ガールズ&パンツァー 蘇る宿命の砲火   作:人斬り抜刀斎

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大洗市街戦です!

山を降った大洗・知波単連合は大洗の市街地へと向かって行く。そして大洗・知波単連合は交差点に差し掛かると、あんこう・ワシ・アヒル・アリクイ・福田の九五式・西のチハ(旧砲塔)・カモ・カバの大多数が右折。ウサギ・カメ・レオポンが左折した。

 

「こっちこっちー」

 

しかし、グロリアーナ・プラウダ連合はそれを無視して、全部隊がみほの居る方へと向かった。みほ達の部隊は、そのまま県道2号を直進。そんな中

 

「我々の突撃はまたしても失敗してしまった・・・・・・なにがいけなかったのだろう・・・・・・大洗の皆さんはまだ突撃をしてない、そこが違いなのか?状況に噛み合えば強力な選択肢・・・・・・そうか・・・・・・機!突撃する機を見計らっているのだな!!」

 

西は、先ほどの突撃の失敗の原因はなんなのかと考え悩んだ末突拍子もない結論に至った。

 

「隊長!突撃はまだですか!?」

 

「慌てるな!必ず機会はやってくる。強さの秘訣はここか、見逃すまいぞ!」

 

操縦手の子からいつ突撃するのかと問われると、西はそう言って宥める。

やがて、あんこう・ワシ・カバが不意に右折したかと思うと、残りのメンバーは県道2号を直進。

 

「57mm砲のスパイク、受けてみよ!そ〜れっ!」

 

そこで八九式が、追撃して来ていたグロリアーナ・プラウダ連合を挑発する為に発砲。しかし、またもグロリアーナ・プラウダ連合は無視し、みほの方へと向かう。

 

「あれ?」

 

その光景に典子が首を傾げ、プラウダチームがみほ達と同じ道に入り、グロリアーナチームが手前の広い道に入る。

 

「黒森峰ならともかく、その手には乗りませんわ」

 

決勝戦の良く研究していたダージリンは、大洗チームを相手に戦力を分散させるのは下策だと十二分に理解しており、挑発に乗らない。クルセイダーが先行する。

 

「「…………」」

 

その様子を、空地を挟んで目視するみほと秋人。やがてクルセイダー部隊は、みほ達の正面に回れる道を発見し、侵入。一気に進行方向へと躍り出ようとする。

 

「速い、囲まれるぞ」

 

「カモさん、先行してください。加速して一気に突っ切って重量差があるから大丈夫」

 

「はい」

 

「カバさんも続いて下さい!」

 

「心得た!」

 

更に、カバさんチームのⅢ突も続く。と、最初に突入して来たクルセイダーが発砲して来たが………

 

「おりゃあっ!」

 

砲弾は外れ、突っ込んで来たルノーB1bisにより弾き飛ばされる。弾き飛ばされたクルセイダーに、残りのクルセイダーが玉突きで激突!動きが止まっている間に三突も突破に成功する。

そして、Ⅳ号とティーガー改は、玉突きしていたクルセイダー部隊の横を擦り抜け、逆にグロリアーナチームの前に出る。

チャーチルの正面に躍り出るⅣ号とワシチーム。その瞬間にチャーチルは発砲したが、砲弾は外れる。反撃にとⅣ号も発砲し、秋人はDShk38重機関銃で牽制。砲弾と銃弾はチャーチルの砲塔右側面に当たって弾かれる。

 

「全車聞きなさい、市街に入ってからずっと追いかけっこが続いてるけど相手は逃げながらこっちの戦力の分散を狙っているんだから!挑発に乗っちゃダメ!アキーシャに注意しつつフラッグ車だけを追いなさい!」

 

逃げるⅣ号とティーガーを見ながらカチューシャはそう命じる。大洗町・大洗駅へと通じる道を逃げるⅣ号とティーガー改をプラウダチームが追撃している。

 

「分断作戦に乗ってきませんね」

 

「うん」

 

『俺達の戦い方をかなり研究している様だな。戦力を分散させては危険だなと思っているんだろう』

 

その様子を見ていた優花里とみほがそう言い合うと、秋人がそう分析を述べて来る。

 

「もう一回、相手のフラッグ車とタイマン張ります?」

 

「周りが多いから危険かも。麻子さん、逃げてるけど逃げきれない感じで走ってください」

 

