試合が終わると、撃破された大洗チームの戦車がレッカー車で運ばれて行く。皆、あの強豪校の聖グロリアーナに勝った事が信じられず呆然としていた。
「あなたが隊長さんですわね?」
とダージリン達がみほ達のもとにやって来た。
「あ、はい」
「あなたお名前は?」
「あ・・・西住みほです」
「もしかして西住流の!?・・・随分まほさんと違うのね」
ダージリンはみほの名前を聞いて少し驚いた顔をした。すると、向こうから秋人達のティーガーがやって来てダージリン達の後ろで停車した。如何やら今から学園艦に引き返すところだった様だ。そして、キューポラから秋人が降りて来た。
「ご苦労だったなお前達」
「あ、日向さん」
『お疲れ様です』
「あぁ、お疲れ。ダージリンさんも中々いい試合でした。聖グロリアーナチームの戦い方も中々勉強になったよ」
「こちらこそ大変面白い試合でしたわ。まさか、助けて頂いた殿方と試合をするなんて思いませんでしたわ。今回は負けてしまいましたが大洗のデータも日向さん貴方の実力も充分得られましたから次は勝たせて頂きますわ」
「俺はデータでは測れないぜ。いつでも挑んで来な、俺はいつでも相手になってやるから」
とダージリンと秋人が互いにそう言う、するとダージリンが秋人にある招待状を手渡す。
「これは?」
「我が聖グロリアーナのお茶会の招待状ですわ。日向さんには、あの時助けて頂いたお礼を改めてしたいので」
「別にお礼をされるほどの事をしたわけじゃないが、有り難く受け取っておくよ」
「では、わたくし達はそろそろ」
そう言ってダージリン達は去って行く。ダージリン達が去って行くと今度は角谷達がやって来た。
「いや〜初勝利おめでとうね。皆お疲れ様〜」
「会長!私達、勝ったんだからこれであんこう踊りしなくていいよね!!」
と武部が詰め寄ってそう言うと角谷が首を傾げ
「え、何言ってるの?」
『え?』
「試合には勝ったけど私達皆撃破されちゃたじゃん〜」
「で、でも日向さん達が残って・・・・」
「日向君達は、戦車道の助っ人であってこの学園の履修生じゃないから対象外だよ〜。それにみんなバラバラで連携が取れてなかったからさその反省も含めてさ〜」
「そんな〜!!」
(((((うわぁ〜鬼だ)))))
と絶望し、みほ達顔を引き攣らせ秋人達はドン引きだった。
「さぁ、約束通りやってもらおうかあんこう踊り!」
「まぁまぁ、こう言うのは連帯責任だから〜」
「え!?」
「会長!まさか・・・」
「うん」
と角谷は、負けたのは自分達も同じだからと全員に連帯責任と言う形をとると言うと河嶋と小山も驚く。
「お、おい、それってまさか俺達も含まれているんじゃ・・・・」
『うぅ!!』
「あぁ〜如何しようか考えたんだけど、日向君達とは秘密を守る約束があるしそれに一番の功労者だからなぁ」
と秋人の発言にミーナ達はギョッとし角谷は秋人にもあんこう踊りをさせるか考えそして、
みほ達は、ピンクの全身タイツを着させられ町の中をトレーラーの荷台の上であんこう音頭に合わせて踊らされた。
『アアアン アン アアアン アン
アアアン アアアン アン アン アン
1.あの子 会いたや あの海越えて
