ガールズ&パンツァー 蘇る宿命の砲火   作:人斬り抜刀斎

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最終決戦開幕ですっ!

 

試合会場で両チームのメンバーが集められ、大洗と黒森峰が向かい合い隊長と副隊長は前に出ていた。

 

『両チーム隊長、副隊長前へ!』

 

蝶野のアナウンスにより黒森峰からはまほ、エリカ。大洗からはみほと河嶋に秋人が前へ出る。そうして、両チームの隊長、副隊長が前へとでる。

 

「ふっ、お久し振りね」

 

明からに嘲笑が入った笑みで逸見エリカがそんなことを言ってくる。それにみほは無言でペコリとお辞儀を返す。

 

「弱小チームだと、貴女でも隊長になれるのね」

 

「おい、今言わないといけないことか?ストゥーピットガール!そんなだから、みんなに嫌われるだよ」

 

とみほを挑発していたが、みほはさっぱり相手にしていなかった。そもそもこの時点で大洗は、昨年に黒森峰を負かしたプラウダ高校を撃破した上で決勝まで来ているのだが。秋人はエリカとまほにとんでもないプレッシャーが放たれた。秋人は、珍しく相手を煽り嘲笑した。

 

『なっ!?』

 

秋人のエリカに対する爆弾発言に場に居た者達は凍り付いた。

 

「わ、私が嫌われている訳ないでしょ!!」

 

「あぁそれ・・・すまん。嫌われている自覚がないんだな。余計な事を言って申し訳ない」

 

『えぇ!?』

 

再び秋人の爆弾発言にみんなオドオドする。

 

「約束通り、俺が負ければ土下座であやまる。お前が負ければみほさんに謝る。覚えてるよな?今回の試合で泣きべそかかせてやる、さっきからみほさんに対して目に余る事を言う生意気な態度のお前から倒してやるよ。売られた喧嘩は買うだろぉ?それとも逃げるぅ?」

 

「や、やってみなさい!なめるんじゃないわよ!」

 

「逸見エリカ・・・・・・やりたければかかってこい。お前が有能か無能か判断してやる」

 

「くっ・・・・」

 

煽ってやれば案の定エリカは乗ってきた。そんな会話をしていると、其所へ亜美が近づいてきた。

 

「本日の審判長蝶野亜美です。よろしくお願いします」

 

そう言って、蝶野が元々の場所へ戻ると、号令をかけた。

 

「両校挨拶!」

 

「 よろしくお願いします!」

 

「「「「お願いします!!」」」」

 

「では試合開始地点に移動。お互いの健闘を祈るわ」

 

そうして互いに自陣へと戻る。エリカはまだ何か言いたげだったが秋人が有無を言わさ無いほどの圧力をかけていたので何も言えてなかった。

 

「行くぞ」

 

「はい」

 

まほとエリカが黒森峰の陣営に戻ろうとしているとエリカが立ち止まり振り返り

 

「よく顔が出せたわね・・・・・たまたまここまで来れたからって、いい気にならないでよ。見てなさい、今日は邪道もあんたも完膚なきまでに叩き潰してやるわ。ただそれだけよ」

 

「それ、言うは易し行うは難しってヤツだよな。出来るといいな、フールの極みの乙女」

 

とエリカはみほと秋人を指差しながらそう言って陣地へ去って行く。

 

「エリカ、今回は私とは別行動してもらう。」

 

「はい、私はあの男と戦います」

 

「いや、戦うな。他のみんなにも言っておく。彼、日向秋人は我々が総出で戦っても勝てない相手だ」

 

とまほとエリカがそう話す。それを見た桃が、みほに声を掛ける。

 

「西住、私達も戻ろうぞ」

 

「・・・・はい」

 

河嶋に言われてみほは、大洗陣営に戻ろうとしていた。

 

「みほさん、お前に話したがってるやつがいるみたいだぞ」

 

「え?」

 

秋人はそれ以上は言わないで自分の戦車に向かった。まほとエリカの二人と入れ替わる形で大洗陣営の方へ向かう人物がいた。

 

「待ってください、みほさん!」

 

一人の黒森峰の生徒がみほに話しかける。みほは後ろを振り返る。其所には茶髪の少女が立っていた。彼女の名は赤星 小梅(あかほし こうめ)。彼女は昨年の全国大会でみほに助けられた、Ⅲ号戦車の乗員の1人である。

 

「みほさん、あの時は助けてくれてありがとう」

 

「赤星・・・・さん」

 

「あのあと、みほさんが居なくなって……ずっと気になっていたんです。私たちが迷惑をかけちゃったから……、でも、みほさんが戦車道辞めないでよかった!」

 

涙まじりに本当に心配していたのだろう、その姿を見て思う。そう言われたみほは、一瞬驚いたような表情を浮かべるものの、それは直ぐ、穏やかな笑みに変わった。

 

「私は、辞めないよ。今日はお互い全力でがんばろうね!」

 

「ハイっ!」

 

その優しげな一言で思いが爆発したのか、小梅はみほに何度も頭を下げてお礼を言っていた。

 

「みぽりーん」

 

「そろそろ行きましょーっ!」

 

「うん!」

 

あんこうチームのみんなに呼ばれて、みほは走って戻って行き小梅も黒森峰に戻って行った。

 

 

「………………」

 

「良かったですね、日向殿」

 

少し離れた所で腕を組みながら様子を見ている秋人に、秋山が話し掛けた。

 

