生徒会室では、生徒会三人組が次の対戦校である、アンツィオ高校についての資料を見て対策を練り、今の大洗の戦力を見直した。
「二回戦は今の戦車で勝てるかな?」
「まぁ、日向くん達がいるから良しとしてもねぇ」
「絶対勝たねばならぬのだ!」
小山が不安そうにそう言い、河嶋が拳で机を叩いて勝利への執念をあらわにする。
「二回戦は、アンツィオ高校だよ」
「ノリと勢いだけは、あるからねぇ」
オフィスチェアーを滑らせながら座る角谷がそう言い、落ち着いた河嶋が頷く。
「調子に乗られると手強い相手です。油断は禁物です」
翌日、戦車格納庫に戦車道履修生と秋人達が集まり、彼らの前に生徒会の河嶋が立ち、
「一回戦に勝ったからと言って気を抜いては、いかん!次も絶対に勝ち抜くのだ!!いいな、腰抜け共!!」
「「「「はい!」」」」
「頑張りま〜す!」
と河嶋の喝にアヒルさんチームの磯部達が返事して、次にウサギさんチームの大野あやが返事を返す。
「勝って兜の緒を締めよ!だーっ!」
「「「オーッ!!」」」
「えいえいおー!」
とカバさんチームのカエサルの言葉に他の歴女達も声を上げる。
「みんな成長したみたいね」
「あぁ、最初の頃より一皮剥けた様だな」
ミーナがそう言うと秋人がそう答える。
「皆凄いですね」
「うん」
みほ達も皆のやる気に満ちた姿を見て驚いていた。
その後、各チームメンバーは二回戦に向けて訓練を開始する。隊列を組んで走行し、遠く離れた的を狙い射撃する。
『お疲れ様でした!!』
そして、時間が流れ日も暮れる頃今日の一日の訓練が終了した。秋人達は、ティーガー改から降りて体をほぐす。
「今日もご苦労だったなお前達」
「お疲れ」
「はぁ〜何かお腹すいたね」
「帰りなんか食って行くか?」
「いいねぇ〜」
そうして、秋人達は帰り支度をしようとしていた。そうしていると、
「秋人さん、お疲れ様でした」
「あぁ、みんなお疲れ」
「今日もいい汗掻きましたね」
みほ達がやって来た。
「うん?武部さん、何かいい事でもあったのか?」
と秋人が武部が何やら嬉しそうな顔をしていたので聞いてみた。
「あ、わかる。実はさ私、戦車に乗り始めてから痩せたよ」
「そう言えば、私も少しだけ低血圧が改善された様な?」
「血行が良くなったですかね?」
「血の気が増えたのかな?戦車乗りって頭に血が上りやすい人多いし」
「それ関係ある?」
とみほの言葉に首を傾げる武部。戦車には美容効果も健康面にも科学的根拠は存在しないが、まぁ、俺たちが立てた体づくりの運動していたらね。武部さんは運動して汗をかけば痩せたのだろう、冷泉さんの低血圧は戦車道を始めてから規則正しい生活を始めた事だろう。彼女達がそれでいいならそれでいいだろう。そこへ
「西住、日向、次の試合の戦術会議をするぞ」
「それと交換した方がいい部品のリストを作るのを手伝って欲しんだけど」
と河嶋と小山が声をかけて来た。
「御意」
「あ、はい」
そう言って二人は、生徒会室に向かおうとしていた時、
「先輩、照準をもっと早く合わせるにはどうしたらいいんですか?」
「どうしてもカーブがうまく曲がらないですけど」
とそこへアヒルさんチームことバレー部がやって来て佐々木と河西がみほに質問してきた。
「あ・・・待ってね、順番に・・・・」
「隊長、躍進射撃の射撃時間短縮について」
「ずっと、乗っていると臀部が擦れて痛いんだがどうすれば」
「隊長、戦車の中にクーラーって付けられないですか?」
「せんぱーい、戦車の話をすると男友達がひいちゃうんです」
「私は、彼氏に逃げられました〜」
そして今度は、歴女達カバさんチームがみほに質問をしに来て、次はウサギさんチームの一年ズもみほに質問して来た。こうして、みほ皆から質問攻めにあっていた。そして、一年の後半の質問は戦車と関係なくただの個人の質問になっている。
「えっと・・・・その・・・・・」
次々と色んな人たちから質問攻めにあい対応に困るみほ。
「あの、メカニカルな事でしたら私が多少分かりますので」
