逃げた大洗のチームを追って市街地に入ったダージリンは、十字路の交差点で大洗のチームを見失ってしまった。
「・・・消えた」
各マチルダは分散して大洗チームの捜索に入っていた1両が通りを通って薬局屋を過ぎろとしていた。だが、マチルダの乗員達は気付かなかったその薬局の旗に混じって新撰組の誠の旗や真田六文銭の旗がある事に、そうと知らずに通り過ぎようとしていた時
ドカーン
と薬局と住宅の間の裏路地に身を隠して待ち伏せていた三突に側面を砲撃され走行不能となったマチルダは白旗を揚げる。
また一方では、マチルダが駐車場の前に差し掛かった時、車庫のランプが点滅していた。車長のルカリリは、車庫の中に敵が居るのだと判断して車庫の扉の前にマチルダを移動させる。そして扉が開いていく。
「バカね」
そう彼女は言うが、車庫の扉と同時にマチルダの後ろの自動車用のエレベーターが上がり始めその中に隠れていたバレーチーム八九式中戦車が現れた。これは、バレーチームの作戦で、敵に車庫の中に入っていると思わせて背後から砲撃する作戦だ。ルカリリは車庫の中に敵戦車がいない事に気付き更に車庫の中の鏡に後ろのエレベーターが動いている事に気付きハマられたと悟った。
「・・・・はっ!後ろだ!!」
ルクリリは、急いで車内に入り込む。
「そーれぇ!」
「「「そーれ!!」」」
磯部の掛け声と共に八九式中戦車の57mm砲がマチルダの後面のエンジン部分に命中し、爆発炎上を起こした。そして、またある所では、マチルダが通りを曲がると、200m前方にティーガーが現れたのだ。秋人達は、先にこの大洗の町に入って機会を窺ったいたのだ。マチルダは、即座にティーガーに砲撃するも分厚い装甲が砲弾を弾き返す。そして、
「撃て!」
ティーガーの8.8cm砲がマチルダの前面装甲に命中すると爆発して、白旗が揚がる。
『こちらCチーム1両撃破!』
『Bチーム1両撃破!』
『こちらFチーム1両を撃破した!』
「やりましたね」
と次々と敵戦車撃破の報告に気を良くする秋山。一方、ダージリンは撃破されたマチルダから報告を受けていた。
『攻撃を受け走行不能!』
『こちら被弾につき現在確認中!』
『こちらティーガーと遭遇、攻撃を受けて走行不能!』
「なっ!?」
その報告を受けたダージリンは、思わず紅茶のティーカップを落としてしまう。
「おやりになるわね・・・・でも、ここまでよ!」
一方歴女達の三突は、
「「あはははっ!!」」
車長のエルヴィンとカエサルが高笑いをしていると前方にマチルダが現れた。
「路地裏に逃げ込め!」
とエルヴィンは、路地裏に逃げ込む様指示をする。
「入り組んだ道に入ってしまえばい良い。三突は車高が低いからな」
三突の車高の低さを利用して塀に隠れながら進むが三突に付けていた旗により敵に居場所がバレてしまい三突は側面を砲撃されリタイアとなる。
一方のバレー部チームは
「あはは、Bクイック大成功!」
磯部達は、炎上するマチルダに歓喜するがそれも束の間だった。煙が晴れるとそこには砲塔をこちらに向けて健在するマチルダの姿で白旗も立っていない。実は、八九式の57mm砲は元々歩兵支援のための榴弾だったため貫徹力が低いのだ。
「「「「ああ・・・」」」」
「うわぁー生きてた!どうしよう!!どうしよう!!」
「それ!」
と八九式はマチルダに向け砲撃するが弾かれてしまう。
「サーブ権取られた」
次の瞬間八九式はマチルダの放った砲弾により撃破された。
『Cチーム走行不能!』
『Bチーム敵撃破失敗及び走行不能!すみません!』
とみほ達Ⅳ号にBチームとCチームが撃破された報告が入る。
「残っているのは我々と日向殿のFチームだけです」
「向こうは何両!?」
「四両です」
そうしていると背後からマチルダ2両が現れた。
「来た!囲まれたらまずい」
「どうする?」
と冷泉がみほにどうするか聞いてくる。
「兎に角敵を振り切って!」
「了解」
そう言って、みほ達のⅣは全速力で聖グロリアーナから逃げる。そんな時、秋人から連絡が来る。
『西住さん聞こえるか?』
「はい!日向さん」
『ちょっと頼まれてくれないか?』
「頼み事?何ですか?」
『実は・・・・』
と秋人がみほに頼み事を伝える。
「はい、任せてください」
そして、みほ達に伝えると了承してくれた。そして、みほは、通信を切る。Ⅳ号は町中の路地を右から左へ左から右へと道を進んで行きそして、急カーブに差し掛かると1両のマチルダが曲がりきれずに宿屋に突っ込んだ。
「うちの店があぁぁ・・・・これで新築出来る」
「縁起いいなぁ」
「うちにも突っ込まねぇかな」
モニターで自分の店に戦車が突っ込んだのを見た店主と思われる男性は絶叫するかと思いきや歓喜した。これは、試合で破損した建物などは全て連盟側が受け持つのだ。それってどうなの?
