ガールズ&パンツァー 蘇る宿命の砲火   作:人斬り抜刀斎

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今年最後の投稿です。今年も今日で終わりですね。


全国大会へ

「遅い・・・」

 

それから、秋人やみほ達は港に着くと冷泉が、波止場のボラードに足を乗せて何処かの映画のワンシーンの様なポーズで待っていた。

 

「夜は元気なんだからー!」

 

と武部がそう言う。確かに昼間の眠そうな冷泉さんとは、全然違うもしかして彼女は夜型の人間か?そして、階段を登っていくと全員が戻って来ているか確認している風紀に厳しいおかっぱ頭が特徴の風紀委員長園が居た。

 

「出港ギリギリよ」

 

「すみません」

 

「すまんなそど子」

 

「その名前で呼ばないで!」

 

遅れて来たことに謝り冷泉は、そど子呼びする園はそど子と言うあだ名対して怒る。何でだろう?園呼びよりそど子呼びの方がしっくり来るのは?学園艦の最上階に登るとそこには、一年生チームが居た。

 

「西住隊長・・・・戦車を放り出して逃げたりして、すみませんでした!」

 

「「「「「すみませんでした!」」」」」

 

と澤が謝ると他の一年生も謝る。戦車から逃げ出した事に対して一同頭を下げて謝る。

 

「先輩達カッコ良かったです!」

 

「直ぐ負けちゃうと思ってたのに・・・・」

 

「私達も次は頑張ります!」

 

「絶対頑張ります!」

 

すると、秋人が一年生チームの前に立った。

 

「お前達が謝る必要はない気にするな。逃げる事は悪い事じゃないし、逃げたからと言ってお前達を責める奴は居ない。言いたい奴には言わせておけば良いし、後で見返せばやれば良い」

 

「でも・・・・」

 

「私達には、日向さんや西住先輩達みたいな実力は無いし」

 

「私達怖くて戦車から逃げ出したし」

 

「お前達は、今回初めての戦車道の試合だったんだろう。恐怖心がある方が冷静な判断ができる。だが・・・ただの臆病者にはなるな。お前達に必要なのは実力じゃない勇気だろ!普通の道だって、みんな色んなところでつまづいたり決断や恐怖と戦いながら不安いっぱいに進むんじゃないか、俺達だって戦争での死の恐怖と向き合って戦って来たんだ!自信なんて最初からみんな持ってねえよ。実力の世界で生きて行くとかそりゃ茨の道かもしれないさ、何かを成す人間てのは人生の何処かで必ず壁にぶつかる。泣いて良い、逃げても良い、けど最後まで諦めるな!どんなに苦しい試合でも焦らない為に今苦しんでおけ、追い込まれた経験のない者は決して強くはならない!過ちは誰にだってある人は、そうやって失敗や負けを積み重ねて学んで強くなって行くんだ。恐怖は悪じゃないそれは、自分の弱さを知ると言うことだ。弱さを知れば人は強くも優しくもなれるんだ」

 

「はい!日向さん、ありがとうございます!」

 

「「「「「ありがとうございます!」」」」」

 

一年生チームは、秋人に礼を決意を新たにする。

 

「すごい、一年生達を一つにまとめ上げてる」

 

「日向殿には、人並外れたカリスマ性があるみたいですね」

 

秋人の後ろでは、みほ達は笑顔で見ていた。

 

「これからは、作戦は西住ちゃんに任せるよ」

 

そんな時、角谷達生徒会の面々がやって来た。

 

「んで、これ」

 

そう言って角谷は、小山が持っていた箱をみほに渡す。その箱の中身はティーカップ6個と紅茶の葉が入ったティーセットだった。そして、箱にはto friendと書かれた手紙が添えられていた。武部が手紙を読み上げ手紙には、

 

『今日は、ありがとう。貴女のお姉様との試合より面白かったわ。また公式戦で戦いましょう』

 

と書かれた。

 

「凄いです!聖グロリアーナは好敵手と認めた相手にしか紅茶を送らないとか」

 

「そうなんだ」

 

要するにこれは、ダージリンが大洗をライバルと認めたと言う事の様だ。

 

「昨日の敵は今日の友ですね」

 

「あー!待って、まだ続きが書いてあった!」

 

と更にその下に続きが書いてあったのに気付いて武部が読み上げる。

 

『そして、日向さん、今日の試合とても面白かったわ。公式戦で貴方とまた戦える時を楽しみにしていますわ。次は必ず勝ちますわ。後日、お茶会の日程が決まりましたら連絡致します。その時は、わたくし特製の紅茶とサンドイッチなどをご馳走いたしますので是非聖グロリアーナにおいでになられて下さい』

 

と書かれた。試合後、彼女らとお茶会をしたが、まさかまたお誘いが来るとはな、あの時は、オレンジペコが入れた紅茶だったが、ダージリンさんが入れた紅茶は飲んでいないな・・・少し楽しみだな。

 

「公式戦も負けられないね」

 

「はい!勝ちたいです!」

 

「公式戦?」

 

「戦車道の全国大会です!」

 

と秋山が嬉しそうにそう言う。皆、公式戦でも勝ちたいと言う気持ちを新たにする。戦車道の全国大会は戦車道の説明を受けた時に角谷から聞かされていた。そんな時、秋人は、五十鈴に声を掛けられた。

 

「日向さん・・・」

 

「何ですか五十鈴さん?」

 

「あの時は、ありがとうございました」

 

「俺は、別に大した事はしていない。俺は、ただ自分の言いたい事を言っただけだから。五十鈴も自分の華道を母親に認めてもらえる様に頑張りな。家や肩書きなど関係ない大地で咲こうが花壇で咲こうが前に進めば花は力強く美しく育つんだ」

 

「はい!あのそれと、もしわたくしが自分の華道を見つける事が出来たら一番最初に日向さんにわたくしの花を見て欲しいですけど・・・・ダメですか?」

 

「・・・わかった。約束しよう」

 

と五十鈴は、顔を赤くしてそう言うと秋人は微笑み了承して約束の誓いとして指切りを交わした。そのやり取りを離れた場所から見ていたみほ達は、何やら複雑そうな顔をしていた。

 

 

 

それから数日後のとある市民会館の会場の中で戦車道公式戦の全国大会トーナメント抽選会が始まった。

 

『大洗女子学園8番!』

 

みほが引いたくじの番号は8番で順番的にサンダース大学附属高校に当たった。抽選結果を聞いたサンダース大学附属高校の生徒たちは喜んでいた。彼女達からしたら大洗女子学園は無名の学校であり、楽勝と高を括っているのだろう。

 

「サンダース高・・・」

 

「それって強いの?」

 

「優勝候補の一つです」

 

「えぇ〜、大丈夫?」

 

と武部が不安げにそう言う。一方の生徒会の面々は、

 

「初戦から強豪ですね」

 

「どんな事が有っても負けられない・・・負けたら我々は」

 

と意味深な事を険しい顔で言う河嶋。そして、会場内の出入り口付近で秋人達は、壁にもたれ掛かりながらそんな様子を見ていた。

 

「サンダースか・・・・一体どんな戦車で戦ってくるのかしら?」

 

「さぁな、それにしても、大洗が戦車道を始めたばかりの無名の弱小だからってサンダースの子達浮かれてて天狗になって・・・・」

 

秋人は、喜んで浮かれるサンダースの生徒達を見て呆れる。その油断が命取りにならない事を祈るが。




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