他のチームの様子を見に来た秋人とみほは、彼女等の様子を見て開いた口が塞がらないとばかりに唖然としていた。
「赤ふん、赤ふん!歴史は赤ふん!やはり六文銭の赤ふんで!」
「いやいや、此処はアフリカ軍団仕様のヤシの木柄で」
「ローマ軍団は甲冑!そして赤マント!!」
「海援隊の紅白縞模様で」
「「ん?」」
その声を聞いて秋人とみほはその声のする方へ行くとっそこには晒姿に真っ赤なふんどしのような水着を着てかっこいいポーズを取った左衛門佐、そしてサマーベッドに寝ころんで黄色いヤシの木柄のブイネックを着たエルヴィン。そしてローマの騎士を思わせる水着を着るカエサル。そして紅白模様の水着を着て椅子に座っているおりょう。そしてさらに
「真田紐も捨てがたい」
「此処はドイツが開発した、水に溶ける水着を」
と、真田紐の格好の水着で同じポーズをとる左衛門佐。っというよりあれ水着じゃねえだろ。それにエルヴィンが勧めるその水に溶ける水着ってなんであんなもんが売っているんだ?するとおりょうが
「この家紋入り腹掛け風水着ぜよ」
「「「それだぁっ!!」」」
真黒い腹掛け風の水着を着てそう言うと、3人は納得したかのように声をそろえて言う
「な、なんかすごいことになってる・・・・」
「そ、そうだな・・・・次行ってみるか?」
「うん・・・」
そう言い秋人とみほは他のところを見に行くことにしたのだ。そして向かった先にはバレー部の人たちがいた。大きなバレーボールを二つ胸にの前に持つ釣り目がちの子に網に身体を巻きつかせている金髪が特徴の佐々木あけびや車輪付きのボールカゴを被る赤いバンダナが特徴な子。そして何より俺とみほが目に留まったのがバレーボールのキャラクターの着ぐるみを着た磯部がいた。
「何かよくわからない事になっているね」
「あれは・・・・・・水着なのか?」
と二人が苦笑してそう言う。あれが水着っというにはおかしい、どちらかというと着ぐるみだ。
「・・・・・次行ってみるか」
「うん」
そう言い二人ははそこを後にし次の場所へと行ってみるとそこには一年生チームがいた。しかもその格好は先ほどの歴女チームとバレー部チーム同様少し変わっていた。サメの浮き輪だったり防毒マスクを被ったりチェーンソーをイメージしたビート板や以下の被り物など様々なものを身に着けていた。まともに見えるのは澤くらいだろうか
「なんか怖いことになってる・・・・」
「まあ、個性的でいいんじゃないか?」
秋人とみほがそう話し次の場所に行く。そしてしばらくして秋人とみほは沙織たちのいるコーナーへと戻ると
「あ、みほ戻ったんだ!ねえねえみほ。こっちとこっちどっちが可愛いかな?」
と沙織が二着の水着を持ってきてそう言うと華も二着水着を持ってきてそれと同時に優花里や麻子もやって来て
「それより、コレとコレのどちらが似合うでしょうか?」
「SEALs仕様と英国SBSとフランス海軍コマンドとスペツナズ!何れを選びますか!?」
「金と銀じゃ何れが良い?」
「ええっ!?あ、あの・・・その」
「「「「ねえ、ど~れ?」」」」
「あう~」
極め付きには4人一斉に聞かれ言い詰められて困惑するみほ。
「おいお前ら・・・そんなに詰め寄るとみほさんが・・・」
秋人がそう言おうとした瞬間
「どいつもコイツも弛んでる!!恥を知れ、恥を!!!」
と、どこからか怒声が聞こえそこに顔を向けるとそこには河嶋さんがいた。だが・・・
「・・・・・・」
「なんだ、日向?」
と秋人が遠い目で『お前が言うな!』と言いたげに桃を見て、桃が首をかしげるのだったが
「桃ちゃん、説得力無さすぎ……………」
白のビキニを着た柚子にそう言われていた。そう桃の今の格好は少しアダルト系な黒い水着に浮き輪を持った姿だ。たしかにその格好じゃ説得力がない。すると杏が
「そうそう、こんな時くらい楽しまなきゃね~」
杏がそう言い桃をなだめる。彼女も赤いビキニを着て干し芋を頬張っていた。すると杏は大洗の生徒たちに顔を向けて
「皆~、楽しんでる~!?」
『オオーーッ!!!』
「もう一丁!」
『オオーーッ!!!』