そして、逃げ続けるみほ達ついに行き止まりに差し掛かってしまい逃走劇も此処までとなった。そして、背後からはチャーチルに率いられた3両のマチルダがやって来た。そしてチャーチルのキューポラからダージリンが出て来た。
「こんな格言を知っている?イギリス人は恋愛と戦争では手段を選ばない」
そう言って聖グロリアーナの全砲門がみほ達のⅣ号に向けられ、もはやこれまでかと思われたその時、
「参上〜」
小道から生徒会チームの38(t)戦車が突然現れた。
「生徒会チーム」
「履帯直したんですね」
38(t)はチャーチルの近づくと、
「発射!」
河嶋は、零距離から砲撃したにも関わらず相手戦車に擦りもしなかった。それはそれで逆にすごいが・・・
「あ・・・・」
「桃ちゃんここで外す?」
そして、38(t)に聖グロリアーナの戦車の全砲門が向けられて一斉に砲撃を食らってリタイアとなる。
「やられたあ〜」
「前進一撃で離脱して、路地左折!」
そう言ってみほは、マチルダ一両を撃破して脇道に逃げて行く。
「回り込みなさい!至急」
それを見たダージリンは、即座にⅣ号の追跡を指示する。
「大通りに出て先に路地を抑えます」
みほは、一つ先の路地を進むチャーチルを見て焦る。
「急いで下さい!右折したら壁に沿って進んで急停止!」
「はい」
そして、みほ達Ⅳ号は、大通りの十字路の曲がり角で急停止して通って来たマチルダの側面を砲撃して撃破し、更にやって来たマチルダを反対方向に回って側面を砲撃して撃破する。そして、後にやって来たチャーチルの砲塔を砲撃するも効果なしだった。そして、チャーチルの砲塔が動き出し
「後退して下さい!ジグザグに!」
とみほは、チャーチルの砲撃を避ける為にジグザグに後退する様指示する。そして、大急ぎでチャーチルの前を横切る。
「路地行く?」
「いや、此処で決着を着けます。回り込んで下さいそのまま突撃します」
Ⅳ号は、一旦はチャーチルから距離を取ると車体を反転させる。
「と、見せかけて合図で敵の右側部に回り込みます」
Ⅳ号は、全速力でチャーチルに向かって突進し、
「はい!」
とみほの合図でⅣ号はチャーチルの手前で急ブレーキを掛けドリフトでチャーチルの右側面に回り込むと、
「撃て!」
「はい!」
みほの合図で五十鈴が引き金を引き発砲、同時にチャーチルも発砲する。爆発により爆煙に覆われそして、煙が晴れるとチャーチルは殆ど無傷状態で一方のⅣ号は、チャーチルの砲撃で砲塔がやられ主砲が破裂し白旗が揚がる。
「残るは、日向さんのティーガーだけ・・・何処に行ったのかしら?」
そう言って、ダージリンは辺りを見回す。すると、何処からか独特のエンジンの音と履帯の動く音が聞こえて来た。そして、脇道からティーガーが姿を現れたのだ。
「やられましたわ・・・・」
「何がですかダージリン様?」
「わたくし達はまんまとⅣ号に誘い込まれたようですわ」
ダージリンは、気付いた様だ。Ⅳ号がこの通りに誘い込んだのはティーガーに自分達を撃破させる為だったのだと。実は、秋人があの時みほ達に『チャーチルは俺たちが仕留めるから、何処か大きな通りに誘い込んでくれないか?』とあの時無線で話し合っていだのだ。
「やるしかありませんわね・・・・前進!」
とダージリンは、ティーガーに向かって前進する様指示する。
「Aチームご苦労だったな後は、任せろ!・・・・敵11時方向!距離100!徹甲弾装填!!」
「装填完了!」
「撃て!」
と最初にティーガーが発砲する砲弾は掠めるそのまま通り過ぎて行く。そして次にチャーチルが発砲したが、チャーチルの76m砲はティーガーの正面装甲に弾かれた。チャーチルは次の砲弾を装填する。
「装填!」
「発射!」
チャーチルの第二弾が発射され、砲弾はティーガーの前で着弾する。
「同標的!撃て!!」
そしてティーガーの放った88mm砲の砲弾がチャーチルの正面装甲に命中し爆発を起こしチャーチルの砲塔から白旗が揚がる。撃破である。
『聖グロリアーナ女学院チーム。全車両行動不能よって大洗女子学園の勝利!』
とアナウンサーが大洗女子学園の勝利を宣言する。こうして、大洗女子学園と聖グロリアーナ女学院の親善試合は幕を閉じる。