2回戦も無事勝利し、アンツィオ校の戦車を殲滅させ、大洗チームの損害はほぼ軽微だ。カバさんチームの三突はカルパッチョのセモベンテとの一騎打ちの末相打ちとなった。
「今回、私達出番少なかっわね」
と操縦手のミーナがそう言う。
「仕方ないよ、場所が場所だな訳だからね」
「それに相手戦車もそうだし」
「勝てたからいいだろ」
などと話した後そして、皆戦車から降りてみほ達と合流する。
「みんなお疲れ」
「秋人さん、お疲れ」
「お疲れ(様です)』
秋人は、みんなを労う。
「やりましたね!次は、いよいよベスト4ですよ!!」
「次はいよいよ準決勝だな」
「うんそうだね、順当に行くと次は・・・」
「アイス食べたい」
「お菓子ならあるよ」
「え〜」
とそう話し合っていた時、
「いや〜、今年こそは勝てると思ったんだけどな〜。でも、いい勝負だった」
「はい、勉強させて頂きました」
とそう言いながらアンチョビがやって来て、みほと秋人よ二人に握手して、みほにハグし
「決勝まで行けよ。我々も全力で応援するから!だよなぁ!」
「「「「おおぉーー!!」」」」
アンチョビが後ろに向いてそう言うと、アンツィオの生徒達が元気良く声を上げる。
「ほら、笑って!もっと手振って!」
「あ、アハハハ・・・ありがとうございます」
みほは、苦笑いをしながらアンツィオの生徒達に手を振りながらお礼を言う。
「何が始まるんですか?」
みほがアンチョビに聞くと、アンチョビはふっと笑いながら
「諸君!試合だけが戦車道ではないぞ!勝負を終えたら試合に関わった選手、スタッフを労う!これがアンツィオの流儀だぁー!!」
すると、アンツィオ校の生徒みんながテーブルを設置して料理を作って盛り付けて並べて宴の準備をして行く。
「すごい物量と機動力・・・」
「まさに、小規模の人海戦術・・・」
とみほと秋人が呟くと、
「我が校は、食事のためならどんな労も惜しまない!・・・・この、この子達のやる気がもう少し試合に活かせるといんだけどなぁ・・・・。まぁ、それはおいおいやるとして、せーのっ!」
「「「「いただきまーす!!」」」」
アンチョビの合図と共に皆手を合わせて合掌し、楽しいパーティーの始まりだ。一年生チームは、アンツィオの子達と仲良く合流をし、ミーナや幸也、綾乃が静かに食べる一方で良は、豪快にガツガツと食べていた。秋山さんは、アンツィオのパンツァージャケットを見て興奮したり、試合が終わればそこには、敵も味方も存在しないみんな笑顔で楽しくテーブルを囲いイタリア料理を楽しんでいた。秋人が、戦場でずっと抱いていたその先に平和が続くと信じて戦って来た。そして今その光景が目の前にあった。少し微笑んでから秋人も料理を味わっていると
「おーい!日向秋人」
「ん?」
声のした方を振り向くとペパロニを連れたアンチョビがやって来た。
「どうだ、食べているか?」
「あぁ、アンチョビさん。とても美味しいよ」
「それは、よかった。いやー、改めてお疲れ様。紹介しようこいつは、ペパロニ。副隊長でカルロベローチェの車長だ」
「よろしくっス、日向の旦那」
「あぁ、よろしくペパロニ」
とアンチョビに紹介されたペパロニが陽気に挨拶して来て秋人も挨拶を返す。
「いやー、マジ感激ッス!!聖グロのダージリンやサンダースのケイとナオミを倒した事で戦車道界で有名人の旦那に会えるなんて感激ッス!!サインくれ!!」
「おい、落ち着け!」
と興奮するペパロニを宥めるアンチョビ、
「ああ、すまないそれでだが日向。ちょっとこの後いいか?」
「あぁ、構わないが?」
一方、その頃激しい一騎打ちの末に、引き分けとなった。三突のカエサルとセモベンテのカルパッチョの二人の装填手が、賑やかな所から少し離れた静かな場所で試合の話をしていた。
