優勝チームには、10万円相当の何かが贈られると言うのもあり、盛り上がりを見せる各チームのメンバー達。其々が1位の商品に思いを馳せる中、チーム対抗隠し芸大会の幕が上がるのであった。
「では、トップバッターは………風紀を取り締まったら大洗1。厳しさの中に厳しさが滲む。地震、雷、火事、風紀委員。カモさんチームです」
「「「「「「「「「「わあああ~~~~っ!」」」」」」」」」」
柚子のナレーションと共に歓声が上がり、特大宴会場のステージの幕が上がり、トップバッターのカモさんチームが姿を現す。
「「「私等強気な風紀委員娘♪皆言ってる陰口を♪カモさんチームのお名前は♪そど子、ゴモヨ、パゾ美とは随分ね♪」」
舞台中央で三味線を弾くみどり子と、その両サイドでクラシックギターを弾いているゴモヨとパゾ美が現れた。
「へぇ、園さんって三味線弾けるんだな。今度教えてもらおうかな」
「え?ミーナ、お前三味線に興味あったのか?知らなかったな」
「まぁ、これでも父親が音楽学校の教師だからね。いろんな楽器には興味あるわよ」
風紀委員3人の演奏を聞きながら呟いたミーナに秋人が訊ねると、ミーナは少し照れ臭そうに頬を掻きながら答えた。そうしている内に演奏が終わり、彼女等の芸が披露された。
「それでは御覧に入れます!奇妙、奇天烈、摩訶不思議!分身の術!!」
と、みどり子がそう言うと、何時の間にかその後ろに隠れていたモヨ子と希美がバッと姿を現す。
「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」
途端に会場内が一斉に静まり返る。
「瞬間移動!」
しかし、みどり子は聞こえていないのか気にしていないのか、芸を続ける。モヨ子が近くに在った台の陰に隠れる。
「消えたと思ったら!?………あんなところに!?」
「あ………」
そしてみどり子がそう言うと、希美が優花里の近くのテーブルの下から出て来てギターを鳴らす。
「いや、単に希美さんが隠れてただけじゃ………」
「まさか、ずっとこんなんが続くのか?」
ミーナがそう指摘すると、秋人がそんな事を呟く。
「幽体離脱~」
しかし、そのまさからしく、カモさんチームは今度は小太りな双子の芸人の持ちネタを披露する。
「「…………」」
「酷過ぎるな………」
「幾らなんでも、コレで笑う人は………」
「いないね………」
良が酷評し、綾乃や幸也も困惑の様子を露わにしている。
「それでは皆さん!」
「「「さ~よ~う~な~ら~」」」
みどり子達がそう言い残し、幕が下りると
「2番手は、汗はオイル。心はエンジン。カーブでもアクセルは緩めない。トップスピードで人生を駆け抜ける自動車部、レオポンさんチーム」
柚子がそう言うと、幕が開いて派手な衣装に身を包んだレオポンさんチームが現れる。
「「「「イッツ、ショータイムッ!!」」」」
「ジャジャーンッ!!」
「ジャジャジャンッ!!」
そして、ホシノが身を反らしながら腕から花束を出現させ、ツチヤが被っていたシルクハットから鳩を出現させる。
「お~っ!」
優花里が拍手を送っていると
「手品か」
「凄いです……!」
「コイツは凄いな」
「こんな手品、ショーとかでしか見られないと思ってた」
「ジャスパー・マスケリンみたいね」
かなり受けは良く、秋人達も感心した様子だ。
「それでは最後の大ネタ!!」
と、ナカジマがそう宣言したかと思うと、ステージ上にアヒルさんチームの八九式中戦車が現れた。
「「ああ~~~っ!?」」
「八九式がっ!?」
「何時の間にっ!?」
突然自分達の戦車が現れ、アヒルさんチームからは困惑の悲鳴が挙がる。
「此処に有ります八九式を見事変身させてみせます」
ナカジマが更にそう言うと、レオポンさんチームと八九式が敷居で隠される。
