杏から秋人達ワシさんチームも隠し芸をしろと言われた。
「おいおい、俺等も隠し芸を披露するのかよ」
「その辺の知らせは全然聞いてなかったから、いきなり何か披露しろとか言われてもなぁ」
祝賀会において、大洗チームの隠し芸大会で盛り上がりを見せている中、突如としてワシさんチームも隠し芸を披露する事が決まり、当のメンバーは戸惑いを隠せずにいた。
「予習も練習も全然してねぇけど、全員で力比べをやるってのはどうだ?」
「そんな脳筋な発想はどうなんだ良」
「じゃぁ、ガンプレイ&ジャグリングは?」
「それ、誰が見たがるんだ?」
「なんでもいいんじゃないの、特に禁止事項とかは無いみたいだし」
「そうだな、適当でいいんじゃね?」
等々、出し物が思い浮かばずにもめるワシさんチーム一行。それを見ていた杏は、悪戯が成功した子供のような笑みを浮かべながら秋人達に近づいた。
「いやぁ~、もめてるみたいだねぇワシさんチームの皆」
『『『『『『『誰のせいだと思ってんだ!!』』』』』』』
おちゃらけたように言う杏に、ワシさんチーム全員からのツッコミが飛ぶ。
「まぁまぁ、そんなに怒らなくても良いじゃん」
杏はそう言う。まぁ、その後なんや感やあったが決まったらしく杏は、目線で柚子に合図を送る。それに頷いた柚子は、マイクを持ち直して言った。
「さぁ、それでは始めてもらいましょう!」
柚子がそう言うと、広間が暗転して垂れ幕にスポットライトの光が当てられる。
『過去からタイムスリップして来た軍人!?どんな敵をも一掃する怖いもの知らずな最強チームワシさんチーム!!』
威勢の良い柚子の声と共に垂れ幕が上がり、舞台の照明がつく。そこには、浴衣から軍服に着替えた秋人達が立っており、その後ろにはグランドピアノがあった。
「えぇ、あらかじめ言っておきます。今から発表するのは特定の政治団体や思想を賛美したり貶めたりする物でありません。歴史的事実として歴史を直視し、検討していく上で使用します」
と秋人はみんなに注意事項を説明するとピアノの前に座り演奏を始めるとミーナ達と共に歌い出す。
1.Deutschland, Deutschland über alles,
Über alles in der Welt,
Wenn es stets zu Schutz und Trutze
Brüderlich zusammenhält.
Von der Maas bis an die Memel,
Von der Etsch bis an den Belt.
Deutschland, Deutschland über alles,
Über alles in der Welt!
(ドイツよ、ドイツよ、すべてのものの上にあれ
世界のすべてのものの上にあれ
護るにあたりて
兄弟のような団結があるならば
マース川からメーメル川まで
エチュ川からベルト海峡まで
ドイツよ、ドイツよ、すべてのものの上にあれ
この世のすべてのものの上にあれ)
2.Deutsche Frauen, deutsche Treue,
Deutscher Wein und deutscher Sang
Sollen in der Welt behalten
Ihren alten schönen Klang,
Uns zu edler Tat begeistern
Unser ganzes Leben lang.
Deutsche Frauen, deutsche Treue,
Deutscher Wein und deutscher Sang!
(ドイツの女性、ドイツの忠誠、
ドイツのワイン、ドイツの歌は
古からの美しき響きを
この世に保って
我々を一生の間
高貴な行いへと奮い立たせねばならぬ
ドイツの女性よ、ドイツの忠誠よ、
ドイツのワインよ、ドイツの歌よ)
3.Einigkeit und Recht und Freiheit
Für das deutsche Vaterland!
Danach lasst uns alle streben
Brüderlich mit Herz und Hand!
Einigkeit und Recht und Freiheit
Sind des Glückes Unterpfand.
Blüh' im Glanze dieses Glückes,
Blühe, deutsches Vaterland!
(統一と正義と自由を
父なる祖国ドイツの為に
それを求めて我らは皆で兄弟の如く
心と手を携えて努力しようではないか
統一と正義と自由は
幸福の証である
その幸福の輝きの中で栄えよ
栄えよ、父なる祖国ドイツ)
秋人達が歌った歌はドイツの国歌『ドイツの歌』を演奏して次の曲を演奏する。その音楽は大ドイツ国の第二国歌兼ナチ党党歌。共産主義者に殺された突撃隊の中隊長であるホルスト・ヴェッセル少尉が作った詩を元に作られた曲
'『旗を高く掲げよホルスト・ヴェッセルの歌』
1.Die Fahne hoch!
Die Reihen fest geschlossen!
SA marschiert
Mit ruhig festem Schritt
Kam'raden, die Rotfront und Reaktion erschossen,
Marschier'n im Geist
In unser'n Reihen mit
Kam'raden, die Rotfront und Reaktion erschossen,
Marschier'n im Geist
In unser'n Reihen mit
(旗を高く掲げよ!
隊列は固く結ばれた!