あたまの灯は 愛の証
燃やして 焦がして ゆーらゆら
燃やして 焦がして ゆーらゆら
こっち来て アンアン
逃げないで アンアン
波に揺られて アンアンアン
2.あした 会いましょ あの浜近く
あなたの灯は 恋の光
誘って 焦らして ぴっかぴか
誘って 焦らして ぴっかぴか
愛して アンアン
泣かないで アンアン
いやよいいわよ アンアンアン
3.熱い あったか あなたのからだ
あたまの灯は ちょっとじゃまね
炒めて 煮込んで ほっかほか
炒めて 煮込んで ほっかほか
おなべは アツアツ
おいしくって アツアツ
味噌で しょうゆで アッツアツ』
みほ達は顔から火が出そうな程顔を真っ赤にしてあんこう踊りをする。
「もお、お嫁に行けない!」
「仕方ありません!」
「恥ずかいと思えば余計に恥ずかしくなります!」
「てか、日向さん達はどこ!!」
武部の言う通りその中には、秋人達は居なかった。一方の秋人達は、
「ご愁傷様だね」
「それにしても、ひどい歌と踊りね」
「同感」
「あの会長、俺らにあんな屈辱的な事をさせるつもりだったのか?」
「「「・・・・・」」」
秋人達は街道からみほ達のあんこう踊りを見ていた。結局のところ秋人達は、踊らなくていい事になった。
「あれ、そう言えば秋人は?先まで居たのに?」
「秋人なら、あのお嬢様達の所にお茶しに行ったよ」
「相変わらずのたらしだな」
◇そして当の秋人は、ダージリンにあの時のお礼がしたいと招待されて、波止場に用意された茶会に参加していた。テーブルにはティーセットなどが置かれていた。
「さあ、召し上がってください。我が聖グロリアーナの特製紅茶とサンドウィッチとスコーンよ。採れたてのきゅうりとハムで作ってあるので、スコーンは蜂蜜とジャムもありますから好きな食べ方でどうぞ」
「では、遠慮なく頂きます」
と秋人は、ティーカップの紅茶を口にする。
「この紅茶を淹れたのは誰です?」
「あ、私です」
「美味しい。確かオレンジペコさんだけ、紅茶の淹れ方を誰かに教わった事があるのか?」
と秋人は紅茶を淹れたオレンジペコと言う娘に尋ねる。
「ダージリン様や先輩達から言われた通りに淹れただけです」
「そうか、それは重要な事の一つだ。オレンジペコさんは、いい先輩達に恵まれている」
「ありがとうございます。あと、オレンジペコで構いません」
「この、サンドウィッチとスコーンも絶品だ。紅茶との相性もいい」
「でしょ、紅茶にもよく合うし」
とその後も秋人は、聖グロリアーナの紅茶や茶菓子などを召し上がって時間を潰していた。そんな時ダージリンが、
「しかし、何故日向さんは大洗女子で戦車道の助っ人を?」
と秋人が大洗女子学園の戦車道をしているのか不思議で尋ねてきた。まぁ、普通女性だけでやる戦車道に男の秋人がやっている事に不思議に思うのも無理はない。
「詳しくは話せないが、強いて言うなら西住みほさんに大きな恩があるからその恩返しってところだ」
「そうでしたの」
まぁ、言えるわけが無い自分達が過去からタイムスリップして来た人間で大洗女子学園に匿われているなど、しかし言ったところで信じてもらえるかどうか?
