「じゃあ、説明を始めるわね。戦いの仕方は昨日の実戦とアプリの説明書で大体分かると思うから、まずは何故私達が戦わないといけないのか、その理由と背景から説明するわね」
そう言うと智花は背後のホワイトボードに絵を描いていく。
「あ! それ、昨日の敵ですか?」
「そうよ」
咲の質問に軽く答える智花。
智花の絵はそれなりに上手い。マーカーの決して細くはない線で、可愛らしさを多少覗かせるデフォルメしたデザインではあるものの、昨日のバーテックスの特徴をよく捉えた簡単な絵を素早く描いていく。
「これがバーテックス。―――――――三百年前、世界に致死性のウィルスが蔓延し、それから四国を守る為に神樹様が結界の壁で四国を囲った。これは授業で習ったわよね? で、そのウィルスの海からバーテックスという名の怪物が生まれ、神樹様と人類を滅ぼす為に侵攻してくるという神託が神樹様から下りたの」
そして、バーテックスの絵をマーカーで指すと事象の背景の説明を始めた。
そう喋りつつ、バーテックスの絵の横に神樹と思しき大樹を描いていく。これもやや単純ながら大木と見える樹木の絵だ。
「バーテックスの総数は十二体。それぞれ黄道十二星座――あの占星術で使われている牡羊座だとか蠍座だとかの十二の星座の事ね――その姿を模したものがやって来ると……」
今度は、先ほどのバーテックスの絵の横に十一個の大きな丸を描きながら説明する。丸の中にはクエスチョンマークが入っている。
さらに、神樹の絵の下に今度は人と思しきものを三人分描く。だが、これも丸と棒線だけの簡単なものだ。
「そして二年前、侵攻があったそうなの。でも、その時は人類側の準備が万全でなくて、追い返すので精一杯だったそうよ」
今度は人の絵から斜め上のバーテックスの絵に向けてギザギザの線を何本か描く。
「なんかトモ先輩の絵。どんどん雑になってません……?」
「いや。元々、興味の無い対象は出来るだけ単純に描く奴だから」
「ホントですか?」
「ああ。で、上手い絵と雑な絵が混在しているから、いつも絵の評価だけ悪いんだよ。今回は、あのバーテックスを描くことにだけ意識が向いてたんだろうな」
「へー、そうなんですか。なんか意外ですね」
雀と菜摘がそうやって小声でやりとりしていると、突然智花が振り向く。
「聞こえているわよ、菜摘、雀さん。特に菜摘……美術の成績とこれとは関係ないでしょ」
智花の表情は笑顔ではあるがやや引きつっている。よく見ると青筋が立っているようにさえ見える。
雀と菜摘は小さくヒエッと悲鳴を上げると、ピシッと背筋を正した。
「気を取り直して……。で、大赦は対策として神樹様の力を科学的に取り込めるシステムを作ったの。それが勇者システム。ただ、『無垢な少女』にしか取り扱えないという制約が付いていたの」
一旦、バーテックスの絵に向けたギザギザの線を消すと、人の絵を一体追加する。一体ずつ、その下に「智」「菜」「雀」「咲」の文字を書く。雀たち四人を表しているようだ。
さらに神樹の絵から四人の絵にギザギザの線を何本か走らせると、四人の絵の周りをギザギザの線で取り囲む。ただ、あまりにも雑なため完全には取り囲めず、大きく隙間が空いてしまっている。
しかし、もう雀には突っ込みをする蛮勇は持てなかった。
「無垢な少女?」
「そう。古来、日本の神話とか伝承なんかで神様に力を授かるのは巫女様だったり、年端もいかない少女だったりするから。だから、そういったことなんでしょうね……」
「アタシ、無垢な少女って言われても、自分がそうだなんて思えないっすよ。なんか、もっとこう、心が綺麗な、智花先輩みたいな人のことを言うんじゃないっすかね?」
