ガールズ&パンツァー 蘇る宿命の砲火   作:人斬り抜刀斎

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雪の進軍とプラウダの作戦!

その頃、カチューシャたちプラウダが高らかに『カチューシャ』を歌っている中、大洗チームでも進軍していた。

 

「そう言えば、プラウダ高校は試合中にチーム全体の一体感を高める為にカチューシャを歌うんだと」

 

「プラウダの隊長と同じ名前ね・・・・」

 

「俺達も士気向上の為に歌うか?」

 

「歌うって一体何を?」

 

「あるだろ、俺達所属部隊にピッタリな軍歌が!」

 

「「「「あ〜あれね!」」」」

 

「それじゃあ、歌ってみるか!」

 

と秋人達、ティーガー改のメンバー全員がドイツのある軍歌を歌う事にした。

 

『昼は暑く 夜は寒い そして故郷は限りなく遠い。10日間も激戦を繰り広げ 休息もありはしない エンジンは昼夜を問わず唸りを上げ 我らは突撃し最前線を突き進む 仲間の戦車と連携し 常に先鋒を引き受ける 装甲擲弾兵よ、前進!勝利に向かって前進!装甲擲弾兵よ、前進せよ!攻撃せよ!かつてのポーランドやフランドル、そして灼熱の砂漠と同じように すべての敵、すべての砦が崩れるまで、嵐の中を駆け抜ける 装甲擲弾兵よ、装甲擲弾兵は敵を蹂躙する 装甲擲弾兵よ、装甲擲弾兵は敵を蹂躙する』

 

その進軍大洗のチーム先頭を、秋人達ティーガー改重戦車が走る。大火力と重装甲、暗視装置を搭載している事から前を走る。そして、大洗の前を走るティーガー改から歌声が聞こえてくる。戦車と共に戦場を駆け抜け敵に向かって勇敢に突き進んで行く装甲擲弾兵の活躍を高らかに歌ったドイツ軍歌の傑作の一つ『装甲擲弾兵の歌』である。ティーガー改のキューポラから上半身を出して、士気高らかに歌っている。

 

『ロシアの寒さ、雨、氷も 我らを止めることはできない 太陽が無慈悲に照りつけても 我らはそれを享受する ロシアの奴らは群れをなして敗走する 我らは鋼の力で敵を押しつぶす 仲間の戦車と連携し 休みなく敵を追い詰める 装甲擲弾兵よ、前進!勝利に向かって前進!装甲擲弾兵よ、前進せよ!攻撃せよ!かつてのポーランドやフランドル、そして灼熱の砂漠と同じように すべての敵、すべての砦が崩れるまで、嵐の中を駆け抜ける 装甲擲弾兵よ、装甲擲弾兵は敵を蹂躙する 装甲擲弾兵よ、装甲擲弾兵は敵を蹂躙する』

 

大洗戦車隊の前を走る秋人達ティーガー改の姿は、まさに何者も寄せ付けない気高き王者のうだった。

 

 

 

「う〜冷える」

 

軍歌を歌って士気を高めている秋人達とは、対照的にあんこうチームのⅣ号では、寒さで震えており、手袋をはめている武部がそう呟いている。

 

「この寒さ・・・・・確かに一気に決着を着けるのは、正解かも知れませんね・・・」

 

「うん・・・・・」

 

華の呟きに、みほは小さく応える。そんな時、秋山が紙コップにポットのココアを注いでみほに渡す。

 

「ポットにココア入れて来ました。よかったら、どうぞ」

 

「ありがとう」

 

そう言ってみほは、差し出された紙コップを受け取ると、ゆっくりと口を付ける。そんな中、みほは前を走るティーガー改を見ていた。

 

「どうしたんですか西住殿?」

 

「え?ううん・・・・秋人さん達があんなに士気高らかに歌うなんて今まで無かったから」

 

「きっと、ソビエト戦車の因縁が関係しているかも知れません。日向殿達は、東部戦線でソ連軍と戦っていたので、ソ連戦車を使用するプラウダに特別な思いがあるのかも知れません」

 

秋山の言葉にみほをはじめ、Ⅳ号に乗っているメンバーがシーンと静まり俯く。そして、みほは再び秋人の方を見る。

 

そして、『装甲擲弾兵の歌』を歌い終えた秋人達、ティーガー改では、

 

「珍しいわね、秋人が歌を歌おうなんて提案するなんて?」

 

「たまには、良いもんだろ?それにこの試合、ある意味で特別なんだ」

 

「プラウダがロシア戦車を使っているから?」

 

「・・・・・・」

 

「・・・・秋人はロシアの戦車は憎い?」

 

