ガールズ&パンツァー 蘇る宿命の砲火   作:人斬り抜刀斎

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これがわたし達の戦車道!!

ヤークトティーガーを用水路に落とし撃破する事に成功したが、その代償としてM3も撃破判定を受けての相打ちとなった。

 

「すいません、ウサギチームやられました…ごめんなさい」

 

リタイアが決まったウサギチームが最後の報告をいれる。

 

「先輩達、あとはよろしくお願いします!!」

 

「「「「よろしくお願いします!!」」」」

 

と生き残ったチームに後を託すと伝えると、沙織が無線でウサギさんチームの安否を確認する。

 

「みんな、けがしてない!?」

 

『梓、大丈夫です!』

 

『あや、元気で〜す』

 

『優希、無事でぇ〜す』

 

『桂利奈、絶好!』

 

『あゆみも平気です!紗希も大丈夫って言っています』

 

無線の奥から聞こえて来る一年生達の元気な声に沙織は

 

「ウサギチームやられたって・・・・・」

 

「みんな・・・・」

 

「でもヤークトティーガーも用水路に落ちて自爆したって」

 

「す、凄い!M3大健闘ですね!」

 

「後続の敵は8輌・・・・」

 

「あとは我々がフラッグ車を倒すだけです!」

 

「はいっ!」

 

みほ達は、そう言って目的地の場へと向かって行く。

 

 

一方、同じ頃秋人達にもウサギさんチーム撃破の報告が入っていた。

 

「作戦始まって初の撃破車輌だな………………ウサギチーム大丈夫か?」

 

秋人はそう言って、ウサギチームの安否を確かめようとする。

 

『『『大丈夫でーす!』』』

 

そして、ヘッドフォンから聞こえてきた元気の良い返事は、秋人に安堵の溜め息をつかせた。

 

『すみません、エレファントとヤークトティーガーは撃破したんですが、ヤークトティーガーとやってた時に、その………………』

 

「相討ちって訳か………………いやよくやったよ澤さん。重駆逐戦車2輌を相手に撃破した、それだけでも御の字だ。誇って良いぜ」

 

『は、はい!ありがとうございます!』

 

秋人の言葉に、梓は嬉しそうに言った。

 

『あの、日向さん………………』

 

「何だ?」

 

真面目な声色で話を切り出そうとする梓に、秋人は話を聞く態勢に入った。

 

『西住隊長の事、よろしくお願いします!』

 

梓の言葉を受け、秋人は暫時目を瞑っていた。そして、ゆっくりと見開いて言った。

 

「ああ、任された。必ず優勝しよう」

 

そう言って、秋人は通信を終えた。

 

『秋人、そろそろ0017地点に着くわよ』

 

それと同時に、ミーナにそう言われて双眼鏡を取り出して前方を見ると、何やら学校のようにも見える大きな建物が見えてきた。如何やら廃校の様だ。

 

「あそこが決戦の場か、敵の大将とうちの隊長姉と妹の姉妹対決か……………よし、あの建物の直ぐ前に来たら右折しろ。あの建物の影に隠れる」

 

『Ich verstehe』

 

そうしてティーガー改戦車は建物の前に移動すると、即座に右折して建物の壁に沿って移動し、さらに左折して隠れる。

 

「後は、時が来るのを待つだけだな」

 

そうして、秋人達は時が来るのを待つ事にした。

 

その頃、まほの駆るティーガーとのタンクチェイスをしていたみほ達あんこうチームは、最後の行動に出ようとしていた。

 

「まもなくHS地点!レオポンさん、今何処に居ますか!?」

 

『此方レオポン。HS入りました」

 

「0017に移動してください!」

 

『はーい』

 

ナカジマがそう返事を返すと、ツチヤはポルシェティーガーの速度を上げて土手を上りきり、みほに指示された場所へと移動した。そして、Ⅳ号とティーガーが建物の入り口に入った瞬間、ツチヤは方向転換させていたポルシェティーガーで入り口を塞ぎ、まほの援護をしようとしていたのであろう他の黒森峰戦車の前に立ちはだかった。

 

「あらよーっと!ここは通さないよーっ!」

 

ホシノはそう言いながら、装填を終えたポルシェティーガーの主砲の引き金を引くのであった。

レオポンチームが入り口を塞いでいる間、その建物の中央広場と思わしき場所へとやって来た姉妹は、各々の愛車のキューポラから上半身を乗り出し、互いの敵を見据えた。今此処で、西住姉妹による壮絶な一騎討ちが行われようとしているのだ。

 

「西住流に逃げると言う道は無い。こうなったら、此処で決着をつけるしか無いな」

 

「………………」

 

黒森峰チーム隊長として……そして、西住流次期師範としての威厳を持って言う姉に、みほは威圧されるような気分に襲われるものの、決心を固めて言い返した。

 

「………………受けてたちます」

 

 ーーー

 

 ーー

 

 ー

 

 

「此処から先へは行かせないよ~?」

 

その頃、みほとまほの一騎討ちを邪魔させないために入り口を塞いだレオポンチームは、まほの援護に回ろうとしていた6輌の黒森峰戦車との砲撃戦を繰り広げていた。既に黒森峰側には、ポルシェティーガーに当たらなかった砲弾が1輌のパンターG型に命中して行動不能になると言う損害が出ていた。

 

「ほい、次はラングね~」

 

全く緊張感を感じさせないナカジマの指示で、ホシノはその引き金を引く放たれた砲弾はラングの正面装甲に直撃し、撃破にはならなかったものの、大きく退けた。

 

「何やってんのよ!失敗兵器相手!?隊長、我々が行くまで待っていて下さい!!」

 