突撃隊は不動の心で、確かな歩調で行進する
赤色戦線と反動が撃ち殺した戦友たち、
その心は我々の隊列と共に行進する
赤色戦線と反動が撃ち殺した戦友たち、
その心は我々の隊列と共に行進する)
2.Die Straße frei
Den braunen Bataillonen
Die Straße frei
Dem Sturmabteilungsmann!
Es schau'n aufs Hakenkreuz voll Hoffnung schon Millionen
Der Tag für Freiheit
Und für Brot bricht an
Es schau'n aufs Hakenkreuz voll Hoffnung schon Millionen
Der Tag für Freiheit
Und für Brot bricht an
(褐色の衣を纏った軍勢に道を空けよ!
突撃隊員に道を開けよ!
期待に満ちて何百万もの人々が鉤十字を見上げる
自由とパンのための日が明けるのだ
期待に満ちて何百万もの人々が鉤十字を見上げる
自由もパンのための日が明けるのだ)
3.Zum letzten Mal
Wird Sturmappell geblasen!
Zum Kampfe steh’n
Wir alle schon bereit!
Schon flattern Hitlerfahnen über allen Straßen
Die Knechtschaft dauert
Nur noch kurze Zeit!
Schon flattern Hitlerfahnen über allen Straßen
Die Knechtschaft dauert
Nur noch kurze Zeit!
(遂に突撃ラッパが吹きならされる!
我々は皆、既に戦いの準備を整えている!
まもなくヒトラーの旗が全ての道の上にはためく
奴隷状態が続くのも、後もう少しだ!
まもなくヒトラーの旗が全ての道の上にはためく
奴隷状態が続くのも、後もう少しだ!)
1.Die Fahne hoch!
Die Reihen fest geschlossen!
SA marschiert
Mit ruhig festem Schritt
Kam'raden, die Rotfront und Reaktion erschossen,
Marschier'n im Geist
In unser'n Reihen mit
Kam'raden, die Rotfront und Reaktion erschossen,
Marschier'n im Geist
In unser'n Reihen mit
(旗を高く掲げよ!
隊列は固く結ばれた!
突撃隊は不動の心で、確かな歩調で行進する
赤色戦線と反動が撃ち殺した戦友たち、
その心は我々の隊列と共に行進する
赤色戦線と反動が撃ち殺した戦友たち、
その心は我々の隊列と共に行進する)
現在のドイツでこの曲を公の場で歌ったり演奏したりするのはドイツ刑法86条民衆煽動罪により禁止されている。ドイツやヨーロッパに旅行する際は絶対に歌わないで下さい。逮捕されるか、現地の人達ボコボコにされます。
しかし、敗戦国と化した祖国から海外に離散した元ドイツ軍兵士たちがこの歌を愛唱していたという目撃談は数多い。相当数の元ドイツ軍人が入隊していたフランス外人部隊の兵士達がインドシナの戦場でこの歌を歌っていたという話、また第二次世界大戦後にアメリカに渡り、同国のロケット開発計画に関わったドイツ人技術者たちが酒場でこの歌を合唱していた話などが記録に残されている。近年ではイギリスのパンク・ロック・バンド、スクリュードライバーによってカバーされている。その他にも、チリ海軍の海兵隊コマンドスでは、この歌の替え歌が隊歌として歌われている。一方ギリシアでは、極右政党「黄金の夜明け」の党の歌にこの曲のメロディが採用されている。
そして、歌が歌い終わり幕が下ろされその歌を聞いていたみんなは複雑そうな表情を浮かべていた。
「それでは、結果を発表する!」
桃が続けるとドラムロールが始まり、幾つものスポットライトの光が床をさまよう。
「第3位は………………ウサギチーム!」
桃がそう言うと、スポットライトがウサギチームの面々を照らした。
『『『やったぁー!!』』』
「続いて2位………………あんこうチーム!」
「わーいっ!!」
沙織とみほが笑顔になり、優花里と華がハイタッチを交わす。
「では、第1位!栄えある優勝は………生徒会チーム!!」
『『『『『『『『『エエーーーッ!!?』』』』』』』』』
桃の言葉に、メンバーからブーイングが飛んだ。
「会長、1位の賞品は?」
「1位の賞品は・・・・・10万円相当の」
すると、再びドラムロールが始まり、その終了を知らせるシンバルの音が鳴り響くと、下がっていた垂れ幕が上がり、秘密とされていた優勝商品が姿を現した。
「最高級の干し芋1年分!万歳!!やったな河嶋!」
「はぁ…………」
優勝商品に大層満足している杏だが、話を振られた桃の反応はイマイチだった。
「そんなの欲しがるのは会長ぐらいだ」
『『『『『『『『『『(要らない)』』』』』』』』』』
1人喜んでいる杏を見ながら、メンバー全員そう思っていたのは余談である。
「よ〜し、みんな行くぞ!!」
「せーの!」
「「「「「万歳ッ!!!」」」」」
杏は、締めくくろうと柚子が号令を掛けると、みんなが万歳と叫ぶ。