ガールズ&パンツァー 蘇る宿命の砲火   作:人斬り抜刀斎

109 / 126
エキシビジョン閉幕ですっ!

同時刻、サンビーチ通りを国道51号線へ向かう方向そちらでは、アリクイさんチームの三式が、T-34/76を1輌引き連れて、国道51号線の方へ向かっていた。

 

『アリクイ、目標地点にもうすぐ到着だぴょん』

 

「こちら準備OK」

 

「またこんな役か」

 

「良いじゃん、楽で」

 

ねこにゃーがそう通信を送ると、カメさんチームの柚子、桃、杏がそう返す。

 

「行くわよ! スーパー風紀アタックッ!!」

 

「ハイッ!」

 

「ほ~い」

 

更にカモさんチームのみどり子、モヨ子、希美が声を挙げる。アリクイさんチームの三式は、1輛のT-34/76を引き連れたまま、国道51号線が上を通っている高架橋へ向かう。

 

「まだね、まだまだ………撃て!!」

 

そして、アリクイさんチームの三式改が引き連れて来たT-34/76の内、前に出ていた方が高架橋近くまで差し掛かると………ヘッツァーを踏み台に、車体後部を乗せて下向きになっていたルノーB1bisが主砲と副砲を発砲!真上から砲撃を受けたT-34/76は撃破され、白旗を上げた。

 

「やったぜ、ベイビーッ!!」

 

その光景を見て、ねこにゃーが歓声を挙げるのだった。

 

 

一方その頃、大洗の街の一角にあるガーデン前でダージリン達はチャーチルから降りてテーブルを敷きティーセットが並べられている。ダージリン達は、試合中だと言うのに呑気にティータイムをしていたのだ。

 

「試合長引いてますね」

 

「それだけ大洗が魅力的なチームになったということかしら。ふふっ、最初の練習試合の時のチームも捨てがたいのだけれど」

 

「隊長によって変わったという事でしょうか?」

 

「その逆も然りね。お互いが与えられた場を大切にしてきた、そういうことではなくて?紫陽花の花は、植えられた土壌の環境によってその花の色を変えるそうよ。みほさんは、育つべくして育った人材ね。でも西住流や姉の許にいたままだったら、きっと今のような色はつけていなかったのではないかしら」

 

と、ダージリンがそう言った直後チャーチルの側で砲弾が着弾、爆発が起きた。

 

「おのれ、ちょこまかと!!」

 

「そうだね、すばやい相手だね」

 

撃ったのはヘッツァーだったが、桃は止まっている標的にすら当てることが出来なかった。

 

「忙しないですこと」

 

「試合中ですってば」

 

「では、咲き誇る花を摘みに参りましょうか」

 

「せっかく咲いたのに?」

 

「あら、美しいものであればあるほど自分だけの傷をつけたくなるものではなくて?」

 

ヘッツァーに見つかったを見てダージリンとオレンジペコがそう言ってチャーチルに乗車し、チャーチルを発進させて逃走を図る。

 

 

大洗磯前神社・敷地内、坂を上がり終えたⅣ号は、磯前神社の境内へ進入。そのまま、海へと通じる階段のある鳥居の前で静止する。

 

「………此処を下ります」

 

するとみほは、目の前の石段を見下ろしながらそう言い放った。

 

「ん」

 

「これ大丈夫なの?」

 

「麻子さんなら大丈夫」

 

麻子がアッサリとⅣ号を進め、沙織が心配の声を挙げるが、みほは麻子の腕を信頼し、そう言い放つ。そして、Ⅳ号は石段を下り始めた。

 

「バッカじゃないの!?ミホーシャ、無茶しちゃってっ!!」

 

漸く境内に進入して来る事が出来たカチューシャが、石段を下ったⅣ号の姿を見てそんな声を挙げる。

 

「戻って回り込みますか?」

 

「このまま進むに決まってるじゃない!ミホーシャが出来る事はカチューシャにだって出来るんだから!!」

 

ノンナがそう問うが、カチューシャはⅣ号に続くと宣言。

 

「知ってます………」

 

そうカチューシャに答えながら、磯前神社の本殿の方を振り返り、お祈りするノンナ。その直後に、砲身を後ろに回したカチューシャのT-34/85が石段を下り始め、同じ様に砲身を後ろに向けたノンナのIS-2が続く。

 

 

