「ーーー私達からは以上です」
杏は今の大洗の状況、文科省による廃校取り消しの約束の反故を説明する。
これば半ば形式的な意味合いが強いだろう。実際、今の大洗の現状なんてこの人達の耳にはとっくに入っているだろうし、ならば秋人達がここに来た理由もすでに察しているはずだ。
「文科省を説得する上で、西住流家元のお力をお貸し頂けないでしょうか」
西住流を前にしても全く臆する事なく言葉を続けている。娘の通う大洗学園の廃校の危機。それももちろんあるだろうが、それより重要なのはその廃校に戦車道が絡んでいる事だ。
古くから続く由緒正しい戦車道の名門、西住流、そしてこの人はまさに【西住流そのもの】とまで言われている。そんな人が、今回の文科省のやり口に何も思う所が無いはずがない。
「…来年の戦車道全国大会に大洗女子学園が出てこなければ、黒森峰が大洗に勝つことが出来なくなるわね」
だから、きっかけの一つでもあればこそ、今秋人達がここに来た事でこの人も動く理由は十分に出来たのだ。黒森峰に土を付けたといえばプラウダもそうだが、あそこは廃校とは無縁だろうし、この先リベンジの機会なんかいくらでもあるだろう。
だがこのまま大洗が廃校となればたった一敗ではあるが、【黒森峰女学園は大洗女子学園に一度も勝った事が無い】という結果だけが残る。やはり【西住流】として、この人は【大洗の為に】に動いてくれる。
安心できるはずのその結論に感じる。言い様の無い不安感。何かを見落としている?
「一つ、聞きたい事があります」
「…なんでしょうか?」
「いえ、角谷さんにではありません。日向くん、あなたに聞きたい事があります」
「はい」
しほの鋭い眼光に真っ直ぐ見つめられ、違和感の正体はすぐにわかった。
「あなたにとって戦車道とはなんですか」
【西住流】として、個人の為に動く理由なんて、何一つない事を今の今まで気付けなかった。
「家元、それは大洗の廃校とは関係が無いのでは?」
「文科省の言い分の一つに彼の存在もある以上、無視は出来ません」
「我々戦車道連盟の理事長も男性です。彼が戦車道に関わる事になんの問題もないと思いますが」
「そういう事を言っているのではありません」
フォローに入ろうとしてくれた蝶野教官の言葉をしほはばっさりと切り捨てる。
「児玉理事長の事ならよく知っています、あの方がなんの覚悟もなく、今の立場まで来れたとは言えないでしょう」
「児玉理事長にとってそれだけの理由が戦車道にはあるという事です。では日向くん、あなたはどうですか?」
「…俺は」
「あなたにとって戦車道は、それほど好きになれるものですか?」
「・・・・・・・」
その言葉は俺の脳に突き刺さる。世界大戦を経験した秋人は戦車道に思うところがあるのは事実、それなら問題の解決はしないが、消す事くらいはできる。文科省の言い分の一つを潰し、どんないい言葉をどれだけ並べ立てて取り繕った所で、きっとこの人には通用しないだ。
「家元、俺は…戦車道は嫌いです」
「…そう」
しほは秋人のその答えにそれだけ短く答えた、秋人が言葉の続きを言うのを待ってくれるのだろう。
「知っての通りだとは思いますが大洗女子学園の戦車道メンバーはみほさん以外全員初心者です、戦車を見た事すら無い者もいる。そんな素人集団が集まって、朝練から戦車道の授業はもちろん、放課後、休日だって練習三昧でした。月月火水木金金の様なものです。経験者から見れば付け焼き刃かもしれませんが、素人集団の彼女らが必死に努力して身に付けたその刃は多くの強豪校に届いて大洗女子学園を優勝させました。それで、その優勝が無駄にされたんです。そんな競技、好きになる要素なんてどこに無いでしょか?」