その一方、咲は『無垢な少女』という言葉に引っかかり、智花に疑念の表情を見せる。とても自分が該当するとは思えなかったからだ。
だが、智花は可笑しそうに笑って自分なりの解釈を披露する。
「ふふふ……。私だって『無垢な少女』という言葉そのものに該当する人間だなんて、そんな偉そうなこと思えないわよ。多分、他の人を
「ええーっ!? それこそ智花先輩が一番に該当すると思うけどなー」
両手を頭の後ろで組み、椅子に座りながら反り返って異議を唱える咲。
そんな彼女の姿に上級生三人は思わず微笑んだ。
「じゃあ、次は精霊の事ね。みんな、自分の精霊のことは調べてきた? 勇者アプリの説明書に、それぞれの精霊に連動した説明が表示されたはずだけど」
そう言いながら、智花はスマホを取り出すとNARUKOを立ち上げてタップする。すると彼女の傍らに一本足の老婆の姿のゆるキャラが突如出現する。大きなぬいぐるみの様にも見え、ふよふよと宙に浮かんでいる。
「ああ、調べてきたよ」
「私もちゃんと調べてきました」
「アタシも、アタシも!」
雀たち三人も同様に精霊を呼び出す。
「私の精霊は
菜摘の傍らには陰気な雰囲気を纏う女性の姿をした精霊が現れる。ゆるキャラのようなデザインであることも相俟って見た目はなんだか可愛い。オタク男子受けが良さそうな精霊だ。
「アタシのはオボラビって言うらしいです」
咲の傍らには火の玉が浮かんでいる。だが二つの目が付いており、よく見ると小さな手も生えている。どことなく愛嬌のある見た目だ。
「私のは
そして雀の傍らには豪奢な見た目の鳥。その姿はデブった鶏のようでもある。そして翼や尾、
「私の精霊は
最後に智花。
どの精霊もおとなしく主人の横でふよふよと浮かんだままだ、と思いきや。急に波山が部室の中を勝手に飛び回り始める。それどころか空中でクルクルとスピンまで披露する。
それを見た雀は大慌てだ。
「ちょっとぉぉおおお! なに、やってんですか!? おとなしくしててよぉぉおおお!!」
波山は自身を追いかける雀をおちょくるかのように飛び回るが、しばらくすると空中でピタッと止まる。そして翼の先を顔の前に持ってくると小首を傾げる。その顔は他の精霊達と同様相変わらず無表情であるのに、ドヤ顔をしているように感じられた。
「もう! 一体なんなんですか!?」
ゼハァ、ゼハァと息を切らしながら膝に手をつく雀。
そんな雀を見やりながら、智花は説明を再開するのであった。
「で、この精霊なんだけど……」
「トモ先輩ぃ……」
自分の惨状を捨て置かれたことで、雀は情けない声と表情で智花に縋るような気配を見せる。
「自分の精霊の事は自分で面倒を見てね。ペットの犬か何かだと思って、ちゃんと躾けておいて」
「そんなぁ~」
ばっさりと切られてしまい、さらに情けない声を上げる雀であった。
「で、この精霊なんだけど私たち勇者の力を底上げさせる存在なの。精霊がいると戦う力が向上するって訳。さらに致命的な攻撃に対してはバリアを張ってくれるの」
「あー、アタシ、それに何度も助けられました」
「そうよね。みんな、あの精霊バリアが無ければ生きて帰れなかったかもしれない……。本当にみんな、怪我は無かった?」
話の流れで智花が皆の体を気遣う。すると、咲が彼女にしては少し意外な返答をする。
「アタシ、体の方はなんともなかったんですけどね。家に帰ってから妙にイライラしたり、急にクヨクヨしたり、精神的になんか変だったんですよねー」
だが、菜摘からすぐに反論が出てくる。
「あんな本当に命が懸かった戦いをしたんだ。そりゃ精神にも来るさ。私だって似たようなもんだったし」
「私も家に帰ってからずっと悩んでました」
雀も菜摘に同意する。
「そうね。私も――――」
「智花は当然だろ? 今日のさっきまでの態度を見てたら、誰でも分かるよ」
