ガールズ&パンツァー 蘇る宿命の砲火   作:人斬り抜刀斎

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学園十色です!

時は少し遡り、秋人達が文科省での大学選抜チームのとの試合を取り付けた後、秋人達と別れた西住流の家元西住しほが島田流戦車道の家元の屋敷を訪れ島田流家元である島田千代と会っていた。

 

「家元襲名、おめでとうございます」

 

「ありがとうございます。ここは是非、大学強化チームの責任者である島田流家元にもご了承を頂きたいと思いまして」

 

「分かりました。こちらもやるからには、手加減は致しません」

 

千代がしほの西住流家元襲名の祝言を贈る。そして、しほは大洗と大学選抜チームとの試合の申し出に千代は承諾する。

 

 

一方、場所は変わって陸上自衛隊北千歳駐屯地にある北海道大演習場では、小豆色に塗装された5輌のパンターが白塗りにされたM4 シャーマン1輌によって撃破された。

 

「逃すなよ、隊長が相手でも戦車はシャーマンだ。勝てるぞ!」

 

そして、その場から逃走して行くシャーマンを1輌のヤークトパンターが追跡する。

 

「姿が見えません!」

 

しかし、ヤークトパンターが丘へと登り終えるとそこにシャーマンの姿が無かったがシャーマンが通った履帯痕が残されている。

 

「慌てなくていい、奥の窪地にいるだけだ。原野とは言え起伏はあるからな。履帯痕を追え」

 

「はい!」

 

ヤークトパンターの車長は冷静にそう判断し、履帯痕を追う様に指示する。そして、ヤークトパンターが窪地に差し掛かると

 

「なっ!?」

 

その真横にシャーマンが居り、至近距離からヤークトパンターの側面を砲撃されて撃破された。

 

「履帯痕をわざと地面に残して、追跡者に逃げたと思わせ相手を誘導する」

 

「自分で付けた足跡を踏んで後退し、追っ手から逃れる動物の習性」

 

「バックトラック、それの戦車版ってところかしら」

 

そう、小高い丘の上からシャーマン3輌に乗ったアズミ、メグミ、ルミのバミューダ三姉妹がそう戦術を分析する。

 

『状況終了』

 

「さすが、変幻自在の戦術」

 

「ニンジャ戦法と呼ばれるだけあるわ」

 

「日本戦車道、ここに在り!としらしめた。島田流戦車道の後継者!」

 

シャーマンのキューポラから顔を出した愛里寿は懐中時計を取り出して時間を確認する。

 

「始まってる・・・・・よかった、録画しておいて・・・・・」

 

とそんな風に呟くとジープに乗ったバミューダ三姉妹がやった。

 

「隊長!何かお約束でも?」

 

「気にする必要はない」

 

「先ほど家元からお電話があったそうです」

 

「母上から?」

 

母からの電話があると聞いた愛里寿は、ルミが運転するジープに乗って合宿所へと向かう。残されたアズミとメグミは

 

「メグミ、ざんね〜ん。また、あしらわれちゃったわね」

 

「ただでさえ指揮官は、一般隊員と距離が出来やすい立場だから、せめて普段はリラックスさせてあげたいんだけど・・・・・」

 

「中々距離感が縮まらないね〜〜〜」

 

「打ち解けるにはまだまだ時間がかかりそう・・・・・」

 

「やっぱり年齢かしら」

 

そして、愛里寿は大学選抜チームが宿泊に利用している『東千歳大学合宿所』の自室の電話で千代に連絡をした。

 

『徹底的にたたきのめしなさい、西住流の名が地に落ちるように』

 

「試合の件は承知しました。こちらにもお願いしたいことが」

 

『お願い?』

 

「私が勝ったらボコミュージアムのスポンサーになってほしいんだけど、このままではたぶん閉館になっちゃうの」

 

愛里寿は、千代にこの試合に勝ったらボコミュージアムのスポンサーになって欲しいとお願いする。ボコミュージアムは、客足の減少や施設などの維持費の問題から閉館すると猫たちが話しているのを聞いた、しかしもし戦車道の名門である島田流がスポンサーになれば金銭面で援助出来る。

 

『しょうがないわね』

 

「お母様ありがとう」

 

千代も愛娘の愛里寿の頼みとあって承諾し、愛里寿はお礼を言って受話器を置くとみほから貰ったボコ人形を見つめて

 

「大丈夫、私が助けてあげるからね」

 