「たかちゃんも、装填手だったんだ」
「あぁ」
「最後は、やっぱり装填スピードの勝負だったね」
「ふふっ」
「なんだよ」
カルパッチョがある方向を見て、微笑む。
「お友達が心配しているみたい」
「え?」
カルパッチョの視線の先にカエサルがみると、エルヴィンやおりょう、左衛門左達が影から見ていた。
「「あ、はははは」」
「っと、生徒会長がリーダーに招集を掛けている様な気がするんだが、取り込んでいるなら私が行くぞ」
左衛門左やおりょうは苦笑いで反応して、エルヴィンは招集の事をカエサルに伝える。
「今行くよ!」
「来年もやろ、たかちゃん」
カルパッチョひ、そう言って手を差し出しカエサルと握手する。カエサルは、
「たかちゃんじゃないよ、私はカエサルだ」
そう言って、カエサルは、首に巻いている赤いスカーフを翻して、宴会場に戻って行った。
「そうね、じゃあ。私はカルパッチョで」
そう言ってひなちゃんことカルパッチョは、カエサルを真似て自身の金髪を翻した。
そして、人気のない所にアンチョビに連れて来られた秋人は、
「それで、態々人気のない所に連れて来て俺に用って?」
「そ、その、お、お前に言っときたい事があってな・・・・」
「俺に?」
「あぁ・・・・」
とアンチョビはもじもじしながらそう言う。
「その、だな・・・・以前のお前への詫びとお礼がしたくてな」
「詫びと礼?」
「覚えておらんか?これならわかるだろ」
そう言ってアンチョビは胸ポケットから眼鏡を取り出し掛け、ツイン縦ロールを束ねる様に後ろに持って行った。
「あんた・・・あの時ぶつかった子か!?(通りで、コロッセオでアンチョビさんを見た時初めて会った感じがしなかった訳だ)」
「すまんな、私の不注意でぶつかった眼鏡を割ったばかりに弁償させ、コロッセオまで連れっててくれて」
「別に、礼を言われる様な事じゃない」
「いや、それでもだ。本当にありがとう」
すると、アンチョビが顔を赤くして、
「そ、それで、わ、私と連絡先を交換してくれないか?」
「え?」
「ほ、ほら、だって私達お互いの連絡先知らないし、今後の大洗との付き合いも兼ねていいだろ?」
これは、アンチョビなりの最大限の告白のつもりだ。幾ら、彼女が恋愛小説を趣味で好んで読んでいても現実は小説の様に上手くはいかない。秋人は、連絡先ぐらいいいかと思い連絡先を交換する事にした。
「別にいいけど?」
「は、本当か!ありがとう!!」
とアンチョビは、秋人との連絡交換が出来て嬉しそうに喜んだ。上手く告白はできなかったが、秋人と関わる一歩を踏み出す事が出来た。そして、二人は宴会場に戻って行く。
「秋人、どこ行ってたのよ?」
「ちょっとな・・・」
「それより、秋人。折角の宴会なんだからさ、あんた一曲歌いなさいよ」
とミーナが秋人に宴会を盛り上げる為に歌う様注文された。
「いいぜ、俺の歌を聞かせてやる」
そう言って秋人が席から立ち上がって行く。そして、ミーナ達が周りの机や椅子などを退かしみんなが見える場所に木箱を設置した。
「それでは、皆さん!ご注目下さい、我らが歌王子の秋人!!」
そして、秋人は用意された木箱の上に乗り、秋人の歌が披露された。大洗女子学園、アンツィオ高校のみんな秋人の歌を静かに聞く者、涙を流しながら聞く者など様々だ。そして、秋人が歌い終わると周りから拍手と歓声が辺りに響き渡った。
「すごい綺麗な歌声・・・」
「本当になんでも出来ますね、日向殿って」
「秋人さんって、逆に何が出来ないんだろうね」
と複雑そうな表情で見るみほ達。その後も大洗やアンツィオの子達からアンコールが響き、秋人もアンコールに応える様に1曲また1曲と歌い、大好評だった。