と杏の号令でみほと秋人を除いてみんなが腕をあげて声をあげるのであった。なんだろうな、この風景どっかで見たことが・・・・・秋人はみほの方を見ると
「お、おー・・・・」
と、みほが苦笑しながらみんなと一緒に腕をあげて声をあげるのであった。まあ、それはそれでいいか・・・・そう思いみほたちとともに腕をあげて声をあげるのであった。その後、空が茜色になり買うものを買った彼女達は学園艦に帰ろうとしていた。
「今日は楽しかったね」
「あんなにいろいろな水着ってあるですね」
「たまには戦車以外もいいですね!」
「…学校指定の水着でいいのに」
「またまた、麻子ったらそう言う割には結構気合が入ってた際どいの買ってたじゃん。しかも日向さんの言葉が入った瞬間」
「日向さんは・・・・関係ない」
と、4人はそう言って学園艦に帰ろうとしていた。
「あっ!・・・・」
みほが何か思い出したかのように声をあげみんながみほを見る
「みほさんどうしたの?」
「わたし・・・・水着買い忘れた・・・・」
と、みほが気まずそうに言う。すると・・・・
「なら、今からでも買ってくるか?」
「大丈夫です、その必要はありません!そうだと思って私が買っておきました!」
と、優花里がそう言う。
「え?ゆかりんいつの間にみぽりん買ったの?でもサイズは?」
沙織が疑問をぶつけると優花里が、
「見ただけでサイズがわかります!サイズは・・・」
そう言って、優香里はみほを上から下まで見て言った。
「まずバスト82!」
「ふぁっ!?」
最初にみほは胸を隠すように手を添え
「ウエスト56!」
「ちょっ!?」
今度は腰に手を回し
「ヒップ84!」
「いやぁ!」
最終的には屈み込んでしまう。
と、優花里がみほのスリーサイズを言いみほは顔を赤くして胸や尻なんかを隠す。すると優花里はヒヒおやじのように笑う。
「ヒッヒッヒッヒッ!」
「すごいです」
「身体測定・・・・」
と、華や麻子が感心たように言う。そして優花里はみほの水着の入った袋を手渡す。
「どうぞ!」
「あ・・・ありがとう」
そう言いみほがそう言う。みほは袋を受け取ると、秋人に近寄った。
「・・・・秋人さん。今の聞いちゃった」
と顔を赤くしてそう訊ねるみほに、秋人は目線を逸らした。
「……………聞かなかった事にするから」
秋人はそう言うが、みほは顔を俯けて震えだし、みほは顔を真っ赤にして少し涙目になり右手を振り上げ
「秋人さんのエッチ~~~~ッ!バァカ〜〜〜〜ッ!!唐変木~~~ッ!!」
と、そう言い思いっきり顔をビンタされた。おもいっきりみほからビンタされた秋人は盛大に吹っ飛び一回転しながら秋人は華麗に着地してみせる。だが、その足は震えていた。
(い、今の一撃・・・・・・なんて、威力だ。先の五十鈴さんのビンタなんて目じゃないくらいだ)
それから、秋人は意識を飛ばした。意識を失う直前、みほがオドオドと秋人の名前を呼んでいるのが見え、秋人はそのまま地面に倒れ込んでしまった。
『勝ってやる、勝ってやる、勝ってやるぜ。強いあいつをボコボコに、あるのはこれだけ、心意気』
(歌?・・・・・・・・・・・・なんだ、この奇抜な歌詞は・・・・・・)
『根性据えて、根気よく。勝負は負けてもいいからさ、戦うココロなくすなよ。Come on、come on、come on、You can this!ボコり、ボコられ、生きていけ』
「う、う〜ん」
しばらくして目が覚め気が付けば連絡船のベンチであった。そしてみほに、膝枕されていた。驚いた秋人は、飛び起きた。
「あ、気が付きましたか?秋人さん」
「どこだ?ここは・・・・・・俺どれくらい意識を!?」
「今、連絡船の上です。あの後、気絶した秋人さんをみんなで抱えてここまで運んだんです。寝てたの20分くらいですよ」
「気絶させられるなんて、士官学校で教官に扱かれていた時以来だな」
「あ、あの・・・ごめんさい。いきなりビンタしちゃって・・・・」
と、下を向いて謝るみほ。
「いや、聞いちまった俺の方が悪い。だからお互いおあいこにしよう」
「・・・・・うん。そうだねそれがいいかもね」
お互いに無かったことにする事に同意した。すると、
「所で、先みほさんが歌ってた歌ってなんだ?」