「書類の整理ぐらいでしたら私でも出来ると思うですけど」
「・・・操縦関係は私が」
「恋愛関係なら任して!」
すると秋山や五十鈴達がみほの代わりに手を挙げる。少しでもみほの負担を減らそうとする。
「それなら私達も色々と手伝うわ。西住さんの負担を減らしてあげないとね」
「「「おう!」」」
とミーナ達も名乗りを上げた。
「皆で分担してやりましょう」
「みぽりん、一人で頑張らなくても良いんだからね」
「・・・ありがとう」
そんなみんなにみほはお礼を言って俺たちは、生徒会室に向かう。
カバさんチームの歴女達には、秋山があたる。
「そう言えば、三突と言うのは戦車なのか?」
「いえ、砲兵科扱いの歩兵直協車両ですから支援車両ですよ」
三突は元々の任務は、戦車との交戦じゃなく歩兵の支援の車両だ。
「軽装歩兵の様だな?」
「単純に自走砲じゃないですか?」
「「「「それだ!!」」」」
バレー部のアヒルさんチームでは、冷泉が八九式中戦車を操縦して八九式をバックさせ視界が効かない状態でダンボールが置いてあるギリギリのところで停車させる。
「凄いです」
「どうやったらそんなに上手く操縦出来るんですか?」
と磯部達が冷泉に操縦の秘訣を聞くと
「マニュアル通りにやればなんとなく出来る」
「普通は出来ません!」
ウサギさんチームの一年ズには、武部が恋愛について講義していた。
「恋愛も戦車と一緒だと思うんだ!前進あるのみって感じかな?」
「凄い、恋愛の達人」
「先輩、今まで何人くらい付き合ったんですか?」
「え!?」
と経験人数を聞かれた武部はへこんだ。慌てて一年ズはフォローしようとする。
「あ、先輩大丈夫ですよ!」
「戦車が恋人でいいじゃないですか」
「そうです!元気出して下さい!!」
しかし、フォローどころか余計に武部に追い討ちをかけるだけだった。まと、各チームメンバーはミーナ達からも指導を受け操縦に関しては『訓練あるのみ』とか射撃に関しては『弾の気持ちがわかる』などと言われて困惑していた。一方、生徒会室では、五十鈴と小山が書類の整理をしていた。
「グリスは、1ダースでいいですか?」
「はい」
「そちらの書類は?」
「戦車関係の古い資料、ここで一緒に整理しようかと思って」
「お手伝いします」
「本当!助かる」
と小山はそう言うと、机に飾られている花瓶に気が付いた。
「あ、やっぱりお花があるといいね。私も華道やってみたいな」
「小山先輩、お花の名前付いてますもんね。確か、桃さん・・・・」
「あ、私は、柚子。桃ちゃんはねえ〜。桃ちゃ〜ん!」
「呼ぶな!」
小山は、手を振って河嶋の名前を呼ぶと河嶋は過剰反応する。仲がいいですこと。そして、角谷は干し芋を食べながら
「西住ちゃん、日向くん、チームもいい感じに纏まってきたじゃないの?」
「あ、はい」
「うむ」
「西住ちゃんと日向くんのお陰だよ。ありがとね」
「俺は、そんな大層なことはしていません。自分に出来ることを精一杯やっただけです」
「私もお礼を言いたいのは私の方で、最初はどうなるかと思いましたけどでも、私今までとは違う戦車道を知る事が出来ました」
どうやら西住流とは違う形の戦車道をみほは知る事が出来たみたいだ。自分の戦車道を彼女ならきっと見つけられるだろう。
「それは、結構だが、次も絶対に勝つぞ」
「勝てるかね〜」
「チームは纏まってきて、みんなのやる気も整ってますけど・・・」
と不安な表情を浮かべるみほに、秋人も思っている事を打ち明ける。
「戦車の事だろみほさん」
「うん、正直今の戦車だけじゃ・・・」
いくらチームが纏まろうとも戦車の性能が向上する訳ではない。秋人達が救助された日に学園艦にある戦車探しだされている。果たして、他にも残っているのだろうか?
「あの、お話中すみません。書類上では他にも戦車があった形跡が?」
「「「「・・・・・・・え?」」」」
書類を整理していた五十鈴が戦車の数が合わない事に気づいた。それはつまり、まだ発見されていない戦車が学園艦の中にある可能性があるという事だ。