大洗チームが反撃に転じようとしている頃、マカロニ作戦がバレた事を知る由もないペパロニ達カルロベローチェは、山岳地帯を走破していた。
「アハハハ!今頃あいつら十字路でビビって立ち往生しるぜ!戦いは火力じゃないオツムの使いかっただ」
『ペパロニ姐さん!』
「なんだ?」
『大変です、ティーポ89が!!』
「なんだって!」
ペパロニが車内の小窓から後方を覗くと、坂を登ってくるアヒルさんチームの八九式中戦車が追いかけて来た。
「何でバレてんだ!・・・・まぁいいや、ビビってんじゃねぇ!アンツィオの機動力について来られるかつーの!シカトしとけ!!」
ペパロニの言葉で、カルロベローチェは追ってくる八九式を無視してそのまま進軍を続ける事にした。
『敵5輌発見しました!F24地点を東に向かっています』
アヒルさんの磯部は無線で敵の位置を報告しつつカルロベローチェを追撃して行く。
一方ウサギさんチームは、森の中を走っていると
「あっ、二時に敵影!」
車長である澤が森の奥の丘の上にセモベンテ2輌を発見した。
「また、セモベンテ。先と一緒だ騙されるもんか!」
「あっ、ちょっと!?」
またデコイだと思ったあやは梓の静止を聞かずに、あやはペダルを踏みセモベンテに向けて機銃を発射して、同時に37mm砲もセモベンテに向けて放たれた。すると、放たれた砲弾はカキンっと金属同士がぶつかる音がした後、セモベンテが仕返しと言わんばかりにM3に砲撃して来た。
「ええっ、本物だ!!」
「もう!!」
また、偽物だろうと予想していたが、本物だった事に驚くあやに梓がそう言う。
『A二三地点、セモベンテ2両発見!今度は、本物です!!』
「まさかまた、偽物だと思って撃ったら本物だったってオチか?」
『はい、勝手に攻撃してしまいました。すみません交戦始まってます!!』
秋人が確認を取ると梓は申し訳なさそうにそう言った。
「大丈夫、おかげで敵の作戦が分かりました。セモベンテとは付かず離れずで交戦してください。西に行動を始めたらそれは合流を意味します。全力で阻止して下さい」
『はい!自信ないけど、やります!』
みほが梓にそう指示を出しつつ、他の車両にも指示を出して行く。
「アンコウ、ワシさん、カバさん、カメさんチームは、このまま直進します。包囲される前に敵のフラッグ車を叩きましょう。当然、こちらのフラッグも標的となりますが、逆に囮としてうまく敵側を引きつけて下さい!」
『御意』
みほが指示を出し、秋人は返事を返す。
「それでは、皆さん!健闘と幸運を祈ります!!」
その言葉と共にみほの作戦が実行される。
一方、その頃アヒルさんチームは、荒野で5両のカルロベローチェを追いかけていた。そんな、カルロベローチェに八九式は砲撃の機銃で、走り回るカルロベローチェを狙っているが未だに一両も仕留められていない。
「くそ!しゃらくせぇ!反撃だ!!」
「Si!」
ペパロニが車内後部の小窓を覗きながら、自分達に砲撃してくる八九式に悪態を突きながら、操縦手のアマレットに指示を出す。すると、2両のカルロベローチェが八九式の前に出て、3両が後ろに着いた。
「バックアタック!」
「はい!」
敵の3両が後ろに着いたのを見た磯部はあけびに後方の敵を攻撃する様に指示する。あけびは、砲塔後部に設置されている車載機関銃でカルロベローチェ3両を攻撃するも交わされってしまった。すると、前を走っていたカルロベローチェがいきなりバック走行を始める。
「何だ何だ!!」
「Sparare!」
そして、ペパロニの指示のもと5両のカルロベローチェが八九式に向けて一斉に機銃を撃ち始めた。銃弾は八九式を命中するも撃破判定までには至らなかったがそれでも、カルロベローチェは八九式に対して攻撃を仕掛ける。
「「イテテテテテ!!」」