「あ、あれはボコの主題歌『おいらはボコだぜ!』なんだ」
「あぁ、みほさんの部屋いっぱいにあったくまのぬいぐるみね。面白いのか、それ?」
「うん!今度、秋人さんも一緒にボコ見ようよ!!」
「じゃ、じゃあ、そうさせてもらうよ」
みほに誘われる形で秋人はみほとボコを見る事になるのだ。
それから数日後、学園艦は南の島へと到着し、メンバーは島へと上陸していく。そして、戦車を置いてやって来た彼女等を待っていたのは……………
『『『『『『『『海だぁぁぁぁぁ~~~~~~っ!!!』』』』』』』』
雲1つ無い、快晴の空のように青く澄んだ海だった。
「用意しておきました!」
『おおっ!!』
そう言う優香里にメンバーが振り向くと、Ⅳ号のエンジン部分にサマーベッドを置き、車体の側にビニールプールが用意されていた。
「よーし!じゃあ、泳ぐぞ!」
と杏の号令と共にみんなが制服を脱ぎ捨て下に着ていた水着が顕になる。
「私が一番!」
「負けません!」
みんなが泳ぐ中良と幸也は泳ぎの競争をし、ミーナと綾乃は一年生達もスイカ割りし、そして秋人は砂浜でパーカーを羽織ったままパラソルの下で仰向けに横たわっている。
(こんなにのんびりするのは何時以来だろう)
戦争のない平和な時代、その為戦場に居た時より秋人も普段よりは気を張らずに済んでいる。後は誰かが溺れるなどの事件が無ければ、のんびり過ごせるだろうと秋人は思っていた。
「日向さーん、泳がないのー?」
「日向殿、水が気持ち良いですよ」
波打ち際で秋人を呼ぶ沙織と優花里。秋人はその二人に視線を向け軽く微笑んだ。
(良は兎も角、幸也が居たら逃げ出してただろうな)
秋人の中でも、良はそれほど異性を意識してるようには見えないのだ。一方の幸也は良くも悪くも歳相応といった感じだと思っているのだが。
「日向さん、考え事?」
「いや、別に大した事ではない」
覗きこむように麻子が秋人に話しかけると、漸く秋人の視線は傍に来ていた五人に移った。
「せっかく海に来たんですから、日向さんも泳ぎましょう」
「そうですよ、秋人さん。ずっと水平線を眺めるなんて」
「何でもないさ。そうだな、泳ぐか」
羽織っていたパーカーを脱いでから、秋人は自分の行動が軽はずみだったと後悔した。
「秋人さん、それって……」
秋人の身体は鍛えてあるだけあってかなり引き締まっており、綺麗な肉体をしていた。沙織はともかく華も優花里も麻子でさえも、その肉体に見蕩れていた。だが秋人の身体には、それ以上に目を引くものがあるのだ。
無数の切り傷、その次に多いのが銃創痕や刺し傷、火傷の痕もくっきりと残っている。不思議と骨折の痕は見られなかったが、普通に鍛え上げただけでは、こんな痕は残らない。秋人の戦場での生々しさが伝わってくる、この傷は秋人の歴史でもある。
「すまない、あまり見ていて気持ちがいいものではないな」
脱ぎ捨てたパーカーを拾おうと手を伸ばしたが、しかし秋人が脱いだパーカーは一足早くみほに拾われており、今は大事そうに胸に抱かれている。異性の胸に手を伸ばすのは憚れた秋人は、伸ばした右手を宙にさまよわせた。だが幸いな事に、そう長い時間さまよう事は無く、彼の腕はみほによって抱きしめられた。
「わっ!」
沙織が驚きの声を上げたが、他の三人は声を上げるまではいかなかった。
「大丈夫です秋人さん。この傷痕の一つ一つは、秋人さんが強くあろうとした証である事を、私は知っています。たとえ世界中の誰もが、秋人さんの身体を見て気持ち悪がっても、私はそんな事思いません」
自分の胸に布地一枚挟んで秋人の腕がある事に、みほは顔を赤らめている。
右腕にみほの感触を感じていた秋人だったが、不意に左側にも似たような感触が来た。
「わ、私も気にしません!だって日向さんには家族のため、仲間のために戦って出来た傷だって分かってますから」
「私も、みぽりんや華のように、日向さんをそんなふうに思ってないよ!」
「私も、日向殿の傷はかっこいいと思います!」
「私も・・・・・・」
「そうか、ありがとう」
みほと華はすでに秋人の腕からは離れており、秋人を海に連れて行こうとしている。秋人も引っ張られながらも口角を少し上げながら海へと向かった。