とそう言った。

 

一方、島田家の千代の事務室では愛里寿との電話を終えた千代と文科省の辻の二人が居た。大学選抜チームの責任者である島田千代と試合についての話にやって来たのだ。

 

「お待たせしました。わざわざ群馬までお越し頂かなくてもよろしかったのに」

 

「いえ、大事なことですから」

 

「詳しい経緯は先ほど、西住流家元からお聞きしました。ご安心ください。どんな事情であろうと、こちらが手を抜く事は一切ありません」

 

「これは心強い。大洗解体決定事項ですからね、その上で戦車道の生徒たちを全国の学校に振り分けるまでが既定路線ですので」

 

「・・・・・成る程、今回の急な試合の決定はそういったい経緯でしたか」

 

「ええ、世界大会に向けた計画です。わずか数ヶ月で素人の面子を全国優勝するまでに鍛え上げた西住みほと日向秋人、二人は極めて有用な人材です。そして選手を育成したそのノウハウ、大洗の生徒たちはそれを知っています。メソッドとそれを体現した生徒たち、セットで各校へ分散させ全体のレベルアップを図るのです」

 

これが辻が強硬に大洗を廃校にしようとした目的だった。二年後に行われると言われる戦車道の世界大会、その為に辻は有用な人材と判断したみほ達を各校へ転校させて日本中の戦車道チームを強くする為、各校に派遣させ指導する。

 

「・・・・・ひとつお伺いしたいのですが」

 

「なんでしょう?」

 

「大洗の生徒たちが転校先で戦車に乗る事を辞めてしまったらどうするのです?」

 

「・・・・・え?」

 

千代は廃校となった大洗の生徒達が転校した先の学校で今後も戦車道を続けて行けるのかと辻に疑問を投げ掛ける。それは、そうだこんな彼女達は廃校を免れる為に優勝したのにそれを無碍にされたのだ、転校先でこれからも戦車道をやるのか疑問だ。

 

「これほど、横暴な扱いを受けているのです。戦車道そのものに見切りをつけても何らおかしくはないでしょう」

 

「そ、そこは強制的に受講させる手段も視野に・・・・・」

 

「その様な後ろ向きな姿勢で取り組ませて結果を残せると本気でお思いで?」

 

「う・・・・・」

 

千代からそう言われた辻は押し黙る。

 

「娘の愛里寿は親の贔屓目を抜いても優秀な戦車乗りです」

 

「え、ええ。お噂はかねがね」

 

「強さの理由はなんだと思います?」

 

千代から愛里寿がどうして強いのかと尋ねられ辻は無難に才能と答える。

 

「それは・・・・・勿論だぐい稀なる才能でしょう」

 

「それもあるかもしれません。ですが、何よりも恵まれているのは環境です」

 

「どんなに優れた人物でも自分を本当に活かせる場と言うのは、実の所そう多くはありません。周囲の理解やサポートがあってこそ本人の実力が発揮できるのです。同じ様に自分もまた周囲の人物にどこまで貢献できるのか、島田流は『個』に重きを置いた流派なれど『集』を軽視している訳ではありません。あの子もああ見えてそれを理解しています、立場に振り回され自分をどの場所に納めればいいか戸惑っている感はありますが、だからこそ結果出し続け私もそれに応えるべく最高の場を用意してきました。強さと言うのは、なによりも維持することが難しい。憂いなく存分に臨める環境というのは、それだけで千金に値するものなのです。廃校のついでで振り掛けの様に生徒を散らして、繊細な花を枯らせてしまう恐れはなかったのか。先ほど優秀と仰った西住みほが、ではなぜ黒森峰から去ったのか、その事を考えた事はなかったのですか?」

 

「こ、この国の戦車道の為です」

 

「ならば素直に協力を仰げば良いだけではないですか?こんな画餅の為に学園艦1隻、万単位の人生を巻き込むとは、弄りすぎましたね。策は試合の中だけに留めておくべきでした。私たちが求めているのは道なのですよ」

 

「で、では先生はこの計画が失敗すると?」

 

「いいえ、戦車とは一人で乗るものでなく、戦車道もまた1輌で競うものではありません・・・・・肝要なのはやはり"戦友"かと」

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

ーーーーーーーー

 

ーーーー

 

そして、現在北海道大演習場にて、

 

「相手を山岳地帯に誘き寄せて、分散させて…」

 

「…みほさん」

 