カルロベローチェの8mの銃弾は八九式の17mmの装甲を貫通するまでには至ってない筈なのになぜか、磯部とあけびが痛がる。
「痛いのは戦車ですから取り敢えず落ち着いて反撃しましょう」
と通信手の近藤妙子が適切なツッコミを入れる。そして、磯部達は、カルロベローチェに反撃を仕掛け、あっという間に2両のカルロベローチェに砲弾を命中される事に成功した。
「よっしゃ!」
「バレー部の時代来てるぞ!次だ次!Gクイック!」
「そーれ!」
「ナイスアタック!」
とそうしている間もまたもカルロベローチェに砲弾を命中させる。
一方、セモベンテ2輌に追撃されているM3のウサギさんチームは、
「逃げてるだけだよ」
「2輌相手じゃ・・・」
「回り込んじゃいなよ〜」
「逃げるので精一杯!」
とそうして梓達が話し合っていると、優季が何かを思い付いた様だ。
「そうだ。考え方次第だよ。向こうが2輌で一つの砲、こっちは二つであいこじゃん」
「なるほど」
「なるほどじゃない!」
優季の言葉にあゆみが納得するが、梓がツッコミを入れる。ウサギさんチームは、セモベンテに追われながら林の中を走って行く。
大洗がそれぞれ戦闘を開始している中、とある地点の草影では、アンチョビのP40を始める両脇にはセモベンテとカルロベローチェが待機していた。P40のキューポラの上でペパロニ達カルロベローチェのマカロニ作戦の報告の一向に来ない事に疑問に感じて無線を取る。
「おい、マカロニ作戦はどうなっている?」
『すみません姐さん。今それどころじゃないんで後にしてもらえますか?』
アンチョビは、ペパロニにマカロニ作戦の進み具合を聞くが、ペパロニから作戦の報告では無く『今それどころじゃない』との事で、その報告にアンチョビは訳がわからず首を傾げた。
「何で?」
『ティーポ89と交戦中です。どうしてバレちゃったのかな?』
「十字路にちゃんとデコイ置いたんだろうな!?」
ペパロニに作戦通りにやったのかと、問いただすと
『ちゃんと置きましたよ全部!』
「全部」と言うワードにアンチョビは、
「は!?11枚だと数多いから即バレるだろうが!」
と本来9枚を十字路に設置する予定だったのが、ペパロニのミスで呆気なくバレてしまった。なんとも間抜けなミスを犯してしまった。普通ならここで『しまった!?』と焦ってしまうはずだが
『そっか〜、流石姐さん賢いっすね〜』
しかし、当のペパロニ本人は楽観的だった。ペパロニは、そう言う意味ではアンツィオ校生の典型と言える。
「お前がアホなだけだ!!」
そう怒鳴り散らすと、アンチョビは無線を切る。
「おい!出動だ、敵はそこまで来ている!!」
「はい!」
とアンチョビがそう言う両脇にいるセモベンテとカルロベローチェと共に大洗チームを探すため出撃して行く。
「2枚は予備だってあれ程言ったのにー、なんで忘れちゃうかな?」
そう言ってアンチョビが愚痴っていると、偶然にも前方からみほ達大洗チームとすれ違う。
「全車停止!敵フラッグと隊長車発見!!」
アンチョビがそう声を張り上げると3輌が急停車した。大洗チームも同じで、秋人のティーガー改も速度を落とし、信地転回でスライドしながら車体の向きを180度後ろに向ける。
「あのパーソナルマーク・・・・タカちゃん」
そんな時、セモベンテのハッチから様子を伺っていたカルパッチョが、ゆっくりと旋回する三突の側面に描かれているカバさんチームのパーソナルマークを見て、何かを感じ取ったのか?三突に狙いを定める。実は、カバさんチームが使っているパーソナルマークはカエサルがネットでのプロフィール画像に使っているのと同じだったのでカルパッチョはそれに気付いたのだ。
「ドゥーチェ、75mm長砲身の三突は、私に任せてください!」
「任せた!」
セモベンテは三突と向かい合い、残ったP40とカルロベローチェは坂を下って行く。