努力が必ず報われるとは限らない…とは使い古された言葉ではあるが別に間違っていないと思う。だが、努力そのものが無意味だった…なんて笑い話にもなりはしない。
「…だから、俺は戦車道が嫌いですね」
結局、どれだけ考えても明確に好きな理由が出てこない辺り、秋人の戦車道が嫌いなのは変わっていないのだろう。
「…上手く答えをはぐらかすものね」
「…ですが、このまま大洗の状況が変わらなければ戦車道はその程度の競技と言う事ですか」
「えぇ、上の都合で全国大会の勝敗すら揉み消される、そんなの糞競技も良いところじゃないですか?」
「…西住流としても、戦車道の格を落とす訳にはいきません、菊代」
「はい、奥様」
「至急、文科省へ連絡を」
「わかりました」
ふぅ、と全身の力が抜けた。これで西住流は大洗の後ろ楯になってくれるだろう。
「…協力、感謝します」
「そう仕向けたのはあなたでしょう、決して誉められたやり方とは言えませんが」
大洗の優勝取り消しとか戦車道の試合って意味無いはない、糞競技とくれば由緒ある西住流としても黙っている訳にもいかなくなるだろう。
「…ですがお見事です、日向くん」
「…今さっき、誉められたやり方とは言えないって言いませんでした?」
「やり方を誉めたつもりはありません、ですが勝つことこそ西住流、あなたは見事にそれを成し遂げました」
「はい」
なんだか急に気恥ずかしく感じて、それを隠すように頭を下げる、下げた視線の先にそういえばと置いてあった紙袋を今更ながら見つける。
「あ、角谷会長、これを」
「ん?あぁ、日向くん渡しちゃって」
「あの…これ、お土産というか、菓子折りというか」
「…これは?」
「あー、茨城の名産なんですけど」
紙袋を受け取ったしほは何故かまほと意味ありげに視線をかわすと。
「…そう、干しいもの羊羮ね」
「え?知ってるんですか?」
「…えぇ、さっきね」
気ののせいだろうか、一瞬しほの表情がとても柔らかいものに変わった気がする。
「奥様、文科省への連絡が取れました」
ふと扉を開けて菊代が戻ってきた。
「奥様が来る事を知って慌ててましたよ」
「慌てさせておけばいいのよ」
いたずらっ子のように笑う菊代が可愛いのと、無表情ながら今回の文科省のやり口には思う所があるとわかるしほの声。
「…私と菊代はこれから文科省へ向かう打ち合わせをします、まほ」
「はい、お母様」
「…あとをお願いするわ」
「…はい」
まほが立ち上がったので秋人達もそれに続いて立ち上がる、しほと菊代は部屋に残るのか…打ち合わせと言ってもたいした事はないはずだが。
ーーー
ーー
ー
「…ん」
部屋の外で扉に寄りかかって座っていたみほが秋人達が外に出た事に気付いて立ち上がった。
「…えーと、その、秋人さん」
「あ、あぁ」
今更だけど、中でのやり取りって全部みほに聞かれていた。中でのやり取りが丸聞こえという事はさっきの秋人ら恥ずかしい口上も全部聞こえてたって事になり、頬をかく。
「なんか、恥ずかしい所見せちまったな」
「…ううん!すっごく格好良かったよ!!」
だがこうしてみほに嬉しそうに満面の笑みで微笑まれてしまえば秋人も何も言えなくなる。
「そーそ、日向くんはうちの戦車道チームが大好きみたいだしねぇ」
「…ふっ、さっきの君を見ても思ったが、やはり大洗は良いチームだな」
「お姉ちゃん、うん!!」
「だが、来年こそは黒森峰が優勝する」
「わかってる、でも私達も負けないよ」
「まだ廃校が回避できたかはわかりませんよ…」
西住流という切り札は強力だが、文科省もあっさり折れる程馬鹿じゃない。そもそもここまで強行で廃校を進めてきた文科省が簡単に首を縦に振るとは思えない。
「あぁ、だからこそ、その時は私の番だ」
決意するように、まほはそう呟いた。そう、まだ何も終わっていない。むしろ、ここからスタートだ、ようやく文科省との交渉まで進める事ができたのだから。