大洗町・街中………

 

「あいつ、どこへ・・・・・・・・」

 

八九式と九五式を見失い捜索するルクリリのマチルダⅡ。そんな時立体駐車場のゲートのブザー音が鳴り響いて来た。準決勝と同じ手を使って来たと思われるアヒルさんチームに、ルクリリは怒りを露わする。

そして、自車をタワーパーキングの前に移動させると、タワーパーキングの扉が開き始める。

 

「バカめ、二度もだまされるか」

 

ルクリリは振り返り、砲塔を後方へ回して後ろタワーパーキングの下から現れた八九式に向かってそう言った。しかし、ルクリリにとって予想外の事態が起きた。なんと、左側面のタワーパーキングの扉から九五式ハ号が現れたのだ。

 

「え?えっ、うわあ!」

 

まさか側面から九五式が現れるとは予想していなかったルクリリは、慌ててキューポラの中に入ると同時に八九式と九五式から同時攻撃を受け、エンジン部分に命中、爆発と黒煙をあげると撃破判定のフラグが上がる。

 

「よし!」

 

「お見事」

 

『あ・・・・』

 

八九式の車内では、典子がガッツポーズし、アケビは拍手する。九五式内では福田はまさか撃破できた事驚き言葉が出ない様子だった。

 

 

大会運営本部・撃破された選手の控えでは、

 

『マチルダⅡ走行不能』

 

と八九式と九五式とマチルダⅡを撃破した事がアナウンスで伝えられて、モニターを見ていたナカジマが手を振りながら西達知波単学園の選手に報告していた。

 

「隊長さーん、九五式の娘たちがやったってさ〜」

 

「おお!」

 

「なんかひと工夫こしらえたみたい」

 

知波単チームのみんなは福田がマチルダⅡを撃破したと聞いて歓喜の声を上げる。

 

一方、大洗の一角では、

 

「風が変わった」

 

「気持ちいね」

 

「ああ、この風はきっと彼女たちに新しい世界を見せてくれる」

 

「誰のこと?」

 

ミカは、何やら風が大洗・知波単チームの新世界に導いてくれると言う、アキはそれが誰の事かはわかっていないみたいだが。

 

「知恵の波を単身渡れるような進取の精神に溢れる学生になれるように、知波単魂か・・・・・・・・!」

 

西は、風に靡く自身の髪を掻き上げながら知波単学園の学校名の由来の意味を呟く。

 

大洗磯前神社・正面鳥居の石段………

 

「見辛い………サイドアンダーミラー欲しい」

 

何とか石段を下っているものの、戦車特有の視界の悪さに、麻子の愚痴が零れる。

 

『オーイ、グロリアーナ&プラウダ連合のフラッグ車、見つけたよー』

 

とそこで、杏から姿を晦ませていたグロリアーナ&プラウダ連合のフラッグ車であるチャーチルを発見したとの報告が入る。

 

『のんきに外でお茶飲んでた』

 

「分かりました、合流します」

 

杏からの報告を受けてヘッツァーに合流を急ぐみほ達。

 

『ダージリン、頼れる同志の元におびき出して』

 

一方その状況はカチューシャの方にも知らされており、カチューシャは彼女の言う『頼れる同志』の元へ向かう様にダージリンに言う。

 

「分かりました」

 

「頼れますか?」

 

了解するダージリンだったが、アッサムは一抹の不安と疑問を感じていたのだった。そうこうしている内に、Ⅳ号は石段を下り終え、大洗海岸通りを左折。予め待機していたティーガー改と合流すると、サンビーチ通りの方へと向かった。

 

「みんなとなら、どこまでだって」

 

通りが合流する大洗鳥居下交差点にて、チャーチルの姿を確認したが、チャーチルは大洗ホテル脇の大洗海岸へと降りる道を下り、大洗海岸へと進入する。

 

「予定よりかなり撃ち漏らしてます」

 

「もう立派な強豪校ね」

 

チャーチルの車内では、かなりの数の大洗・知波単連合の戦車が生き残った事を呟くとダージリンは、大洗が強くなったと彼女らの実力を認めた。

 

「今の私があるのは、みんなのおかげだから。私には、できることで証明したいみんなの戦車道を!」

 

とみほは合流してきたチームを見てそう言う。大洗・知波単連合もそれに続き、大洗海岸へ侵入する。

 

「………!?何か来る!!」

 