「「「「うわあああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!?」」」」
機械音が響く中、アヒルさんチームの絶叫が挙がる。
「ちょっと待ってー」
途中、スズキがそう言うのを挟み、やがて敷居が外されたかと思うと………何と八九式の姿は無く、代わりにポルシェティーガーの姿が露わになった!!御丁寧に、砲塔横のマークはアヒルさんのままである。
「凄いっ!」
「ポルシェティーガーですよ!」
「何コレ、イリュージョンッ!?」
みほ、優花里、沙織から驚きの声が挙がる。
「ふざけるなーっ!」
「ウチの八九式に何するのよぉっ!!」
「返せーっ! ウチの戦車返せーっ!!」
一方、アヒルさんチームの面々からは非難轟々である。
「コッチの方がぁ強そうだけどなぁ」
優希がそう呟く。
「あ~、落ち着いて、落ち着いて!ほいっ!!」
とナカジマがアヒルさんチームを宥めながら号令を掛けると………ポルシェティーガーが2つに割れて、元の八九式の姿が現れる。
「書き割りかよ……」
「凄くリアルだったわね」
秋人とミーナがそう言い合う。
「「「「「「「「「「あ~………」」」」」」」」」」
「皆何でガッカリしてるのよっ!?」
「ウチの八九式を馬鹿にするなっ!!」
と、八九式に戻ってしまった事にガッカリしている様子に、アヒルさんチームが不満をぶつける。
「ハイ、それでは3番目チームは、2次元の戦いに命を燃やし、クリック、エンター、キー操作!指の動きは天下一品!アリクイさんチームです!!」
柚子がそう言うと、幕が上がってアリクイさんチームが姿を見せる。珍しくねこにゃーがメガネを外している。彼女等の出し物は………………『カエルの歌』だった。幼稚園や小学校の音楽では、誰もが経験するであろう、『カエルの歌』、しかも輪唱。それを延々繰り返すつもりのようだ。
「コレだけ?」
「コレだけっぽいよ」
「ええっ?」
まさかの輪唱だけと言う芸に、ウサギさんチームからは困惑の声が挙がる。
「誰か止めてよ」
「もう良いよ~」
「終わり~!」
「退場!」
アリクイチームの出し物は、ほんの数秒で強制終了となった。
「それでは4番手!『出来ない~!』『無理~!』『分からない~!』。年下だから許される!?若いは正義も今の内!1年生ウサギチームです!」
垂れ幕が上がると、舞台上には、何時の間にか体操服に着替えたウサギチームの面々が立っていた。
「サボテン!」
組体操のサボテンを披露した。
「「「「「「「「「「おお~~っ!」」」」」」」」」」
みんなから、感心の声と共に拍手が挙がる。更に梓が笛を吹くと………
「扇!」
今度は扇が披露される。
「頑張れー」
「体育祭みたい」
心配そうにウサギさんチームを見守る沙織と、微笑ましそうに笑っているみほ。
「戦車やれー!戦車ーっ!!」
とそこで、突然優花里が大声で騒ぎ始めた。
「!?秋山さんっ!?」
「顔が赤いですよ?」
「酔ってる………」
「オレンジジュースで!?」
「酔うわけないだろ、場に酔っただけだろ」
突然ハイテンションになった優花里に、みほ達が困惑していると秋人がそう言う。
「ピラミッド!」
一方ステージでは、最後のピラミッドが披露されている。
「やったーっ!!」
見事に技が決まった事を我が事の様に喜ぶ沙織。まるで我が子の学芸会を見る母親である。
「沙織さん、お行儀悪いわよ」
そんな沙織に、華がこれまた母親の様に注意するのだった。
「やったー!」
「「わーい!わーい!」」
「練習した甲斐あったね!」
見事に隠し芸披露が終わり、大満足な様子のウサギさんチーム。
「うふふふ」
「つまらん………」
「可愛いじゃないの」
笑いを零す柚子とバッサリ切って捨てる桃。
「次は、復活掲げて幾星霜。どんな苦労もレシーブし、野次や嘲りブロックし、アタック道を切り開く!バレー部アヒルさんチーム!」