「各個撃破できれば勝機は見えてくるはず…」

 

「みほさん」

 

「でも、相手は経験も実力も上。…もしかすると今回ばかりは…」

 

「みほさん!!」

 

「ひゃうっ!?あ、秋人さん!!」

 

「…あぁ、良かった。無視されているかと思ったぞ」

 

余程、今回の試合に不利な要素が多すぎって流石のみほも秋人の声が聞こえないほどに考え込んでいる。

 

「…もしかして聞いてたの?」

 

「…まぁ、殆どな」

 

「秋人さんに恥ずかしい所見られちゃったなぁ…」

 

「そんな恥ずかしい所か?」

 

「指揮官はどんなに苦しい状況でも、それを周りに見せないように…っていつも言われてたから」

 

状況が状況とはいえ、あのみほが「今回ばかりは…」と言いかけたもんな。

 

「立派だな、俺なら不平も不満も山ほど言う所だ」

 

「あはは…、うん、秋人さんはそうかも」

 

「だろ?これがあんがいすっきりするもんだしな、科学的に見ても愚痴ってのはストレス発散のやり方の一つとして効果的らしい」

 

つまり、溜めるの良くない愚痴を溢す事はメンタルケアの為に必要不可欠な動作なのだ。

 

「でも、あまり言いすぎるのは良くないと思うけどな…」

 

「言わなすぎるのも良くないと思うが」

 

「…じゃあ、秋人さんなら聞いてくれる?」

 

くるりとみほは顔をこちらに向ける、少し不安げにじっと秋人を見つめてきた。

 

「…なら、壁だとでも思って、不平も不満もぶつけてくれればいい」

 

「…不平も不満も無いよ。だってこの試合は会長と秋人さんが頑張って取り付けてくれたんだから。不安は…今はもう、なくなったかも」

 

「…そうか?」

 

「うん、確かに相手は数も、実力も、経験も上だと思う。でも、今回は私達は心強い味方がいる」

 

「…なんかあったっけ?」

 

全国大会では決勝戦へ向けて自動車部のポルシェティーガーの参戦、生徒会のヘッツァーカスタム、Ⅳ号へのシュルツェン装着と、微力だが戦力増強は出来た。

だが今回は試合までの期間も短く、その手の戦力増強は不可能だ。あの時と比べれば時間も経った事で選手個人としての技量は上がってるだろうが…。

 

「今回も秋人さんが試合に出て、私達と一緒に戦ってくれる。それがわかったから、もう不安もないよ」

 

「これは、プレッシャーが強いな」

 

つまりそれ、俺一人で相手との戦力差を埋めろって言ってるようなものですよね?相変わらず無茶振りするなぁ…。

 

「まぁ、やれら事はやるがな」

 

「…でも、無理とは言わないんだね」

 

ーーー

 

ーー

 

 

「ではこれより、大洗女子学園対」

 

審判団を率いた蝶野教官の号令にみほと秋人と。

 

「大学選抜チームの試合を行います」

 

そして相手チームの隊長、【島田 愛里寿】が前に出る。

 

「………お兄ちゃん」ボソ

 

(愛里寿ちゃんとは、いつか試合してみたいと思ったがまさかこんな形でする事になるとはな。だが、こっちは負けられない。負ける訳にはいかないんだ)

 

島田 愛里寿の後ろにずらりと並ぶ大学選抜チーム…その圧倒的な人数が、俺達大洗学園との戦力の差が嫌でも目に入るのだ。

30両の戦車と、それに乗る選手。その数の差が一目でわかってしまう。

 

「一同…礼!!」

 

9両VS30両の殲滅戦が、圧倒的な物量差による、蹂躙が。

 

「よろ…」

 

みほが頭を下げ、試合開始の挨拶を言いかけた。

 

ーーーその、瞬間だった。

 

「待ったーーーーーーーっ!!」

 

その声が、平原全体を駆け抜けるかのように響き、俺は深く、大きく、安堵の深呼吸をついた。

 

「え…?」

 

突然平原を響いた「まった」の声にみほが…いや、その場の全員が声がした方へと振り向く。

 

そこには平原を駈ける4両の戦車。

 

ティガーⅠ。

 

ティガーII。

 

パンターG型。

 

パンターG型。

 

その車体に【黒森峰女学園】の校章を記した4両の戦車は彼女達らしい、洗練された動きをそのままに大洗女子学園の隊列に加わった。

 

「ああ…お姉ちゃん!?」

 