するとそこで、ふと海の方を見やった秋人が、水中を動いている『何か』に気づく。そしてその『何か』は海岸へと上陸。

 

「KV-2よ!!」

 

「どうりで姿が見ない訳だ」

 

ミーナがそう声を挙げると、プラウダの戦車隊にKV-2を見かけなかった事に納得する秋人。152ミリ榴弾砲の砲身が、チャーチルを追跡する大洗・知波単連合に向けられる。

 

「大丈夫、砲身良く見て」

 

しかしみほは、冷静に対処する様に指示する。そこで、KV-2は発砲!放たれた榴弾は、大洗・知波単連合の頭上を飛び越える様にして、大洗ホテルに直撃!大洗ホテルの一角を完全に吹き飛ばした!

 

『かぁっこいい…』

 

カチューシャは、KV-2の建物ぶっ壊した迫力に魅力されてる。その間に、大洗・知波単連合はチャーチルの追跡を続行する。

KV-2は、再度大洗・知波単連合に狙いを定めようとするが………

 

「コレでも喰らえっ!」

 

「喰らえっ!!」

 

最後尾側に居た八九式と九五式が、KV-2に向かって発砲。八九式が撃った砲弾が命中して弾かれたが、その衝撃で不安定な岩の上に居たKV-2はずり落ちそうになる。それでもKV-2は再び発砲!今度は大洗シーサイドホテルの一角を吹き飛ばした!!

 

「装填急ぐべ!」

 

「分かってらあ!装填完了だぁっ!!」

 

KV-2の特徴であるその巨大な砲塔の中では、小柄で東北なまりの話し方をする2人の装填手『ニーナ』と『アリーナ』がKV-2の分離式砲弾を四苦八苦しながら装填している。

 

「砲塔旋回!」

 

「回るの遅っせなぁー!」

 

そして大洗・知波単連合に向かって砲塔を旋回させる。

 

「急げ急げーっ!」

 

漸く大洗・知波単連合の方に砲塔が旋回した、かに思われた瞬間!

 

「!?うわあっ!?」

 

「ひゃああっ!?」

 

KV-2はバランスを崩し、横転!!砲身が砂浜に突き刺さったかと思うと、白旗を上げた。

 

「あらあら………」

 

「KV-2、あの角度で回せば引っ繰り返りますよね」

 

その様子を砲塔側面のハッチから出て見ていた華と優花里がそう言い放つ。

 

「伏せてっ!!」

 

「「!?」」

 

とそこで、みほがそう叫び、華と優花里は反射的に砲塔内へ引っ込む。その直後!!Ⅳ号の側で砲弾が着弾する。

通り側を見ればそこには、コチラに砲を向けているカチューシャのT-34/85と、ノンナのIS-2の姿が在った。直後に、カチューシャ車が発砲!砲弾が三式に命中する。

 

「にゃああっ!?」

 

ねこにゃーの悲鳴と共に、三式は衝撃で引っ繰り返って白旗を上げる。反撃にと、Ⅳ号、ティーガー改、ルノーB1bis、八九式、九五式が次々に発砲。しかし、カチューシャ車は丁度海岸と通りの間に現れた建物の陰に入り、砲撃を躱す。

 

「フラッグ車だけを狙って下さいっ!!」

 

そこでみほは、通りの2輌には構わず、グロリアーナ・プラウダ連合のフラッグ車であるチャーチルだけを狙う様に指示する。

 

「初撃破………」

 

そんな中、砲手として初撃破を挙げたいと願う桃が、チャーチルに向かって発砲する。しかし何故か、放たれた砲弾は海の方へと飛んで行き、水柱を立てた。

 

「えぇ・・・・何で彼女あんな方向に砲弾を飛ばせるの!?」

 

「コレはもう1つの才能だな………」

 

その光景を見て、ミーナと秋人がそう言う。

 

 

 

大会運営本部・撃破された選手の控所にて………

 

「私達の分も頑張って下さいっ!!」

 

「河嶋先輩ガンバーッ!!」

 

「ブッ殺せぇーっ!!」

 

「頑張れーっ!!」

 

「当たれーっ!!」

 

リタイヤしたウサギさんチームの梓、桂利奈、あや、優希、あゆみが、モニター越しに檄を飛ばす。

 

「…………」

 

そしてそんな中で、紗希は1人、飛んでいる蝶々を眺めていた。

 

 

大洗海岸

やがてチャーチルは、アクアワールド・大洗の駐車場へと到達。そのまま自慢の登坂能力を活かし、階段と鉄柵を超えて、駐車場内へと進入した。カモさんチームのルノーB1bisがそれを追い、同じ様に駐車場内へ進入しようとするが、

 

「危ないっ!!」

 

みほがそう叫びを挙げた瞬間、鉄柵の在る部分に出っ張りで減速したルノーB1bisに、砲弾が叩き込まれた!!