続いて幕が開き、ステージ上に現れたのはアヒルさんチームの面々だった。
「それではモノマネやりまーす!分かった人は手を上げて答えて下さーいっ!!」
「面白そうですね」
「五十鈴殿、何でそんなにワクワクしてるんですか?」
典子がそう宣言すると、華が楽しそうな様子を見て、優花里が尋ねる。
「私、当てるの大好きなんです」
「砲手だけに………」
「ああ………」
華がそう答えると、麻子がツッコミを入れ、沙織が納得した様な顔になる。
「「ズズ………」」
とそこでアヒルさんチームのモノマネ披露が始まり、先ず妙子と忍がティーカップを手に紅茶を嗜み始める。
「分かりました!」
「いや、まだモノマネしてませんから!」
その時点で華は誰のモノマネか察したようだが、典子からそうツッコミを受ける。
「ねえ知ってる?優秀な将とは根の様なもので、そこから勇敢な兵士が枝の様に現れるのよ」
「はいぃ?」
と、妙子がそう格言を決めると、忍が呆けた様な返事を返す。
「ダージリンさんとオレンジペコさん!当たってますよね?」
「コレ、当てられない方が如何かしてるよ」
華が若干興奮した様子でそう問うと、沙織がツッコミを入れる。
「けど、そっくりね」
「クオリティ高いな」
一方ミーナと秋人は、2人のモノマネが結構高いレベルな事に若干驚く。
「じゃあ、次行きます」
典子がそう言うと、あけびが右目に片メガネを掛ける。
「分かりました!」
「すみません、五十鈴さん!モノマネの後にして下さいっ!!」
またも華が早くも察し、典子に注意される。
「良いか!下手な芸をした奴は絶対に許さん!厳罰に処す!!」
「河嶋の真似かぁ。似てるよな、小山」
「うふふ………ですね」
そしてあけびが桃のモノマネをすると、杏と柚子が似ていると評価する。
「全然似てないっ!!」
しかし、当の桃は不満タラタラである。
「桃ちゃん。そんなに怒らないで」
「桃ちゃんと呼ぶな!!」
あけびが続けて柚子のモノマネをすると、再び桃が喚く。
「もう駄目だよ~、柚子ちゃ~ん」
「アハハッ!!」
「笑うな! 何故笑うっ!!」
余程似ていたらしい。メンバー全員が大笑いしていた。
「や、止めて下さいっ!皆チームメイトなんですから!戦うのは味方でなく、敵となんです!!」
「みほさん!」
「えっ!? 私っ!?」
するとそこで典子がみほのモノマネでそう言い、華が言い当てると、みほが驚く。
「本当に驚くほどよく似ているな」
バレーチームの意外な才能に改めて驚く秋人。
「んん~~………西住殿の言う通りです」
続いて、髪の毛をボサボサ状態にして優花里のモノマネをする典子。
「秋山さん!」
「ぐー………」
更に今度はステージ上に寝て寝息を立てる。
「麻子さん!」
「女子はねえ、下手にスペックが高いより、低い方がモテたりするの。ちょ~とポンコツな方が可愛いでしょ?」
そして典子は、今度はモテトークを言う。
「沙織さん!全部合ってますよね?」
「華、皆も分かってるから」
1人で盛り上がっている華に、沙織がそうツッコミを入れる。
「弾は1発で十分です。絶対に命中させます」
「コレは何方でしょう?」
「「「「ええ………」」」」
典子は最後に華のモノマネをするが、当の本人が分からず、みほ達は困惑する。
「五十鈴さん、あれ貴女だぞ」
するとそこで、秋人がそう指摘する。
「えっ?私あんな風でした?」
「いつも、五十鈴さんの姿見ているからわかるよ。(灯台下暗し自分の事には全く気が付かない、いい気なもんだな)」
「や、やだ、日向さんったら………」
秋人がそう言葉を続けると、華は照れた様子を見せる。
「「「「以上で~す」」」」
とそこで、アヒルさんチームの芸の披露が終わる。
「あ、もう終わりですか………」
「いや、ガッカリしてるの華だけだよ」
物足りなさそうに華が残念そうにしていると、沙織がそうツッコミを入れる。