part1
ミカン姉貴に会うまでがちょっと長すぎるんとちゃう? なRTAがもう始まってる!
はいはいさっさとイキましょう。
尺を巻いてセニョリータ(山P)。
そんなこんなで適度に優子を弄り倒しつつ、杏里ちゃんを含めて三人で通学路を歩きます。
ゲームでは共学設定の学校に着いたのち、ちよももと出会うまではスタートですらないので気楽に行きましょう。
なあに一般メンヘラ狐娘のリコくんをノーセーブで攻略するのと比べたらこんなもん地獄ですらありません。
あの子を攻略するときだけこのゲームは『まちカドまぞく/ステイナイト』と化し、選択をミスると主人公くんが正義の味方を目指す少年ばりにポンポン即死しますからね。
18禁のPC版だからって主人公くんの臓物をリアルに描かなくていいから……(トラウマ)
このゲーム、わりとと言うか、かなりと言うかアドリブが効くんですよね。
プレイヤー側の行動で各キャラクターの行動ルーチンが細かく切り替わったりするので、同じ方法で同じキャラクターを攻略できない、というパターンがあったりします。
前回の正解の選択肢を選んだのに何故かリコくんが不機嫌になって主人公くんの頭をパーン☆してきたのはまだ恨んでます。
あれも主人公くんのアドリブによってキャラクターの行動ルーチンが変わった事が原因なようでした。後でわかりましたが、その日は寝起きが最悪だったらしいです。
その程度でパーン☆するとかうせやろ?
──と、学校に着きましたね。休み時間に1-Aに向かうまでは暇なので、倍速して授業風景をさっさと流しましょう。
角と尻尾が生えて無事に変人となった優子ですが、周りの生徒はおろか教師すらあまり気にしていません。なにせこの街、闇の一族と光の一族が共存している街ですからね。優子クラスの変人は探せばまあまあ居ます。
主人公くんもカスタムモードで場合によっては特殊能力を使えるようにしたり、魔族側でスタートさせられたりしますし、なんなら魔族で魔法少女を攻略するルートもありますねぇ! ありますあります。
ですが、魔族スタートで多魔市を出るのはおすすめしません。多魔市の守護が無い場所にいる魔族なんてのは突然砂浜に打ち上げられた旬のカジキマグロも同然なので、モブ魔法少女に即座に捕捉されて襲われます。
「えっ、ワイ、死ぬんですか?」
と素で呟いた直後にごん
当然魔族としてガチバトルすることも出来ますが、これそういうゲームじゃねえから。バトルじゃなくてラブコメするゲームだから。
ミカン姉貴は余所の魔法少女が来たときに「
──では、昼休みになったので等速に戻します。1-Dにいる私こと楓くん、優子、杏里ちゃんの三人で1-Aに向かい、ちよももを呼び出します。
プレイヤーである私は優子と桃の出会いなどの全てを知っていますので、適当に話を合わせてうんうん頷いておきましょう。なんでもは知らないわ、wikiに載ってる事だけ(某実況者)。
一応杏里ちゃんと優子は桃の事を知っていますが、楓くんは初対面ですのでキチンとした態度で自己紹介をしておきます。
秋野 楓 15歳、学生です(当然)。趣味は程々の筋トレ、好きなものはたまさくらちゃんと柑橘類です。
第一印象は後々ミカン姉貴を攻略するときの友愛度に響くので
……だってこの子、たまさくらちゃんオタク兼筋肉オタクなんですもん。適当に話題を作りつつ一緒に筋トレするだけで、バグかと疑うくらいの速さで友愛度が上昇するんですよね……。
余談ですが桃と優子とウガルルは適当にプレイしていても攻略しやすいです。
wikiとにらめっこしながらであれば安定するのがミカン姉貴と杏里ちゃんと良子ちゃんで、MODで難易度を緩和しても攻略が出来るか不安になるのが小倉ァ! とリコくんです。
清子さんは…………攻略してないのでわかりません、人妻は普通にイケますが時間が取れないのでやれてないんですよね。
──話がどんどんズレていくのが私の悪い癖(和製英国紳士)。挨拶も程々に、優子vs桃の様子を1.5倍速で流しますね……。
あっそうだ(唐突)、私が先ほど言ったアドリブが利くという言葉には例があります。
