【完結】まちカドまぞく/陽夏木ミカン攻略RTA   作:兼六園

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確か初投稿だった筈です。



part12

 

 シャミ桃の大変よろしいウ=ス異ブック(全年齢)を購入したのでパワー全開なゲームのRTAはーじまーるよー。

 

 前回はシャミカンと映画館デート(愛情度は0)をしたところで終わりましたね。今回は良ちゃんが借りているパソコンが動かなくなり、桃宅に訪れるイベントから再開です。

 

 正直に言うとこのイベントはやらなくても問題ないのですが、これを挟まないとお父さんBOXの話に入って単行本2巻が終わってしまうので、それだとあまりにも短いんですよね。

 えっ、小倉とごせん像回? …………? なんのことですか? 

 

 

(小倉は個人的に会いたく)ないです。

 小倉ァ! は攻略wikiが通用せずそもそも会う機会が滅多に無く、しかも友情度が幼馴染補正があっても上がりづらいとかいう屈指の強キャラなんだよなぁ。

 

 なんとか友情度を6まで上げて愛情度が1でも上がればそこからブーストが掛かって一気に攻略出来るのですが、いかんせんそこまでが長すぎる。これ軽く二日はかかるんじゃないのぉ? 

 

 尚、攻略してると倫理観の欠如したあーサイコ……から徐々に乙女になるので一見の価値はありますよ、愛情度増えると勝手に自室の合鍵作られたりしますけど。

 睡眠での画面暗転後に朝になって起きたら、画面に小倉の顔がドアップで出てきて椅子から転げ落ちたことありますからね。ブラクラかなんか? 

 

 ですが愛情度が上がった小倉は活動拠点をばんだ荘の屋根裏から主人公くんの自室に切り替えて勝手に住み込み始める為、私生活の時間帯を把握すると毎日着替えシーンを拝めるのでOKです! 

 

 

 ──話を戻しまして、パソコン片手に桃宅に向かおうとしている二人とばんだ荘の下で鉢合わせました。多魔市の公民館こと桃の家に行くらしいので楓くんも同行しましょう、ミカン姉貴の肩出ない系の服のスクショ撮りたいし……。

 

 飛ばしても問題ない……と言うかタァイム的にも飛ばすべきイベントにわざわざ参加するこんな行動を専門用語で『ロス』と言います。

 偉大なる父は揃った装備を眺めるとかいう私より酷い理由でロスしてるので大丈夫だって安心しろよぉ! へーきへーき、平気だから。

 

 まあそろそろシャミ子の友愛度が6/1になるので平気じゃないんですが。

 尤も愛情度は5辺りからが本番みたいなもんなので、4までならシャミ子は楓くんを近くにいるとドキドキする良き兄貴分としか見ないでしょう。

 

 

 ……シャミ子に呼ばれましたので良ちゃんと共に家に入ります。

 

 お昼にポテチという雑にも程がある昼食の桃にシャミ子が手料理を振る舞うべく台所に立っていますが、楓くんはやることないので良ちゃんの隣で大人しく座っておきます。

 

 その辺に雑に転がってるステッキが気になった良ちゃんですが、魔法少女だとバレるわけにはいかない桃の手によってフライ返しとして使われフライパンくんがお亡くなりになりました。

 

 楓くんのあぐらをかいた膝に乗り込むメタトロンを撫でていると、戻ってきた良ちゃんに反応して発光し始めます…………ヌッ!(目潰し)

 

 

 ──メタトロンが発光したり喋ったりしては言い逃れ出来ないということで、桃は自分が魔法少女であることを暴露します。

 良ちゃんに対してあんなに光るということは、やはり魔法少女の素質が高いのでしょう。清子さん元魔法少女説は確定的に明らかですね。

 

 しかし良ちゃんは桃が魔法少女だったことは知っていたようです。シャミ子が黙っていたのは人には言えない方法で調略し篭絡したからだと言っています。そういうの(薄い)本で見た! と言っていますがそれのタイトル言えます? 