智花も同意を返そうとするが、ニヤニヤと笑う菜摘に止められてしまった。
そして菜摘は表情を真面目なものに戻すと、唐突に話題を変える。
「それよりもあれだ! あのシステムなんちゃらってのと、衣装と武器が変わった事、何か分かったか?」
「ううん……。支部長さんに聞いてみたけど、知らない、本庁からも何も聞いてない、って言われたわ。ただ、本庁に問い合わせてみてくれるらしいけど」
「そうか……」
SYSTEM ANRaPoDに関しては、彼女達は何の情報も得られなかったようだ。
ただ、智花は内心で思う。
『叔父様も知らないって言ってた……。探りを入れてくれるそうだけど、何か分かるかしら? 大赦って、何かいろいろとよく分からない組織だけど、ここまで秘密主義だったのね……』
大赦内部で上層に食い込んでいる叔父にも頼ってみたのだが、彼でも知らない事らしい。
ぼんやりとだが、大赦という組織に不気味な得体の知れないものを感じ始める智花であった。
「ところで、次の戦いはいつ頃になるんでしょうか……?」
今度は雀である。智花に恐る恐る尋ねてくる。
これからも戦う事が分かった瞬間から気になっていた事だった。気休めかもしれないが、それが分かれば少しは不安も紛れるかと思ったのだ。
だが、智花の答えは当たり前といえば当たり前のものだが雀にとっては非情なものだった。
「分からないわよ。バーテックスにも意思があるようだし。こちらの対応次第で攻め方を変えてくるかもしれないしね」
「そんなぁ……」
「ただ二年前は、平均すると概ね三週間から四週間の間隔で侵攻してきたそうよ」
「全部で十二体って事だったし、一年間掛けてか?」
今度の疑問の声の主は菜摘である。智花はその質問に首を横に振る。
「半年間だそうよ。つまり、複数で攻めてきた時もあったという事。最大三体だったらしいけど……」
その答えに三人は驚愕する。
「よくそんなの追い返せたな!? 私達じゃ昨日の戦いを見る限り、複数で攻められたらひとたまりも無いぞ」
「えっと……、例のシステムなんちゃらを使えれば、なんとかなりません……?」
「起動の仕方が分からないの。私達がある程度ダメージを受ければ自動で起動するようだけれどね」
顔を見合わせる菜摘、咲、智花。
雀は顔を青くしてブルブルと震えるばかりだ。彼女が思っていた以上に状況は悪いらしい。
『昨日でアレなのに、複数で来られたらアレだよ!? 私、絶対に死んじゃうよ!?』
顔を見合わせてばかりでも仕方が無い。
智花はホワイトボードを見返すと、説明のし忘れが無いか確かめる。
「あと、何を説明しておくべきだったかしら? えっと……、あ! そうそう、満開の事を――――――」
そこまで話したところで、手を滑らせてマーカーを落としてしまう智花。
だが、彼女はそのマーカーを拾おうとしたそのままの姿勢で固まってしまう。
取り落としたマーカーが空中に止まっていたからだ。
次の瞬間、昨日と同じ警報音が部室内に鳴り響いた。
「まさか……」
「来やがった!」
「昨日の今日なのにっすか!?」
「嘘ですよね? 誰か嘘だと言ってぇぇえええ!!」
慌てる四人に関わる事無く事態は進展する。
あっという間に大地の鳴動が始まり、窓から強烈な白い光が差し込むや、四人は昨日と同じく樹海化した大地に立っていたのだった。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「嘘ぉぉおおお!? 二体もいるぅぅううう!!」
「いや、三体いるぞ」
前回よりも近い位置に二体のバーテックスを認め、雀が叫ぶ。
しかし、菜摘はスマホのレーダー表示を確認しながら事態が更に絶望的であることを告げた。