 

「「「うわああっ!?」」」

 

みどり子達の悲鳴と共に、ルノーB1bisは階段を転げ落ち、海岸に引っ繰り返って白旗を上げた。海岸から見て奥側の駐車場内でゆっくりと旋回するチャーチル。

現在大洗・知波単連合は、カチューシャ車とIS-2に左右から挟まれていた。

 

「如何やら決着が着いた様ね!如何する!?謝ったらココで止めてあげても良いけど?」

 

勝利を確信したカチューシャがそう宣言する。

 

「・・・・・・・」

 

(秋人さん!)

 

だが、秋人が頷くとみほは小声でそう言う。Ⅳ号は急発進して階段を駆け上がり、三両の前に。

 

「ちょっと!なに侵入許してんのよ!!」

 

『あら、そちらが撃つものとばかり』

 

『同じく、すみませんカチューシャ』

 

「安心は最大の敵、お互い詰めを誤りましたね」

 

「くっ」

 

まさか、侵入してくるとは思ってもみず誰も発砲せず侵入を許したダージリンとノンナをカチューシャは叱責する。Ⅳ号に続き、ティーガー改、ヘッツァー、八九式、九五式も階段を駆け上がるが登れたのは、ティーガー改とヘッツァーの2輌だけで、八九式と九五式は登る事が出来なかった。

 

「チャーチルから離れないようにしてください。くっついていたほうが安全です」

 

チャーチルとⅣ号はお互い接近戦とも言える距離で移動しながら砲撃を撃ち合い、その周りをIS-2とT-34が並走しつつ、Ⅳ号撃破の機会を伺っている。このまま移動しながらの撃ち合いを続ける4両が向かうその先にある建物は一つ。

 

大洗水族館、アクアワールド。

 

ノンナが素早くⅣ号を狙い、IS-2の122ミリ砲弾を発砲する!しかしそこで、別の砲撃音がしたかと思うと、IS-2の砲弾に別の砲弾が命中し、弾かれてしまう。

 

「!?」

 

驚きながらもすぐに自分の砲弾を弾いた砲弾が飛んで来た方向を確認するノンナ。そこには、砲口から発砲煙を上げるティーガー改の姿が在った。

 

「ティーガー………」

 

その瞬間、ノンナは確かに、キューポラの秋人が不敵に笑っている姿を見た。

 

「さて、今回も虎が白熊を食らわせてもらう」

 

「………やってくれますね」

 

見事に意趣返しをされた事に、ノンナも攻撃的な笑みを浮かべた。

 

「「!!」」

 

そしてそのまま、IS-2とティーガー改は一騎打ちに突入した!お互いに発砲し合いながら、機動戦を展開する。

 

「火力は向こうが上だ!足は絶対止めるなっ!!」

 

「向こうのティーガーは小回りが利きます!動きに注意して回り込まれないで下さいっ!!」

 

自車と相手車両のスペックを比較しながら、得意な面で優位に立とうとする両者。ハイレベルな砲撃戦が繰り広げられる!

 

そんな時

 

「真打ち参上ですわ!!このクルセイダーこそが!試合の終盤を飾るベストドロップですのよ!」

 

そう言う台詞と共に、ローズヒップの黒焦げのクルセイダーが現れた!何と、あの爆発に巻き込まれて、運良くまだ白旗が上がっていなかったのである。

自軍フラッグ車を助けようと、アクアワールド大洗の方から回り込もうとしている。

 

「敵フラッグ車を狙える絶好のポジション・・・・初撃破・・・・・・・フォイアァッ!!」

 

とそこで、桃の裏返った叫びと共に遂にヘッツァーが発砲!砲弾は物理法則を無視して、アクアワールド大洗の方へと飛び………頭上からⅣ号を狙おうとしていたクルセイダーに命中!迎撃されたクルセイダーは、フードコート付近へと落ちて、白旗を上げた!!

