ガールズ&パンツァー 蘇る宿命の砲火   作:人斬り抜刀斎

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エンカイ・ウォー!その3

祝賀会にて開催され、各チーム対抗の隠し芸大会。最初にカモチームから始まって、レオポン、アリクイ、ウサギ、アヒルと続いてきた。無反応、高揚からの落胆、ブーイングなど、かなり散々な評価を下されたチームもある中で隠し芸大会もいよいよ半分以上まで来た。

 

「未来は見ない、過去を見る!浪漫求めて成りきって!カバさんチーム!!」

 

その声と共に垂れ幕が上がると、ピアノを弾いているエルヴィンと、その隣の椅子に腰掛けるおりょう。鼻に洗濯バサミをつけている左衛門左、そしてその隣に並び立つカエサルが現れた。

 

「そんな事したって、鼻は高くならないわよ、エイミー」

 

「そんな事ないわ、ジョー」

 

鼻に洗濯バサミを挟んでいる左衛門佐に、カエサルがそう言うと、左衛門佐が反論する。

 

「エイミーは今のままでも可愛いわ」

 

「ベスは優しいのね」

 

「メグお姉様の方がお優しいわ」

 

今度はピアノを弾いているエルヴィンと椅子に座っているおりょうがそう会話を交わす。

 

「若草物語だぁ!」

 

「何それ~?」

 

梓が若草物語の演劇である事に気づいてそう言うが、あやは知らない様で首を傾げる。

 

「ああっ!?」

 

するとそこで、ピアノを弾いていたエルヴィンが突然倒れる。

 

「べス!」

 

「如何したのべス! しっかりしてっ!!」

 

「早くベッドへ!」

 

左衛門佐、おりょう、カエサルがそう言うと、一旦幕が下りて場面が転換。幕が上がると、エルヴィンの寝るベッドの周りに座り込んでいるカエサル達が露わになる。

 

「お願いべス。助かって」

 

「私良い子になるから!」

 

「ああ、お父様が居て下さったら………」

 

「お父様は1861年から始まった南北戦争で、立派に戦っていらっしゃるのよ」

 

「南軍がサムスター要塞を砲撃したのが切っ掛けだったのよね」

 

「歴史ネタ禁止と言ったろー!」

 

とエルヴィンと左衛門佐から思わず歴史ネタが出ると、即座に桃から怒声が飛ぶ。

 

「分かってます分かってます」

 

「ああ! お父様が居て下さったら………」

 

カエサルが手を振ってそう返すと、カバさんチームは演技を続ける。

 

「お父様は立派に戦ってらっしゃるのよ」

 

「戦争が長引くからいけないんだわ!」

 

「第一次ブルランの戦いの戦いで、南軍が激しく抵抗するから!」

 

「ロバート・エドワード・リーは、アメリカ史上屈指の名将だから!」

 

「お前達~」

 

尚も歴史ネタが飛び出すカバさんチームに、桃は更に怒りを募らせる。

 

「分かってます分かってます」

 

再度カエサルが手を振ってそう返すと、カバさんチームの演技が再開する。

 

「苦しい………」

 

「しっかりしなさい、べス!」

 

「死なないでぇ! 私良い子になるから!!」

 

「リンカーンが大統領に就任したら戦争は終わる!」

 

「そうしたら、お父様が帰っていらっしゃるわ!」

 

「でもリンカーンは、ロバート・エドワード・リー将軍が降伏した6日後に暗殺されてしまう!」

 

「フォード劇場でね………」

 

「ボックス席に座っていたところをデリンジャーピストルで撃たれたの!」

 

「1865年の事よ」

 

「その年は日本でも色々有ったわ。雷門が焼けたり、長崎で蒸気機関車が走ったり………」

 

「お前等! 歴史禁止だと言っただろう!!退場っ!!」

 

しかし、またも歴史ネタが入ってしまい、堪忍袋の緒が切れた桃により、カバさんチームの演劇は強制終了となった。

 

 

「それでは皆さんお待ちかね!まさかの戦い繰り広げ、戦車道史に新たな歴史を刻んだ優勝の立役者!」

 

そしていよいよあんこうチームの出番が訪れる。幕が上がり、姿を見せたのは………

 

「野行き、森行く!オリーブドラブッ!!」

 

「海は任せろ………ネイビーブルー」

 

「黒い森行く………ジャーマングレーッ!」

 

「砂漠に咲く花!デザートピンクッ!!」

 

「錆から守る!オキサイドレッドッ!!」

 

ヒーロースーツに身を包み、ポーズと共に名乗りを挙げるあんこうチームの面々だった。

 

「5人の力で戦車が動くっ!」

 

「「「「「我等! パンツァーファイブッ!!」」」」」

 

そして、みほの号令で、全員が一斉にポーズを取って名乗りを決める。彼女等の背景に、あんこうチームのエンブレムと『P5』と言う文字が現れた。

 