「あ、あの!えっとね…秋人さん!!」
「…うん?」
「この後なんだけどね。い、一緒に大洗に帰ったり…とか」
みほは、恥ずかしそうに秋人と一緒に帰らないかと誘って来る。みほと二人切りで一緒に大洗に帰る。
「…悪いがみほさん、俺はまだやる事は残ってんだ」
そもそも今から文科省へと向かわなくてはならないのだ、戦車道連盟から西住流邸、そして文科省へと向かわなくてはならない。
「…うん、そうだよね、ちょっと言ってみただけだから」
「珍しいな、みほさんがそんな冗談いうだな」
「…冗談じゃなかったんだけどなぁ」
「ん?」
「ううん、頑張ってね、秋人さん」
「まぁ、ありがとう」
文科省との交渉のメインはしほに任せる事になるだろうから、文科省での秋人の役目はほぼ無いと考えて良いだろう。
「恐らく次の移動はお母様と一緒になると思うが」
「そうと決まれば早速文科省へ乗り込むわよ!さぁ!ハリアップ!!」
蝶野教官の号令と共にヘリは次の目的地へと飛び立つ。
大洗女子学園から戦車道連盟の本部、そして西住流の総本山と続いた弾丸ツアーも次でラストになるだろう。操縦するのはもちろん蝶野教官、その助手席に座るのは杏である。
そうなると自然と秋人の隣に座るのは一緒に文科省に行く事になった西住流家元、西住 しほなる訳だ。
「………」
「…………そういえば戦車道連盟の理事長はどうするんです?」
いよいよ文科省へ乗り込むとなれば戦車道連盟のトップにも出張って来て貰いたいのだが。
「そうね、連絡は入れてあるからついでに拾っておきましょうか」
「あ、そうなんですか・・・・・・あの人の扱い雑ですね。一応理事長ですよね」
「ノープロブレム、理事長だっていつでも出発できる準備はしているはずよ」
「そ、そうなんですか」
しほが大洗の後ろ楯になってくれたから良かったものの…もしダメだったらどうするつもりだったのか。
「人を動かす、というのはそういうものです。あなた方が戦車道連盟を訪れた事で連盟は大洗女子学園の存続に対する決断を決めなければなりません」
「…巻き込んだ自覚くらいはありますよ」
事実、文科省とのメンツ問題やらなんやらな大人の事情で静観に徹していた戦車道連盟は俺達大洗女子学園の訪問で対応を余儀なくされている。
「そう」
「ですから、巻き込んだ責任はとるつもりです」
「せき…にん?…コホンッ」
だがそれも一瞬、咳払いと共にいつものピリッとした雰囲気を纏うしほに戻る。
「…どう責任を取るつもりですか、具体的に、聞きたいのですが」
やけに具体的にの所強調してくる。
「どうって…大洗の廃校阻止じゃないですか」
「…なんの話ですか?いえ、なんでもありません。その責任ならあなたはもう充分取っています。ここに私が、そして戦車道連盟が文科省へ向かっている、それが答えです」
「まぁ、その文科省が素直に聞くとは思えませんがね」
「心配いりません、西住流に敗北は無いのですから…それはそれとして、あなたには別の責任を取って貰う必要があるかもしれませんが」
「急になんの話ですか!?」
一体何のことかわからない秋人、
ーーー
ーー
ー
文科省、応接室に通された秋人を出迎えたのは例の大洗に廃校を伝えにも来てた辻蓮太郎だ。その挙動を見れば明らかに歓迎されていないのがわかるが、さすがに西住流家元を相手に追い返すような真似は出来まい。
「若手の育成なくしてプロ選手の育成は成し得ません、これだけ考えの隔たりがあってはプロリーグ設置委員会の委員長を私が務めるのは難しいかと」
「ま、まぁ落ち着いて下さい!そうだ!!アイスでもいかがですか?これは茨城から取り寄せた物で干し芋も入っているんですよ」