私はこのRTAを走る際、たまカツこと『たまさくらちゃん活動』という名前でSNSにアカウントを作りました。
その時に「たまさくらちゃん好きはフォローして♡(フォロー提案おじさん)」とプロフに書いたら、ものの数分で『No.66』という方がフォローしてきたんですよ。
…………はい、No.66は桃の事です。
──と、このように。
優子改めシャミ子がスマホを買うまでSNSをやっていることを明かさなかった桃と予めフォローし合う関係になれたりするのが、原作知識に基づいたアドリブなのです。
桃とネット上で
あ、シャミ子が桃にオラオララッシュ始めましたね。クソザコパンチやめてください(ムカデ委員長)。
あのラッシュもつよつよ筋肉魔法少女だからノーダメですが、あれを生身の人間である楓くんが食らったら体力MAXの状態から3割ほど削られます。
病弱から健常児に戻った程度のパワーアップとはいえ魔族は魔族ですから。
……しかし、引くほど弱いっすねこの子。ダンプを止めたときに左腕を痛めてる桃が避ける必要もないと判断する位には弱いです。
おや。廊下で威力の出るパンチ講座が始まりましたね。が、しかし。飛び道具使う方がいいかも、とバッサリ言われてシャミ子が逃げました。
杏里ちゃんが追いかけるので、桃に適当に会釈して自分も追いましょ──お? なんか急にスマホに着信が…………ア゜ッ!
『たまカツさんってもしかして楓さん?』
──バレるのが早すぎるッピ!
……そういやさっきの自己紹介、たまカツのアカウントのプロフにも書いてましたね(凡ミス)。あかん身バレが早すぎると友情度ボーナスが少なくなるぅ! お姉さん許して!
【友情度+1】
……本来なら最低でも2は上昇するのに1止まりですね。これを専門用語で『ガバ』と言います。
あーもう終わり! 閉廷! 今partはこれで終了です! 次は来週までに更新すると思います! (半ギレ)
◆
あの時助けた小さい魔族が、友人を連れてAクラスにやってきた。佐田さんとは何度かすれ違ってるけど、そう言えばこの娘も学校に居たっけ。
それと後ろの男の人。やたらと姿勢がピンとしてるし、腹筋と背筋が鍛えられてそうだなって思う。運動部なのかな。
「ほら、楓も挨拶しなよ」
「ん。ああ、はいはい
秋野 楓、15歳。学生です」
そりゃそうでしょ、ってツッコミそうになったけど、代わりに佐田さんがやってた。
「趣味は程々の筋トレ、好きなものはたまさくらちゃんと柑橘類。よろしくね」
「筋トレ……!?」
思わず声を荒げそうになる。なるほどそれで全体的に引き締まっているのか。それにたまさくらちゃんが好きなんて────?
あれ、なんだろう、この自己紹介に見覚えがある。なんだっけ……。
──まあいいか。それから……シャミ……子ちゃん? にポカポカと殴られたが、全く痛くなかった。この子は魔族なのに、どうしてか一切脅威を感じない。
そもそも佐田さんとか楓さんみたいな人たちと仲が良いのなら、悪い娘ではないんだろうなというのは直ぐにわかる。しかし殴り方が酷いな、それじゃ親指痛めちゃうよ。
動きを矯正してから改めて
「センス……いや、フォームが……。あー、うん。飛び道具使う方が良いかも」
出来るだけオブラートに包んでみたが、やはりというか、優……シャミ子ちゃんは泣きながら教室に帰ってしまった。
佐田さんがそれを追って、楓さんが帰ろうとしたとき、ようやく私は思い出した。
──さっきの自己紹介、たまカツさんのプロフにも書いてあったな……と。
私は賭けに出て、たまカツさんのアカウントにDMを送ってみる。すると、送ると同時に楓さんのスマホが着信を知らせ、内容を確認した楓さんは私に振り返ってきた。
「……初めまして、No.66さん」
「世界は狭いね、たまカツさん」
飄々としている表情が崩れるのを見て、どこか優越感を覚える。きっとこの人達との出会いは、偶然ではないのだろう。
ヒロインの楓くんへの友愛度
・シャミ子
友/3
愛/0
・千代田桃
友/1
愛/0
・佐田杏里
友/5
愛/0
楓くんが暮らしてるのはばんだ荘の下の階で、後の喫茶店あすら仮店舗のお隣です。