ガールズ&パンツァー 蘇る宿命の砲火   作:人斬り抜刀斎

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目覚め

秋人は、今あの世とこの世の境の暗闇の中を立っていた。

 

「俺は、結局何も守れなかった。許してくれ父さん、母さん、みんな、俺も今からそっちに行くよ。」

 

秋人が、そう言い暗闇の中を歩いて行く。実は、秋人の両親は数ヶ月前の連合軍による空襲により死亡したのだ。そして、戦いの中で親しくなった戦友の死。しばらく歩いていると何か見えて来た。近づいて行くとそこには、焚き火の前に座り込む60代くらいの老人がいた。

 

「秋人か?」

 

「こんな所に居たんだ」

 

「お前の話を聞かせてくれないか?」

 

「あぁ、凄く長くなるからゆっくり話たいんだけど」

 

「あぁ、構わんさ」

 

「何から話したらいいかな・・・・・・爺ちゃん」

 

その老人は秋人の祖父だった。秋人の祖父は、数年前に秋人が12歳の時に病で病死したのだ。秋人は、生前厳格の祖父からあらゆる武術を叩き込まれていた柔道、合気道、剣道と色々と教え込まれた祖父自身保守的な軍人気質であり、若い頃は日清戦争日露戦争と従軍経験があった。そして祖父から譲り受けた刀を大切に所持している。

そして秋人は、祖父が死んだ後の事を色々話した。祖父が死んだ後ドイツがヨーロッパ全土に戦争を仕掛け世界大戦になり、それに伴い自分自身も軍隊に入った事そしてそこで大切な仲間達が出来た事。そして次第にドイツの戦況が悪化して行き連合軍の空襲で両親が死んだ事そして東部戦線で遂に自分がやられた事を話した。

 

「そうか・・・俺が死んでからそんな事があったか。しかし、俺もお前もこうも早死にするとはな、お前もそれなりに大変だった様だな」

 

「結果は、どうであれ俺は自分のやるべき事を精一杯やったつもりだ。何一つ後悔はない今は誇りに思う。」

 

そんな話をしていると、秋人の体が突然光り出した。

 

「ん!?」

 

「どうやらお前は、ここに来るには早すぎた様だ。やるべき事が有る筈だ。生きろ秋人!」

 

そう祖父が秋人に言うと秋人は大きく体を光に包まれその場から消えて行った。

 

 

 

 

「ん・・んんん!?ここは?」

 

目が覚めると最初に見えたのは白い天井だった。そして辺りを見渡せば隣には仲間のミーナ、良、幸也、綾乃がベッドで寝ている。薬品の匂いや医療棚がある事から医務室だと推測出来る。そしてみんなや自分の体を見れば包帯が巻かれていた誰がが自分達をここへ運んで手当てしてくれた様だった。だが、それはおかしい!?秋人はソ連の森にいた筈??

 

(どう言う事だ!?俺達は、敵戦車にやられて森に逃げ込んだ筈?まさか!?俺達が気を失っている時にソ連軍に捕らえられたのか?)

 

窓の外を見ながら考える。自分らを捕虜として何か聞き出すそうとしているのか?だが、ソ連軍から恐れられ懸賞金まで懸けられた自分らを何の見張りや拘束も無しにしておくだろうか?

 

「あ!目が覚めたんですね」

 

「あの大丈夫ですか?」

 

「よかったですわ」

 

「ほんとビックリしたよ。戦車探しててこんな事に遭遇するんだもん」

 

そう考えていると目の前に自分と同い年くらいの茶髪でボブヘアーの女の子とモフモフした髪をした女の子や黒髪ロングの女の子にウェーブヘアーの女の子が医療室の扉を開けて入って来た。

 

「あんた達が俺らを運んで手当てしてくれたのか?本当にありがとう助かったよ」

 

「いえ、私達そんな大した事してませんよ。私達は、当たり前の事をしただけですから」

 

「いや、命を救ってくれたんだからそれくらい礼儀ってものだ。ところで、ここは一体何処なんだ?」

 

「ここは、大洗女子学園です」

 

(!?学園という事はここは学校か?しかし、どういう事だ!?大洗は名前からして日本名だ。だが、俺が居たのはソ連だ!ソ連から日本まで8000km以上はある筈だ!たた一瞬でソ連から日本に行くのは不可能だ。この子達が俺を油断させる為ソ連軍が送り込んできたとは考えにくいしリスクが高すぎし、何よりこの子達も嘘をついている様には見えないし)

 

「あの、どうかしたんですか?」

 

「ん、いや何でもない」

 

考え込んでいる秋人に声をかけて来る女の子に秋人は首を左右に振って誤魔化す。

 

「それじゃあ。私達これから生徒会室に行って会長に知られて来ますので」

 

そう言って女の子四人は医務室を立って行った。そして秋人は、窓の外の景色を眺めた。

 

「どうなっているんだ?本当に俺達日本に来ちまったのか?」

 

それから数分後に女の子が呼びに行った生徒会役員達が医務室へとやって来て事情聴取を受ける事になるのだった。

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