 

 絶対シャミ子を軍勢のトップにしたいウーマンの良ちゃんは桃が配下だと信じて疑わず、嘘をつくべきではないと思いながらも桃は良ちゃんに対して肯定します。あんな輝いた笑顔を見せられたら……仕方ないね(レ)

 

 桃はシャミ子に寝込みを襲われてるし冷蔵庫を作りおきで一杯にされてるので嘘は言ってないんだよなぁ……と思っていると、コンビニから帰ってきたらしいミカン姉貴が帰宅してきました。

 何気に良ちゃんとは初対面のミカン姉貴までシャミ子の軍門なのかと聞かれています。

 

 軍門とはなんぞやと疑問系のミカン姉貴は、桃に部屋に連れ込まれて桃色魔法少女に勝てるわけないだろ!(スマブラ)されていますね。

 何処にアイスを入れられてるのかは知りませんが、あーだめだめその声はえっちすぎます! 良ちゃんの教育に悪すぎるッピ! 

 

 妙に(なまめ)かしいミカン姉貴の声を録音しつつ楓くんに良ちゃんの耳を塞がせておきますが、少しして部屋から二人が出てきます。

 桃に調教されたミカン姉貴はよく分からないままシャミ子の軍門に下りました。

 

 

 …………あれ、そう言えばミカン姉貴の友情度が前まで2だったのにもう4になってますね。

 ……これは友情度が2.8くらいの時に映画館イベントで1.2以上増えたとかそんなんでしょう。稀によくある事なので気にしなくて大丈夫です。

 

 一旦嘘を突き通す方でやっていくことを決めたシャミ桃の裏で、良ちゃんは楓くんにロックオンしてきました。アーヤバイ! 

 

 

 軍師「お姉の軍門に下って♡」

 楓くん「………………ハイ」

 

 

 ──楓くんはもう少し抵抗して! クリスマス回の6歳児だってゾンビ相手に寒い中ライフがトゥルル(減少音)って頑張ってんだから! 

 

 ……この間まで2だった友情度が一瞬で4まで跳ね上がったんじゃが? 良ちゃんチョロい……チョロくない? おじさん心配なんですが。

 

 結局パソコンの調子が悪いのはエアコンがないシャミ子の部屋の暑さが原因の熱暴走だったようで、よく休ませるかこっちで使えばいいとのことです。ちなみに良ちゃん√では主人公くんの自室を使わせる選択肢が出てきますね。

 

 それではやることも済んだので倍速でさっさと帰りましょう。このイベントでとうとうシャミ子の友愛度が6/1になりましたが、特に変化は無いようですし……。

 

 

 ──なんで等速に戻す必要があるんですか。

 

 

 ばんだ荘に帰って来て別れる寸前、惜しむようにシャミ子が楓くんの腕に尻尾を巻き付けてきました。無意識の行動でシャミ子もよくわかっていないようですが、これこそが愛情度1になった事を知らせる行動なんですよね。

 

 だ、だーいじょうぶだって安心しろよ~! ミカン姉貴以外の愛情度が7にならない限りはまだ再走案件じゃないから! 

 

 ……それ以上にシャミ子のこういった行動は私の地雷なので楓くんではなく私に直接ダメージが来ていてわりとキツいです。

 

 そんなこんなで今partはここまで。次回で単行本2巻分は終わるでしょう……ヴォエ! (喀血)

 

 

 ◆

 

 

 桃さんから借りたパソコンの調子が悪くなって、お姉と家まで向かう為に階段を降りていると、偶然部屋から出てきたお兄と鉢合わせた。お兄は良たちに気付いて近づいてくる。

 

「あれ、シャミ子と良ちゃん?」

 

「楓くん、ちょうどよかった。桃…………ちゃんの家まで一緒に来てくれませんか? パソコンが動かなくなってしまったんです」

 

「それは大変だな。別にいいけど、良ちゃんはどう? 俺も参加していい?」

 

 お兄はそう言って良に目線を合わせてくるけど、駄目なわけがないから了承した。

 

「いいよ、お兄も行こ」

「ん。了解」

 

 お姉からパソコンが入ったカバンを受け取って、お兄が良とお姉に並んで歩く。

 暫く歩いていると、目の前いっぱいに広がるお家に到着した。

 

 まるで城塞のようなそれにお姉が入ってから少しして招かれると、中も外のように広かった。ソファの横に可愛い棒が落ちていたり変な鳴き声の光る猫ちゃんが居たりして──それからお姉が桃さんの正体を明かしてくれた。

 

 なんとなくそんな気はしていたけど、やはり桃さんは魔法少女だったらしい。

 お姉は凄い。こんなに強そうな人を配下にして、更には手料理を振る舞っているなんて! 

