゲームだ」

 

黎斗さんは立ち上がる。

 

「…君達のゲームは永遠に続く、いずれまた、君達に挑戦しよう、私の才能の旅は終わらない」

『GAME OVER』

 

その言葉を残して黎斗さんは霧になって消えた。

 

こうして、黎斗さんが引き起こしたゲンムクロニクルは終結した。

 

 

 

 

「はい、トース!!」

 

僕達は今、貴利矢さんの結婚式に来ている、白いタキシード姿の貴利矢さん…正直似合わなくて笑っちゃう。

 

花嫁である紗衣子さんがブーケを投げるとそれをとったのは…

 

「おお!!小姫さん!!流石だね〜持ってるね〜!」

「ありがとうございます!」

「当たり前だ、既に俺は彼女に指輪を送っている」

 

ブレない飛彩さんにキャッチし損ねたニコちゃんと明日那さんがしょぼくれている。

 

「ちょっと大我!!身長でかいんだから取ってよ!!」

「俺が取んのかよ!!お前が勝手に取ってろ!!」

「はぁ?…はぁ、結婚とかしてやんね」

「…お前なぁ…」

 

ニコちゃんと大我さんは以前より凄く仲良くなってる、多分、ブーケを受け取った小姫さん、飛彩さんよりも先に結婚しそうだなぁ…あの2人。

 

「こういったもんは初めてだが…中々心が躍るな、永夢」

「ああ、これも…黎斗さんのおかげなのかもしれない」

 

今回の件で僕達は新たな一歩を踏み出した。

 

黎斗さんが残したゼッタイフメツにはどうやらゴッドマキシマムのデータを解析するシステムがあるらしく、データをバグスターに、バグスターを人間にするという手段がかなり簡潔に出来るようになるとの事だった。

 

つまり…早ければ年内中にはバグスターを人間に戻し復活することが出来るという事だ。

 

正直、何年もの間、止まっていた再生医療がたった1つのガシャットで解決してしまう…やはり黎斗さんの才能は恐ろしい。

 

それだけじゃない、データ化し再び復活するという黎斗さんが示した命のあり方…これが少し世界では前向きに考えられるようになった。

 

余命幾ばくもなく死を待つだけの人をデータ化し完治した状態で蘇生する…

 

理想的で現実味を帯びたその技術は革新的だ。

 

僕達ドクターとしては1度死んでもらうなんて認められない事だし、僕個人としてもあまり気は進まない、この件に関して否定的な世論は当然ある。

 

答えを出すのは僕達ではないにしろ…何となく、黎斗さんが世界に理解された気がしてほんの少しだけ嬉しかった。

 

あの人はあの人なりの命の考え方があった、それが多少なりとも理解されたとなればあの人も本望だろう…いや、そんな事はないか、あの人に常識なんか通用しないし。

 

人間に戻す作業には飛彩さんや大我さん達も加わるらしい、飛彩さんは小姫さんを一刻も早く治す為に、大我さんはフメツガシャットの解明の為に。

 

この光景に黎斗さんはいつか加わることができるのだろうか、以前にも似たようなことを思って、僕は『多分』とつけた。

 

でも今なら言える、『ゼッタイ』って、なんとなく絶対だ、矛盾してるけど。

 

そんな未来を思い描きながらも僕の方は今まで通り小児科とCRで生活していくだろう、でも1つ違うのは…

 

「明日那さん」

「ん?何永夢」

「…これからもよろしくお願いします」

「ふふ…改まって変なの」

 

僕の隣には彼女が常に居ることになるって事。

 

これからの僕のゲームは…僕1人のものじゃなくなって…これからもずっと続いていく。

 

 

 

 

 

 

プレイヤーの君へ。

 

私は檀黎斗…とここでは名乗っておくとしよう、個体番号9610が破れ消滅、既にデータは統合処理済みだ。

 

檀黎斗ネットワークでは今回の件…檀黎斗9610が独断で行った行動に対して騒ついている。

 

まさかこの様な変化が起こるとは…私自身驚きを隠せず非常に興味深いものとなった。

 

彼女達との出会いは多少なりとも檀黎斗の人格に影響を及ぼしたのは事実だ、否定はできない、何故ならば統合した私が言うのだからな。

 

プリンセスコネクト、ゼッタイフメツ…これらのガシャットは是非次回のゲームに活かそう。

 

さて、再生医療の方だがまさか9610が助力するとは思いもしなかった。

 

先の通り変わった私だ、誰かの為に手を伸ばした、というのは面白い行為だ。そのおかげで私の技術が、才能が凡人共にも浸透してきたというのは誇らしい、是非そのまま私のレベルにまで到達してもらいたいものだ。

 

ゲンムクロニクルというのも中々面白い発想だった、だがしかし解せないのは全て永夢との一騎打ちの為だけに製作されたゲームだということだ。ゲームクリエイターとして、その点に関しては減点しておこう。

 

この後も私はゲーム制作に勤しみ、今回の件での発想や反省を活かし、次にもまた君に攻略できないゲームを叩きつけてやる。

 

その前に…君が人生というゲームで、ポッピーというバグスターと…種族を超えた愛の絆を見せてくれることを楽しみにしている。

 

何故なら、それ自体が…私の仕掛けた攻略できないゲームなのだから。

 

是非、攻略してくれたまえ、天才ゲーマー。

 

私はいつでもここから君の人生の動向を探りつつ新たなゲームを作っているよ。

 

くく…くはは…!!!ヴァーッハッハッハッハッハッハッハッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 






『ゼッタイフメツゲンム』
フメツゲーマーレベル無

スペック
無し

・檀黎斗いわく、力も速さも設定されておらず、常に相手と同じになる。
与えるダメージ、受けるダメージも固定化され、どんな強大な相手だろうと同じ強さになる。逆に相手が弱い場合でも同様。

・ダメージは全て変身者に直接与え、ムテキのような力を持ってしてもアーマーに干渉することなくダメージを与える。

・ゲームエリア内で発生する特殊な能力を強力な妨害電波で阻害し無効化する。

・起動と同時に全世界にゲームエリアが展開され10億のゲンムと地球上の全ての生物にゲンムウイルスを感染させる力を持つ。

・地球上に存在するゲンムを任意にワープ召喚可能

・ゲームオーバーになっても地球上に存在するゲンムを1体消費することでコンテニューすることができる。実際のコンティニュー回数は10億+α


・黎斗が考えた『どんなに強い相手だろうが弱い相手だろうが自分と同じにする』ガシャット。
自身の才能に到達しないのであれば同じにするという願望がつまったガシャットである。








次回『星の王女様20XX』




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