「いいか、俺達は軍人だ。感情に流されたりはしない、命令に従い、国に尽くすのみだ」

 

ミーナにそう聞かれた秋人は、そう言った。

 

そんな大洗の戦車隊を、丘の上から双眼鏡越しで見つめる人影が二つ・・・・・

 

『敵は全車北東方面に、走行中。時速約20km』

 

それは、プラウダ高校メンバーの偵察員だった。彼女等は稜線に伏せて、双眼鏡越しに見た大洗チームの様子をカチューシャに報告していた。

 

「ふん・・・・・一気に勝負に出る気?生意気な・・・・・・ノンナ!」

 

そんな中、一人軽食を摂っているカチューシャは、偵察に出した2人からの報告を受け、ノンナに呼び掛ける。

 

「わかってます」

 

それに淡々とした調子で応えると、ノンナは他のチームメイト達へと視線を送る。

 

「ダー!」

 

その視線に、既にT-34/76に乗り込んで準備を済ませていた1人のメンバーが応えると、他の2輌のT-34/76を引き連れて、出撃して行った。

 

「それじゃ、私達も行動を開始するわよ」

 

そして、軽食を食べ終えたカチューシャは、残りのメンバーへと呼び掛け、彼女等の作戦を開始しようとしていた。

 

 

一方、視点を大洗に戻して、現在大洗戦車隊は、雪の丘を上ろうとしていた。

 

「ミーナ、雪に足取られない様にな」

 

「わかってるわよ、誰にものを言ってるのよ!こんな雪上の走行は東部戦線で経験済みよ」

 

秋人の言葉に、ミーナは余裕の顔をしてアクセルを踏み込んで一気に雪の丘を駆け上がる。

それに続くかの様に、大洗の戦車も上がっていくが、そんな中、カモさんチームのB1が雪に足を取られ上手く上らず、苦戦していた。

 

「そど子、何してる!」

 

それを見た河嶋が、カモさんチームに呼び掛ける。

 

「ゴモヨ、前へ進むのよ!」

 

「進んでいるつもりなのよ、そど子」

 

上手く坂を登れず、ゴモヨは半泣きになっていた。

 

「カモさんチーム、一旦後退して下さい」

 

(雪上の移動は慣れが必要だからルノーチームは、大変だな)

 

とそれを見たみほが、後退する様指示、B1は坂の麓まで降る。雪上での走行を経験している秋人は、上手く登らないB1を見て内心そう呟く。

 

「ちょっと、頼む」

 

「はい・・・」

 

冷泉は、そう言って操縦を秋山に代わってもらいⅣ号を降りてB1の車体に乗り操縦席のハッチを開ける。

 

「ちょっと代われ」

 

とそう言って冷泉は、ゴモヨは素直に操縦を代わる。冷泉の操縦により、B1は何とか坂を上る事が出来た。

 

「ありがとう」

 

「人の戦車に勝手に入って来て何してんのよ!!」

 

「・・・・気にするな」

 

ゴモヨがお礼を言うがみどり子は否定的に言うが冷泉は全く相手にせずふっと笑う。それから、一行はみほの指示を受け、進撃を再開するのであった。

 

「雪というだけで移動がこんなにも大変になるなんて・・・・・」

 

そして、進んで行くと目の前に大きな雪山が立ちはだかる。

 

「華さん、前の雪山に榴弾で撃ってくれる?」

 

「雪をですか?分かりました」

 

みほの指示に華がそう応えると、優花里がすかさず榴弾を装填する。華が引き金を引くと、激しいマズルフラッシュと共に撃ち出された榴弾は、前方の雪の壁へと吸い込まれていき、一瞬、その雪の壁にめり込んだかと思えば爆発して雪の壁を粉微塵に吹き飛ばし、大洗の戦車隊が通れる程の道が出来た。

 

「なるほど、雪を崩して自力で道を作るワケですね!?」

 

「うん」

 

「雪を撃ったのは初めてです」

 

確かに、雪を的に戦車砲を撃つのは中々無いかもしれない。

 

「奥様!撃ったのはお嬢ですよ!」

 

その様子を観客席から見ていた新三郎は興奮気味に言い、拍手する。

 

「花を活ける手で、あんな事を・・・・」

 

だが、秋人により家族崩壊は免れたが未だに五十鈴が戦車道を続けていると言う事を、認めていない五十鈴の母百合は、渋い顔をしながら溜息をつく。

 

「・・・・・ここまで、来たんですから、応援して差し上げて下さい」

 

その様子を見た新三郎は、なんとも言えなさそうな気持ちを押し殺して笑みを浮かべると、百合に応援する様に促すが、百合の方は相変わらず溜息を吐くばかりだった。

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