「ああ、結構前に、お前が言った通りになったな『西住殿が助けた乗員は、絶対感謝してる』ってのが」

 

「はい!」

 

そう話していると、ミーナがやって来た。

 

「秋人、先の銀髪の子が秋人の言っていた」

 

「あぁ、喫茶店で俺に喧嘩を売って来た命知らずだ」

 

「ありゃりゃ、可哀想。よりにもよって秋人に喧嘩を吹っ掛けるなんてね」

 

ミーナは、独ソ戦でソ連軍から『白い悪魔』『ソ連陸軍最大の脅威』と恐れられた秋人に喧嘩を吹っ掛けた逸見エリカにほんの少し同情した。その後、大洗のメンバー全員に召集が掛かった。

 

「黒森峰はどの戦車も重武装です。相手は恐らく、火力に物を言わせて一気に攻めてきます。その前に有利な場所に移動して長期戦に持ち込みましょう!相手との開始地点から離れていますので、すぐには遭遇することはないと思います。試合開始と同時に速やかに207地点に移動してください」

 

大洗チームのメンバーが、其々の小編成チーム毎に並んでいる前で、みほと秋人が作戦を伝える。

昨年度までは黒森峰に居た彼女の言葉には、どれも説得力があり、メンバーも真面目な面持ちで話を聞いている。秋人達も、ドイツ国防軍に所属していたので自軍の戦車のスペックは熟知している。

尤も、それはプラウダ戦の時でも言えた事であり、慢心が無ければ、その時の戦況も実際のよりかは良くなる筈だったのだが、それをこの場で言うのは野暮と言うものであろう。

 

「この試合が我々の正念場です。気を引き締めて頑張りましょう!では各チーム、戦車に乗り込んでください!」

 

「「「「「「「ハイッ!」」」」」」

 

そうして指揮が最高潮にまで高まった大洗チームは、其々のチームの戦車に乗り込むのであった。

…黒森峰の、お姉ちゃんの強さは私が一番よくわかってる。でも。

 

「………」

 

生徒会の人達に頷くと皆さんも頷き返してくれました。たぶん、一番危険な役目になるはずなので心強く思います。

そのままⅣ号戦車の所で立ち止まり、そっと手を当てました。黒森峰は…、お姉ちゃんは強い。でも…負けられない。作戦が上手くいっても…最後はお姉ちゃんに勝たないといけない。

 

「…頑張ろうね」

 

ふと呟くと沙織さん、華さん、優花里さん、麻子さんが私の手に手を重ねました。

 

「…みんな」

 

みんなで少しだけ微笑みます。うん…そうだよね、戦うのは私だけじゃないから。

 

「行こう!!」

 

「「「「「おーーーっ!!」」」」」

 

 

ーーー

 

ーー

 

 

一方、黒森峰の陣営では、エリカと小梅が話し合っていた。

 

「隊長が指示をしてくるなんて………あの男、本当に厄介ね。」

 

「みほさんのお友達なんですよね。本当に男の子が戦車道してるなんて。」

 

「でも、あの男は間違いなく私を狙ってくるわ。」

 

「だ、大丈夫なんですか?隊長が戦うなって言うくらいですよ…………?」

 

「ふん、あんな男に負けるもんですか。まずは隊長の指示に従いましょう。」

 

エリカは、そう言って小梅と別れようとしていた、

 

「あ、副隊長!」

 

「何?」

 

「私は、副隊長の事は嫌いじゃありませんよ」

 

「な!?あんたね、今それを言う事?だいたい、私は嫌われてないって!!」

 

小梅は、エリカが先秋人に言われた事を気にしていると思って言ったのだろうが余計なお世話だったようだ。その後、二人は自身の戦車へと搭乗する。

 

「これより決勝戦だ。相手は初めて対するチームだが、決して油断はするな」

 

隊長車であり、黒森峰のフラッグ車であるティーガーⅠのキューポラから上半身を覗かせたまほが、他のチームにそう言う。

お母様は言った「西住流の神髄を、容赦を一切しないように」と。あの時のお母様はめずらしく感情的だったと思う。それは秋人がお母様を煽ったからか、それとも……。もとより、私は誰が相手であろうと油断をするつもりも相手を見くびるつもりもなかった。それが、例えタイムスリップして来た軍人だったとしてもだ。エリカはよく「無名の学校のくせに」と大洗が勝ちあがるたびに不満を漏らしていたが、決勝に実力がないものはたどり着けない。「戦車道にまぐれ無し」この言葉が語るように、決勝に辿り着いたみほたちを侮ってはいけない。みほたちはここまで勝ち上がってきた。お世辞にも満足と言えない戦力で。

 

「それとだが、特に大洗のティーガーには気を付けろ。あの戦車の乗員の練度はトップクラスの精鋭揃いだ。奴等は私達以上の実力を持っている。私とて、勝てないかもしれない」

 

『『『『『『『『『『『ッ!』』』』』』』』』』』

 

まほからの言葉に、他のチームのメンバーは息を飲む。それもそうだ。

 

「まずは迅速に行動をせよ。グデーリアンは言った『厚い皮膚より早い足』と……」

 

もし大洗が負ければみほは勘当、秋人が私の婿養子となる。今、気づいた。私が勝ったら婿養子になるのか、秋人は。自身に余計なノイズが入ってきていることに気づき、私は頭を振り思考を冷静にする。

 

「行くぞっ!!」

 

そして、まほがそう声を上げた瞬間、開始を知らせる照明弾が空高く撃ち上げられる。

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