もちろん、みほにはすぐに彼女達が誰なのかわかっただろう、なぜここに来たのかまでは当然知りようが無いだろうが。停車した黒森峰の戦車から降りた彼女達は堂々としたたたずまいで宣言する。

 

「“大洗女子学園”西住まほ」

 

「同じく、逸見 エリカ」

 

「以下18名、試合に参戦する。短期転校の手続きは済ませてきた、戦車道連盟の許可も取り付けてある」

 

大洗女子学園の制服を着た二人は短期転校手続きの書類、そして戦車道連盟がおろしてくれたであろう許可証を見せてくれる。

 

「お姉ちゃん、ありがとう」

 

「え?なに…?」

 

「援軍なの!?」

 

突然の事でざわつく大洗戦車道チーム。電光掲示板の大洗チームに黒森峰の戦車が追加され12輌となった。

 

そして、審判部本部からその光景を見ていた辻は勿論異論を唱えるが

 

「戦車まで持ってくるのは反則だ!」

 

「皆、私物なんじゃなんじゃないですか、私物がダメってルールありましたっけ?」

 

「卑怯だぞ!」

 

あくまでも短期転校という形ではあるが、彼女達は全員大洗の生徒となった。まほも黒森峰の隊長ではなく、西住 まほとして大洗女子学園の生徒へ、

 

「私、またみほさんと同じ学校で、同級生として戦えるんだ」

 

ふと、どこからか小さな声が聞こえてくる。とても小さいが、嬉しそうで、また、何かに決意したような強いものを

 

「小梅さん!!」

 

と、思ったらみほにもばっちり聞いていた…。

 

「みほさん!今日はよろしくお願いしますね」

 

「うん!来てくれてありがとう!!」

 

小梅とみほがお互いに手を取り合う。

 

「力になれるかはわかりませんが、私、精一杯頑張ります!!」

 

「もう充分過ぎるくらい力になってる」

 

こうして大洗女子学園は黒森峰を戦列に加える。大洗女子学園チーム14両VS大学選抜チーム30両。

 

M4シャーマン。

 

M4A1シャーマン。

 

シャーマン・ファイアフライ。

 

その校章はもちろん、【サンダース大学付属高校】。

 

「私達も転校してきたわよ」

 

「今からチームメイトだから」

 

「覚悟なさい!!」

 

ケイ、ナオミ、アリサのサンダース大の生徒達が大洗の戦列に加わる。

 

「サンダースが来たぁ!!」

 

「黒森峰とサンダースの皆さんが来てくれるなんて!」

 

「鬼に金棒ね!」

 

「虎に翼」

 

大洗学園チーム15両VS大学選抜チーム30両。

 

「もー!一番乗り逃しちゃったじゃない!!」

 

続けてやって来たのは4両の戦車。

 

T-34/85。

 

T-34/85。

 

IS-2。

 

KV-2。

 

校章は【プラウダ高校】

 

「お寝坊したのは誰ですか?」

 

「ま、まぁ来たくて来た訳じゃないんだけどね!!」

 

そう言いながらぶかぶかの大洗の制服を着たカチューシャさんが戦車から降りてくる。

 

「でも一番乗りして格好いい所を見せたかったんですよね?」

 

「いちいちうるさいわね!!」

 

凄むカチューシャさんだが、制服がぶかぶかで萌え袖ふるふるする。大洗学園チーム20両VS大学選抜チーム30両。

 

「どうやら間に合ったようね」

 

隊列を乱さない優雅な行進、彼女達が居なければこの援軍は実現しなかっただろう。

 

チャーチル歩兵戦車 MK.Ⅶ。

 

マチルダ歩兵戦車 MK.Ⅲ/Ⅵ。

 

クルセイダーMK.Ⅲ。

 

【聖グロリアーナ女学院】の3両が到着した。

 

「やはり試合にはいつものタンクジャケットで臨みますか」

 

「じゃあ、何でわざわざ大洗の制服そろえたんですか?」

 

「みんな着てみたかったんだって」

 

なんて言うダージリンにオレンジペコがそう言うと、どうやら大洗の制服はみんなが着たかったからしい。

 

「グロリアーナやプラウダの皆さんまで!?」

 

「まだ、次が来たみたいだぞ!?」

 

大洗学園チーム22両VS大学選抜チーム30両。

 

なにやら不穏な空気になりかけていた所を払拭してくれた学校だ、さぞかし頼りになる助っ人が登場する事だろう。

 