 

 お兄も良と一緒にお姉の手助けをしてくれたらいいのに……なんて考えていたら、誰かが家に入ってきた。オレンジ色の髪の毛をした女の人で、凄くオシャレな格好をしている。

 

「あら、その子はどなた?」

 

「この子は吉田良子、シャミ子の妹だよ。良ちゃん、この人は桃の仲間の魔法少女」

 

「そうなの!?」

 

「そうよ、私は陽夏木ミカン。良子……ちゃん? 貴女もアイス食べるかしら」

 

 そう言って2本あるアイスを割ったミカンさんに気になったことを聞く。

 

「ミカンさんもお姉の軍門なのですか?」

「グンモン? なにそれ、新しい柑橘類?」

「ミカン、ちょっと来て」

「んむむっ!?」

 

 でも、答えを聞く前に背後に回った桃さんがミカンさんを部屋に連れていった。

 

 

「──んぐー! んんん~っ!? やっ、そこにアイスは駄目! 呪いが出ちゃうからぁ!! ……なります! なんだかよく分からないけど配下になる! 配下になりますーっ!!」

 

 

 ……急にお兄が良の耳を塞いできた。声がくぐもってよく聞こえなくて、顔を上げると頬が赤いお兄が視界に入ってくる。

 

「お兄、よく聞こえないです」

「……良ちゃんにはまだ早いかな」

 

 戻ってきたミカンさんは服がはだけていて、桃さんは何故か蛇に巻かれていた。

 

「……たった今から配下のミカンです」

「み、ミカンさん……」

 

 ソファとテーブルの前の間に顔を覆いながら丸まって動かなくなったミカンさんを余所に、お姉と桃さんが台所で何かを話している。

 

 ふとお兄の顔を見上げた良は、お兄にも同じ質問をしてみた。

 

「お兄もお姉の軍門に入りませんか?」

「……俺も?」

「はい!」

「いや、まあ、うーん」

「駄目……ですか?」

 

 お兄は渋っているけど、良は是非ともお兄をお姉の軍門に入れたい。そうすればきっと、もっと楽しい日々を送れる気がする。

 

「──ま、いいか。シャミ子の配下になるのもそれはそれで悪くないかも」

 

「……! やった!」

 

 お兄の服を掴んで飛び跳ねる。良の頭を撫でる手は大きくて────もしお父さんが居たら、こんな風に撫でてくれたのかもしれない。

 

 

 

 ──パソコンの不調は良たちの部屋が暑いのが原因だったらしい。

 夕焼けが照らす住宅街を歩いて家に戻り、お兄と別れて階段を上がろうとした時、お姉の尻尾がお兄の腕に巻き付いているのを見た。

 

「……シャミ子?」

「──えっ、あれ、どうして?」

「それは俺の台詞なんだが」

 

 お姉の尻尾は感情によってよく動くから、今のも何らかの理由でそんな動きをしたんだろうと判断できる。でもあんな動きは嬉しいとか悲しいとかじゃないと思う。それよりももっと、直接的な理由があるはず。

 

 ……難しいことは帰ってから考えよう。お兄の腕から尻尾をほどいたお姉と一緒に、お兄に手を振ってから階段を上る。

 

「……あれ、なんだろうこれ」

「良子? どうかしました?」

「写真があったの。桃さんが入れたのかな」

 

 帰ってからパソコンを起動してデータを確認し、印刷してもらった書類を確認すると、一枚の写真が落ちてきた。それは見たこともない格好をしたお姉の写真で、桃さんのメモ曰くこれがお姉の戦装束らしい。

 

「お姉、戦ってるときこんな感じなんだ」

「…………おのれ魔法少女! 戦じゃー!」

「良はかっこいいと思うよ!」

 

 窓から外へ叫ぶお姉を見ながら、良はそんなお姉の後ろ姿を激写した。

 





ヒロインの楓くんへの友愛度

・シャミ子
友/6
愛/1

・ちよもも
友/5
愛/0

・ミカン姉貴
友/4
愛/0

・良ちゃん
友/4
愛/0

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