「それにしても、日向さんどこかで戦車道をおやりになった事がありますの?あの戦車の乗りこなしとても初心者とは思えないのですが」
「いや、戦車道自体は初めてだが、戦車には何度も乗っているが」
それは、そうだ。秋人は戦車道と言う競技ではなく第二次世界大戦の独ソ戦を戦って来た戦車兵なのだから。その後も秋人は、ダージリン達と話をしながらお茶会を満喫していた。その際、携帯の連絡先とかも交換したその時のダージリンの顔はどこか嬉しそうだった。そしてその後、秋人が腕時計を見てそろそろみほ達があんこう踊りが終わっている頃だろうと思い。
「さて、俺はそろそろお暇させて貰おうかな」
「そうですか。オレンジペコ、お客様がお引き取りになられるわ。お土産をお渡しして」
「はい!こちらに銘菓グロリアーナ煎餅をご用意しておきました」
と秋人は、帰り際にオレンジペコから色々と聖グロリアーナ特製のお土産などを貰った。
「色々と悪いな、お茶会に招待してもらった上に色々と土産までもらって。美味しい紅茶ご馳走様。じゃぁ、俺はこれで、グッドラック、グロリアーナ淑女の皆さんまたお会いしましょう」
「ご機嫌よう。また、いらして下さい」
「ご機嫌よう」
そう互いに挨拶をして秋人は去って行く。その時の秋人を見送るダージリン顔は少し赤くなり淑女と言うより何処か乙女と言った感じだった。
「ダージリン様どうかなさいました?顔が赤いですよ熱でもあるんですか?」
「な、何でもありませんわオレンジペコ」
「もしかして、惚れました?」
「な、な、何を根拠に言うですの!オレンジペコ!そんなわけがある筈が・・・」
「顔がひきつってますよ」
「そ、そんな事はありません!」
とオレンジペコが冗談で言ってみるとダージリンは、動揺しその震えで手に持っているティーカップをカチャカチャと音を立てて中に入っている紅茶を僅かながら溢してしまっておりそこには普段の優雅さはなかった。そんなダージリンをオレンジペコは面白そうに見つめていた。ダージリンは顔を逸らしてしまう。
◇その後、秋人は聖グロリアーナから貰ったお土産を戦車に置いて市街を歩いて回る事にした。ミーナ達も各自自由な所を回る事にした。ミーナ、綾乃達は買い物、良と幸也はグルメに行っていた。秋人が大型ショッピングセンターに差し掛かった時、駐車場にみほ達が居た。如何やらあんこう踊りはもう終わったらしいな。
「西住殿のせいじゃありませんから」
「そうだよ〜」
「この後7時まで、自由時間ですけど、どうします?」
「買い物行こう」
と武部が買い物に行こうとそう言うと
「お前達散々だったな」
「日向さん!?今までどこに行っていたんですか?」
「聖グロリアーナのお茶会に出席していた」
「じゃあ、私達のあんこう踊りは!?」
「殆ど見ていないが?」
秋人がそう言うとホッとした様に胸を撫でおろす女子一同。すると、冷泉が一人どこかに行こうとする。
「何処行くの?」
「おばあに顔見せないと殺される」
「あぁ、そうだね。じゃぁ、私達だけで行こうか。日向さんも一緒に買い物に行こうよ。初めての大洗でしょ案内してあげる」
と冷泉は祖母に会いに行くようだ。と言うか顔出さなきゃ殺されるってどんだけおっかねえ祖母だよ。それを聞いて武部は納得する。そして秋人は、武部に誘われてみほ達と一緒にアウトレットを廻る事にした。
「かわいいお店いっぱいあるね」
「後で戦車ショップ行きましょうね!」
「その前に何か食べに行きません?」
そうやってアウトレットを歩いていると前方で一台の人力車が止まる。そして、その人力車を牽引している男性がこっちを見て来た。
「あっ!目が合っちゃった!」
その男の人は微笑みながらこっちに向かって歩いてくる。
「ちょ・・・ヤダ//!」
と武部が照れる。すると、五十鈴が、
「新三郎!」
「知り合い!?」
五十鈴があの男性の名前を言う。如何やら五十鈴さん知り合いみたいだ。五十鈴の知り合いって事で武部が驚く。
「あ、あ、初めまして私、華さんの・・・」
武部が挨拶をしようとするが男性は素通りで五十鈴の所に行った。
「お嬢お元気そうで」
「何!?聞いてないわよ!!」
「うちに奉公に来ている新三郎」
「お嬢がいつもお世話になっています」
奉公って事は使用人みたいなものか?という事は、五十鈴さんはどこかいいところのお嬢さんって事か?道理で気品ある言葉遣いや雰囲気があると思った。
すると、人力車に乗っていた着物を着た女性が和傘をさして降りて来た。
「華さん」
「お母様」
如何やらあの人は、五十鈴さんの母親らしい確かに顔がそっくりだし、気品さも感じられる。
上手くかけているか分かりませんが、誤字脱字などがありましたらご指摘お願いします!