なんとか話題を反らそうとする辻だが、ここで茨城産アイスとか、完全に煽っているとしか思えない。
「………」
当然、ここでアイスに手を伸ばす者が居るはずもなく。杏じっと二人の出方を見守っている。
「んんっ…今年度中にプロリーグを設立しないと、戦車道世界大会の誘致が出来なくなってしまう事は先生もご存じでしょう?」
「優勝した学校を廃校にするのは文科省が掲げるスポーツ振興の理念に反するのでは?」
続ける辻の言葉をしほがばっさりと切り捨てる。
「しかし…まぐれで優勝した学校ですから」
ダンッ、としほさんの持っていたコップが机に置かれる。辻の言葉に秋人も思うところがある、それほ杏だってそうだろう。
だが、それを考えるよりも早く、しほのその行動はここにいる全員の視線を彼女へと集めた。
「戦車道にまぐれ無し、あるのは実力のみ」
西住みほの率いる大洗女子学園の生徒の前でこの人は言ってくれたのだ。
「どうしたら認めていただけますか?」
しほがじっと辻を見る、辻はその視線に耐えきれないのか目をそらして逃げている。だが、どれだけ目をそらしても身体を動かす訳にもいかない。戦車道連盟が、西住流がそうであったようにこの辻も決断する時がきたのだ。
だがここで大洗の廃校を撤回なだと、一番都合の良い言葉は出てこないだろう。文科省がここまで急ピッチで進めてきた大洗女子学園の廃校には何か裏がありそうだ。それはしほもわかっている。だからこそこの人は「どうしたら認めてくれますか?」と聞いたのだ。
「まぁ…大学選抜チームに勝ちでもしたら・・・・・・」
「わかりました!!」
ここぞとばかりに杏が立ち上がる。
「勝ったら廃校は撤回して貰えますよね」
「えっ!?」
これである。わざと敵に逃げ道用意しといて、そこに逃げる相手を潰すとか、
「今、ここで覚書を交わして下さい」
杏は『せいやくしょ』と書いた紙を辻にに突きつける。
「噂では口約束は約束ではないようですからねぇ~」
本当はちゃんとした『誓約書』も持ってきてる辺り、この人本気だ。
「………………!!」
苦し紛れに辻がそらした視線はちょうど秋人へと移る。
「…いえ、待って下さい、まだ解決していない問題が残ってますよ」
だがそれが辻にとって幸運だったのか、とたんに冷静さを取り戻してくる。
「…彼の、えぇっと…そう、の問題がまだ残ってます。男性による戦車道介入は優勝校にふさわしくありません、これでは大学選抜チームとの試合以前の問題ですね」
文科省の大洗学園廃校の理由に男性の戦車道介入がある以上、秋人の事が指摘されるのは織り込み済みだ。文科省がそこをついてくる事はわかっていたし、どうするが蝶野教官としほにも聞いてみたんだが、
「彼が戦車道に関わる事に問題があるとは思えません」
「戦車道は由緒ある女性の武芸、そこに男性が関わる事は問題でしょう」
蝶野教官の言葉に辻がメガネをクィッと上げる、優位差を取り戻したとでも言わんばかりだ。
「彼は男子戦車道の候補生ですから、その彼が戦車道に関わる事に、何か問題が?」
「…はい?」
と思わずと同じリアクションをとってしまった。戦車道の男子部門を立ち上げる話がある。秋人にしても初耳だ。
「まだ試験段階ですが、文科省の役人ともある人が戦車道の男子部門立ち上げを知らないとでも?」
「…それくらい知っています、ですが、頂いた候補生リストに彼の名前が無い事は確認しています」
「はて、おかしいですな、ここにはきちんと名前が載っているのですが」
理事長が困惑する役人に持っている資料を見せ、慌てて確認した役人が顔を上げた。
「なっ…そんな、偽装じゃないのか!?」
「なんせまだ立ち上げたばかりですからね、書類に何かしら不備があったのかもしれませんな」
辻の悪態に理事長は持っていた扇子もぱたぱたと仰ぎながら涼しい顔で答えた。