 

「え・・・・・・・・なに、かーしま当てたの?」

 

ありえない奇跡を起こしたヘッツァーの車内では、桃が放心状態となり、柚子が驚愕し、そして杏がいつもの様に干し芋を齧りながらそう言った。

 

撃破されたクルセイダーから出てきたローズヒップは

 

「この俊足を見事討ち果たすとは、なんという砲撃の冴え・・・・・・・・あちらのお砲手・・・・・・・・さぞや歴戦の名手に違いありませんわ」

 

と彼女は、そう推測したが実際には全くの偶然であり桃の実力を知った時彼女はどんなな反応をするのだろう。

 

「おめでとう桃ちゃん!」

 

「まだ、試合中!前見て前!」

 

「かーしま、やったじゃん『大洗戦車道ここにあり』だな」

 

初撃破という事で、おめでとうと喜ぶ柚子に桃は唖然としながらも諭す。すると、杏がそう言って拳を前に出し桃は出された拳に自身の拳を差し出す。

 

「少しは、先輩らしいことができたでしょうか」

 

「まあ、そんなこと言ってる間に、西住ちゃん大ピンチなんだけどね」

 

「ゲッ!?」

 

「大変!こんなことで喜んでいる場合じゃなかった!」

 

「えっ?ゆ、柚子ちゃん!?」

 

しかし、喜んでいるのも束の間、直ぐにⅣ号の援護に向かうヘッツァー。

 

一方大会運営本部の選手控えでは、

 

「やったよね、みんな!河嶋先輩が当てたよ!」

 

桃の初撃破の様子をモニターで見ていた梓は、すごく喜んでいたが

 

「あーうん・・・・」

 

「そうだね」

 

「よかった・・・・ね」

 

「当たっちゃったね〜」

 

「うん・・・・よかったんじゃないの・・・・かな」

 

「うん・・・・」

 

梓以外の一年生の反応は、何と言うか微妙だった。

 

「え?どうしたの、みんな」

 

「まだしばらく当てなくてもよかったんじゃないかっていうか〜」

 

「つまら・・・・ない?」

 

「ちょ・・・・なんてこと言うのよーっ!」

 

などと言う心無い発言をして、梓は声を荒げる。

 

大洗水族館・アクアワールド

 

「カチューシャ、お願いできる?」

 

「しかたないわね」

 

この階段を登りきった後、チャーチルとIV号が対峙する。IVが先手をとったり発砲する。そして、煙が晴れた時チャーチルの前にカチューシャのT-34/85が盾になり、チャーチルの代わりに撃破されたのだ。

 

「ハッ!次!」

 

それを見た、みほはチャーチルからの反撃がくるので素早く装填と砲撃を指示するも、既にチャーチルはIV号に照準を合わせて撃ったと同時にチャーチルに強い振動が襲った。

 

「な、なんですの!?」

 

「ダージリン様………やられました」

 

ペコが静かに言った……チャーチルを見ると、エンジン部分に綺麗に砲弾が命中していた。

 

「一体何処から………」

 

「…恐らく秋人さん達ね…このな芸当が出来るのは」

 

そう言ってダージリンは、階段下の方を見る。そこには、撃破され白旗を上げるIS-2とこちらに砲身を向け砲門から白煙を上げるティーガー改だった。

 

「ふっー、どうにか間に合ったなぁ」

 

撃破したチャーチルを見て呟く秋人。

 

『大洗・知波単、グロリアーナ・プラウダ!全フラッグ車、走行不能! よって、この試合引き分けとする!!』

 

上空の銀河から、主審の亜美がその様子を確認し、引き分けによる試合終了のアナウンスを流した。

 

大洗町の一角………

 

「はあ~~、引き分けかぁ~………」

 

「そうだね」

 

「やっぱり私達も出れば良かったのに………何で参加しなかったの?」

 

白熱した試合に、やはり自分達も出たかったとアキがミカに向かってそう言う。

 

「出れば良いってもんでもないんじゃないかな?」

 

しかし、ミカは惚けた答えを返す。

 

「ええっ!?参加する事に意義が有るんじゃないのっ!?」

 

「人生には大切な時が何度か訪れる。でも、今はその時じゃない」

 

抗議するアキだったが、ミカは笑顔を浮かべてそんな事を言い放つのだった。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。