「私達の近くにいるのが
「おーおー、手前が赤と黄色、奥が青……。なんか、子供向け番組の正義の味方チームみたいっすね」
「なんでみんな、そんなに冷静なんですかぁああ!? 三体ですよ、三体!!」
智花も菜摘と同じくレーダー表示を見ながらバーテックスの種類を確認する。咲は左手を庇のように翳しながら一番遠くの位置にいるバーテックスを視認していた。
ちなみに
黄色は
青は
そんな冷静な判断を示す三人の様子に、雀は半泣きになりながらバーテックスを指さした手を上下にブンブン振り、危機感を煽る。
その雀の慌てぶりに残り三人は顔を見合わせた。
「そりゃ、昨日の今日だったのは驚いたっすけどねえ……?」
「最大三体で侵攻してくるってのは、さっき智花が教えてくれたしな?」
「どちらにせよ戦わなくちゃいけないのよ。なら、気持ちを落ち着けて、出来るだけ最高のパフォーマンスを保たないとね」
その答えに、雀はまるで宇宙人と出会ってしまったかのような錯覚を覚えた。
『この人たち、メンタルの強さが私と全然違うぅうう!? 勇者だから? これが本当の勇者なの? 臆病な私はやっぱりパチモン勇者???』
そうやって雀が錯乱している中、智花は皆に冷静に告げる。
「とにかく、早く変身しましょう。今、攻撃を受けたらひとたまりもないわ」
全員が勇者アプリを立ち上げたスマホの画面をタップする。いや、雀だけは皆より三拍ほど遅れてしまったが。
とにかく、雀たちをスマホからの光が包み込み、周囲に花びらを撒き散らす。それが晴れた時、彼女たちは昨日と同じく勇者装束を身に纏っていた。もちろんSYSTEM ANRaPoDが起動する前の、素の状態の勇者装束である。
途端、雀がその手に持つ大剣を体の横に、まるで皆を守る盾のように構えながら前衛に飛び出す。
その大剣が三倍ほどの大きさに巨大化するのと、
ガギン!!!
「ぴぎゃぁぁあああ!!!」
次の瞬間、金属同士のバカでかい衝突音が鳴り響くや、悲鳴を上げた雀が自分の体を中心に大剣を振り回しながら、そう、まるで独楽のように回転しながら吹っ飛んでいった。
「なんだ!?」
「矢による狙撃よ!!
菜摘の反射的な疑問に、事態を把握した智花が的確に指示を飛ばす。
すぐに散らばり、それぞれの行動を起こす智花、菜摘、咲。
菜摘は
キン!
「なんだと!?」
「くそっ!」
次弾を装填するのももどかしく連射する菜摘。だが、
一方、咲は最大の脅威であると見た
「どけーっ!!」
ジャンプ一番、左手の手甲で殴りつける咲。その拳は
そして、鋭い尾針の一撃が咲に叩き付けられた。
「う、ぎゃん!!!」
間一髪、
「うっ……ぐっ……ぐぎゃっ!!」
うめき声を上げつつ立ち上がろうとしたところを尾針の攻撃が連続する。
ガッ! バチバチバチッ!!
ガッ! バチバチバチッ!!
ガッ! バチバチバチッ!!
尾針が叩き付けられる度に精霊バリアがバチバチと火花のように閃光と異音を発する。
衝撃が連続し立ち上がれなくなった咲は、絶体絶命のピンチに陥っていった。
そして智花は逃げ惑っていた。
彼女も咲と同様、最大の脅威と見た
それだけではない。大して時間を置く事無く
「これじゃ近づけない!!」
悲鳴じみた叫びを上げつつ避け続けなければならない智花。
彼女の中に焦りが募っていった。
「なに、これ……?」
樹海のあちこちが赤黒く変色していた。そこには
連射を続ける菜摘の攻撃は
智花はバーテックスに近づく事も攻撃をする事も叶わず、
そして咲は……。もはや蹲ったまま
「ヒッ……!?」
その光景の意味している事を悟った瞬間、雀の背中を冷たいものが伝った。
『こんなの……こんなの、どうしたらいいの……?』
あまりの絶望に目眩がする。
その時……!!