『理事長だっていつでも出発できる準備はしているはずよ』
ふと、到着前の蝶野教官の言葉を思い出す。そんな危ない橋を渡ってまで、戦車道連盟が決断してくれたんだろう。
「戦車道の男子部門の候補生は厳選して選んでいるはずだ!それをこんな一般の男子が選ばれるはずが無いでしょう!!」
「我々西住流の推薦です。…何か問題が?」
「…いえ、それは」
「納得いただけないようですね、では…こうしましょう」
しほは居住まいを正すと辻ではなく、はっきりと秋人を見た。
「大学選抜チームとの試合、それに彼も出場して貰い、その実力を再度見て納得頂けるのではないでしょうか」
「…俺も試合に」
「…いえ、ちょっと待って下さい」
辻は考えあぐね、やがて頬を緩めながら。
「…分かりました、彼の出場を認めましょう」
大洗廃校の為にいろいろ調べたんだろう。文科省側からすれば体よく大洗に足手纏いを増やせる算段なのだろう。
「いいんですかねぇ、こっちの覚書もちゃんと書いて貰いますよ?」
「えぇ、構いませんよ」
辻からすれば大洗に足手まといを増やせる絶対の機会なのだろう。
「では、日向くん、後はあなたが決断するだけです」
しほの視線は変わらず、ずっと秋人を見ている。
「自分の居場所なら、自分で勝ち取りなさい」
「俺は・・・・・・・戦車道をやります」
「あら、美味しい」
秋人の答えを聞いたしほは、辻から出されていたアイスを食べ、美味しいと感想を述べていた。その後、応接室を退室した秋人達
「では蝶野君、急ぎですまないが試合の各種手配を」
「承知しました」
児玉と蝶野は、早速大学選抜チームとの試合の手配と調整に掛かることにした。
「家元、それに児玉理事長、蝶野教官。本日はありがとうございました」
「ありがとうございます」
杏は、今回文科省の大洗廃校に異議を申し立てに協力してくれたしほ、児玉、蝶野の三人に頭を下げて礼を言い、秋人も杏に習い頭を下げる。
「礼には及びません。これはあなたたちだけではなく戦車道連盟全体の問題です。そもそも私たちにできたのは舞台を整えるまででした」
「十分です。こうして次に繋げてもらえただけでも」
「真剣な行動というのは、厄介なもので相手方に必ずなんらかのリアクションを求める事が出来ます。例えば自分がどう動けば良いか結論を出せない時でも、受容か、拒否か、ハッキリとした結論を要求されてしまいます。あるいは望んでもいない事への対応に労力を割かねばならない事態になるかもしれません」
「あの子も、こうして巻き込んだのでしょうか」
「はい、こうやって巻き込みました。すみません」
「構いません、みほが自分自身で決めた事です。もしも流された上でのことでしたら、そちらの方が尚の事あの子を咎めねばなりません。角谷さん」
「はい」
杏もみほが戦車道が嫌になって大洗に逃げてきたみほを杏達生徒会は戦車道に巻き込んだ。
「あなたは廃校のかかった学校を全国優勝に導き、今また状況を前に動かしました。あなたの熱意が私たちを動かし、道を切り拓いたのです。お見事です」
「西住さんのおがげです。行き詰まっていました、自分たちではどうする事も出来ない壁を彼女が打ち砕いてくれたんです。黒森峰での事情はある程度把握してました、酷なことをさせたと思ってます。ですが彼女は、どんなときも挫けず私たちを助けてくれました。だから今度は、西住さんの戦車道が間違ってなかったと私たちが証明してみせます。アイスは気に入っていただけましたか?」
「?、ええ」
「事が済んだら、ぜひ大洗へお越しください。美味しいもの沢山用意してまってます」
と、杏は全てが解決したらしほを大洗で大洗の美味しいものをご馳走すると誘う。
「ご武運を」
しほは、杏と秋人を見据えて一言そう送った。