「それでは、本日の練習を終了する!解散!」
『お疲れ様でした』
河嶋の号令により今日の戦車訓練は終了する。
「お疲れ様」
「疲れたぁ〜甘いもの食べたい」
「何か食べて帰る?」
「うん」
とみほの誘いに武部は、乗り気だったが五十鈴が起点を聞かせたので、すぐに用事があると言って断った。
「あ、私達ちょっと用事があるからみぽりん先に帰っていいよ!」
「え?・・・うん」
「日向さん!みぽりんを送ってあげて、もう遅いしこう言う時こそ男子が女子をエスコートしなきゃ!」
「あぁ、別に構わないが」
「じゃあ、日向さんみぽりんの事よろしくね」
「行こうか。みほさん」
「う、うん」
武部に言われてみほと二人で寮に帰ることになった秋人そんな帰り道の途中みほが立ち止まってある事に気付いた。
「あ!」
「どうしたみほさん?」
「作戦ノート教室に忘れちゃったみたい・・・」
「じゃあ、一旦取りに戻ろう」
みほの忘れ物を取り行くため秋人とみほは、一度学園に戻る事になった。教室に戻りみほは、自身の机の中にしまって置いたノートを取り出す。
「作戦ノート見つかったか?」
「うん、あれ?」
「どうした?」
「沙織さん達の鞄がある?みんなもう帰った筈じゃ・・:」
と武部達の机にはカバンが掛けられたままだった。
戦車格納庫へと行ってみると格納庫の前で今日の訓練が終わった後でもⅣ号のメンバーがⅣ号に乗り自主練をしていた。
「9秒!さっきよりちょっと早くなったかも」
「やった!」
「次はもっと早く動いてみせます」
武部は、タイマーでⅣ号の走行時間を測っていた。秋人とみほがそんな様子を見て声を掛けると皆が此方に気付いた。
「みんな・・・」
「「「「あぁ・・・」」」」
「まだ練習してたんだ?」
「私達、みぽりんの足を引っ張らない様にしなきゃと思って」
「お姉さん達を見返してやりましょうね」
「みんな・・・」
それで、残って自主練か。みんなみほさんの為に頑張ってるんだな、みほさんはいい友達に恵まれている様だ。
「秋人さん、私頑張るね」
「ああ」
それからは、秋人達が大洗の皆の教官を務め毎日厳しく過酷な訓練を 内容を行った。まずは、基礎体力作りとして、秋人達は履修生達と共に戦車訓練所のグランドを10周走る事から始まる事となった。
「ほら、走りなさい!戦車乗りにはまず、体力が必要なのよ。取り敢えずグランド10周!」
とミーナの掛け声の元履修生達は、グランドを走らされる。しかし、冷泉や一年生達は走ってすぐにペースを落としてバテ始める。
「む・・り、限界だぁ〜・・」
「ほら、麻子しっかりして」
「あのコーチスパルタ過ぎるよ」
「私達は、軍人じゃ無いのに〜」
「そこ、無駄口叩く暇があるんだったら走りなさい!」
『は、はい!!』
因みに秋人達は、10周走り終わってもなお、息切れや汗一つとしてかいていなかった。こうした、肉体訓練を受けながら履修生達は、戦車の訓練に励んだ。
また、ある時一年生のチームが『AチームとかBチームとかチーム名が分かりづらい』とか『もっと可愛いチーム名がいい』など声があり、そこで動物の名前をチーム名にすると言う案が出てそれが採用された。
西住みほのⅣ号戦車Aチームは、あんこうチーム、バレー部八九式中戦車Bチームは、アヒルさんチーム、歴女達三号突撃砲Cチームは、カバさんチーム、一年生達M3中戦車Dチームは、ウサギさんチーム、生徒会38(t)戦車Eチームは、カメさんチーム、秋人達ティーガー改重戦車Fチームは、ワシさんチームとそれぞれチーム名を改名し戦車の車体や砲塔には、そのチームの動物のイラストが描かれていた。そして、大会へ向けてのパンツァージャケットが新しく新調され試着してみると
「みなさんとってもお似合いです」
「いいじゃん!気にいちゃった!」
皆からは、好評だった。因みに秋人達は、大戦時から着用している黒いパンツァージャケットだ。
そして、今日この日【第63回戦車道全国高校生大会『第1回戦』】大洗女子学園VSサンダース大学付属高校の試合日である。場所は、南の孤島の森林地帯。会場では、大勢の人が来ることもあっていろんな屋台が来てちょっとしたお祭り騒ぎだった。観客席では、戦車道を始めたばかりの無名校の大洗に比べて、サンダース高はまだ一回戦にも関わらず観客席が埋まっており、そこにはチアリーダーまでいる。
「整備終わったか!」
「「「「「はーい」」」」」
河嶋がそう聞くとみな返事をする。
「準備完了!」
「私達もです!」
「Ⅳ号も完了です!」
「ティーゲルもいつでもいいぞ」
「じゃあ、試合開始まで待機!」
とみんながそう言うと河嶋が待機とそう指示し、後は試合開始を待つだけだ。すると、一年が何かを思い出したのか。
「あっ!砲弾忘れてた!」
「それ一番大切じゃん!」
「ごめ〜ん」
と砲弾を忘れた事に笑い合う一年生チーム。いや、砲弾を忘れるってそれ笑い事じゃないだろ。
「呑気なものね」
「それでノコノコ全国大会へ出て来れたわね」
と誰かが、そう言った。声のした方を見るとサンダースの選手であるナオミとアリサの二人がやって来た。
「あ!」
と秋山は、偵察に行った時のことを思い出したのか?二人を見ると秋人の背中に隠れる。
「貴様等何しに来た!」
「試合前の交流も兼ねて食事でもどうかと思いまして」
「あ〜いいね〜」
と角谷は、ニヤリと笑い誘いになる。するとナオミは、秋人の所に来て、
「勿論、君も来るよね?」
「へぇー招かれたからには行くしか無いな」
そんな二人に連れられてみなサンダース側の陣営にやって来た。
「すごっ!」
「救護車にシャワー車、ヘアーサロン車まで!」
「本当にリッチな学校なんですね」
と武部と秋山、五十鈴がサンダースの車両を見て圧倒されていた。すると、
「ヘイ、アンジー!」
とケイが手を振りながら角谷たちの方にやって来た。
「角谷杏だから、アンジー?」
「馴れ馴れしい」
「やあ、やあケイ。お招きどうも」
と角谷とケイは握手をして軽い挨拶をする。角谷会長とケイは、二人共知り合いなのだろうか?