樹海化警報と同じメロディが鳴り響いた。
思わずスマホを取り出す雀。
その画面には前回見逃したSYSTEM ANRaPoDの起動警告画面が表示されていた。
『SYSTEM ANRaPoD』という赤く大きな文字が明滅している。
そのすぐ下には『チーム全体の累積ダメージが10,000を超えました。SYSTEM ANRaPoDを自動で起動します』という文字が流れていた。
さらに一行下には『今後、手動による任意の起動を承認しますか?』の文字。
その下に『YES or NO』と明滅する二つの選択肢。
「これがトモ先輩達が話してた……」
雀はその画面に見入ったまま固まってしまった。
「来た!!」
智花は警告音を聞くや否や、目星を付けていた大樹と大きな根の交差している陰へと体を滑り込ませる。
ここならば
そして、スマホを取り出して画面を確認する。SYSTEM ANRaPoDの起動警告画面をさっと読み流すと、『YES』と表示されている部分をタップする。
すると画面表示に変化が現れた。
『SYSTEM ANRaPoD』という文字の明滅が止まり、赤い文字のまま点灯状態となる。
そのすぐ下には『手動による任意起動が選択されました。次回の変身より任意の起動に移行します』という文字が流れていた。
さらに一行下には『SYSTEM ANRaPoD IS AUTO STARTING』の文字。
その文言を読み終えた次の瞬間、スマホの画面から発した強烈な光が智花を包み込む。
それが晴れた時、智花は前回と同じく自らの勇者装束に白のラインが追加され、武装がワイヤーカッターからクロスボウに変化したのを認めた。
「このシステムの詳細は分からないけど……。だから、これは賭けになるけど、こうでもしないと私達はバーテックスにまともに対抗できない」
そう呟くと大樹の陰から飛び出す。
なぜかバーテックスの攻撃は止んでいた。
その事態に内心驚愕しながら、三体のバーテックスの様子を伺う。
三体は、ある一点に向けて体の向きが揃っていた。
加賀城雀だった。
雀は自身を包んだ強烈な光が晴れた瞬間、自らの勇者装束と武装が変わっていることに気付いた。前回と同じく勇者装束にはオレンジのラインが入り、武装は大剣から盾に変わっていた。
「やっぱり変わった……」
そう呟いた時だった。強烈な殺意を伴った視線を感じた。
装束と武装を確認していた雀は反射的に顔を上げる。
「ヒッ……!」
三体のバーテックスが全て雀の方に体を向けていた。今し方迄行っていた雀の仲間達へ向けた攻撃、それを止めてまで。
「嘘でしょ? なんで私??」
次の瞬間、体全体に警報が鳴り響いた。実際に鳴り響いたわけではない。生存本能に訴えかける内なる警鐘だ。
バッ!
雀はとっさに盾を構える。
だが、前回のように盾が巨大化することはなかった。代わりに雀の前方約ニメートルの位置にもう一枚盾が浮かぶ。
「なに、これ……?」
一方、
それはすぐに巨大な矢の形状を形作る。
遠目にそのバーテックスの動きを雀が認めた時だった。
前方に浮かぶもう一つの盾の形状がバタバタと変わっていく。
円形の盾の中心部。そこを先端として、盾はまるで傘が畳まれるように閉じていく。
そして形状変化が終わった時、そこに浮かぶのは一本の槍であった。
「最初の攻撃はアレだったのね……」
智花の呟きが漏れる。
一拍遅れて、雀の前方の槍が何かに弾かれたように射出される。
ギン!! ギャーーー、バギン!!!
その二つに裂けた矢は、雀の左右約二十メートルの位置に着弾する。
ドゴンッ!!!
「ヒーーーッ!!!」
反射的に片足を上げ、身を
そして矢を引き裂いた槍は勢いが落ちること無く
ドカン!!!
巨大な爆発が起こった。
その閃光が収まった時、
「雀さん、貴女は一体……?」
智花は、その一瞬の攻防を呆然と見ているしかなかったのだった。
ゆゆゆいでの波山の描かれ方は知りませんが(ゆゆゆい未プレイ派)、まあ、あちらは防人ベースの神樹内世界限定勇者ですし、こちらはほんまもんの勇者なのでこういった描き方で進めますね。なんと言いますか、牛鬼っぽく自由に動いちゃうって事で。
原作に比べ勇者達へのサポートをしようとする気配が多少は見られる大赦。智花へ教えた情報もそれなりに詳しそうですし、何かあったんでしょうか?
さて、バーテックスどもにメンチを切られる雀ちゃん。
怯える彼女、可愛くない?
年内の投稿はこれで最後です。次回はいつになるか分かりませんが。
ではでは、感想、評価、ここすき、などなど頂けると歓喜です。
皆様、よいお年を。