「分かった」

 

華の意見にそう返すと、みほは麻子に高度な操縦を要求し、麻子は事もなげに返す。

 

「恋愛と一緒よね。隙があるように見えて、届きそうで届かない距離が大事っていうか」

 

「さすがです、武部殿。参考になります」

 

「秋山さん、あまり真に受けてはいけませんよ。沙織さんには、隙があっても男性の影すらないじゃないですか」

 

沙織の言葉に優花里は真に受けているが、華が辛辣にそう言う。

 

「あ〜あ、後ろから追いかけてくるのが男の人だったらよかったのに」

 

「秋人さん、もう少ししたら出番になると思いますからお願いします」

 

「了解」

 

そして更に、秋人へそう呼び掛けると秋人はみほに向かって陸軍式敬礼を返すのだった。

 

「どこかに私の高ぶった徹甲弾を受け止めてくれる男子はいないのかしら」

 

「粉々につき砕かれそうだな」

 

「結局相手は全部こちらへ引き連れてきてしまいましたね」

 

「西住殿は、みんなからモテモテです」

 

などと、雑談をする沙織達。

 

一方、その頃大洗町の町内では……… ウサギチームが家屋の陰に隠し、息を顰める。

 

「こちらウサギチーム、後ろのほう任せてもらっていいですか?」

 

『お願いします。気をつけてね』

 

『無理するなよ』

 

梓はそう言ってみほ達を追撃してくる聖グロ・プラウダ連合を引き受けると言い、みほと秋人は無線でそう言う。

 

「よっしゃー」

 

「重戦車キラー、参上」

 

「頑張って、桂利奈」

 

「やったるぞー」

 

「よし、行くよ。いつものやつ」

 

「おりゃ」

 

するとそこで、正面の一車線を聖グロ・プラウダ連合の本隊が通り抜けようとして行くと最後尾のIS-2の正面に出て体当たりを仕掛ける。

 

「悔しかったら撃ってみろー」

 

「大洗、なめんな!」

 

「なめんな!」

 

梓達は、決勝戦で黒森峰のヤークトティーガーにやった様に接近して砲身の内部に潜り込んで主砲を撃たなくしようとしていた。

 

「やっぱり強いよ」

 

「でも、大丈夫。これなら絶対、撃たれないし」

 

しかし、やはり馬力が違うM3は400馬力なのに対してIS-2は520馬力のエンジンを搭載しているのでパワーが違う。履帯がぶつかり合った衝撃によりM3は大きく後ろに弾かれてしまった。

 

「あっ!?ストップストップ!」

 

「えーと」

 

「前進前進!」

 

「あ、あい!」

 

「くっついて!」

 

M3は、再びIS-2に対して正面から接近しようとしたがIS-2の122mm砲にM3の車体を押さえつけられてしまい潜り込む事が出来なくなってしまった。

 

「このおおおー」

 

「想定外〜」

 

「どうするどうする?」

 

「ぐぬぬぬ」

 

「どうしよう」

 

「このままじゃ」

 

と慌てふためいているとあやの肩を紗希が指で突いて何かを言おうとしていた。

 

「紗希が何か言おうとしてる!」

 

「「「あ!」」」

 

梓達は、黒森峰のエレファントを撃破した時みたいに紗希がまた何か助言してくれるのではと期待した。

 

「ちょうちょ」

 

「えぇっ!?」

 

だが、その期待は見事に裏切られ紗希はハッチの小窓前を飛ぶ蝶々を指差しただけだった。その直後零距離から強力なIS-2の46.3口径122mm砲を喰らったM3リーは、まるでゴム鞠の様に後ろに向かって弾き飛ばされ、左車線側に在った家のシャッターと電柱に当たり、その反動で反対側に飛ばされると、そこに在った民宿『大勘荘』のポールサインに当たって止まり、横倒しになる。

 

『遅れてるわよ、ノンナどうしたの?』

 

「何でもありません」

 

無線でカチューシャが問うとそう言ってノンナはM3の横を通り過ぎて行く。

 

「戦力は削れたけど、遅滞させられちゃいましたね」

 

「相手は常に柔軟な動きで挑んできます。惑わされないように」

 

「「はい!」」

 

キューポラの中に入ったノンナは、IS-2の乗員にそう忠告する。

 

「大洗女子の戦い方の着想にはいつも驚かされます」

 