「何でも好きな物食べってて。OK!」
「オーケーオーケー、おケイだけに」
「アハハハ!ナイスジョーク!」
と角谷がドヤ顔で駄洒落を言い、ケイは腹を抑えながら笑った。そんな面白いか?すると、ケイがこっちに気付いてやって来た。
「HEY!オットボール三等軍曹!アッキー!!」
そう言ってケイは、こっちにやって来た。
「あ、見つかっちゃった!」
「怒られるのかな?」
と秋山と武部は心配そうに言うが、ケイは懐が大きいからそれくらいの事で怒らないだろうから笑って許してくれるだろう。
「この間大丈夫だった?」
「え?はい・・・」
「また、いつでも遊びに来て!ウチは、いつだってオープンだからね!」
そう言うと、ケイは秋人の方にやって来た。
「ハーイ!アッキー元気にしてた」
「まぁ、その・・・すまなかったなケイ。偵察の為とは言えファンだなんって嘘言って」
「いいのいいの気にして無いから。今度いつうちの学校に来るの?うちはいつでもウェルカムよ」
「そのうちな・・・」
「お互いフェアでいきましょう。じゃ!」
そう言ってケイは笑いながら去って行った。まぁ、それがケイのいい所なのかも知らない。
「よかった」
「隊長は、良い人そうだね」
「フレンドリーだな」
と皆は、取り敢えず試合が始まるまでサンダースの屋台で食事を楽しむのであった。そんな中、ミーナが話しかけて来た。
「秋人、あんたいつの間にサンダースの隊長と知り合いになったのよ?」
「そうそう!ゆかりんちでビデオ見た時日向さんとサンダースの隊長去り際に親しそうに話してたよね!」
「あぁ、前に秋山さんとサンダースに偵察に行っただろ」
「え?うん」
「その時、秋山さんが帰りが遅かったから様子を見に行った時に戦車格納庫で会って話しているうちにケイに気られてサンダースを案内してもらったんだ」
「秋人って、本当に誰とでも仲良く出来んのね」
その後食べ終えた大洗の皆は、新調したパンツァージャケットに着替えて自身の戦車に搭乗し、試合開始の順番をする。
『それでは、サンダース大学付属高校と大洗女子学園の試合を開始する!』
「よろしく」
「あぁ」
アナウンスの言葉と共に角谷とケイがお互いに握手を交わし二人は、ジープに乗って陣地へと向かう。
「説明した通り、相手のフラッグ車を戦闘不能にした方が勝ちです。サンダース付属の戦車は、ティーガーのワシさんチームを除けば攻守共にに私達より上ですが、落ち着いて戦いましょう。機動性を活かして常に動き続け敵を分散させて三突若しくはティーガーの前に引きずり込んで下さい!」
『はい(おう)!!』
と大洗のチーム全員が声を上げ、ちょうどその時に角谷の乗ったジープが戻ってきてそろそろ試合開始だ。
「さぁ〜行くよ!!」
そして、試合開始の合図の花火が上がり遂に始まる。
『試合開始!』
と審判のアナウンスが流れ両陣営の戦車が一斉に前進する。
秋人達のチーム名は、やっぱりティーガーの名に因んでトラさんチームにしようかな?と思ったんですがそれじゃそのままなので、そこで、ヨーロッパで古代ローマ帝国時代からヨーロッパ各国で国章として使われている鷲にしようと思いました。
元々ヨーロッパでは鷲には、強さ、勇気、遠眼、不死などの象徴として使われて、空の王者や最高神の使者とされて来ました、
パーソナルマークは、国家鷲章(鉤十字なし)のそれを採用しています。