以前述べたように、ポルシェティーガーは『ティーガーになれなかった』戦車。それを知っているエリカからすれば、たった1輌のポンコツ戦車に完全な戦車が苦戦させられていると思ってしまうのだろう。

 

 

再び視点を移し、中央広場。其所では、両チームの隊長が睨み合っていた。外の喧騒とは全く逆の光景が広がる。そして、先にⅣ号が動き出した事から、西住家での姉妹バトルが始まった。

 

「麻子さん、左回りに旋回!」

 

中央の銅像らしいものの周りを1周して、建物同士の間の道を走り回る。とある角を右折すると、当然ながら、まほの駆るティーガーも右折して追いかけてくる。

 

「麻子さん、出来る限りコーナーを使って回り道をして下さいっ!ティーガーの正面に車体を晒さないで!」

 

「なかなか難しい注文だな」

 

「冷泉殿さすがです!ティーガーの射界を避けてます!」

 

「何とか麻子さんのおかげで敵の攻撃のタイミングをそらしてはいる、けど・・・・」

 

まほのティーガーは重戦車でその重量は57tもあるが、マイバッハHL230P45ガソリンエンジンの叩き出す馬力は700馬力!時速38キロ。一方みほ達あんこうチームⅣ号は重量25tあまりエンジン出力300馬力で時速38キロとより軽量のⅣ号と機動力において互角なのだ。麻子の操縦技術がなければ逃げ切れない。

 

「お姉ちゃんがこのままの状況にしておくはずがない・・・・」

 

両者共に発砲しないと言う状況のまま、彼女等は建物の間の道を走り回った四号の進路方向を予想してまほが榴弾を発射した、道が瓦礫によって塞がれしまう。

 

「榴弾・・・・・止まって!」

 

「瓦礫で道が塞がれてます!」

 

「後退して下さい!」

 

その直後にガラガラと、戦車の駆動音が聞こえてくる。まほが近づいてる……!このままだと逃げ場はないと思い、

 

「全速後退っ!!」

 

みほの指示は間一髪だった。相手の砲塔とみほの戦車がほぼ同時にぶつかり、ぎりぎりのところで射線から外れる。

 

「麻子さん右に退避!速度全速!」

 

「了解!」

 

「危なかったー!」

 

「8.8センチ砲(アハト・アハト)を至近で受けたらひとたまりも」

 

そこからは互いに攻め、攻められの攻防になった。互いに距離をとり、すきあらば撃ちこむ、そんなやりとりを繰り返す。

 

「いよいよ敵が攻めてきた!」

 

「華さん!少しでもかまいません。相手に撃ち返して下さい!」

 

「え?」

 

「西住流は攻める事に真髄を置いた流派です!攻撃に移れば一気呵成に来ます!相手の攻撃に呑まれないで!」

 

「はい!」

 

みほから攻撃指示をうけ華は、Ⅳ号の砲塔を後ろに旋回させる。

 

「撃てっ!!」

 

こちらも反撃する。相手の砲撃は直撃はしていないけど、それもギリギリのところで躱せているか直撃しなくてもシュルツェンを剥がされるだけで、いつまでもこの状態が続くとは思えない。

 

 

その頃、ティーガーⅡやパンターとのタンクチェイスを繰り広げているアヒルさんチームだがそろそろ限界が近づいてきていた。たとえ相手に当てても撃破には至らないと分かっていたため、ただの挑発として使っていた砲弾が残り少なくなってきたのだ。

 

「くっ!砲弾が少ない………………こうなったら兎に角挑発だ!連続アターック!」

 

典子の指示で、あけびが大急ぎで砲塔を進行方向に向け、さらに砲塔後部にある機銃を乱射する。だが、当の軍団は豆鉄砲とばかりに何とも無い顔で向かってくる。

 

「くそーッ!」

 

「もっと火力があれば…………ッ!」

 

典子とあけびがそう言った、次の瞬間!ティーガーⅡから放たれた88㎜砲弾が、八九式のエンジングリルに直撃!至近距離での直撃を受けた八九式は、エンジンから黒煙を上げ、地面に車体のあちこちを派手にぶつけながら吹っ飛ばされると、そのまま車体の右側面を地面に擦りながら滑り、電柱に激突して動きを止める。

 

「うぅ………………此処までか」

 

《大洗女子学園、八九式中戦車。走行不能!》

 

典子がそう呟いたのと同時に、無情にも蝶野教官のアナウンスがアヒルチームの撃破を告げる。白旗を上げた八九式。黒森峰を引き付けていたが、さすがに逃げ回り続けるのも限界であり、砲撃が直撃した。

 

 

 

「よし!これで3輌目」

 

その頃、エリカ達の足止めをしているレオポンチームにも、そろそろ限界が近づいてきていた。

 

「うっ・・・まぁ、ダメか・・・・」

 

次第に当たり始める砲撃により、左履帯の転輪が粉々に吹き飛ばされ、砲弾を弾いた際の傷や地面に着弾した際の煤で、ジャーマングレーの装甲が黒っぽく汚れる。レオポンチームのエンブレムも、傷で消えかかっており、エンジン部分からも火が出ている。

 

「くっ!!失敗戦車風情が思い上がるなっ!ターレットリングを集中攻撃ィ!」

 

そんなレオポンチームに、エリカ達の容赦無い砲撃が雨霰と降り注ぐ。撃破されずに残っているラングやパンター、ヤークトパンター、そしてエリカの乗るティーガーⅡの主砲が次々に火を噴き、ポルシェティーガーにぶち当たっていく。そして、最後に1発撃った直後、砲塔の装甲に何発もの砲弾が直撃し、遂には爆発を起こして黒煙を上げる。その後、行動不能を示す白旗が飛び出した。

 

《大洗女子学園、ポルシェティーガー。走行不能!》

 

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