「保有戦力を考慮するにそうせざるを得ないのもありますが、規律正しくもあちらの隊長が各々自主性も尊重しているのが強みなのでしょう」

 

「ウチとは違いますね」

 

「おや、隊長批判ですか?」

 

「はは、聞かなかったことに」

 

砲手の子の何気ない一言にノンナは、目を閉じながらそう言うと砲手の子は苦笑いを浮かべながらそう言う。

 

そして大洗町・町役場

 

「こちらフラッグ車、これから敵を引き連れてOY12地点を通過します。迎撃お願いします」

 

「Sic est」

 

「御意」

 

「Alles Klar!」

 

みほがそう言うと、カバさんチームのカエサル、左衛門佐、エルヴィンから、其々ラテン語、日本語、ドイツ語での了解が返って来る。

 

「お待たせー」

 

既に大洗町役場の辺りでは、カバ・レオポン・アヒル・アリクイ・カメ・カモ・そして知波単の西チハと福田の九五式が防衛線を展開していた。

そして、あんこうチームとワシさんチームが、大洗文化センター脇の道から、大洗町役場の前を通り過ぎる道を通過する。

 

「撃て!」

 

その直後、エルヴィンの掛け声と共に放たれた砲弾が、あんこうチームとワシさんチームを追っていたグロリアーナ・プラウダ連合の先頭に居たT-34-76を撃破する。それを皮切りに、役場前防衛線の全部隊から一斉に砲撃が開始される。

 

「待ち伏せです」

 

「地の利ですか」

 

大通りから誘い込まれ待ち伏せ攻撃をくらいながらも余裕の表情を浮かべながら紅茶を飲むダージリンに、オレンジペコとアッサムがそう言う。

 

「命中したぴよ!」

 

「おお!」

 

そこで、三式が放った砲弾が、新たにT-34-76を1輌撃破する。

 

「リアルでは初撃破ぞなもし!」

 

「うまくなったもんだも!」

 

「ぴ」

 

三式の車内で、歓喜の声を挙げるアリクイさんチーム

 

「突撃は、いつするんだろう?」

 

一方で、その三式と八九式に挟まれる形で陣取っているチハ(旧砲塔)では、西が疑問の声を挙げる。

 

「秋人さん、コレよりクルセイダー迎撃作戦に入ります。手筈通りにお願いします」

 

「了解した」

 

みほは秋人に向かってそう言うと、秋人はそう返して分散して行った。

 

「逃げられたわね。で、どうするのカチューシャ」

 

グロリアーナ・プラウダ連合のフラッグ車であるチャーチルは、万が一を考えて後退し、ダージリンが指揮官であるカチューシャに問う。

 

「呼び捨てにしないで!前進に決まってるでしょ!こんなチマチマしたチビっこい連中、削って削って削り取ってピロシキの中のお惣菜にしてあげるわ」

 

当のカチューシャは、強気に攻勢に出ようとしている。

 

「前に出すぎですよ、カチューシャ」

 

「私にはあたらないわよ!」

 

指揮者であるカチューシャが最前線に出過ぎと忠告するノンナに、カチューシャは自分は当たらないと根拠の無いことを言う。

 

『Что случилось? Клара(どうしました?クラーラ)』

 

『Нет. IV Разве это не похоже на то, чтобы ходить сейчас и тыкать в спину Черчилля?(Ⅳ号、今の内に回り込んでチャーチルの背後を突くという事はありませんか?)』

 

『Это возможно, если это Михо-сан, Клара(みほさんならありえますね クラーラ)』

 

そこでクラーラとノンナは、みほが背後からチャーチルを攻撃する積りなのではと推測する。

 

「ちょっと貴方達!日本語で話しなさいよ!ノンナ!先鋒!!」

 

とそこで、またロシア語での会話に文句を言いつつ、カチューシャがノンナに前に出る様に命じる。

 

『「はい 、Флаг автомобиль эскорт, приятно познакомиться (フラッグ車の護衛 よろしく)」』

 

『Я понимаю(了解)』

 

カチューシャへの応答だけ日本語で返すと、ノンナはクラーラにチャーチルの護衛を任せ、前進しようとする。

 

『Нонна-сама. На этот раз я помогу господину Катюше. Я не проиграю!(ノンナさま。今回、カチューシャさまのお役に立つのは私です。負けませんよ!)』