「「ガーハッハッハッハッ!!」」

 

とそこで、ホタテの着ぐるみを来た柚子と、カジキマグロの着ぐるみを着た桃が、やや棒読みな笑い声と共にステージ上に登場する。

 

「あー!あそこに敵がーっ!!」

 

「悪の組織!生徒会だぁっ!!」

 

若干棒読みな華と、ノリノリな様子の優花里。

 

「大洗は我々が支配した!」

 

「此処は悪の本拠地になるのよー」

 

またも棒読み気味に台詞を言い放つ桃と柚子。

 

「そうはさせない!」

 

「私達がお前達を倒す!」

 

「行くわよ!生徒会ッ!!」

 

「正義の拳を受けてみろっ!!」

 

「行くぞっ!」

 

そんな桃と柚子に、敢然と立ち向かう事を宣言するパンツァーファイブ。

 

「わーいっ!!」

 

「良いぞーっ!」

 

「頑張れーっ!!」

 

そしてアクションシーンが展開されると、ウサギさんチームから歓声が挙がる。

 

「うわ~ん」

 

「クソーッ!」

 

パンツァーーファイブがポーズを決めている前で動けなくなっている柚子と桃。

 

「パンツァーファイブ!このあんこう怪人が相手だーっ!!」

 

するとそこで、あんこうの着ぐるみを着た杏が、リフトに乗って現れた。

 

「今度はお前等が鍋になる番だぞ………」

 

「トオォーッ!!」

 

「アーレーッ!!」

 

まだ台詞の途中と思われたところで、みほがワイヤーアクションでの蹴りを杏に食らわせ、ステージ上に倒す。

 

「あんこう倒せっ!!」

 

「「「「「あんこう倒せっ!!」」」」」

 

「「「「「「「「「「あんこう倒せっ!!」」」」」」」」」」

 

そこで、みんなからあんこう倒せのコールが挙がる。

 

「む………むむむむ!………うがーっ!そうはいかない!!おりゃーっ!!」

 

「「「「キャーッ!?」」」」

 

すると、そのコールにムッと来た様子を見せた杏が、起き上がるがいなやパンツァーファイブを蹴り倒した!!

 

「会長!!」

 

「段取りが違いますっ!!」

 

「やられる筈だろう」

 

途端に、優花里、華、麻子から抗議の声が挙がる。

 

「煩ーいっ!大洗は………あんこうが守るっ!!」

 

『『『『『『『『オオーーーッ!』』』』』』』』

 

「これ、勧善懲悪モノの戦隊ヒーロー劇だろ!?なんで怪人がヒーローに勝っちゃうだよ、どんな逆転現象!!」

 

何時の間にか立場を入れ替えてしまっている杏。観客達からの拍手の中に盛大なツッコミを混ぜながら、あんこうチームの出し物は終了した。

 

 

「さて次は、悪知恵猿知恵働かし、花も嵐も踏み越えて、どんな苦境も乗り切った、御存じ生徒会・カメさんチーム」

 

「今言ったの五十鈴さんだろ!?何時の間に移動してたんだ!?しかもノリノリだな、五十鈴さん」

 

「秋人、その辺りは気にしたら負けだ」

 

ミーナがそう言って宥めるのを他所に、垂れ幕が上がる。其所には湖の絵を背景にバレエのクラシック・チュチュ姿でお辞儀をしている柚子の姿が現れる。

 

「生徒会は『白鳥の湖』ですね。此処でバレエに詳しいバレー部の佐々木さんに解説をお願いしたいと思います」

 

「ややっこしい言い方なさだな………」

 

「と言うより、バレエにも詳しかったのか………」

 

実況するような口振りで、典子があけびに言った。台詞の一部に駄洒落が含まれているが気にしたら負けであるのだが、良と幸也がそうツッコミを入れる。

 

「これはオデットが小山さん、王子が会長と言った配役ですね」

 

あけびがそう言う前で、杏がポーズを取った柚子を両手で持ち上げた。

 

「見事なリフトが決まりました!」

 

あけびが言うと、今度は黒いレオタードを着た桃が現れる。

 

「恋敵役の黒鳥が河嶋さんですが、この次が見せ場です!」

 

あけびがそう言うと、桃は高速で回り始める。

 

「「「「「「「「「「おお~~~っ!!」」」」」」」」」」

 

「コレは素晴らしい!32回転フェッテッ!軸足が全然ブレずに見事に決まりました!!」

 

再び観客から歓声が挙がる中、あけびが解説すると幕が下りる。これで、大洗の8チームの出し物が全て終了した。このまま結果発表に移るかと、思いきや………………

 

「んじゃ、次は日向くん達ワシさんチームの皆に出し物やってもらうよ~♪」

 

「「「「「……………え!?」」」」」

 

と杏からそう言われた秋人達は、キョトンとした声を上げる。

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