CV33。

 

「大洗の諸君!ノリと勢いとパスタの国からドゥーチェ参戦だ!恐れ入れー!!」

 

そんな小ささとは対照的に大声で宣言するのは安斎さん…もといアンチョビさんだ。

 

ノリと勢いとパスタの学校からやって来た【アンツィオ高校】。

 

「今度は参加出来て良かったっすねー」

 

「カバさんチームのたかちゃーん!来たわよー!!」

 

「ひなちゃん!!…か、カエサルだ」

 

カルパッチョに素で返したカエサルが恥ずかしそうにゴホンと咳払いをしつつ訂正する。

 

「…てか、CV33って2人乗りでしたよね?」

 

大洗学園チーム23両VS大学選抜チーム30両。

 

「いやなに、ノリと勢いさえあればなんとかなるさ、それにあれはあれで道中楽しかったしな」

 

「はぁ、そういうもんですか?」

 

そして、先ほどのCV33の軽快な走りとは打って代わってややノロノロとやって来たのは。

 

BT-42。

 

「こんにちは皆さん、継続高校から転校してきました」

 

「…継続高校?」

 

そして継続までもが、この試合に駆け付けてくれたのだ。

 

「なんだかんだ言って、助けてあげるんだよね」

 

「違う、風と一緒に流れて来たのさ」

 

アキのその言葉に答えるようにポロンとミカさんがカンテレを響かせた。

 

「大活躍して廃棄車輌とか余った糧食とか、気持ちよく分けてもらおうね。ミカ!」

 

「そうだね」

 

と参加した理由はどうであれ継続高校はみほ曰く、当時の黒森峰ですら苦戦した強豪だ、戦力としても申し分はない…はず。

 

大洗学園チーム25両VS大学選抜チーム30両。

 

「お待たせしました!!」

 

その時、平原に一際響く大声が轟いた。

 

「昨日の敵は今日の盟友!!」

 

これは…もう確認しなくても誰だかわかるな。

 

「勇敢なる鉄獅子22両!推参であります!!」

 

ズラリと並んで突撃してくる【知波単学園】21両の戦車達。

 

大洗学園チーム45両VS大学選抜チーム30両。

 

「…ダージリンさん?」

 

見るとダージリンさんも額に手を当てておさえている、この人のこんな姿が見れるのもある意味新鮮ではあるが。

 

「増援は私達全部で21両だって言ったでしょう?あなたの所は5両」

 

「すいません!心得違いをしておりました!!おーい!17両は待機!!」

 

とはいえ、勘違いだとしても大洗女子学園の為に戦車21両を動かしてくれる辺り、ありがたいものだ。

 

九七式中戦車旧砲塔型。

 

九五式軽戦車。

 

九七式中戦車新砲塔型。

 

九七式中戦車新砲塔型。

 

九七式中戦車旧砲塔型。

 

大洗学園チーム30両VS大学選抜チーム30両。

 

「こ、これはいけるかもしれんぞ!!」

 

大洗女子学園の戦列に加わった多くの戦車を見て河嶋さんがガッツポーズを決める。確かに戦力は揃ったが、実際の所、この戦力が試合で使えるのかどうかにはまた別の問題が発生する。

 

「そろそろかかってくる頃だと思ったわ」

 

案の定、審判長である蝶野教官に電話が入る、相手は考えるまでもない、文科省の役人だろう。あの役人がこの急な人員増加を認める訳がない。

 

『試合開始直前での選手増員はルール違反じゃないのか!?』

 

わかりきっていた異議申し立てだが、よほど慌てているのか、こちらにもその声は聞こえてくる。まぁ、役人はこの選手増員を認めないだろう、大洗を徹底的に潰したいのが文科省だ。

 

「異議を唱えられるのは、相手チームだけです」

 

だが、文科省が、あの役人が認めなかろうが知ったこっちゃない。だから、問題は相手チーム、要するに向こうの隊長である島田 愛里寿の返答次第だが。

 

「我々は構いません、受けて立ちます」

 

かつて、西住まほが戦車道全国大会の決勝戦で一騎討ちを受けたように、島田 愛里寿も島田流の流派を継ぐ者だ。流派の看板を背負うものが、自分達が不利になるからといって、挑戦から逃げ出す事はない。

 

「試合を開始して下さい」

 

大洗学園チーム30両VS大学選抜チーム30両。

 

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