 

とクラーラがロシア語でそう言い対する当のノンナは真顔だが、その目は望むところと言った感じだった。

 

「代わりましょう」

 

「はい」

 

IS-2の車内に入ったノンナは、砲手の子に交代を指示する。すると、ノンナは自分の顔をじっと見てくる砲手の子に問いただす。

 

「どうかしましたか?」

 

「ノンナさん、なんかうれしそうですね。あ、すみません!」

 

「構いませんよ」

 

いつも真顔をノンナが、この時はどこか口角が上がっているように見えた。

 

「ローズヒップ、Ⅳ号とティーガーの狙いは恐らく私よ。それを考えて的確に行動しなさい。スピードを出すことに夢中にならないで」

 

一方、ダージリンもみほと秋人の狙いを読んでおり、遊撃で動いているローズヒップにそう通信を送る。

 

「もちろんでございますわ!」

 

それに対し、相変わらず微妙に間違っているお嬢様言葉で返すローズヒップ。

 

 

一方、離脱したⅣ号の方は………

 

「………また来た」

 

再び姿を現したクルセイダー部隊を見て、麻子が若干うんざりした様子でそう呟く。

 

「発見ですわ!やっつけますのよ」

 

そんな麻子の様子など露知らず、ローズヒップが率いるクルセイダー部隊はⅣ号へと向かう。発見と同時に先頭に居たローズヒップ車が発砲するが、狙いが甘かったので外れる。

 

 

再び、大洗町役場防衛線ではプラウダ戦車部隊から大洗町役場防衛線の部隊に激しい砲撃が見舞われる。

 

「皆無理しないでねー」

 

「会長は無理して下さいっ!!」

 

今回は砲手を桃に譲っている為、車長の杏だが、やはり何もしないで干し芋を齧っており、柚子からそんな声が飛ぶ。前進して来るIS-2の砲塔に砲弾が命中したが、分厚い傾斜装甲の前に弾かれ、IS-2から反撃の砲弾が放たれる。

 

「直線になるぜよ」

 

「1ブロック後退」

 

と距離を詰められた為、ナカジマは全部隊に1ブロック後ろに下がる様に指示する。

 

IS-2の車内、

 

「勝負に負けたことはありますか?」

 

「?もちろんです」

 

「私もです。負けるのは、誤ったからです。相手に勝る力を持ち得るか、それを適切に運用できているか。劣っているのなら覆す手段はあるのか戦いとは、より多くの正解を選択する行為なのではないでしょうか」

 

ペリスコープを覗きながらそうノンナは、砲手の子に言う。

 

クルセイダー部隊に追われるⅣ号は、狭い路地をクルセイダーからの砲撃をギリギリで避けながら逃げていた。

 

「先頭車、何をやってますの!ダージリン様の御紅茶が冷めてしまいますわ!!」

 

中々撃破出来ない上、先頭車を奪われてしまったローズヒップが、若干イラついた様に声を挙げる。とそこで、不意に開けた場所に出たかと思うと、Ⅳ号が素早く反転!クルセイダー部隊の先頭車に主砲を突き付けた!

 

「うっ、ああ!?」

 

先頭のクルセイダーが思わず急ブレーキを掛けた瞬間、Ⅳ号は発砲!零距離からの砲撃を受け、クルセイダーは若干弾き飛ばされて白旗を上げる。そしてその隙を突き、Ⅳ号は再び細い路地へ入る。撃破されたクルセイダーを見て、ローズヒップ車が慌てて停止すると後続の3輌のクルセイダーも急停止する。

 

「マジですの!?」

 

ローズヒップが驚きの声を挙げた。

 

「バニラは後退!グランベリーは私と一緒にⅣ号を追いますわよっ!!」

 

しかし、彼女とて部隊長。

素早くそう指示を出すと、後退を指示したバニラ車がバックのまま最後尾の、そしてローズヒップが先頭の撃破されたクルセイダーを押しのけて離脱する。

 

「ごめんあそばせっ!!」

 

路地へと向かわせた。後退したクルセイダーは、バックのまま目一杯飛ばす。そして遂に、露地から飛び出たが………その瞬間通りに待ち伏せしていたティーガー改に狙い撃ちされ白旗を上げた。撃破したクルセイダーの横を擦り抜けて行くⅣ号とティーガー改を、ローズヒップが追う。

 

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